1.バルカン砲
「吸血鬼どもは我々妖怪の山、無論我々ではなく天狗だが…しかし攻撃を行ったと聞く。
我々は参戦するべきだろうか?」
「天狗どものいうことを聞く必要は無いのでは無いか?利が見出せぬぞ。」
数人の河童どもがガヤガヤと話している。
一人の少女が手を上げる。それにより場は静かになった。
「参戦するべきでは無いだろうか。」
少しの間をおいて少女は話を続ける。
「今回の戦争で我々が活躍すればさらに勢力を拡大できる。それに今回の件、放置していては我々にも火の粉がかかる。」
それにと言い、
「我々が戦う必要は無い、武器に戦ってもらえば良いのだから。」
「それに我々はあの忌まわしき月の時とは大きく変わった。今の我々なら蝙蝠風情例のブツで潰してやれるさ。」
会議は収束へ向かう。
「これより議決を取る。参戦に賛成である者。」
3人程度が手を上げる。
「参戦に反対である者。」
残りの6人は手すら上げずにその意見に黙認を示した。
会議が終わると少女は自身のアジトに向かっていった。
「ふう。」
和室でお茶を2人分汲むと一言言った。
「いるのだろう?」
次の瞬間、少女の反対側にこれもまた一人の少女が座っていた。
「ええ、もちろん。」
「で、見ていたのだろう?」
まあ、今の会議なんて見ていない方がおかしい程の会議だしねえ。河童の今後の方針を決める重要な会議だ。まあ、この化け物なら普段は気にも留めないとは思うけど。
「ちゃんと契約は履行しておいたよ。」
契約を守ることが出来ないやつはいずれ失敗するからなあ。
「ええ、それは先ほどの会議を観戦して確認しましたわ。」
楽しかったとつぶやく少女。
「あんな結末が予想された劇を良く楽しめるねえ。」
もうあの結末になることは紫との契約で決定されていたというのに。
あ、そうそう忘れる所だった。
「そうそう、例のブツを渡しな。」
契約の対価をもらわなくては。
「ええ、こちらが契約の品…月の都でも使われていた兵器ですわ。」
少女は青い図面を取り出して左手でにとりの方に押し出す。
「じゃあ、あとは私たちがこれで大暴れしてやればいいんだね?」
もう契約した時点で決まっていたことではあるけど確認はしておいて損は無いはずだ。
「ええ、もちろん。妖怪の山、いえ、あなた方の活躍を期待しております。」
少女は胡散臭い表情で笑った。
「いつ侵攻すべきかどうかとかについて何か指示はある?」
ここで相手に譲歩しておく。いいや、本質的には譲歩していないが譲歩するそぶりは見せておく。
人間社会で生きていくには譲歩は大事だからね。 幻想郷なら特に。
「天狗と歩調を合わせて進行してくださればかまいませんわ。」
「…」
まあそうなるわな、河童だけで侵攻するのは犠牲が大きすぎるし何より今回の目標達成に支障がでる。
「わかった。その指示に従っとくよ。」
さてと、この化け物と話すこと自体は利だが長々と話をすると疲れるし、向こうも他の勢力との交渉があるだろう。
「あ!鉄鋼の発注を忘れてた。じゃあちょっt「では、帰らせていただきますわ。」話が速いなあ。」
まあ、戦争に向けて事前に準備を行わないといけないことは事実ではある。
「まあ、適度に頑張るか~。」
そう口では言いながら私は例の兵器を試しに使ってみたい気持ちでいっぱいだった。
「そうと決まれば善は急げだ!早速作ってみよう!」
「というわけだ。この兵器を作っていきたいと思う。協力してくれませんかねえ。」
信頼できる仲間にプレゼンを行っている最中だ。プレゼンは大事だぞ。
「にとり、そのバルカン砲?っていう兵器はド派手なのよね?」
そう来たか。
「もちろん、妖怪の賢者様の折り紙付きだ。」
「ちなみに安全なのよね?」
「月の都でも使われてたらしいから安全なんじゃない?多分。」
少なくとも紫も無暗に敵を作ることは無いだろう。そう信じるしかない。
「ふむむ…」
妖怪の賢者様の品物だ、悩むのもh「「「「よし!善は急げだ!」」」」私の同志はずいぶん思い切りが良かったようだ。
その日はキュウリを貪る音と金属音が消えなかった。
「にとりー、このボタン押していいよね押すわよ!」
「まt、ドッカーン!!!!!!!!!!!!!、人の話は最後まで聞いてよ。」
そんなほのぼのした光景を挟みつつ。
さて、最後に私も仕事がある。天狗との話だ。
「どうも、射命丸さん。ご足労いだだきありがとうございます。」
河童の重役との会合に大天狗を呼ばないとはそうとう見下されてるな。文も大天狗に実力面では迫るとは言え、この待遇はよろしくないぞ。
「いえいえ、今回の話は吸血鬼どもとの戦争についてと認識していますが…」
「もちろん、参戦を確約しよう。しかし、河童はあまり近接戦闘が旨くないから後方支援にとどめるけどいいよね?」
射命丸の瞳に軽蔑の視線と喜色が映ったことは私にしか分からないだろう。
「あやややや、まあ構わないでしょう。いやー残念ですねえ。貴方たちが前線で戦ってくれたらとても安心なのですが、まあ仕方ないですね。」
向こうにも利があることだったので食いついてきた。予想どうりだ。
「まあ、いない方がマシという状態にはならないように頑張るさ。」
そう言い会合を終えようとした。
鋭い視線が私を射抜く。そこに、先程まであった喜色や軽蔑の色は浮かんでおらず、あるのはただ疑念の色のみだった。
私はこのままでは何かを隠したまま会合を終えると確信したのか話しかける。
「本当にそれでよろしいのですか?天狗としては申し分ない条件ですが河童が呑むとは思えなかったのですが…。」
本音を混ぜてくるのは本当に天狗らしい。
であれば私も本音を混ぜて返してやろう。目には目を歯には歯を
「まあ、河童も馬鹿ではない。人間が使っていた火縄銃の性能を高めた物を用意して白狼天狗の援護として使ってみようと思っている。」
射命丸は私の何倍ものスピードで思考を動かしているようだ。
さて、
「…わかりました。」
納得してくれたようだ。
「今のことを大天狗様に報告しないわけにはいきませんがそれでいいでしょうね?」
まあ、別にこの程度の情報、逆に渡した方が河童にとっては利益が大きい。
承諾するとしよう。
「まあ、構いませんよ。」
そして文の雰囲気がガラリと変わった。
「やはり、また何か悪だくみをしてるんですか?」
「いやいや、私、悪い河童じゃないよ。」
「詭弁ですね。」
ぐ、痛いところを突いてくるじゃないか。
まあ、悪だくみというか陰謀をしているのは事実なのが少し質が悪い。
「天狗としてあなたを応援することは出来ませんが。気を付けてくださいよ。」
はいはい。
「ありがたく受け取っておくよ。」
さあ、戦争の時間だ。
文との会話の改善を行った。