キュウリと陰謀   作:布団は吹っ飛ぶのか

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これからも週1くらいかな。


吸血鬼と河童とそれから八雲

バルカン砲の輸送には時間を要した。

 

それはそうだろう。何せ玉などを含めたら150kgは超えるのだから。

 

しかしそこは妖怪。弾丸も含めておおよそ1時間で現場に到着することができた。

 

八雲紫が何故戦争の場所を知っているのかについてだがまあ、間者だろう。それも特大の。

 

最高レベルの軍事機密を知るものがただの間者な訳が無い。

 

そのため、河童は臨戦態勢を整えバルカン砲や機関銃などを整えた陣地を構成することができた。

 

十中八九ここに仕掛けてくれるだろう。

 

しかし、劇にはクライマックスという物がある。

 

最初から最後まで我らが活躍しては流石に天狗からの反発が予想され、さしてそれは我らが望むことではない。

 

そのため、これらの陣地を攻撃するタイミングも素晴らしく良いものとなるだろう。

 

 

 

「にとりー」

 

「なんだい?」

 

「この噴水は何?」

 

「砲台保護用さ。」

 

「河童であれば誰でも出来る防衛方法を使うのね。」

 

「御名答」

 

さて、私も天狗共の会議に参加してくるとしよう。

 

会議をするならば他の勢力とも行うべきだと思うのだが。

 

それだから足を掬われるのだ。本当に月のようだ。

 

それはさておき

 

 

 

今回の戦争は天狗も乗り気であるようで、大天狗が一人と射命丸が派遣されてきた。

 

おそらく相手を見下しつつ天狗の権威を知らしめるためだろう。

 

まあ、普通の敵であればこれでオーバーキルだが果たしてどうなることやら。

 

 

 

「では会議を始める。」

 

そう鞍馬天狗が話す。 

 

そうそう、大天狗って言うのは8種類いてどいつもこいつもとんでもないやつの集まりだ。

 

この鞍馬天狗は軍事を司っている。

 

これは仕留めに来てるな。

 

「事前に合意している内容であるが再度話そう。」

 

「まず、鴉天狗と私が先行し地上では白狼天狗が鴉天狗に続いて進行を行う。敵は要塞に籠もっているため力攻めすれば多量の損害は免れない。よって敵を退却するふりをすることでおびき寄せ、包囲殲滅を行い城を陥落させる。」

 

続けて

 

「河童には白狼天狗の支援を行ってもらいたい。」

 

 

 

うーん、あからさまに天狗だけで成果を独り占めしようという気しかしない。

 

私としてはこうやって舐めてもらった方が都合が良いが、不満に思っているふりをしなければ、不審に思われる。そしてそれは河童の望むことではない。

であれば、どうするべきか。不満に思っているとハッキリ言ってもいいが、それも衝突を招く可能性がある。

うーん。やっぱり私こんな役目向いてない。仲間と機械いじりしていたいのに。

まあ、現実逃避してもしょうがないよね。

そうだな…河童は天狗を脅威と思っていると思ってくれた方が都合が良い。

相手がギリギリ飲めないくらいの条件にして、そこから後方支援役という立場まで権力を後退させたい。

では…

 

「少し提案があります。」

場が静まり返る。

 

「我々河童も、妖怪の山に貢献したいと考えているのは皆さんお分かりの通りでしょう。」

自分で言っていてあれだが、凄く胡散臭い。

 

「我々河童も、妖怪の山に貢献できる手段を愚考したところ、我々の所有している四輪車であれば両翼包囲を行う際に、素早く展開することが出来、後方支援にとどまらず、攻撃的な支援も可能だと見込まれます。」

 

「その役目を頂くことは可能でしょうか?」

 

もちろん、相手が受け入れるとは思っていない。両翼包囲を行う部隊は、古代から機動力の高い部隊が尊ばれてきた。

ハンニバルだって、 騎兵 歩兵           歩兵 騎兵

                 歩兵    歩兵

                    歩兵

以上のような形で部隊を配置していた。(PC版です。多分スマホは無理。)

それを早いとは言え四輪車でやらせる指揮官はいるだろうか?

普通に天狗に任せた方が良い役割である。

恐らく普通であれば、何言っているんだコイツと思われること間違いなし。

しかし、私たち河童は軍事にはあまり詳しくない。だから可哀そうなものを見る目を差し向けられるくらいで許される。

 

「…すまないがその提案を受け入れることは出来ない。何故なら、方位をする部隊は出来るだけ足が速い部隊が望ましく、そしてそれは鴉天狗が最も適していると考えている…。何か意義はあるか?」

 

「なるほど、そういう為だったのですか。すみません。私の勉強不足で。」

よし、上手い感じに妥協できた。

 

「では会議を終了する。各員持ち場に着くこと。」

そういえば今回、博麗の巫女も参戦するらしい。あいたくない。

地図

               八雲紫・八雲藍

森森森森森森森森 八雲 八雲 八雲 八雲 八雲 八雲 博麗 森森森森森森森森森森

森森森                            森森森森森森森森森

森森    吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼   森森森森森森森森

森                紅美鈴             森森森森森森森

森             レミリア・スカーレット              森

森                                      森

森                                      森

森                                      森

森             紅魔館                      森

森             紅魔館                      森

森             紅魔館                      森

森        パチュリー・ノーレッジ                   森

森森    吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼 吸血鬼  森

 

      天狗 天狗 天狗 天狗 天狗 天狗 天狗 天狗 天狗 天狗

           河童 河童

 

       森森森森森森森          森森森森森森森森森

      森       森          大天狗+天狗本陣

      森 河童基地  森

戦争が始まった。作戦開始時間を過ぎた3秒後、数多の鴉天狗が先行し、吸血鬼との戦闘を始めた。

 

「おい、あの天狗どこに行った⁉」

「残念後ろですよ。」

その瞬間、その吸血鬼の首と胴体は離れ離れになり永久に再開することは叶わなくなった。

 

「なるほど…スピードではギリギリ私達のほうが上ですが…」

 

「死ねい!!」

 

「アイツを落とせ!」

 

「力などは私達にも並ぶものがある。…脅威ですね。」

本人が話したその瞬間にも扇が振るわれ数人のコウモリが地に落ちる。

ハッキリ言ってここまで活躍している彼女は異常であった。

 

「そろそろ、私への注目も集まったことでしょうし撤退しますか。」

聴力に優れた妖怪ですら聞こえない声で一言呟くと、吸血鬼を何人か上空に扇を使って吹っ飛ばすと河童製の即席花火を打ち上げて後方へ撤退を開始した。

 

普通の司令官ならばここで何か意図があると踏んで躊躇するところであるが、指揮官が悪かった。

 

「あの鴉天狗は脅威よ。アレを追って進撃しなさい。」

そういうと魔法を組み立て鴉天狗に対して攻撃の指示と支援魔法の展開を行う。

 

そう、司令官は魔法使いであった。それに悪い司令官でもあった。少なくとも天狗に取っては。

 

「あやややや、ここまで作戦通りだと若干気持ち悪いですね。」

そう言いながらも彼女の人間の数倍早い頭脳は敵に意図があるとは感じることができなかった。

おそらくそれは司令官が魔法使いであることも影響しているのだろう。

 

「あと二町ほど敵が近づいたら敵の後方を食い破って包囲を行う!」

大天狗は自信満々にそう叫ぶ。

いや、誤りがあった。

大天狗は表面上自信満々であるが、実際のところ順調すぎる状況に何者かの意思が介在している可能性を常に考えざるを得なかった。

しかし、彼は軍事部門の担当であった。

飯綱丸龍らの外交部門とは違ったのだ。

 

「今だ!」

鞍馬天狗が叫び、彼の従者と彼は射命丸に迫るスピードで敵の側面を攻撃した。

 

「我、一番槍!」

「あの分隊司令官をやれ!」

「退却の許可をくれ!」

 

「ふん!」

鞍馬天狗が槍を振るう。

それにより彼の周りに迫っていたおおよそ10人の吸血鬼は動かなくなった。

「ふん!!」

彼は槍を振りかぶり、吸血鬼の脳天に直撃させた。

 

「ここまで順調だと不安になる。」

そう言いながらも槍を振りかぶりそして、眼の前には鴉天狗がいた。

「包囲は完成したが…」

不安だ、とは言わなかった。彼は指揮官だったからだ。

しかし、彼は得体のしれない不安に襲われていた。

 

「さてと…よし、一夜城計画開始!」

そしてその不安をもたらす計画が始まる。

 

ウィーンウィーンウィーン

機械音を立てて大きなハリボテの城が出来上がる。

それは河童の技術力で可能にしたものだった。

 

「にとり、これで本当に騙されると思う?」

 

「ふっふっふ。大丈夫。絶対にこの城に攻勢をかけてくれる筈。」

 

「何か確信できる理由でもあるの?」

 

「あるさ。」

八雲紫との協定がこれを可能にしてくれるはずだ。

 

「そこが敵の拠点よ。攻撃しなさい。」

そんな声が聞こえた気がした。

 

「八雲も、しゃれた真似をしてくれる。」

少し笑顔を浮かべつつ、一言話す。

 

「バルカン砲陣地、発射用意!」

 

それから、何秒後に敵が襲来したのかは私は覚えていない。

しかし、

 

「こいつら弱いらしいぞ!」

「一番乗りだー!」

「あの司令官を潰せ!」

 

その声を聴いた瞬間、放すべきことは一つだった。

「バルカン砲発射。」

 

その瞬間、空が赤く染まった。

 

そもそも妖怪は肉体的な生物ではなく精神的な生物だ。

しかし、人間の認識により肉体を所持する。

そして、人々が肉体を破壊されると妖怪は死ぬと認識しているため妖怪は物理攻撃で死ぬのだ。

つまり、何が言いたいのかというと。

 

「ギャ」

「押すな!」

「ウガー」

吸血鬼にバルカン砲を当てると吸血鬼は死ぬということだ。

 

「ふう、中々の出来だね。」

少女は微笑む。

 

しかし、その認識は誤りであった。

 

「なんだ、この程度の弾幕、弾けすらしないのか?」

 

中小妖怪に効果は有れど大妖怪には効果がない代物だったのだ。そして、一人の吸血鬼が槍を振る。

 

「な!?」

少女は驚く。まあ、無理もない。数多のバルカン砲が文字通り切られて機能停止したからだ。

 

「部下をたくさん殺されたお礼だ。名乗ってやろう。」

 

「ノスフェラトゥ·スカーレットだ。エンマサマとやらに会う前に覚えておけ。」

 

その吸血鬼は凄まじかった。並の鴉天狗を一発で倒すほどの身体能力と天狗に匹敵する飛行能力。

まさに宇宙の悪魔だった。

 

「地形破壊はやめておくよう言われたけどこちらも切り札を切るしかないよね!」

少女は最後の手札を切る。そして地獄の門が開かれた。

 

「なんだこれ?」

「水じゃないか!?」

「流水は苦手なのに…」

「傘をさせ!」

噴水から大量の水が吹き出した。

だがそれは序の口だった。

 

「おい!?なんで俺等の周りに結界を張るんだ!?」

「味方じゃなかったのか!?」

「裏切ったのか!?」

計画通りまずパチュリーが吸血鬼の周りに事前に準備していた結界を貼った。

 

「噴水、最大出力!」

そして少女の一言により地獄…吸血鬼視点ではあるが完成する。

 

その瞬間、噴水が文字通り爆発し、水が吹き出る。

その爆発だけで大きな穴が開くほどだ。

河童は何故か持たされていたプロテクターで耐えることができたが、弱小吸血鬼はこの爆発の余波だけで倒されるほどだ。

 

そして、結界の内部は水で満たされた。

 

そして、ここからが本番であった。

河童が得意な戦場は水中。

 

「モゴモゴモゴモゴモゴモゴ…ギャ!」

「モゴモゴモゴモゴ…グ!」

吸血鬼を確実に刈り取っていく。

 

しかしその中でもノスフェラトゥの力は凄まじく結界に近づき、結界を破壊しようとしている。

 

「パチュリーめ、裏切ったか。まあ、でもあと2分あれば結界も破壊できるな。」

ちなみに今の独り言もすべてモゴモゴに変換されている。

 

「させるか。」

河童は水中でもしっかりと会話できる。

 

急激にノスフェラトゥに鋭利な水流が押し寄せる。

 

「何だこれは?」

もちろん聞こえていない。モゴモゴとしか聞こえていない。

 

そして、反撃使用としたとき、既に河童にとり囲まれ水を操る程度の能力により体を八つ裂きにされた。

意識がなくなっていく中で彼は思った。

 

「芥川竜之介の本で読んだ気がする。」

勿論違う。

 

「よし、敵の殲滅を完了した。水をぬk、ドバー…」

 

「にとりー、魔法使いが結界壊しちゃった。」

 

少女は空を見上げた。

 

「成果を河童に取られたか…仕方あるまい。紅魔館へ攻撃してこちらも成果を出すぞ!進撃開始!」

鞍馬天狗は叫ぶ。

 

しかしその時、

「吸血鬼から和平の提案が届きました。私達は受けたいと考えています。」

予定通りの事象が発生した。




長くなった。
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