キュウリと陰謀   作:布団は吹っ飛ぶのか

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ほのぼのについて見識を深めてきた。
いわく、ひらがなをつかいわらいながらこんぼうをふりまわすことらしい。


シロ

幻想郷に冬が来た。

冬になるとどういうことが起こるか?自明だ。

農業が出来なくなる。燃料の消費量が増える。食糧は貯めてあるものを食べるようになる。

雪が降る。妖怪の活動も多少は低下する。

 

しかし、以上の問題は人間だからこそ起こりうる問題だ。

つまり何が言いたいかというと、

 

「にとりーそこにHClこぼしちゃったから気を付けてねー。」

「もう既に足を突っ込んだので気を付ける余地が無いんだなこれが。」

「すまんて。」

 

妖怪どもはいつも通り過ごしているということだ。

しかし…

 

「にしても今年は冬が長いよね。」

「それはそうだよね。」

何ということだ例年より冬が2ヶ月位長いのだ。

え?つまり何が起こるかって?

燃料の不足に食料の不足、稲などを育てることも難しくなり人里に大打撃が起こるのだ。

全く、異変を起こすやつの気がしれないね。

 

しかしだ、逆に言うとこれは…

「にとりさん、顔がゲスくなってますよ。」

「そんなことはないさ。」

 

「ただ、今の人ごとで食料や燃料を売れば良い外貨獲得チャンスだと思っただけさ。」

 

「にとりさん…人はそれを悪徳商人と呼ぶのですがそれは…」

 

「なんとでもいえ、キュウリを大量に売れるのだぞ。」

 

「にとりさん、貴方のきゅうりに対する真摯な思いに感服しました。一生ついていきます。」

 

うむうむ。

 

「次に燃料についてだけど、人里に供給する木を妖怪の山から拠出すると、クレタ島のように衰退の原因となり得る。すると…」

 

「じゃ、にとりさん。」

 

「なんだい?」

何か良いイデアがあるのだろうか?

 

「人里近くの木を全部切り倒してしまいましょう。」

 

「うわあ…」

それは私でもちょっと。

 

「あの悪徳商人かつ黒幕かつ悪のにとりさんにドン引きされた…ダト!?」

 

「いやあ、ねえ人里が弱り過ぎたら私達にも利益ないよ。パワーバランス壊れるよ?」

何故だろうさっきまで60cmくらいしか空いていなかった感覚が今では既に150cm程までに伸びている。

気のせいだと思いたいがおそらく気のせいではないのだろう。

なんで相手のしたことに引いたら逆に引かれるのだろうか?

私、普段そんなひどいことしてるかな?

 

「それはそうなんだよなー。」

とりあえず考え込んでみる。

 

「せや!いい案がある!」

 

「どんなアイデアで?」

 

「アジトで使用している燃料を人里に回してアジトの電力を水力発電に切り替えよう!」

 

 

「なるほど灰色じゃなくて黒色の脳細胞で考えたにしてはいい案ね。」

 

そうだろう、そうだろう。

 

「じゃあ、さっそく許可取ってやっちゃいますか。」

 

ん?ちょっと待て。

「なんで許可を取る必要があるの?こっそりやればバレないよ。」

バレなきゃ犯罪じゃないと外の世界でも言われているし。

 

「」

どうやら言葉を失うほど素晴らしい案だったらしい。

 

「儲かった分は折半しよう。何なら契約書書いてもいいぞ。」

 

物凄く悩んでいるようだ。

恐らく彼女の頭の中では、天使と悪魔がジャンケンで勝負を付けようとしているのだろう。

 

「いいわ。折版なら呑む。」

 

「よし、じゃあダムはダメだから小型の施設をこっそり追加しておくか。」

 

「でもさ、金属とか高いよ。あの黒いドラゴンイーターから買うのが一番安いと思うけどそれでも高いしかといって、労働組合の金を使うのはさすがに…。」

 

「うむ。自費じゃ無理な金額になってしまう。」

「そこで、とある人から借りてくる。」

 

「それって大丈夫?」

 

もちろんもちろん。私に不可能なことはない。

その為、頭はブンブン上下に振っておく。

 

「…まあ、ならいいんじゃない。借りておいて。」

彼女はため息をつく。

 

「あ、そうそう借金も折版だよ。」

 

「まあ、なんとなくわかってたわ。」

 

「話が分かるねえ。」

 

「とっとと借りてきなさい。」

仕方ないねえ。しかし、大丈夫かしら。今回の事業、成功したら大儲けだけど失敗したら私がとんでもない債務を負うことになる気がする。しかし、そこは大丈夫だ。河童の強大化は喜ばないが弱体化も好まない賢者様が何とかしてくれるでしょう。

 

 

自室に帰って鍵を閉めて盗聴器が無いか確認して外の監視カメラの映像をひとしきり確認すると一言放つ。

 

「いるのだろう。」

 

「ええ、もちろん。」

 

「十中八九、私の頼みの内容は分かっているだろう。金を貸してくれないだろうか?」

大儲けしたいのだ。

 

「いえ、私と言えどもできないことは多いですわ。何故お金を貸す必要があるのでしょうか?」

 

「それを説明させるのか…。」

ここで皮肉を一つ言ってやりたいものだが金は貸す人が偉くて借りる人は偉くないのだ。下手に出るしかない気がする。

 

「今回、河童は人里に食料や燃料を販売して人間を救済しようと考えている。そして、燃料の調達の為に河童のアジトを改築したい。しかし資金が足りない、河童には。よって、あなたから資金を融資していただきたいとかんがえています。どうか融資をお願い致します。」

 

河童は金属を加工するばかりで貯蔵することは学ばないからなあ。

 

「…わかりました。融資しましょう。」

 

いやー妖怪の賢者様も大変だわ。異変で人里が弱体化しないようにお金をわざわざ貸さなきゃいけないとは。

 

「利子は低めにしておきますね。」

 

ここまで譲歩されたら貸しが増えすぎてしまう。まずいが、この流れは好都合だ。

 

「純利益の1/3くらい包むから低くお願いします。」

 

これくらいなら貸しは許容範囲だろう。

 

「わかりました。では、」

 

目の前に大量のお菓子の箱がおかれる。

 

「おぬしも悪よのう。」

 

「妖怪ですもの。」

つれないなあ。

 

 

「さあ、金は用意したから水力発電施設を作るぞ。」

 

「ばれないようにね。」

 

「設計図は先に作っておいたからこれ通りに作るぞ。」

 

「ふむふむ、今回はダムじゃなくて小水力発電を何個か地下に作るシステムなのね。」

 

「勿論。ダムなんて作ってたらすぐばれる。」

 

「で、火力発電室に関しては、燃やしているような幻覚を見させて燃料を投入させるけどその燃料は人里にパイプで送られると。」

 

「すごいだろう。」

 

「ここまで露骨に犯罪をしていると悪について悟りが開けそうになる。」

 

「ばれなきゃ犯罪じゃないということかい?」

「天使る地知る我知る人知る。」

 

「ごめんて。」

 

「まあ、それは兎も角さっさと作っちゃいますか。」

 

ハンマーを片手に話しかけてくる。

 

「そうしますか。」

 

 

「にしても、キチンと完成しましたな。」

 

「ね。」

 

「後は人里に売りつけに行くだけ?」

 

「そう。でも十中八九燃料不足になっているだろうし、売れると思うけどね。」

 

「じゃあにとり行ってらっしゃい。」

 

「なんで私が行く流れになっているの?」

不思議でたまらない。

 

「それはもちろんあなたが私よりゲスイからよ。」

なんでやゲスイの関係ないやろ。

 

「いやいやいや。ワタシ ココロ キレイ ワルクナイ ワカル?」

 

「さっさといけ。」

 

「ハイスミマセン。」

 

茶番は終わりにして出来るだけ高値で売りつけたいよなあ。

 

 

 

人里で権力を握っているのは稗田家だ。

こういう商談の時、私たちが余った燃料を販売すると利権がらみで敵対される可能性や不審がられる可能性があるので、稗田家を通じて売るのが賢いと判断した。

 

「手紙は既に送って商談に関して話し合うことに決まった。」

ぼそっとつぶやく。

「燃料の商談に参りました。」

 

門番の男に送られてきた手紙を見せる。

 

「確認してきます。」

 

人間はせわしないなあ。それがいいんだけど。

 

「確認が取れました。どうぞお入りください。

 

部屋に入ると少女が座って待っていた。

 

 

「どうも、河城にとりと申します。」

座ってすぐ挨拶を行う。

 

「どうぞお越しくださいました。稗田家当主の稗田阿求と申します。本日は、燃料と食料についての商談だと認識していますが相違ないですか?」

 

「相違ありません。」

一応、河童と人里の友好の意思も込めて敬語を使っておく。

 

「資料を持参しているのでどうぞご確認ください。」

 

「なるほど…。」

素早く取引額とそれの対価として供給される燃料の量と食料の量について確認しているようだ。」

 

「これらの燃料と食料はいささか割高だと感じられるのですがそこについてどう思いますか?」

 

「河童の技術をもってすれば冬に西瓜を育てることも可能です。しかし、やはり自然の理を外れるということはそれ相応の対価、つまり電気だったりと必要な資源がかさみます。そのてんを考慮すれば多少割安にしているつもりなのですが…。」

 

「勿論、その点については分かっております。冬にこれだけの食料を搬入していただけるということは非常にありがたいことです。」

しかしと言い。

 

「この値段では食糧を変える者も少なく、こちらも採算が取れません。」

 

暗に値段を下げろという発言。しかし、これも想定済み。というかこちらが譲歩したという事実を作るためだけに値段を高く見積もってきたのだ。

クズとか畜生とかいろいろな声がどこからともなく聞こえてくる気がするが多分気のせいだろう。

 

「わかりました。値段を4/5まで抑えましょう。」

 

「6/10でどうでしょうか。」

 

「2/3が限界ですかね。」

気迫でこれ以上は妥協しないということを伝える。ちなみにこれで断られた場合、私は八雲紫にとんでもない債務を負い、50年くらいは馬車馬のごとく働く必要がある。

 

「わかりました吞みましょう。」

ため息をつきながらそう語る。

 

「では、頭金の支払いを…。」

 

 

「で、にとりさん。商談の方は如何だったので?」

 

無言で頭金を見せる。するとみるみる顔が丸くなっていく。

 

「ぼろ儲けとまでは行かなくても十分採算がとれるくらいには儲かった。」

彼女に渡す分の金をドンとおく。

 

「やった!にとり、愛してる!」

 

ちなみに今支払った金額は

 

純利益-借金返済の為の金額×1/3であり、彼女は喜んでいるが、1/2ではなく1/3であることを知ったら烈火のごとく怒るだろう。

 

ちなみに残りの2/3は、八雲紫と私で分割。つまり、一番今回儲かったのは八雲紫なのだ。

 

「じゃ、パイプつなげるのと食料を運び込んだら終わりだね。」

 

「よし、とっとと終わらせて金を買いに行こう!」

 

「電子部品のロマン化には必須だからねえ。」

 

ちなみに、その後割とすぐ異変は解決され、継続して利益を得ることは不可能だった。

 

残念。




天使る地知る我知る人知る。
悪いことはしてはいけません。
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