時々ソシャゲが出来なくなる病に冒されているので、ブルアカを開くことすら苦痛になる瞬間があります。まあそのうちやる気は起きるのでイベストは見るとは思いますが。難儀な体だぜ全く。
それと、アリスク所属エイハブ船長とかいう概念を書きたいと思いながら書ける気がしないので、これを見て下さってる人にぶん投げようと思います(他力本願寺)。
戦いの狼煙となった、アルの銃撃とそれに対するキムサッガッの剣撃。
その結果は、互いに衝撃を与えるものだった。
「(今のを片腕で弾いたの…!?)」
生身の人間相手の為に多少手加減をしていたとは言え、腕一本なら確実に持って行けたであろう狙撃を、真逆に弾かれるとは思ってもいなかった。
「(弾くので精一杯とは…!)」
逆に、キムサッガッからすれば、弾くだけで精一杯な今の一撃は賞賛に値するものだった。
都市には狙撃銃というものが殆どない上、倫理規定によってその威力はお粗末なものである。
それ故に、今の一撃は都市でもそう受けることがない。
「ー見誤っていたな。」
「…本気を出さざるを得ないようね。」
互いに、もはや手加減する要素は無くなった。
呼吸を整え、思考を研ぎ澄ませる。
刀を水平に構え、只一つの目標、奥に構える狙撃手に視線を合わせて腰を落とす。
「ーー参る!」
施術によって鍛えられた脚力による刺突。
並の人間には見切れない速度で放たれた一撃はー
(カキィンッ!)
「さ、させませんっ!」
ハルカの銃身によって防がれてしまった。
余りの衝撃に体が吹き飛びそうになるのを堪え、突き刺さった刀を押し除ける。
そして、次の一撃が振り下ろされるよりも早く、その銃口はキムサッガッに向けられていた。
「し、死んでくださいっ!!」
彼女たちの邪魔をする「害虫」を駆除する為の散弾銃。そこから繰り出される、神秘の込められた連続射撃。
本来なら彼女を葬るために振られた刀は、その攻撃を弾くためのものになった。
それでも、幾らかは弾けずに彼の肉を抉った。
「ぐっ……!」
脇腹から血が流れ出しながら、痛みで思わずよろけてしまう。
この機を逃すまいと、ハルカは更なる一撃を加えようとしたが…
「こっちよ!!」
横から差し込まれた、セリカによる乱射に対応出来ず、威力の増幅された弾丸をもろに受けてしまった。
その瞬間に出来た隙を、キムサッガッが見逃す訳がなかった。
一撃、ただ刀で斬り上げる。
「わ、私の銃が…!?」
たかが一撃。だがそれは、ハルカから銃を刈り取るには十分すぎる力を持っていた。
不意のことで一瞬動きの止まった彼女に、すかさず蹴りを入れて大きく体を蹴り飛ばす。
「うぅ………。」
「これで最後だ。」
吹き飛んだ彼女に駆け寄り、とどめの一撃を刺そうとした。が…
「やらせないよっ!!」
不意に飛んできた爆薬によって、大きく体を吹き飛ばされてしまった。
そして、着地地点には…
「プレゼントだよ、覚悟してね?」
大量に仕掛けられた地雷。このまま着地すれば、被害は免られない。
しかし地球の摂理には敵わず、なす術もなくキムサッガッの身体は地面に落下していく。
直後、キムサッガッは爆音と共に大量の砂煙に包まれた。
★ ★ ★ ★ ★
「あはっ、やりすぎちゃったかな?」
遠くに見える、大量に巻き上げられた砂煙を見ながらムツキは一人ごちた。
神秘を持った生徒ですら吹き飛ぶ程の地雷。あれで戦闘不能になっていない方がおかしいだろう。
あのまま近付かれてたら、アルは危なかっただろう。それは彼女が望んでいることではなかった。
気を取り直して、他の脅威に目を向ける。まだ戦いが終わった訳じゃない。
直ぐさま爆弾を取り出して、次の目標に投げつけようとする。
…後ろから迫る影には、遂に気付くことができなかった。
「…っ!ムツキッ!!」
アルの声と銃声によって、咄嗟に後ろを振り返る。
そこには、先ほど爆破させた筈の男が、すぐ後ろでアルの銃弾を弾いている姿があった。
「アレを耐えられたの、スゴいね?」
あくまで表面上は冷静に、しかし内心は焦っていた。
まさか、戦闘不能になったと思っていた人間がこうして目の前に立っている。それも、体に傷一つなく。
あの瞬間、キムサッガッは地面に刀を刺し、それを支えに着地地点をズラしていた。
ギリギリ地雷は起動してしまったが、爆風程度なら服で防げる。
確実に彼を仕留める地雷は、かえって彼の生死を判らなくさせていたのだ。
無駄話は不要だと言わんばかりに、男は傷ついた刀を勢い良く振り下ろした。
咄嗟に銃身で防ぐが、もはや銃が叩き折れるレベルの一撃に、思わず身を退いてしまった。
その瞬間、男は刀を納刀した。その行動の意味を、ムツキは理解していた。
依頼主から見せられた映像で、戦車を両断する時に取っていた行動。あの一撃が、次の瞬間には彼女を襲うだろう。
それを防ぐべく、爆薬の入った鞄をキムサッガッの周囲にばら撒き、銃を乱射する。
しかし、銃を撃たれるよりも早く、一つの鞄はムツキに向かって蹴り飛ばされた。
「それは返そう。受け取れ。」
その言葉と共に、互いの周囲で大きな爆発が起こった。
「けほっ、自分の爆弾を喰らうのは初めてだな〜、なんて…」
諦めたように独り言を呟く間にも、目の前の男は急速に自分の元に向かっている。
絶体絶命。その言葉がこれほど以上に似合う状況は無いだろう。
瞬く間に男は目と鼻の先にまで辿り着き、納めていた刀に手を掛ける。
その威圧感は、それだけで死を覚悟させるものだった。
「(ごめんね、アルちゃん…。)」
心の中で、決して届かない謝罪をする。あの一撃を受ければ、例え神秘があろうとひとたまりも無いだろう。
「さらば。」
低く、相手を慈しむような声で男がそう漏らす。それが、彼なりの敬意を表れなのだろう。
目を閉じて、覚悟を決めた。
「させないわよっ!!」
直後、その声と共に、男の脳天目掛けて銃弾が炸裂する。
銃弾それ自体は一撃で両断されたが、それによってあの技が出される事は一先ず無くなったようだ。
更に、畳み掛けるように拳銃が背後から数発発砲される。
「ぐっ…!」
骨断を振るった直後のせいか、反応が一瞬遅れて弾き切れずに右肩に一発貰ってしまった。
痛みで刀を落としそうになるのを堪えながら、キムサッガッは咄嗟に後ろに下がった。
「ムツキ、立てる?」
「う、うん、ありがとう…。」
差し伸べられた手を取って、ふらつきながらも立ち上がる。
けれど、急速に感じた死の気配は振り払えない。未だに、銃を握る手が震えている。
「何よムツキ、あなたらしくないじゃない?」
後ろから、カツカツと近づく足音が聞こえる。声の主はアルだった。
「アルちゃん…。」
「いいかしらムツキ、私たちは冷酷無慈悲なアウトローなのよ。
仲間を傷つけられて、ピンチに陥って、それでも立ち上がる。
それが、アウトローなんじゃ無くって?」
アルのその言葉は、一見すると無茶な論理で成り立っている。
けれどそれは、今のムツキを奮起させる、最高にアウトローな言葉でもあった。
「うん、ありがとアルちゃん!」
そう言いながら、三人は一斉に銃を構え直す。向かい合っていた男も、傷ついた肩から手を離し、刀を構える。
「さっきは良くもうちの社員を傷つけてくれたわね?」
「社長、あまり時間もない。さっさと片付けよう。」
「さっきのお返しに、たっくさん爆破させてあげるからね!」
「ーーでは、参ろうか。」
体を縮め、上段に構えた刀を一気に突き出す。刺法と呼ばれる剣術は、カヨコの銃弾を弾き彼女の脇腹に深く突き刺さった。
「…っ掛かったね…!」
「何っ…。」
瞬間、カヨコは刀身を握りしめて抜かせないようにした。
それを逃すまいと、横からムツキの爆弾が飛んでくる。
爆風と共に、物陰から手ぶらのキムサッガッが姿を現した。刀が抜けないと判じるや否や、彼は直ぐさま手を離して物陰に身を隠していた。
武器が無くなったことが分かった瞬間、アルの狙撃が彼の頭目掛けて飛んでくる。
咄嗟に身を屈めて避けながら、その勢いのまま一気にカヨコの元に近づいた。
カヨコも負けじと拳銃で撃ち抜こうとするが、引き金を引くより早くキムサッガッの手が彼女の手首を掴んだ。
そのまま捻られ、痛みで拳銃を落としてしまった。その隙に、拳での一撃を胴に当てる。
「かはっ…!」
カヨコが仰け反る間に地面に落ちた刀を取り、血と砂を振り払う。
「カヨコッ!…私の社員に手を出すなんて、許さないわよ!!」
啖呵を切り、引き金に指を掛けて構える。
ここまで散々に荒らされ、社員を傷つけられた恨み。それらが籠った最後の一撃。
きっと今までで最高火力の攻撃が来る。直感でそう感じ取り、それに応じるように呼吸を整え上段に刀を構える。
「喰らいなさいっ!!!」
その声と共に、引き金は引かれた。
(カチッカチッ)
「あ、あれ?」
(カチッカチッ)
引き金を引く音だけが虚しく響く。目の前の男を屠る一撃は、いつまで経っても撃ち出されない。
「た、弾切れ……??」
「…あちゃー。」
遠くでタイムリミットを知らせる鐘の音が響き渡る。
アルは決め切ること無く、茫然自失と固まることしか出来なかった。
戦闘描写、難しい、ムズカシイ…
次回から更新頻度、上げていきたいです。上がったらいいなあ…(遠い目)
評価感想よろしくお願いします。