笠から覗く青空に   作:ひいろの鳥

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エンドゥことお頭ぶっ刺しウーマンのスキンmodがワークショップにあったので初投稿です。
エンドゥにサッガ先生のコアぺをつけて遊んでいます。骨断つおい…つおい………

それと呼吸に関して色々意見を貰いました。ちゃんと考えずに適当に投げたものだったので「皆んないっぱい考えてる…しゅごい……(IQ3)」となりました。



奢り奢られ

先生に見守られながらホシノとの鍛錬が終わり、暫くするとシロコが学校にやってきた。

それに続いて、ノノミ、アヤネと学校に来たが...

 

"あれ、セリカちゃんは?"

 

一人欠けている。道中で襲われているのかと思ったが、どうやら違うらしい。

 

「今日は自由登校日なんです。」

 

「だから学校には来てない。」

 

なるほど、今日は別の場所で他のことをしているのだろうか。

なら彼女たちは何故学校に来たのか気になるが...そういうものなのだろうか。

 

"セリカちゃんは今日何してるんだろうね?"

 

「セリカちゃんなら多分バイトかと~☆」

 

バイト...仕事か。裏路地では小銭を稼ぐ為に内臓を拾い集めるバイトなんかがあったが...この世界でそういうものはないと思いたい。

それに、あったとしてもそんなものに首を突っ込むと大抵碌なことにならない。セリカにはある程度日の目を見れることをしてもらいたいが...

 

「セリカちゃんのバイト先、多分分かるよー。」

 

そんな私の心を見透かすかのように、ホシノは言い放った。

 

「折角だし、お昼頃に皆で食べに行くー?」

 

「料理店なのか?」

 

「どんな所かは行ってからのお楽しみかなー。」

 

一先ず命の憂き目に会うようなものではないようで安心したが、料理と聞くとどうしても警戒してしまう。

理性が一瞬で否定したが、それでも頭の片隅には最悪の可能性(人肉料理)がチラついていた。

私自身は腹に入れば何でもいいが、彼女たちは別だろう。

 

...それに、それ以外にも問題はある。

私はこの世界の通貨を持っていないのだ。

 

「...なあ、先生。少しいいか。」

 

小声で先生を呼び、改めて伝える。

 

"どうしたの?"

 

「その...言い難いのだが、この世界の通貨を持っていなくてな...。」

 

"あー...じゃあ今日は奢りかな。"

 

「それは...大丈夫なのか?」

 

"使ってなさ過ぎて余ってるし...。"

 

そういえば、左議政様も同じようなことを言っていたような気がする。

そのお陰か私に入ってくるのも多少多くはあったが...私も私で使っていなかったな。強いて言うなら刀の整備ぐらいだろうか。

 

「申し訳ない...。」

 

"謝らなくてもいいよ、元からそのつもりだったし。"

 

「え、何何、先生奢ってくれるのー?」

 

この会話が聞こえていたのか、ホシノが横から飛び出してくる。

その時の先生の表情は何とも言えないものだったが、直ぐに渋々といった風に全員分奢ることを承諾した。

とことん甘いなと思いながらも、それに甘えている自分も確かに居るから何も言えない。

 

その後は、授業なり戦闘訓練なりで時間をつぶしながら、定刻が来るのを待った。

 


 

12時頃

一同は、紫関ラーメンと書かれた屋台の前にいた。

 

「ここだよー。」

 

「紫関ラーメン...ラーメンか。」

 

「苦手だった?」

 

「いや、大丈夫だ。」

 

色々思い起こされるものはあるが...大丈夫だと信じよう。

 

"失礼しまーす。"

 

中に入ると、見知った顔の忙しそうに働いている姿が目に飛び込んできた。

それも、私たちの前では見せなかったような笑顔で。

その笑顔のまま、こちらに近づいて良く通る声で呼んできた。

 

「いらっしゃいませー!何名様で...」

 

「6名でお願いします~☆」

 

「あはは...セリカちゃん、バイトお疲れ様...。」

 

「ん、お疲れ。」

 

私たちを見た瞬間、語尾が萎み顔からは先ほどまであった笑顔が嘘みたいに消えていった。

代わりに、よく知っている怒りの表情に変わっていく。寧ろこちらの方が安心感があるかもしれない。

 

「みんな、どうしてここを...!?」

 

「うへ~、やっぱりここだと思ったよ。」

 

"どうもー。”

 

「すまない、忙しかったか?」

 

「いや、そういう訳では...って、そうじゃなくて!何でこの場所が分かったのよ!」

 

「セリカちゃんといえばやっぱりここじゃないかな~って思って。だから来てみたの。」

 

「ホシノ先輩の仕業かっ!!うぅぅ...!!!」

 

セリカが驚きと恥ずかしさの混じったような呻き声を上げながら悶絶していると、奥から野太い声が彼女を呼んだ。

その声の主は犬だった。…恐らくだが。

少なくとも、私の常識の範囲内で二足歩行をする犬は知らない。ねじれのようなものかとも思ったが、特段暴れている訳でもコミュニケーションが取れないわけでも無いようだ。

その上、全員それについて驚く様子も無い。そういうものなのかとそろそろ諦めがつき始めて来た。

 

その後は、セリカの案内で広めのテーブル席に着くことになったが…

 

「先生はこちらへ!私の隣、空いてますよ!」

 

「ん、私の隣も空いてる。」

 

ノノミとシロコのどちらが先生を隣に座らせるかで争っていた。

 

“…キムさんはどっちが良い?”

 

私に聞かれても困る。護衛という面から言えば先生の隣が一番望ましいが…空席がそれを許さない。

 

「何方でもいい。先生が選んでくれ。」

 

“うぅ…私にはどちらも選べないよ…!”

 

どういう葛藤なのだと言いたくはあったが、直ぐにシロコが無理やり自分の隣に座らせて事態は収束した。

残った私はノノミの隣に座ることになったが…如何せん少し狭い。ノノミが大丈夫なら良いが…。

隣に目をやると、少し不機嫌そうなノノミの顔があった。やはり狭かっただろうか。

 

「やはり退いた方が良いだろうか?」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ〜☆」

 

「そうか?なら良いが…。」

 

やはり無理をさせているのでは無いかと心配にはなったが、本人が大丈夫と言っている以上こちらから何か出来る訳でも無い。

大人しく座ったまま、注文をすることにした。

 

ホシノがセリカを煽り、それを受けたセリカが怒りながらも注文を受けてくれる中、全員が続々と注文を言い渡す。

 

“私は…塩にしようかな。キムさんは?“

 

「炒飯にしよう。」

 

腹に溜まるし、あまり先生に迷惑をかけてはいけないと思いそう言った。

だが…

 

”え、それで足りるの?!”

 

「あまり注文し過ぎても困るだろう?これで十分だ。」

 

何か口に入れれるだけ、5日間碌に何も食べていなかったあの頃よりかはマシだ。

だが、先生はそうは考えていなかったようだ。

 

“いやいや、ラーメン屋に来てラーメンを頼まないのは失礼に値する*1よ!“

 

そう言うものなのだろうか。あまりの先生の熱量に押され、渋々塩ラーメンを頼むことにした。

そして注文したものが届くまでの間、雑談をしていたのだが…

 

”そういえばさ、キムさん。”

 

「どうした?」

 

“その笠、食べるときには外さないの?”

 

急に聞いて来た。だが特に誤魔化すような内容でも無いので、素直に答える。

 

「外さんな。」

 

“どうして?”

 

更に聞いてきた。その目の輝きが、答えない限り永遠に同じことを聞かれ続けると訴えてきている。

 

「一つは、顔を見られない為だ。顔が割れると面倒な場面もあったからな。」

 

“ここじゃそう言うことはないと思うけど…。”

 

「まだある。もう一つは…私自身も見ないように、だ。」

 

拾われてからは、大義の、道の為に剣を振るった。

それでも、それ以前に積み上げて来た過去は消えない。

もし、もう一度振り返ればまた惑うだろう。それを見ないように、己の過去を断つ為に…。

 

「…それに、傷だらけの顔なんて、先生も見たくはないだろう?」

 

“キムさんの顔なら大丈夫だよ?“

 

さも当然と言った顔でそう言われた。多少オーバーリアクション気味な彼女にそう言われても信用はできないが…

 

「…とにかく、これは外さん。私の顔を見ないと死ぬとかなら別だがな。」

 

”…そう、実は私、キムさんの素顔を見ないと死んじゃうんだ…。“

 

冗談まじりに言うと、急に深刻そうな顔でそう告げられた。

冗談だと分かってはいながらも、あまりの気迫に少し焦ってしまう。

だが、ラーメンが届いた瞬間にその気迫は一瞬で吹き飛んでしまった。

 

”それじゃあ、”

 

「「「「「“いただきま〜す!”」」」」」

 

 

 

 

「いやぁ、食べた食べた。」

 

「ご馳走様でした☆」

 

「美味しかったね。」

 

「早く出てって!二度と来んなぁー!」

 

「あはは…セリカちゃん、また明日ね…。」

 

“財布の中身が軽くなっちゃったね…。”

 

「大丈夫だったか?」

 

“キムさんは一番食べてないでしょ、それに私は先生だし。”

 

先生だから、と言うのが理由になるかは定かでは無かったが、それでも先生はどこか満足そうな顔をしていた。

にしても、この世界のラーメンは美味しかった。都市ではこのような味は巣の中でしか食べれないような代物だろう。

この世界の食生活にも慣れなければなと思いながら、各々帰路に着く姿を見送り学校に戻った。

 


 

21時

今日も先生は学校に泊まるらしく、私も共に泊まっている。

ただ仕事に関しては私が手出しできることではないので、見守ることしか出来ないが…。

 

カタカタとキーボードを打つ音が静寂の夜を木霊する中、誰かが走ってこちらに向かってくるのが見えた。

相当焦っているように見える。それにこの気配はホシノでは無いな。

 

ある程度警戒していると、扉が音を立てて開く。

目の前にいたのは、アヤネだった。

肩で息をしながら立っている、その尋常じゃ無い様子から、何か重大な事が起こった事を予感せざるを得ない。

 

“だ、大丈夫!?”

 

「せ、先生、キムサッガッさん、セリカちゃんが…」

 

 

 

 

「セリカちゃんが誘拐されましたっ!!」

*1
個人の感想です




師匠の素顔を描写する勇気は僕にはありませんでした。

それと、やっぱり都市に関する補足とかはあった方が良いんですかね?
あった方が良いなら遡って細々付けていこうとは思っています。
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