「初心者殺しな罠を開幕に置くな委員会に入りそう……」
「もうお便り送ったわ」
ぐてっとその辺の壁にもたれかかったショーのボヤキに俺はそう返した。不満があったらお便り、みんなしってるね。
現状でも全然なんとかなりそうではあるんだが、数日後にイベントがあるしそっち完走して報酬貰ってから楽々とおさんぽ進行する手もある。悩ましい所だ……。
「次のイベント形式何?」
「陣営戦だとさ。有志トトカルチョもあるみたいだなオレはやンねえけど」
「トト……?」
「それはナージャにはまだ早い言葉ですのよーっ!」
「はえー」
横で何にでも興味を示すナージャのお守りをソフィーが行なってくれていた。タスカル。
「陣営戦かー……ちょっと気になるけどイベ報酬どうなってるんだろ……」
「ン……参加中の行動に応じてポイント獲得、PvPエリア内なら倒した相手の所持ポイントの1割を獲得って感じみたいだな」
「えっ!? イベポイントカツアゲしてええんか!?」
ジャイキリかまして終わってからタコ殴りにされてもええんか!?
「カツアゲにはならねえっぽいぞ。ホラ」
「えっ……運営ちゃん優しい……!」
「こいつ……感覚がおかしくなってる……。飴スクみたいにPvPがメインコンテンツじゃないならそりゃこうなるだろ。全員PvP好きな訳じゃねェンだから……」
「そうかな……そうかも……」*1
俺は過去のバージョンを思い返した。いやよそう……これ以上は心の傷が開いてしまう……。戦争大陸の記憶はこのまま封印しよう……。*2
「ショーはこのままちょこちょこメイン進めるのか? それともイベ済ませてから報酬でメインサクサクにする?」
「メインストーリーは気にならないでもないんだがな……でもお前と足並み揃えて感想戦やりたいしな……」
「俺はサクサクが良いかな」
「ならイベ待つかァ……オレが長時間イン出来るのは土日と月水金だし……。メインストーリーは土日でガッツリ進めてく感じでそれ以外はまァサブイベ*3とか拾ったりする感じにするかァ」
「うい」
そういう方針となった。
「しかしマジでバグらしいバグが無いんだなV7……」*4
「オレはリリース初期に即死バグ*5に遭遇して塩漬けしてたンだよな前バージョン……そのままお前に飴スク誘われてからはほぼ飴スクだったからV6わかンね……」
「安心してくれショー……多分V6は誰に聞いてもわからんって言うから」
「それはゲームとして成り立ってンのか???」
「なんか成り立ってたよ……なんでだろ……」
どうして人気があったのか今でも分からない……。NPC人気はあると思うけど……。
「そういや話変わるが装備モジュールなンだけどよ。マーケットで手に入れる方が主体になるかもしンねえ。この感じだと序盤の装備掘り結構キツそうだし」
「その心は?」
「金策のアテないか?」
「ほぼ同時に始めてるんだから俺にわかる訳なかろうよ……!」
「悪い。オレよりDFの総プレイ時間長いみたいだしよ」
「俺はV6までの金策なら概ね覚えてるけど実際やったことあるのは殆ど無いぞ?」
「時間あたりの効率が1番高いのは?」
「マーケットで銭バトラーになる事!」
「……参考にするのやめとくわ」
「冗談はさておきまあ最序盤ってなるとチマチマ泥拾って纏めて売るとかかな……」
「じゃあ今日はそれにすっか……もっかい大遺構突入してマーケットの開放条件だけ満たしに行こうぜ」
「やる事決まったぞー」
横を向いて伝えると。
「さっきとったご主人様の照れ顔めっちゃ良いですのよ!!! クラウド記憶領域に永久保存版ですわねーっ!」
「お前何撮ってンの???」
「ソフィー……なんか怖いな……」
あのナージャが恐怖しているっ!*6
「という訳で再突入するからナージャはエネミーにちょっかいかけたりせずに俺に着いてくること。わかった?」
「わかった!」
ナージャ見てるとなんか思い出すんだよな……これは……サモエド犬……。
「ご主人様は私が抱っこして良いですか?」
「良い訳ねェだろ!」
あっちはあっちで大変そうだな……ドールの躾……。と、俺は見えざる尻尾をべちこんべちこん振り回していると思われるナージャの頬を摘みながら思ったのであった。
うわほっぺめっちゃ伸びるなドール凄え。*7
○
プレイヤーズマーケットの開放……その最も目に見える利点はビルドを洗練し易くなる点にある。
バージョンによって多少差はあるものの、基本ビルド構築に欠かせない物の片方は装備だ。そしてトレハンへの中毒性が高い装備のオプション効果……の厳選たるや苦行極まるのは言うまでもない。一部課金アイテムにより掘りの敷居こそ大きく下がっているが、原則として要らない組み合わせの装備や構築段階では役立つ装備などは概ね完成後はインベントリの肥やしになるか二束三文で売られるかのどちらかだ。
そういう装備を掘らずに済むというのはシナリオ最前線に向かう為の時短テクとして凄まじく大きいのである。
まあ銭闘で勝てたらだけどな!
「周辺地形があんなだからー……次右だ」
「りょ」
「昔よろしく入る度に地形変わるランダムじゃなくて助かったわマジで……」
再突入して体感1時間ほど。*8
俺たちは順調に進んでいる。更に言うとナージャは俺におぶさっておねむだ。突入から30分くらいしたら変わり映えのない風景に飽きてきたのかうつらうつらとしていたので素直に寝させた。ここまで戦闘も起こさないように進んでいるのでむしろ助かっていた。
このドール……生態がお子さま過ぎる……。*9
カスタムダンジョン時代のランダム仕様引き継いでたらマジで終わってたぞ俺の冒険が。
「そんな事したら大炎上してるだろ……」
「運営ちゃんそういう事してくるから……」
「クソ運営……」
「多分そう。部分的にそう」
「合ってンのかよ」
どれだけ良い体験ができたって俺たち旅人の運営ちゃんへの信頼は揺るがないんだからな……!
目的地である20層への昇降口に向かいつつ、ショーに雑談を振って退屈を紛らわせている俺である。今は15層なので順調だ。
なお大遺構内部は無音ではない。大抵何かしらの機構が稼働している音が聴こえるし、散発的にエネミー同士が闘争する音も聴こえたりする。そうでもなければこんなに話とかしないからね。俺だってちゃんと口は噤めるのだ。
「そういやショーは武器何にしたんだ?」
「銃器系だわ。今はサブマシンガンのみで後々レイル型開放できたら狙撃銃とかもアリかな……お前はどうなんだよ大槌は見たけど」
「ノックバック入れれるから散弾銃選んだんだけど初期弾が12発しか無くてのう……」
「……マーケット開放したら買うかァ……散弾用の弾……」
「ショーのそういう優しさが沁みる……」
「ハイハイ……」
ショー優しいからすき……。
運営ちゃんは優しくない時の方が多いからきらい。*10
「あっご主人様が照れてますわ! 激写ですわ! フォルダが潤いますわ!」
「ソフィー連れてこない方が良かったかもしンねえ……」
「ソフィーのキャラ……濃いよね……」
「私達オリジン・ドールは大抵こうですの!」
「知らない単語で殴ってくるのはやめてください!!!」
「ウゥン……?」
俺とソフィーのやり取りがうるさかったのか、背中でもぞもぞとナージャがし始めた。
「ほら騒がしくしたからナージャ起きたじゃん!」
「おやそれはすみませんでしたわ……」
「そういや次の階層への昇降口確認したら一戦やってみるか? 今度は他釣らないように」
「私の索敵では今は周囲50m程には敵は居ないみたいですわ〜」
「なあ……ソフィーのそれ使ってたらもうちょっと効率よく進めたのでは?」
俺の疑問にショーはすんなり返す。
「ソフィーの索敵はリソース食うから多用出来ないンだよ」
「なるほどなあ……その割には勝手に使ってるけど……」
「ご主人様を撮ったらリソースが回復したので差し引き微回復してますの!」
サムズアップするソフィーの言葉に、俺たちは揃って困惑の声をあげてしまった。
「「えぇ……」」
「2人とも仲が良いですの!」
オレハモトV6ノタビビト……V7ドールノシヨウゼンゼンワカラナイ……。
○
初回の大騒ぎが嘘のように、何事もなく19層まで来れた。
戦闘は機会に恵まれずお流れとなったが、後は20層への入り口を見つけたら今日やる事は終わりだ。
やはりルートを適切に選べば難しくはないらしい。まあまだ序盤も序盤だろうしな……国民的RPGなら2個目の街に向かってるとかそんな感じだろこれ。
「単独で釣れそうな敵グループが中々居ねェなあ……」
「やはり……ショーには悪いが新メンバーの登板を考えるべきか……?」
「もうちょい慣れさせてくれよな……」
「だよねー」
流石にね? 初日で荒療治とか可哀想だからね……。などと考えながら辺りを確認していたその時。
遠目にもエネミーと交戦しているのがわかるドールの姿が、視界に入った。
状況はめっちゃ不利に見える。片腕捥げてるし、顔も一部人工皮膚が剥落して内部見えてるし……。うぉ……片手で機関銃ぶっ放してる……。
「何かあったか?」
「あっちでドールがエネミーと交戦してるわ」
「さっきから聞こえてる音はエネミーじゃなくてそれかァ……助けるのか? 多分サブイベの開始フラグっぽいけど」
「う〜ん……」
ショーの言葉に少し悩んで、答える。
「いや今回はよそう。色々調べてから踏む。それに……」
「それに?」
俺は知っている。こういう時に起こりがちな事を……!
「こういう時に限って……時間食うサブイベ配置してくるんだ運営ちゃんは……!」
「お……おう……」
という訳で今日はスルー! また今度ね知らないドール!
それから順調に昇降口見つけて俺たちは大遺構を去った。ちゃんと帰るまでが遠足って言うからね。
そして脱出後の俺たちがどうしたのかと言うと。
「久々の旦那の家だー!」
ナージャがそう叫びながらベッドに飛び込んだ。ふかふかのフートンは強かろう……。
俺のV6の拠点で集まっていた。
V7の拠点より全然広くて過ごしやすいからね……。ヒュドラー型でないなら皆入って過ごせるしね……。
まあだからショーのヒュドラーは今外で同じくショーのレイルとはしゃいでるんだけど……。
と言うか俺V6だとさっきまでドールメイカーやってなかったんだけどな……俺の知らない記憶がナージャ達により捏造されている……。
「こういう事できるから別バージョンで拠点持ってると楽だよなァ……」
「今は過ごし辛いからなあ向こうの拠点……」
「流石に物資が少ない状況では環境の維持も難しく……申し訳ありませんマスター……」
パラ子が眉を下げながら言う。名前つけてやった方が良さそうだけどなんか呼びやすいんだよな……パラ子……。
「後でパラ子とアンプリにも名前付けとくか……。アンプリ……無言でにじり寄って来るのはやめて? それはそうと記憶の処理としてはどうなってんだドールって? その言い方だと向こうでの記憶もあるだろ」
こっちもドルメにしたら向こうで設定したドールが全員揃ってるしちょっと怖いぜこのゲーム!
マスクデータで何起こってんのかさっぱりだぜ!
「確定された事象として記録が残っている感じでしょうか……未来に起こる出来事が思い出せますが、今は断片的なようです。今後マスターが未来での活動を続ければ、私もこちらでも思い出せるのだろうという予感がします」
「俺は今凄く高度な話になりつつある気配を感じている……」
俺はSFは好きだがメカが動いてるとかそういうのが好きな側だから理論はサッパリなんだ。
「そっちの……名前はまだ決めてもらってないンだったか。とりあえずパラ子が言ってンのは未来が規定されてるって話だろ? 今オレ達が居るV6の時代からV7の時代の間にある空白で起こる事は決まってて、オレ達が動くとその空白が段々思い出せるって言ってるのがパラ子。将来的にその空白部分に干渉が出来るのかもしれンが、現状やれるのはこうしてV6で方針決めたりV7で活動して未来を良くしたりしか出来ない。双方向に影響は出てるがその影響を観測できるのも今はV6かV7しかない」
ショーがシステムコンソールを眺めながら事もなげに言う。全然わからん。
「俺のINTは200しかないから分かるように言ってくれ!」
「ンー……V6の結果が見れるのはV7、V7への過程が見れたりやれたりするのがV6」
「完全に理解したわ」
なるほどな???
「わかってねェ奴だろそれは……お、散弾買えたから渡しとくわ」
話しつつショーがため息を吐きながらこちらへトレード申請を送ってきたので受理する。
「サンキュー……こんなに」
渡された散弾の量はインベスタック一個分丸々セットだった。こんなにいるかな……いるかも……。
「先行組は初心者支援も兼ねてマーケットでその手の消耗品ドカドカ出してるみたいだぞ。NPCショップで買う時の半値だしお得だった」
「して……資金はどこから……?」
「マーケットの情報だけ先に調べてたからそれ使ってさっきちょっと稼いだンだよ。10Mくらい」
「なそ
にん」
「50行けるかと思ったンだけどな……流石にV5の素材が元手じゃキツかったスマン」
コイツはショー。もしかするとマーケットの神になれるかもしれない俺の相棒だ……。
「そンでお前はさっきから何やってンの? 情報収集?」
マーケットで暴を振るうのに集中するのをやめたからか俺がやっていた事に気付かれた。
「スレ建てた。結構親切な旅人が多いぞ」
「へー……ちょっと見せてくれよ」
そう言いつつショーがこっちに身を寄せて来るので、見やすいようにウィンドウを向ける。
○
【ドール】ちょっとパイセン旅人ズに聞きたいんだけど【V7】
1:1
数年振りに復帰してV7ドルメでスタートしてからV6でもドルメにしたらV7のドールズが普通に居たし俺の知らない記憶を持ってるんだけど何事? 俺の脳内に存在しない記憶が流れ込んでるんだけど!
あと大遺構で見かけたエネミーとドンパチやってたドールはどなた?
それとこれは参加賞のウチのデストロちゃん
2:名もなき旅人
パイでスレ自動検索掛けてるからなんて事ないスレがポップアップしてきてちくしょう!!!
俺のデカパイチャンスを返してくれ!
3:名もなき旅人
>>1
今頃V7でDF復帰は珍しいな……もっとこう……アニバに合わせてとか……あっただろ始め時……
5:名もなき旅人
>>1
デストロを選ぶとは出来ておる喃……
7:名もなき旅人
寝相悪いからデストロ好き
9:名もなき旅人
まず>>1の性別を答えるんだ!
11:1
>>2
策士策に溺れるのリアルタイムで初めて見た
>>3
ちょっと別ゲーやってたけど諸事情でこっち戻ってきた 今は北方の拠点でゴロゴロしてる
>>5
アタッカー欲しくて選んだ かわいいね……
>>9
今日は乳揺らしたい気分だったから女
13:名もなき旅人
>>11
お前北方勢かよ……
14:9
>今日は乳揺らしたい気分だったから女
???
15:名もなき旅人
こんなに旅人適性が高そうな復帰勢初めて見た>今日は女
16:名もなき旅人
ドールが遡及して設定されるのは俺たちもよくわからん
考察組が専門で調べてる事なら知ってるけどそれくらい
18:名もなき旅人
いいかいV7初心者さん弩級ドールをな……弩級ドールを気軽に作れるくらいが丁度いい旅人の塩梅なんだ……
20:名もなき旅人
>>18
そうかな……そうかな……*11
22:名もなき旅人
>>1
大遺構でバトってるドールはサブイベの始動フラグ
24:1
>>22
完遂までの所要時間とか……教えてくださいませんか……?
25:名もなき旅人
素直に訊くその姿誉れ高い
26:22
>>24
そんなにかからんぞリアル時間と連動して進むから期間は長いけど所要時間は全部合わせてもゲーム内で1.5日くらい
28:名もなき旅人
大遺構のドール……あっアレかあ……
30:名もなき旅人
例のサブイベ来たな……
31:1
>>26
情報サンクス!
ちょっと相方と遊ぶ時間合わせてるからどれくらい掛かるのかが1番気になってたんだ
これはお礼のパラ子さんです
32:名もなき旅人
むっ!
33:名もなき旅人
>>31
いいよね……プレーンパラちゃんの照れ顔……
34:名もなき旅人
この>>1……できる……!
36:22
>>31
まだそこまで親密ではない頃のパラちゃんがスーッと効いてこれは……ありがたい……
あとそのサブイベは先人達の教えにより話の内容を伝える事は禁じられているんだ許してくれるかい許してくれるねグッドトリップ
37:名もなき旅人
ネタバレ禁止……ああー……
39:名もなき旅人
(全てを理解した旅人の顔)
40:名もなき旅人
このゲームネタバレを自主的に統制してる例のサブイベが多過ぎる
43:名もなき旅人
>>40
それはそう
45:名もなき旅人
ちょっと待ってよく読んだらこの>>1北方勢なのに相方居る!
46:名もなき旅人
相方という概念を学んだ新種か……
47:1
俺は北方に拠点持ってるけどレジャー利用目的で買った奴だから……カニ美味しい
49:名もなき旅人
レジャーか
VRレジャーは良いよな仕事の納期ヤバい時とか
51:名もなき旅人
>>49
(精神状態が)ヤバいわよ!
53:名もなき旅人
俺はアシハラで拠点買ったけど周囲のアクセスちょっと悪いのでお引越しを考えている
でもここエロい幽霊の姉ちゃん出るから離れられない
54:名もなき旅人
憑かれてる旅人何度も見た
56:名もなき旅人
>>47
北方満喫してんじゃねーか!
58:名もなき旅人
夏場にバーチャルカニをしこたま食えるのは北方レジャーにおける少なくない利点の1つとされる
60:名もなき旅人
>>1にはそのサブイベクリアしたら是非またスレ建てて欲しい
そろそろ供給が減っててな……
61:名もなき旅人
邪悪なパイセン旅人が増えてきた
63:1
>>60
いいよ♡
64:名もなき旅人
やったぜ
65:名もなき旅人
この流れでこの返し……
心が強え旅人なのか……!?
66:名もなき旅人
ドルメでスタートしてる旅人の心が弱い訳ないだろ!
68:名もなき旅人
>>66
運営ちゃん「だから丹念に……折るね……」
70:名もなき旅人
>>68
そういうとこだぞ!
71:名もなき旅人
マジで感受性高い奴にはオススメしたいけどオススメできないV7
72:名もなき旅人
ドルメ経験無しだとそんな感じになるのか
知らなかったな……
74:名もなき旅人
V7ドルメはそこそこ長期で合間に進めてくサブイベ多いから注意しろよ>>1
75:1
相方に呼ばれたからしばらく離席しまうま
77:名もなき旅人
Zebra……
○
「凄え話脱線してる……」
「よくある事だぞ」
マジでよくあるんだよ脱線。いつの間にか元に戻ってたりするけど……。
「しかしポンポンレスが着くンだな……前オレが建てた時は全然だったンだけど……」
「ほっほ……スレ建て検定1級資格にはまだまだ遠いようじゃな……」
コツがあるのだ。旅人を釣るには……。
顎を撫でながら嘯いていたら、ショーがぽん、と手を叩いて俺に言った。
「ネモお前はスレ建てて情報集める係な。オレはもう建ってるスレとか浚って集めるから……」
「えーっ!?」
情報収集はショーの役割だと思っていたのに……!
スレ建て1級の腕前を見せたいあまりに俺は詰めを誤ったか……!
この後めちゃくちゃショーとドール達の名前を考えてから解散した。
明日はショーが居ないから影響度3で散策でもするかな……!
○Dimension Fix
2040年に発売された各メジャーバージョンでジャンルが大なり小なり変わっている狂気のVRMMORPG(大本営発表)。概ねRPGの形は保っているが、偶に保てなくなる。
現行であるV7はバグもとい仕様盛り盛りファンタジーであったV6のシナリオを前身として作られたファンタジーSF。V7は過去バージョンに比べ、対人戦にそこそこ力が入れられている。
○体感速度
作中でのVRタイトルはその殆どがプレイ中の体感速度変更機能を取り入れており、リアル時間の数倍の速度でゲームを体験する事が可能となっている。なお法で縛られているため通常稼働時は4倍までが限度。年に1度までならそれ以上の体感圧縮の商用が許可されているが、行う法人側には都度諸々の許可認定作業が必要となる。
ちなみに法定ギリギリの体感速度を実装して発売されたタイトルは国内では1つのみ。タイトル名は『VR禅』。クソゲー。