「ブラックマーケットの武器商人って...な、何でそんな危険人物がこんな所に!」
アルマの名乗りに一瞬理解が遅れたらしいユウカであったが、ブラックマーケットが如何なる場所であるかを思い出した様で、アルマを取り押さえる為なのか自らの愛銃『ロジック&リーズン』を取り出そうとして...
「ッ待ってくださいユウカ!」
「待ってください、彼女は我々や救急医学部の協力者でもあるんです!」
先日の一件以来良い関係を続けている風紀委員会のチナツと、トリニティとアルマの何らかの関係を知っているらしいハスミに割って入られて制止されてしまった
「ちょ、ちょっと!?彼女がブラックマーケットの関係者って言ってたじゃない、何で制止するのよ!?おまけに武器商人って名乗ってるし、出所が不明な武器や兵器の不法流通だって何か知ってるんじゃないの!?」
「ブラックマーケットの中からじゃなくて外部からブラックマーケットの市場へと大量に武器やら兵器やら物資が流れ込んでるっていうのは知ってるぜ?」
「ほらやっぱ...待って、外部から?」
「ああ。流し込まれるルートは幾つにも分かれちゃあいるがやってる規模と品数の多さから行っている連中はかなり規模が大きい様だ...おまけに量が増え始めたのは連邦生徒会長関連の情報が出てきた前後で何やら因果関係を疑っちまう、その辺を何か知らねぇかと聞きに来たのが今ここに居る理由の一つだ」
それを隠れ蓑にお前さんとこの会長に色々納品したってのはまぁ内緒なんだがな、いやぁ丁度いいタイミングでこのゴタゴタが起きてくれたのは良い点もあったよ
各地の混乱や騒動の波は当然の如くブラックマーケットにも波及しており、ウチの店も羽振りが良かったが為に何度ともなく不良共や強盗共が襲撃してきたもんだが...店員達への俺製武器の支給による戦力強化と外部戦力として便利屋68を雇用してガッチリガード固め始めてた万屋アルカはこれらを全て追い払う事に成功した
そうして数度追い払えば自己防衛力がある上に手痛い反撃をされる万屋アルカよりも、施設の停止や暴走などによって治安が悪化していた主要学園や中小規模の学園への窃盗やら襲撃をした方が成功率も高く儲けになるという考えに至ったのか数度の襲撃以降は物騒な客は来なくなった
ゲヘナとトリニティへの契約を結んだのも片やウチの店の内部と片や風紀委員会本部のヒナ嬢の部屋という情報が漏れにくい所で結んだ件もあるし、表に出ている儲け分だけで襲撃するか否かを決めていたんだろう...普段以上に荒れているゲヘナは下手に刺激したら風紀や現地の不良共のしっぺ返しが怖いので除外され、お嬢様が多いトリニティと貴重な機器が多いミレニアムに戦闘能力の低い学園等は格好の的になっちまったんだろうな
そうして襲撃されたミレニアムは会長の名の元に各地から復旧工事用の資材を集め始めたので俺もその流れに便乗し、会長宛の荷物の搬入を本当に必要だった物資に混ぜ込みちょちょいと自治区内へ搬入しておいた。こういう秘密裏に依頼主が欲しいブツを納めるのはお手のモンなんでな、イッヒッヒ
...しかし納めた分だけじゃあ足りなさそうならまた用意しておく必要があるわなぁ、ハーブの在庫も負傷者多数の風紀委員会や救護活動を行う救急医学部に救護騎士団へと大放出しちまったしまた仕入と栽培しないとな
「他の理由として、私の護衛を兼ねて貰っています。此処まで来る間皆さんも感じられたでしょうがキヴォトス全域で治安の悪化が深刻化していて、ゲヘナも例外ではないんです...普段以上に活発化している美食研究会や温泉開発部を始めとした不良生徒達の鎮圧にヒナ委員長は大立ち回りをしていまして此方に来れる余裕が無くて...」
「で、風紀委員会を代表してチナツ嬢が行く事になってな...先程の理由もあって俺的にもちょいとここ最近の治安悪化の件も色々と話を聞かせて貰いてぇと思って同行させて貰ってんのさ、このまま荒れ続けてたらウチの店もおちおち商売出来やしねぇからな」
「待って、待って?...つまり何?彼女は風紀委員会と繋がりがあるの?」
「そうなりますね」
「風紀委員会はゲヘナの秩序維持を一手に担う存在の筈、治外法権がまかり通る治安の悪いエリアとして有名なブラックマーケットとどう関係があるのでしょうか...それにハスミさん、貴女も何か彼女に対して知っているんですか?」
他の面々の様子を見ていたスズミであったが、存在意義として対極に位置するであろう風紀委員会とブラックマーケットの関係者が親し気な関係を維持している点が気になり質問する...そして先程ユウカを制したハスミも何らかの事情を知っていそうな雰囲気を感じたのか、合わせて質問をしていく
トリニティの生徒会組織であるティーパーティー、その指揮下の元で治安維持と警備を司っている筈の正義実現委員会がどういう訳か違法な物品の取引や不認可の違法倶楽部等が存在する事で有名なブラックマーケットの商人と何らかの関係が疑われるのは同じく治安維持の為に存在してるトリニティ自警団として放置出来ない問題である...そういった事情からの問いに対してハスミは溜息を吐いた後に説明を始める
「...先程の名前には聞き覚えがあります。但し、直接関係があるのは我々正義実現委員会やティーパーティーではなく救護騎士団の方になりますが」
「救護騎士団と?」
「ええ。直接会うのは初めてになりますが...アルマさん、貴女はもしやミネがよく話していた薬売りの商人で」
「あーそうそう、多分その商人―――」
「趣味嗜好が合う親友だと良く語っていた変人の医療品売りの方ですよね?」
「だぁれが変人じゃボケェ!?初対面からの流れでライオットシールドバッシュ叩きつけて来た救護騎士団長と一緒な枠に入れるんじゃねえよ!?」
「...友人の方は否定しないんですね」
「......モモトークの連絡先交換してから結構な頻度でやり取りしてたからな、まぁ最近はゴタゴタしててしてねぇがな。ミネの方も俺に連絡を送らねぇが、まぁ心配する必要は全く無いな。だってミネだし」
その後は主席行政官の七神リンなる人物が来るまでの間、各地の状況や俺の店で売ってる品物に関してをあれこれと話し合う事となった。特に俺に関しての情報が少ないユウカ・ハスミ・スズミの3人がウチの店で取り扱っている品物に関しての質問や確認をしていると、近くのエレベーターが到着した様でチン、という音と共に一組の男女が降りてきた
その男女の姿を確認した瞬間、俺を除く4人が一斉に席を立ちヘイローを有する女性...恐らく七神リンなる生徒へと詰め寄り、彼女の方は何だかうんざりといった様子で対応している訳だが―――
(いや少し話してるだけなのにちょいちょい口が悪くなってねぇか?それにちょいと前のヒナ嬢並に草臥れた感じに見えるが、もしかしなくても彼女も現状に大分振り回されてる口か?あーあーそんな状態の相手にユウカ嬢達が詰め寄ってやがらぁな、余りいい雰囲気じゃあねえし一緒に来た先生だったかもオロオロしてやがるなぁ)
遠目に見る限りでも割と険悪気味な雰囲気だったが、其処に更なる厄ネタが次々と投入され始めた
各地の混乱に対して対応すらしない連邦生徒会...そのトップたる生徒会長の行方不明による『サンクトゥムタワー』の管理者不在による行政執行権の喪失
認証迂回の方法を模索していた中、連邦生徒会長によって特別に指名された『先生』なる人物の発見と彼を中心として立ち上げられる機関『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』という超法規的機関の発足
その『シャーレ』と呼ばれる機関の部室がある建物を占拠し何らかの代物を入手しようとしているのか、矯正局を脱出した生徒と他連邦生徒会に対して恨みを持つ不良達が大暴れしつつ向かっているとの連絡が入ってきたりとトンデモねェネタの連発である
オマケにリン行政官殿には現状動かせる人員が居ない為なのか、先程まで自分に対してあれこれと質問攻めにしてきていたユウカ嬢達を半ば強制的にその騒乱の鎮圧に向かわせるつもりらしくさっさと先生なる人物を連れて現場へと赴こうとしているらしく、先頭を行くリン行政官と先生にユウカ嬢が慌てながら追い掛けていく
「あ、アルマさん私達も追い掛けますよ!」
「...まぁ、行くしかねぇわなぁ。今行くよチナツ嬢」
その後に続く様にハスミ嬢やスズミ嬢が追随し、最後尾になったチナツ嬢が俺に声を掛けてきたので俺も漸く席を立ち彼女達を追い掛けてレセプションルームから外に出て行く...やれやれ、ゲヘナん時の様にまぁた荒事になりそうだなぁ
◇◇◇
D.U.外郭地区、其処では既に不良達が好き勝手に暴れ回っており彼方此方で爆発や銃撃戦が繰り広げられる事態に発展していた。飛び交う銃弾やグレネードが爆発する中を俺達6人はシャーレの建物に向けて駆け続けていく事になったんだが...
「ああもう、何で私達が不良達と戦わなきゃいけないの!!」
「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻す為には、あの部室の奪還が必要ですから...」
「それは聞いたけど...!私これでも、うちの学校では生徒会に所属してて、それなりの扱いなんだけど!何で私が...」
完全に巻き込まれる形になったユウカ嬢は幾ら各学園の状況の改善になるとはいえ矢面に立たされている現状にご不満なのか文句を口にしていやがるな、まぁ無理もねぇが―――
「おっと、アブねぇぞ」
「ひゃっ!?」
お喋りをし過ぎて目立っていたのが不味かったのか彼女に対して前方の遮蔽物に隠れていただろう不良が持つ銃の銃口が向いているのが見えた...このままじゃあ撃たれると思った俺が彼女の腕を引いて俺の後ろに隠せば、今度は俺に対して銃撃が飛んできた
放たれた弾丸がユウカ嬢に当たらねぇ様に庇えば俺の背中に次々と銃弾が直撃するが...JHP弾か?そこそこ衝撃はあったが残念、この程度じゃあ俺は倒せねぇよ
「...安く喧嘩を売られたんだから高く買い取らせて貰うが、覚悟は出来てんだろうなぁ?」
お返しの鉛弾を喰らわせてやろうと俺が片手で素早く取り出し振り向きざまに構えたのは、印象的なスコープのようなレーザーサイトが取り付けられたキラー7と呼ばれるオートマチックのハンドガンである
全然攻撃が効いていない事に驚いた様子の不良に対し容赦無く放ったマグナム弾は寸分たがわずに額に直撃し、その威力と衝撃で脳が揺さぶられた不良生徒はそのままあっさりと昏倒して仰向けに倒れていった...ちょいとオーバーキルだったか?まぁ気絶しただけだろうし大丈夫だろうよ
「何でぇ、一発でダウンかよ。売り足りねぇんだが...」
「ちょ、ちょっと!?敵を倒したんならもう庇わなくてもいいから放してよ!?」
「おっとぉ、こりゃ失礼」
「お二人共伏せて下さい、次が来るかもしれませんよ?」
「悪い悪い、ユウカ嬢が注目の的になっちまってて危なっかしかったからよ...」
「注意を引き付けてくれるのは助かるのですが敵を引き付け過ぎない様に...今は先生が一緒なので、その点に気を付けなければならないのですから。先生を守る事が最優先、あの建物の奪還はその次です」
「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではない所から来た方ですので」
(―――へぇ、外からか)
チナツ嬢の一言が聞こえた俺はもう一度先生をマジマジと確認する...一見すると穏和な雰囲気の優男といった様子の大人であるが、案外こういう男が何かしら大きな事を成し遂げる可能性はあるだろう、あのStrangerみてぇにな...とは言えチナツ嬢が先程の言葉の後に続けて話してくれた様に只の人間である先生は弾丸一つでも生命の危険性がある訳だ
どうやら戦術指揮をとるという流れになってきたし、下手に怪我されても困るから自慢の商品の一つを使って保険を掛けておくとしようか...俺が『コレ』を着てもこの体の頑丈さなら必要性もあまりなかったしな
「...俺も先生の指示に従わせて貰うが、その前にコイツを着ときな先生サンよ」
"これは......!もしかして、ボディアーマーって奴かな!?"
「おお、コイツをご存知かい?その通りだ、万屋アルカ謹製のボディアーマーだぜ...武骨なデザインだが、それが中々イカスだろ?」
"だね!何だか特殊部隊に入隊した気分だよ!"
思ってたよりもノリノリで俺が取り出したボディアーマーに袖を通していく先生サンの様子を見て、ちょいと吹き出しそうになった...只の優男なだけかと思ったがそういう方面が好きな辺り元が男な俺とは話が合いそうじゃあねえかよ、今度模型なりプラモデルなり持って行って語り合うのも面白そうだなぁ?イヒヒ
「イッヒッヒ、喜んで頂けたようで何より...そいつを着てりゃあ銃弾だろうが爆風だろうが耐久値が残ってる内はダメージを肩代わりしてくれるからよ、今は肌身離さず持ってな?」
「それがあるなら私達が多少離れていたとしても先生の安全については大丈夫そうね...よし、じゃあ行ってみましょうか!」
此処に来て漸く気合を入れ直した様子のユウカ嬢の元気な言葉と共に、俺達は散開して不良共に対して戦闘を開始する...さぁ先生、アンタの実力を見せて貰おうか!
―――――――
萬屋アルマ(スーツの姿)
噂の流れ始めた日から色々備えていた為に連邦生徒会長失踪による被害を回避しきった数少ない存在、店員達の武装の強化とアルちゃん達との良好な関係があった為に凌ぎ切れた...どっちか無かったら被害が出てたかもしれねぇと一安心
ブラックマーケット在住な為に連邦生徒会長が不在になった瞬間から裏の動きが活発化しているのを察知し、連邦生徒会がそれに対してどう対処するのかを問う為にチナツと共に訪れていた模様
先生とリンが来るまでの間に自己紹介と売っている品物に関してあれこれ聞かれた為に素直に話したので、ブラックマーケット在住には多少警戒されてはいるものの各位からの心象は悪い物ではないらしい
現時点ではまだシッテムの箱(アロナ)を入手していない先生に安全を確保する為にボディアーマーを支給、見た目のカッコよさ?に好感触を持った先生のリアクションに喜んでおり無意識に先生の大好物を持ち込んで語り合うのも悪く無いかとか思い始めているらしい
今回のチャプターからRE:4ストーリー中で入手時にギミックが必要な銃であるCQBR Assault Rifle・LE5以外の銃が全て解禁されているので武装面はかなり豊富な品揃えになっている為動く武器庫と言っても過言では無くなってきた
早瀬ユウカ・守月スズミ・羽川ハスミ・火宮チナツ
リンが来るまでの間にアルマに関しての情報をあれこれと聞き出していた面々(チナツは除く)
ブラックマーケット在住という所に警戒していたが、話してみれば割と常識はありそうだし付き合いがある組織が組織の為其処まで深く警戒しなくても大丈夫か...と思い始めている
チナツ以外ではミネ経由でハスミのみがアルマの存在を認識していたが、スズミは生徒会長失踪による混乱鎮圧に勤しんでいた為にアルマの存在を認識していなかった(多分この辺りでトリニティではあの騒ぎが発生しているので、ミネが居なくなっていたのも影響している)
ユウカとは完全に初対面、内々にリオがトキを介して接触してきている為に全く情報が無かった
アルマが加わっている為にプロローグは更にイージーモード化しており、ユウカが被弾したりしないし先生の安全がある程度向上したりしている
七神リン
連日連夜の業務で疲弊しており大分口が悪くなっている...お労しやリンちゃん
アルマとは裏で顔合わせはしただけでブラックマーケット在住と聞いてしまって多少警戒している
...今はまだ違うが、後のアルマセラピー患者2号になる、かもしれない
"先生"
本作においては男先生となる我々(プレイヤー)の分身
裏での顔合わせでお互い名乗ったがブラックマーケット在住と言われてもまだそういう所があるんだね、程度の認識でしかない
アルマと同じ?で外から来た人間でありまだシッテムの箱(アロナ)を入手していない為に銃弾の1発で致命傷になりかねないのでアルマからボディアーマーが支給されてテンションが上がっている
多分ナイフとかもオプションでアーマーに付けてあげればもっと上がっていたかもしれない
アルマとは趣味が合いそうだな...と思い始めており、後にアルマが模型やプラモデルを持って来るのは大正解だったりする
ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」
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『このまま対策委員会と進む』表ルート
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『後続部隊を待つ』暗躍(裏)ルート