透き通る世界の武器商人さん(ちゃん)   作:狐の行商人

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『クルセイダー戦車の相手をしなければなりません!』

『クルセイダー戦車は防御タイプが【重装甲】の敵なので、貫通型スキルで追加ダメージを与えられます』

『ハスミさんのスキルが貫通型ですので、ご参考までに』

『それと、アルマさんのスキルも有効です。効果としては―――』


チャプター2 D.U外郭地区2

「ちょっとアルマ!貴女逃げられてるじゃない!?早く追わなきゃ!」

 

首謀者と目されていた狐坂ワカモが遊び半分の様に突っかかってきた上、俺に一撃仕掛けてあっさりと離脱していく姿に揶揄われたと思ったのかユウカ嬢が苛立ちながら追撃を主張してきやがるが...このまま追うのは今の目的を考えれば悪手になるだろうし、止めておくかね

 

「待て待て、向こうが今は退いてくれるんなら追う必要はねぇよ...あんだけ余裕綽々で退いたんだ、何かしらの罠や待ち伏せの一つ二つあるかもしれんし今の目標はアイツを追う事じゃねえだろ?」

 

「―――その通りです、生半可な行動をしてはなりません。私達の目標はあくまでもシャーレの奪還...このままシャーレのビルまで前進するべきです」

 

「...確かに、そうね。アイツを追うのは私達の役目じゃないって事ね」

 

「アルマさんの言っていた通り、罠の可能性もありますからね...」

 

「ええ。なので我々の目的は建物の奪還を最優先として、このまま引き続き進むとしましょう」

 

「了解です、ハスミさん」

 

全員の意見が出揃ったのを確認した先生も肯定の為か無言で頷いてくれたので、このまま俺を先頭に前進する形になるだろう...しかしまぁ、此処まで三連戦と武器は兎も角弾薬の消費に俺はまぁ持ち前の頑丈さで掠り傷だから構わねぇがサブマシンガン持ちのユウカ嬢やアサルトライフル持ちのスズミ嬢は多少被弾もしていた筈だ、このタイミングで俺が売ってる品物を知らねぇ生徒と先生にちょいとばかり俺の商売について売り込みとご理解を頂いて貰おうかねぇ、ニヒヒ♪

 

「ちょいと待ちな、流石に3連戦で手持ちの弾が少なくなったり多少なり怪我をしてる奴も居るだろうからここいらで少し補給をしていかねぇか?シャーレのビルの前となりゃあ敵の目的地もあって防衛も厚いだろうしよ...此処で僅かな時間を惜しむか、命に係わる怪我を負うかは結構重要な選択だぜ?」

 

「補給、はいいけど何処で補給するの?この辺りにはヴァルキューレの詰め所なんて無いし敵の落とした弾薬なんて合わないんじゃ?」

 

「オイオイユウカ嬢、俺が何してる身分かお忘れか?―――スナイパーライフルの弾にアサルトライフルの弾にサブマシンガンの弾にハンドガンの弾と、スズミ嬢には閃光弾だな。流石に閃光弾は俺の手持ちとはどうも型が違うから、使い方は確認しといてくれよ?んじゃ、始めるか」

 

「―――は?」

 

ゴソゴソとアタッシュケースの中から取り出した素材とガンパウダーをそれぞれの手に持って彼女達の銃に合わせたマガジンと中の弾を思い浮かべて合掌すれば、バチン!という音と共に閃光が走り開いた右手にそれぞれの銃に合わせた弾倉が完成する。それを繰り返して全員分の予備弾倉を作り出した後、スズミ嬢用の閃光弾もこれまた同じ様に素材とガンパウダーを消費して作り出し手渡した...流石に彼女の手持ちと俺のアタッシュケースの中の閃光弾はメーカーが違うみてぇだし一応確認を頼んどいて―――

 

「ちょちょ、ちょっと待ちなさい!?今何をしたの!?何か火薬と素材らしきものを取り出したと思ったら一瞬でマガジン作ったみたいに見えたんだけど!?」

 

「これか?これは俺が持ってる神秘を使っただけだが?」

 

"神秘...?"

 

「ああ、先生は初耳だろうなぁ...俺も深くは知らないんで簡素な説明になるんだが、一部の生徒が有している特異体質や特異能力みたいなもんらしいぞ?身体能力が向上してたり変な物を生み出したりとか千差万別だが、俺の場合は素材同士を掛け合わせる事で物を構築する力だな。今みたいにガンパウダーと素材を掛け合わせて即席で弾丸を調合したり、ハーブ同士を掛け合わせて医療品を調合出来る力だ」

 

"何というか、錬金術みたいだね"

 

「イヒヒ、其処まで大した力じゃねえよ...さしずめ神秘『クラフト』ってとこかな?コイツが出来る様になったのはつい最近の事なんだが、随分と実用的で役立つ能力なんで助かってるよ」

 

そう...これが俺の有していたらしい神秘、『クラフト』である

素材と素材を掛け合わせて別のものを構築するという文字だけ見れば便利そうな能力なんだが...まぁそんな万能な神秘じゃあねえんだよなぁ

先ず現時点でクラフトを用いて作れるのは弾薬とハーブの調合品だけだし、その上元となるガンパウダーと各種素材を必要数消費して品物を即座に構築する...言っちまえば『工程だけをすっ飛ばして物を作る』能力な訳だ

 

「...アルマさん、そんな神秘持っていましたっけ?」

 

「チナツ嬢達に最初に会った時には気づかなかったんだがなぁ、別れた後で拠点に帰ってアタッシュケースを開けた時妙にガンパウダーと素材が減ってたんだわ...減った量を換算してみたら丁度マグナムとサブマシンガンの弾薬を幾つか作った量とピッタリ一致してなぁ、物は試しにハンドガンの弾分の材料とガンパウダーを手に持って弾薬作れねぇかなぁとやってみたら―――」

 

「...出来てしまったんですね」

 

「おうよ。だから俺が持ってる素材の在庫が底をつかない限り弾切れの心配は要らねぇって訳さ」

 

「便利な能力ですね...」

 

「......まぁ、宛にし過ぎると俺の財布に穴が開いちまうのが最大の欠点かなぁ」

 

"な、なるべく効率的な指揮を心掛けるよ..."

 

「頼むぜ先生、無駄玉の撃ち過ぎは勘弁な」

 

ほんと便利だからって使い過ぎると、消費が激しいのだけはネックだよなぁこの力はよ

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

弾薬の補給を済ませ、準備万端の状態でシャーレの入り口を目指した一行は建物の前で待ち構えていた不良生徒達と4度目となる交戦を開始した

流石にシャーレ目前まで迫っていた不良達の数はこれまでの小規模部隊よりも多く、ミニガンを手に持った生徒達が弾幕を展開して近寄らせまいと立ち塞がったのだが...

 

「来たぞ!連邦生徒会の連中だ!」

 

「此処で返り討ちにしてやるぜ!」

 

「よっしゃあミニガンの弾幕を喰らえー!」

 

―――シュカンッ!

 

「ん?今何か飛んでこなかったか?」

 

「確かに何か飛んできたような...」

 

「あ、これじゃね?ボウガンの矢―――」

 

――ドゴォン!!

 

「...ミニガン持って固まるんじゃねえよ、ルーキー共。ミニガンは威力はたけぇけども機動力は落ちちまうんだから散った上で盾の後ろからとか土嚢の陰、或いは高所維持して撃とうな?あと前衛はもっと数を配置しろ」

 

「「「...う、うす...」」」

 

「何で不良共に戦い方の指導してるのよ!いいからとっとと建物の前を確保する、ホラ!」

 

「アイアイ、マム!」

 

「だ、誰がマムか!」

 

「...仲が良いですね前衛二人は」

 

「いえ、どう見てもアルマさんが揶揄って遊んでるだけですよあれは。風紀委員会で似た様な光景を見た事が何度もありますし」

 

「まぁムードメーカーとしても戦力としても頼りにはなるかと...」

 

"そうだね、2人が前に出てくれるから私達は安心して後ろから進めるよ"

 

ミニガン持ちの不良生徒がアルマとユウカの真正面から迫ってきたのが災いし、ボルトスロワーから放たれたマインボルトによる一網打尽であっさりと退場させられメイン火力不在となった不良生徒達は次々とハスミの狙撃とスズミの閃光弾を受けて沈黙し退却していった

 

「全くもう!兎に角、これで建物の入り口に到着したわね...アルマ!わざわざ弾薬の補給なんてしなくても無事に辿り着けたじゃない?」

 

「―――いや、ユウカ嬢。無事かどうかはこれから判断しないといけねぇみたいだぞ?」

 

「えっ?......この音は...」

 

「気を付けてください、巡航戦車が向かってきます!」

 

チナツ嬢の警告を受けた俺とユウカ嬢は左右に別れ、それぞれ瓦礫の山と土嚢の蔭へと隠れる

後ろに居る先生達も障害物に隠れてやって来る巡航戦車の主砲から身を隠しつつ迎撃態勢を取り始めたのを横目で確認しながら戦車の全容を見ようと瓦礫の陰から顔を覗かせて対象を見る

土嚢を自慢のキャタピラで蹴散らしつつ迫って来る巡航戦車、『クルセイダー1型』は此方へと砲身を向けているものの隠れた俺達が何処にいるのか分かっていない様で身を隠せそうな所へ次々と主砲を放って破壊し続ける

その装甲の側面には『KAISER PMC』と銘打ってあり、何処から流れてきた代物かは一目瞭然であった

 

「クルセイダー1型...私の学園の制式戦車と同じ型です!」

 

「不法に流通された物に違いないわ!PMCに流れたのを不良達が買い入れたのかも!―――つまりガラクタって事だから、壊しても構わないわ!行くわよ!」

 

「主砲の火力は戦車だから馬鹿に出来ねぇぞ!やべぇと思ったらチナツ嬢を頼れよ!それと戦車の装甲自体も伊達じゃねえから気を付けな!」

 

『ハスミさん、徹甲弾は持っていますか?』

 

「ええ。この弾ならクルセイダー1の装甲を撃ち抜けるかと」

 

"...とはいえ、ハスミ頼りになるのはね―――アルマ!"

 

「何だ先生?」

 

"...アレを撃ち抜ける弾丸を、発注してもいいかな?"

 

「―――いひっ、そりゃ武器商人萬屋アルマへの発注かい!?」

 

"うん。スズミとユウカとアルマの分の徹甲弾をお願い!"

 

「イッヒッヒッヒッ!OKOK!そりゃあ勿論...Welcomeだ!大急ぎで仕上げるからちょいと時間稼いどいてくれよ!」

 

先生からの注文に対して、俺は二つ返事で了承しアタッシュケースの蓋を開ける

俺の分は前回のパンちゃんとの戦いを反省しデカい花火をぶっ放せる代物を持ち込んだので不要とし、ユウカ嬢とスズミ嬢の銃に合わせた弾薬を作るべく素材とガンパウダーを掛け合わせる...必要なのは普通の徹甲弾じゃあダメだな

銃の威力が高いハスミ嬢のスナイパーライフルはどうもM1903、によく似たM1917エンフィールドかP14エンフィールドだから普通に徹甲弾をぶっ放しても相当な破壊力が出せるだろう

 

しかしスズミ嬢とユウカ嬢の銃はそれぞれARとSMG、特にユウカ嬢のSMGは重装甲を撃ち抜くにはちょいとパワーが足りねぇから並の徹甲弾じゃあ弾かれて終わりだろう...それを補う構造の弾薬、APDS(装弾筒付徹甲弾)みてぇな構造の弾丸を作り出す!

バチン!という電流を流す様な音と共に産み出された弾倉を手早くボルトスロアーのボルトに固定して二人の方へと飛ばした俺は盛大な花火を打ち上げるべく長い筒を有する"ソレ"を取り出し弾頭を込めておいて、と―――

 

「先生!発注された品のお届け完了だァ!俺も派手な花火の準備が出来てるぜぇ!」

 

"―――よし!敵の主砲が放たれたのを確認してスズミは戦車に向けて閃光弾を投擲して!"

 

「了解!......今!閃光弾、投擲!」

 

先程の大声で俺の大よその位置がバレたのか、隠れていた瓦礫に向かって戦車の主砲が放たれ瓦礫の一部が吹き飛ばされた...幸い風と埃が飛んできただけで負傷はしてねぇがやっぱ生前の記憶から戦車に正面から歩兵が挑んでるってのは怖いもんがあるなぁ

だが、俺を狙ってくれた事で動きが止まっている戦車へとスズミ嬢が閃光弾を投げるのに十分な隙が出来、キュィィィン!という甲高い音と共に戦車の周りが眩しく輝き視界を封じる事に成功した!

 

"良し!ユウカとスズミは戦車の履帯を狙って!ハスミは徹甲弾で砲塔部分に攻撃!"

 

「畳み掛けるわよ!」

 

「勿論です!」

 

「―――攻撃します」

 

先生の指揮を受けた3人が、それぞれ目標とされた場所に対して次々と銃弾を撃ち込んでいく

履帯が結合部を撃ち抜かれたのかバキン!という音を発した後、外れたであろう下の部分が地面へと落としアスファルトの上に罅を作り出す...更には砲塔部分に斜め方向から撃ち込まれた弾丸が風穴を開け、内部で小さな爆発音を響かせる。こりゃあ中の機器が壊れたかぁ?搭乗口の蓋から煙も出てるし行動不能に陥ったらしいなぁ?

―――まあ、容赦無く仕留めさせて貰うがな!

 

"アルマ!"

 

「あいよ―――派手に、吹っ飛べやぁ!」

 

トドメとばかりに放たれたRPGのロケット推進擲弾はバシュゥン!という音と煙を発しながら飛翔し、戦車の胴体部分へと直撃し爆発。その一撃を最後に戦車は沈黙してしまい、搭乗していたであろう生徒達が慌てて煙が立ち上る搭乗口から外へと脱出して泣きながら退却していき...此処に、シャーレ部室の奪還は成し遂げられたのであった

 

―――――――

 

萬屋アルマ(スーツの姿)

 

数度の不良生徒との戦闘、ワカモとの戯れ、対戦車戦を乗り越えてシャーレの部室へと辿り着いた

保有神秘は自称ではあるが『クラフト』、RE4における調合(クラフト)をその場で行い即座に調合を終える能力...らしい

シカゴスィーパーやハンドキャノンをあんなリロードモーションで補充した扱いになっていたのはこれが原因

 

この姿の時は基本的にブラックテイルがメイン、サブとしてボルトスロワー・シカゴスィーパー・スカルシェイカー・マグナム1種にRPGと各種手榴弾とハーブ医療品を保有して動いている...重く無いのか?いや、全然?

 

 

 

早瀬ユウカ・守月スズミ・羽川ハスミ・火宮チナツ・七神リン

 

前回同様先生の指揮の元、遂にシャーレ部室奪還を成し遂げた

いやぁ、戦車は強敵でしたね...

 

この世界線の対クルセイダー戦車戦ではリンちゃんがハスミのスキルを説明した後にアルマのスキルの説明が入り、全員がクルセイダー戦車に対して有利が取れるようになるという仕様に...何という追い撃ち

 

 

 

"先生"

 

アルマに対戦車用の弾薬を発注したり、生徒達に戦術指揮をしたりと大忙しの先生

他の生徒に対してアルマの武器はコロコロ変わるのでびっくり...というか、その武器は何処にしまってるの?と疑問を持ち始めている

後ハーブについては後で詳しく、教えて貰おうと決意している...ちゃ、ちゃんと然るべき所の審査は通ってますんで許して...?




萬屋アルマ(スーツ姿)

レアリティ ☆1(イベント配布 イベント終了後、即座に常設され新規参入者も入手が容易)

役割    STRIKER

ポジション FRONT

クラス   タンク

武器種   HG(HG・SM・SG・RL・BS)

遮蔽物   〇(特殊モーションアリ)

攻撃タイプ 振動

防御タイプ 重装甲

学園    未所属(ブラックマーケット)

部活    未所属(店舗経営者)

年齢    不明

誕生日   不明(先生がブルアカを始め、プロローグ編でアルマと出会った日になる)

身長    180㎝

趣味    商売、武器のメンテナンスと改造、商品開発、運転


基本情報

ブラックマーケットで商売を営む自称『武器商人』
各方面に対して手広く商売をしている商人であり、顔も広く各方面を飛び回っている模様

胡散臭い感じがあり勘違いされやすいが、話してみると気さくで頼りがいがあり店に勤めている生徒達を纏め上げている良き店主である


スキル

EX 発注受領  コスト:7

自分を含めた味方の攻撃力を僅かに上昇し、更に敵に与えるダメージを相手への有利属性扱いに変換する(時間制限あり、短め)

計算式 100%(基本ダメ)+100%(相性有利若しくは有利属性変換)

※尚、○○特攻とは重複可能

100%(基本ダメ)+100%(相性有利若しくは有利属性変換)+○○%(○○特効)


ノーマルスキル

クレーム対応

一定時間毎に固有武器以外の武器(5種類)を取り出して攻撃し、最後に遮蔽物を相手へと蹴り飛ばす(蹴り飛ばす遮蔽物の種類に応じて追加効果あり)
尚、遮蔽物は敵に当たった後破壊される


パッシブスキル

訪問販売

HPと防御力を○○%分増加させる


サブスキル

販路拡大

クレーム対応発動後、自分と最もHPが低い味方のHPを自分の治癒力の○○%分回復

ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」

  • 『このまま対策委員会と進む』表ルート
  • 『後続部隊を待つ』暗躍(裏)ルート
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