透き通る世界の武器商人さん(ちゃん)   作:狐の行商人

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チャプター3 闇銀行内~闇銀行前

闇銀行は犯罪によって得られた資金が流れこんでいるだけあり常にブラックマーケット最高位の治安組織、マーケットガードが警備に就いていた

無法がまかり通るこの地域の住人達であっても流石にマーケットガードに対して敵対的な行動に至ればどうなるかはよくよく理解していたし、表立ってその様な暴挙に至る輩も居ないと思われていた…今日、この日までは

 

最初の異変は、営業時間中だというのに出入口のシャッターが降りてきた事だろう

このシャッターは本来営業時間終了後に降ろされるのだが、場所が場所故にかなりの防弾性能を持たせてあり突破するには高威力の爆発物が必要となる程には強固なものだった

 

それが何らかの事情により全て降りて来ており、出入口を全て封じてしまった...故障か?トラブルか?という疑問や困惑を行員や顧客が思う間も無く今度は店内の照明が全て消え、視界が封じられてしまう

店内は突然の事態にざわざわと騒がしくなり警備を行っているマーケットガード達もこの不慮の事態に動揺し始めた、その瞬間―――

 

―――カチッ、カチッ

ドゴォォォォォォォン!!

 

豪快な爆発音と共に出入口の一角が吹き飛び警備のマーケットガードを吹き飛ばす

その直後複数の足音が爆発によって撒き上がった煙幕をかき分けて闇銀行の内部へと侵入し、その内の1人が天井に向けてアサルトライフルを複数発発砲し周囲を威圧した

 

「―――全員武器を捨てて、その場に伏せて!」

 

補助電源が入ったのか、照明が再度灯った銀行の内部...その場には先程まで居なかった5()()の覆面を被った強盗団が立ち、行員や顧客・地に倒れているマーケットガードに対してそれぞれ銃口を突き付けて武装解除を指示していた...

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

店内を制圧した強盗団の内、『2』という数字のパッチが付いた青色の覆面強盗犯が先程の現金輸送車の集金記録を渡す様に窓口業務の店員に促し始める最中...支店長のロボ型銀行員は彼女達の監視を掻い潜り何とか目的の連絡端末へと辿り着き非常事態用のダイヤルを打ち込み外部へと連絡を試み始めた

 

「...ひ、非常事態発生!非常事態発生!至急救援を―――!?」

 

「うへ~、無駄無駄ー。外部に通じているだろう警備システムの電源はちゃーんと落としたからねぇ、直ぐには救援は来ないよー?」

 

連絡端末で外部へと救援を求めていた支店長に対し、彼の行動にいち早く気付けたホシノが銃口を構えたまま接近し忠告する。襲撃前の打ち合わせ時点で外部への救援要請の可能性は考慮されており、先生とアヤネが協力してホシノ達の突入時と同時に警備システムに干渉・無力化を行っていたのだ

その忠告に対し一瞬だけ驚愕した様子を見せた店員だったが、まだ策があるのか毅然とした態度でホシノを睨みつけてきた

 

「ぐっ...し、しかし甘いな!マーケットガードの警備員達は出入口前に居た連中だけではない!これだけの爆発音だ、今頃警備室から増援部隊が此方に向かって来ているだろう!奴等が此処に来れば貴様らなんぞ―――」

 

【残念だったなァ、店員サン。警備室の連中なら来ねぇぞ?】

 

「―――は?」

 

連絡端末の横にある行員用の通路から、ガチャガチャと金属音を鳴らしながら銀色の甲冑を纏った人物が出て来た...その光景に支店長は戦慄する

甲冑が出てきた通路は、幾つかの経路を経て警備室へと繋がっていたのを闇銀行の支店長である彼は当然知っている。其処からどこからどう見ても部外者の変質者が現れたのだ、こんな不審者を見て警備の者達がどう対処するべきか等戦闘の素人たる彼ですら考える必要も無い問題である

だが、この甲冑は何事も無かったかのように表れたのだ...認めたくない現実を眼前に見せられた支店長が二の句を告げれぬまま、甲冑は『1』というパッチを付けた強盗団と話を始める

 

「うへぇ、まさかこっちに合流するなんてねぇ...まさか足止めじゃなくて全員倒して来たの?」

 

【結果的にはな。まぁちょいと警備室の通路で厄介なファンにサインをせがまれた程度だ、大した問題じゃなかったよ】

 

「へぇ~、最高位って話のマーケットガードがファン扱いかぁ...勿論、ちゃんと誠実に対応してくれたんだよねぇ?」

 

【勿論問題無くな。直筆サインを受け取って今頃すやすやお寝んねの真っ最中だよ、ありゃあ暫く起きて来れねぇさ】

 

「ならオッケーかな、こっちも今の所順調だから此処からは我等がボスのファウストさんの護衛を宜しくねぇ」

 

【ファウスト?...あぁ、あぁ。OKOK、ファウストさんの護衛はこの俺、ジャガーマンに任せなぁ!ぎゃはははははは!】

 

両手を腰に当てて高笑いをする『6』の甲冑男?を呆然と見ていた支店長はやっと現実へと意識が戻ってきたのか、恐る恐る当たって欲しくない想像を確認するべく質問し始める

 

「ま、待て。其処の甲冑野郎お、お前まさか警備室の連中を?マーケットガードだぞ?ブラックマーケットでも最上位の、選りすぐりの警備員だぞ?そんな奴等が20人以上は居た筈だ。まさか、お前」

 

【―――正確には21人、全員がアサルトライフルのステアーAUGを携帯するロボットタイプの警備員だろ?残念だったなぁ、連中急な出勤に来たくなかったのか今頃床や壁相手に二度寝の真っ最中だ。まぁ、暫く来れねぇよ】

 

「ば、バカな...嘘だ。たった1人、しかも銃を持たない甲冑の不審者1人にマーケットガードが壊滅だと...あ、悪夢だ」

 

外部への連絡手段が封じられ、唯一の逆転手段であった増援も失ったショックに支店長はよろよろと後退り壁に背を預けながら崩れ落ちていく

 

「...思ってたよりも警備が居たみたいだねぇ、本当に大丈夫だったの?」

 

【お?心配してくれるのか?】

 

「そりゃ多少はねぇ~、ソロで動いて貰わないといけない作戦だったしさ?」

 

【元々此処に来た時はソロで活動してたから慣れてるさ...ただまぁ、今回はちょいと思い切った指揮だったとは俺も思うがな】

 

そうホシノ嬢に語りながら、俺は事前の打ち合わせの際の出来事を思い出す―――

 

 

 

 

 

"今回の作戦は都合上ホシノ達に銀行を襲撃して貰う事になったんだけど...アルマには途中まで単独で行動して貰おうと思うんだ"

 

【おっと?俺はヒフミ嬢の護衛をする気満々だったんだがなぁ...中々大胆な作戦プランを考えたご様子じゃあねえか?理由を聞いてもいいかい?】

 

"うん...闇銀行の警備に関しては裏の事情はどうあれ銀行というお金を預かる場所だからね、襲撃に備えてそれなりの準備はしていると思う。外部への緊急時の連絡手段に関しては私とアヤネで対処出来ると思うけど、他に銀行内には待機している警備員位は居ても可笑しくないんじゃないかな...其方への対処をアルマに任せたいんだ"

 

「でもさぁ先生、警備員の相手をアルマちゃん1人だけでやらせるのぉ?それはちょっと無謀なんじゃないかなぁ?」

 

"結構な無理を言ってるのは自覚してるよ...けど他の人員でこの策が出来そうなホシノは襲撃後の撤退指示を出して貰わないといけないし、ヒフミは戦闘慣れしてないのが分かってるから除外して...他の皆も単騎でマーケットガードの足止めは難しいと思う。それにアルマはヒフミと違ってアビドスの皆に合流したばかりでもし銀行内で戦闘になった時に上手く連携が取れるか不透明という問題もあるからね...

対してアルマは持ち前の耐久力と場合によっては自分である程度の状況を判断して武器のチョイスをする能力と単体での総合的戦闘能力の高さがあるし、もし万が一足止めが難しくなった際の引き際の決断や万一私やアヤネからの連絡が取れなくなった時も君なら土地勘を活かして上手く逃げれると信じるよ...だからアルマ"

 

【何だ先生?】

 

"全員を倒さなくてもいい、その武器を用いて少しの間だけ警備の増援が窓口の方へ行かない様に足止めしてくれるかな?オペレーターとしてアヤネに付いて貰おうと考えてるし、場合によっては無理せずに直ぐに撤退してくれていいから...お願い出来るかな?"

 

【...ハァー、降参だ降参。其処まで考えた上で頼まれたんじゃあやるしかねぇか】

 

"ゴメンね、巻き込んでしまった上にかなり難しい事を頼んでしまって..."

 

【全くだ...今度ちゃんとウチの店に来て高めの買い物して貰うから覚悟しとけよ?】

 

"お、お安めでお願いします..."

 

【そりゃあ聞けねぇ指示だなぁ?イッヒッヒ!】

 

「かなり無茶をお願いする事になるけど...大丈夫?」

 

【やれるだけやってみるさシロコ嬢、そっちもかなり大事しでかすんだから気を付けろよ?】

 

「ん、それは大丈夫...シミュレーションは何度もしてるから」

 

【...普通学生が銀行強盗のシミュレーションを何度もしてるってのが違和感凄いんだがそこんとこどう思うよアヤネ嬢?】

 

『え、えっと...ノーコメントでお願いします...』

 

「大よその打ち合わせは終わりましたし...これ以上時間は取れそうにありませんから、そろそろ向かいましょうか。ではアルマさん、ご武運を☆」

 

「おう、ノノミ嬢もな!」

 

「はい!...それでは覆面水着団、出発です!」

 

後に、ブラックマーケットの闇銀行を襲った正体不明の強盗団『覆面水着団』とそのボス『ファウスト』の名は―――

 

【んじゃあ、サポートを宜しく頼むぜアヤネ嬢?】

 

『はい、お任せください!』

 

その一員と言われる『銀甲冑の悪夢 ジャガーマン』によるマーケットガード21名相手の蹂躙劇と共に裏の世界で語り継がれる事となるのである

 

―――――――

 

萬屋アルマ

 

次回大暴れが予定されている『ジャガーマン』こと武器商人さん

マーケットガード相手にどう大立ち回りをしたのかは今は内緒(長くなりそうなので区切ったとも言う)

 

先生が其処まで回数を踏んでない筈なのに段々と思い切った作戦を考え始める様になった事に驚いている...と同時に前の一件で結構信頼されてるらしいのも理解したのか先生にお願いをされるとしょうがねえなぁ、と思いながらついつい無茶な注文も受けてしまうらしい

 

アルマの動きは多分この世界線ではDVDやBDを購入しないと見れない仕様だった為、アニメでは銃を用いて対処したとか思われていたのだが―――?

 

 

 

小鳥遊ホシノ

 

足止めを頼まれていたのに全員倒してきた事に少しだけ驚いている...制圧出来なくはないんだろうなぁなんて思っていたが、あんな甲冑着たままで武装したマーケットガードを短期間で鎮圧するとは予想外だった。強そうなのは分かってたけど狭い場所で大人数相手に戦ったみたいだし苦戦するかなーと思っていたのに、見た所甲冑には傷が全く無いし思ってたよりも早くてどう立ち回ったのかと疑問が尽きない様子である

 

 

 

"先生"

 

シャーレ奪還戦でのアルマの評価はかなり高く、現状当てに出来そうな生徒ランキングではベスト10には余裕で入る位には評価が高い

 

負傷しても自己回復可能なハーブを持ち、場所によって武器を使い分けれる柔軟性と状況分析の能力の高さがありかつそもそも全体的に纏まった戦闘能力持ちであるアルマを信じて足止めをお願いしたけど...まさか鎮圧しちゃうとは思ってなかったよ...

 

 

 

奥空アヤネ

 

アルマのバックアップ要員

DVDやBD購入者だけが彼女がアルマと何をしていたのかを知れるのだが...暴れっぷりの第一目撃者と言っても過言ではない事を終始見せつけられることに

 

 

 

砂狼シロコ・十六夜ノノミ・黒見セリカ・阿慈谷ヒフミ

 

現在銀行内の制圧と集金記録の回収(オマケで資金回収)に忙しい模様

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