透き通る世界の武器商人さん(ちゃん)   作:狐の行商人

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チャプター3 闇銀行2

アルマがアヤネに調べて欲しかった情報の内、特に拘ったのは警備室や金庫室のある銀行心臓部から窓口に至るルート…その中で直線が1番長く遮蔽物の少ない通路であった

これを求めた理由として先ずこの鎧の致命的な弱点を補うという目的があった

 

確かにこの鎧は至近距離からのRPGですら無傷で済む程の耐久性があるものの、鎧が硬かろうがアルマがかなりの怪力を有していようが数で補われてのしかかられたり組み付かれれば身動きが取れなくなる可能性がある…特に、トリモチや拘束用のネット弾等が撃ち込まれた場合アルマは唯の非常に頑丈な鎧の置物と化してしまい足止め以前に文字通りのお荷物になってしまうだろう

一応この鎧の重量には人間以外の存在が持ち上げようとすると持ち上げれない重さへと変貌するという呪いめいた神秘も有してはいる為運んだりは出来ないが...あれだけ豪語しておいて捕まりました等という情けないオチはご勘弁願いたいという思いもあったらしい

 

また、この狭く遮蔽物の無い場所にマーケットガードを纏めておくのは現時点のアルマの近接戦闘を強要される戦闘スタイル的には利点が多く頑強な鎧を活かして銃撃を無効化しつつインファイトに持ち込み、用心棒と鍛えているメレーと投擲武器のコンボを活かして対多数でも攻撃に巻き込んで戦えるだろうという思惑もあった

...こうしてアルマが待ち受けている場所へとノコノコ来てしまった彼等は、隊長と部下2名への壁を破壊した上での不意打ちという形から始まる蹂躙劇の舞台へと自ら足を踏み込んでしまったのである

 

 

 

叩き込まれた勢いのあるドロップキックにより、マーケットガードの1人が吹き飛ばされていく。吹き飛ばされる彼の後方に居た同僚が吹っ飛ばされてきた彼を躱しきれずに巻き込まれ、哀れにも彼と壁によるサンドイッチとなる様に激突してぐったりとしながら意識を手放していった...

 

『残り17!更に巻き込みで16です!』

 

【後が閊えてるしじゃんじゃん畳んじまわせて貰うぜェ?ほれプレゼントだ、受け取りなぁ!】

 

「ふ、フラッシュバ―――!」

 

ドロップキック後に着地したアルマはすぐさま閃光手榴弾をクラフトしてピンを抜き放ちマーケットガードのど真ん中へと投擲し、自身もそれを追う様に集団へと突っ込んでいく

 

このまま行けば勿論彼女も閃光により視界が封じられてしまうのだが...アルマはフラッシュバンが炸裂する瞬間に1人のマーケットガードへと大きく踏み込みながら近付き、体をひねり背中から相手へとぶつかる様な形の体当たりを繰り出す。フラッシュバンに一瞬気を取られて反応が遅れたマーケットガードが直撃を受けて吹き飛び、他の連中を巻き込んで壁へと叩きつけられていく最中に閃光が通路一帯を満たし...攻撃の動作の都合上背中を向ける事となったアルマ以外の全員が視界を奪われ、目元を抑えながら棒立ちになり隙だらけになった相手へとアルマは容赦無く追撃を繰り出していく

 

近くに居た奴に対してメレーによるフロント・ハイキックを繰り出す事で更に1人を壁へと蹴飛ばし、蹴り飛ばされた相手が再び複数人数を巻き込んで壁へと飛んでいくが、その様子を見る事無くアルマは未だに目元を抑えているマーケットガードの1人の腰を抱き抱える様に捕まえそのままジャーマンスープレックスへと移行して相手の背中を地面へと勢い良く叩き付けた

 

「くっ、まだ目が...」

 

【おっとぉ、まだお眠の時間だぜぇ!?】

 

「ぶっ!?」

 

2度のメレーによる攻撃を繰り出して相手の数を減らせたものの、流石に視力が回復する者が現れ始めたらしくまだ目を瞬かせてる手近なマーケットガードに対して回し蹴りを繰り出し顔面部分に当たるモニター部分を蹴り飛ばして更に壁と熱い抱擁を交わさせたアルマは一旦距離を取りながら息を整える

 

『と、飛び蹴りと体当たり...とそれによる巻き込みに蹴りにジャーマンスープレックス、回し蹴りで...残りは7人です!』

 

【おぉー、大分削れたなぁ?順調順調...ッてなとこか?】

 

フラッシュバンで目と耳を潰してからのメレー祭りで半分以下まで削れたらしい...まあ不意打ちから始まり徒手空拳と投擲物でこの数を倒せたんなら良しだな、メレーの感覚も良かったし技から技への移行も練習してた時よかスムーズにシフト出来たし今後は回数を重ねていきゃああのStranger位には使いこなせるようになるだろう

 

【んじゃこっからは..."銃撃戦"といこうか】

 

メレーの成果は上々だったし、次はこのスタイルでいくかぁ

俺は連中に対峙する様に立ったまま足を少し開き、足幅を拳2つ分程空けて左足を前に出す

両足のつま先を斜め45度右に向けながら少し腰を下げて左手は顎の左斜め下辺りに、右手は腹の辺りにだらりと下げるデトロイトスタイルというボクシングのフォームを取りながら右手に少量の素材とガンパウダーを握り締めておく...これで準備は万端だ

 

「何だあの構え...?」

 

「ぼ、ボクシングの構えか...?」

 

「ぜ、全員距離を取れ!そのまま交代しながら奴に銃撃をし続けて距離を詰めさせるな!」

 

「「「りょ、了解!」」」

 

再び連中はステアーAUGを撃って来るが...一連の戦いっぷりで少しは学んだのか多少時間差を置いた上にそれぞれが他の連中をカバー出来る様に射線と位置をずらして絶え間なく撃つ事にしたらしい

尤もこの鎧を撃ち貫くにゃあ全く至らねぇんで無駄な努力なんだが...相手も撃ってきたしこっちも用心棒の嬢ちゃんを真似て撃ち返す(打ち返す)とするかね!

 

―――『クラフト』ライフル弾

 

【残念―――其処は俺の銃撃の射程内だぜ?】

 

右手の内に生成した単発のライフル弾を投げ上げ、宙に浮かせる...そのまま重力に従い自然落下してくるライフルの弾が顔の高さ程に落ちてきた瞬間に右拳を握り締めてマーケットガードの1人に向けて拳を真っ直ぐに振り抜く!

 

―――ダァン!!

 

「ごっ!?」

 

「...えっ?」

 

「...はっ?」

 

『えぇ...???』

 

丁度人間で言うこめかみ辺りに銃弾を叩き込まれたマーケットガードが頭を仰け反らせ地面へとそのまま倒れ伏していく...初弾でいきなり良い所にぶち当てられたなぁ、この技中々上手くいかなくて的を外したり当たったとしても中央付近には当たらねぇから苦労してたがやっぱ本番特有の緊張感と高揚感のお陰かぁ?

 

【ぎゃっはっはっ!ワンショットキルだなぁ...さぁ次々撃つぜぇ!】

 

―――ダァン!!

―――ダァン!!

―――ダァン!!

 

「ぐふぇ!?」「アブねぇ!?」「ぐあっ!?」

 

更に少量の素材とガンパウダーを両手に握り締め2発・3発・4発目をクラフトし左右の拳で同じ様に撃ち出してみるが...左で撃った奴は弾道がズレたのも相俟ったのか頭を逸らしたマーケットガードの横を通り抜けて壁に穴を開けるに留まったなぁ

こんな調子なら直線の道に誘導したが為に当てやすくなったってのを加味してもこっちはメレーに対して精度的にも練度的にもまだまだだな。流石に用心棒の嬢ちゃん程のデカい弾頭を真っ直ぐ狙った所に飛ばす程の技術は中々身に付かねぇもんだ...

 

【オペレーター、あと何人だ?】

 

『あ、あと4人です!』

 

【4人か...そろそろ時間も押してきてるだろうし、ハデにケリを付けさせて貰うぜぇ!】

 

トドメにデカい花火を挙げるべく俺は大量の素材とガンパウダーを両手に持ち、手を合わせて目的のブツをクラフトする...頭に思い浮かべるのはうちの商品の一つ、その弾頭部分のマッチ棒の先端を尖らせたようなあの形である

バチン!という音と閃光の後に手に握られたのは銃弾よりもずっしりと手に来る重みのある対戦車榴弾、要はあのRPGに詰め込まれる弾頭だ。これを槍投げみてぇなフォームで構えりゃあ流石に奴さん達もこれから何をされるのか嫌でも分かっちまったらしく、頭部のモニター部分に震える様なマークを浮かべて怯え始めた

 

「お、おい待てまさかお前それを使って何する気だ!?」

 

副隊長と呼ばれていたマーケットガードのロボットタイプが慌てて俺に声を掛けてきた...まぁ分かりやすいわなこのフォームをした後これをどうするか何て勘の悪い奴でもお察し出来るだろうしな

...尤も

 

【それを聞くのは...野暮ってモンだろぉ?―――ドハデに、吹き飛べぇ!】

 

俺がそれを止める理由は、全く無かったわけだがな

全力で投げられた弾頭部分は背を向けて逃げ出そうとした副隊長達に向けてすっ飛んでいき着弾、豪快な爆発音と爆炎を披露しながら残敵と悲鳴と瓦礫と銀行の壁を綺麗に外へと吹き飛ばして風通しを良くしてくれたぜぇ

 

【よぉし、これで全員片付いたな!こんだけハデにやりゃあこいつ等は追っても来れねぇだろう】

 

『そ、そうですね...あ、あはは...』

 

【...なぁんだ、もうちっと喜んでも良いんじゃあねえか?】

 

『いや何処に喜べばいいんですかぁ!?やり過ぎですよコレ、もの凄く悪目立ちしてるじゃないですかぁ!』

 

【そうなる様に意図してやったんだがな...おっと、序にこいつ等の武装解除もしとこうか、へっへっへ役得役得♪】

 

『しかも容赦無く倒した人達の武器まで没収してますし...もうどっちが悪党何だか分かりませんよぉ』

 

呆れるアヤネ嬢を尻目に俺はまだまだ使えそうなステアーAUGを複数回収し、一番品質の良さそうな隊長の銃については動作確認と残弾の確認をした後これからの脱出の為にと手持ちにしながら行員用の通路を窓口方向に向けて歩いていくのだった...

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

こうしてマーケットガードの連中を全員ノして来た俺が合流した覆面水着団(ノノミ嬢命名)はその後銀行から撤収し、逃亡を開始した

 

流石に面子を丸々潰された形になった闇銀行とマーケットガードの連中がブラックマーケットの各所を封鎖し検問を設けて俺達を逃がすまいとしたものの...生憎この場所で生活してる上にマーケットガードよりもやべぇ連中に追いかけられて逃げ切った経験ありの俺が水先案内人を務めりゃあ連中の封鎖線なんぞザルだったぜ、イッヒッヒ

...とまぁ華麗に逃げ切れたらよかったんだが、そんな俺に何故か追い付ける例外的な相手も居るんだよなぁ。そう―――

 

「ちょっと待ってぇ~!」

 

(あ、アルちゃん!?一体何しに来やがった!?)

 

便利屋68社長、陸八魔アルその人である

 

―――――――

 

萬屋アルマ

 

全身甲冑時はレスラー兼劣化版用心棒の嬢ちゃんになっている武器商人さん

銃弾打ちを習ったりメレーの練習相手になって貰った結果ライフル弾程度なら拳で殴って相手に当てれる様になりつつある...またアルマの戦闘スタイル的に闇銀行襲撃犯に"彼女"が居たとかいう噂にならないか?という疑問は"彼女"なら寧ろ堂々と姿を見せるしこの程度の蹂躙では済まないだろうという確信めいた情報が何処からともなく流れた為に否定されたらしい

 

尚クラフトを用いればRPGの弾頭も作れるが、現時点では素材とガンパウダーの消費が他の弾丸の精製よりも遥かに激しい為数発分作ると素材の在庫があっという間に枯渇する模様...特に素材の消耗が激しいとの事

 

ちゃっかりステアーAUGをタダで入手出来て上機嫌だったが、顔見知りのアルちゃんがアビドス組を追い掛けてきたらしく...?

 

 

 

奥空アヤネ

 

前回に引き続き大暴れをし、銃弾や弾頭を拳で打ち出したり投げつけたりマーケットガードとはいえ銃器を奪うアルマが本当に武器商人なのか疑わしくなってきた...悪い人じゃあ、無い筈ですけど...

 

 

 

マーケットガードの皆さん

 

全く良い所なく壊滅させられた上武器まで奪われて散々な目にあった被害者の会の皆さん

今回の件以降闇銀行の警備を任されていた者の大半が鎧恐怖症なる病気を発症し離職したり転職したらしい、ドンマイ...

 

 

 

陸八魔アル

 

ブラックマーケットにおいて一度はアルマを追い詰めたり、原作においても逃げるアビドス組にしっかり追い付けたりと追跡能力が高い我等がアル社長...尚当然鎧の中身は分からない模様

 

 

 

 

 

用心棒の嬢ちゃんVSアルマの模擬戦

 

模擬戦故にお互い本気でやっていないのだが銃弾で撃たれた筈の人体から金属音がしたりロックアップで組み合うと彼女達を中心に徐々に周囲が陥没したりと某副委員長と某騎士団長並の凄まじい格闘戦が展開される模様...周囲が更地でヨカッタネ...




ジャガーマン(萬屋アルマ)

レアリティ ☆2(通常ガチャ産)

役割    STRIKER

ポジション FRONT

クラス   タンク

武器種   AR

遮蔽物   ×

攻撃タイプ 神秘

防御タイプ 特殊装甲

学園    未所属(ブラックマーケット)

部活    未所属(覆面水着団仮入部)

年齢    不明

誕生日   不明(先生がブルアカを始め、プロローグ編でアルマと出会った日になる)

身長    180㎝以上

趣味    不明(商売、武器のメンテナンスと改造、商品開発、運転)


基本情報

ブラックマーケットに突如現れた覆面水着団の№6、全身甲冑を着ている謎多き6番手
マーケットガードを一方的に蹂躙した過去があり、その一件以来『銀甲冑の悪夢』と呼ばれ恐れられている

なんとなく胡散臭い感じがあり勘違いされやすいが、話してみると気さくで頼りがいがある...まるで何処かの店長の様である


スキル

EX 銀甲冑の悪夢  コスト:5

一定時間防御力を上昇させ、エリアに居る全ての敵の注意を自分の方へと引き付ける(制限時間短め)
又被ダメージを少しだけ軽減する





ノーマルスキル

銀甲冑

防御力を○○%増加する


パッシブスキル

神秘の鎧

戦闘開始直後から防御力を○○%ずつ徐々に上昇させる(限界値+100%)
スキルlevelを上げる毎にMAXまで上昇する時間が短くなる


サブスキル

鋼の意地

瀕死時に1度だけHPを4分の1回復させた上、弱体化を解除して立ち上がり戦闘を継続する
(サブスキル発動時、パッシブスキルは継続せず解除される)

尚、メモロビでは上半身の甲冑を脱ぐ模様

ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」

  • 『このまま対策委員会と進む』表ルート
  • 『後続部隊を待つ』暗躍(裏)ルート
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