「先生、三時と九時の敵勢力の鎮圧が完了しました!」
"―――良し、皆には先ず私の居る場所に集合する様に連絡を送って。全員が揃ったらシロコ達の援護に向かうよ!"
オペレーターを務めるアヤネの良い報告に先生は思わず拳を握り締めながら喜ぶ
ノノミとハルカが向かった三時とセリカとムツキの向かった九時の方角の風紀委員達は一先ず撃退出来たのは数の少なさがあった此方には朗報である...これでやっと真正面で苦戦を強いられているシロコ達の加勢に行けるのだから
「―――周囲の敵も撃破完了したし、後は正面の十二時方向だけだね」
"あっちの方はかなり数が多いみたいで苦戦しているみたいだ、皆が集まり次第私達も向かって援護しないと..."
「シロコちゃんやあの社長さん、アルマさんが居てですか!?」
「それだけアコが本気だって事だけど―――!」
他の面々が此方に合流するまでの間に状況分析を行う三人の会話を遮る様に、正面の十二時方向で複数回の大きな爆発音が鳴り響く...爆炎が複数回起きているのも目視で確認した先生とアヤネはまさか迫撃砲の攻撃か、と心配するが―――
「...先生、確認なんだけどさっきアビドスと"万屋アルカ"は商談の話をしてるって言ってたよね?」
"え?あ、あぁそうだよ。アビドス高校の問題解決案に関わって貰っているんだ、つい昨日からだけど"
「...ハァ、そう。ならこの後社長にはアビドスから手を引く様に説得する理由がまた一つ増えたかな」
「それは、私達にとっては嬉しい話なんですが...先程の爆発と何か関係が?」
「前々から私達とアルマが親しい間柄だから敵対したくないっていうのもあるけど、万屋アルカとアビドスが契約しているって事はアルマの子飼いの子達も敵になるって事だから。あの子達って元々各学園から諸々の事情で休学や退学したり雇用先から損切りされて解雇されたりした子が多いから、自分達を拾ってくれたアルマに恩義を感じてて結構団結してて手強いんだ」
「手強い、と言い切れるのは以前に戦った事が?」
「便利屋の依頼で戦った子達も居るのは確かだけど、彼女達の訓練への協力依頼の話があったりして色々教えてた事もあるからさ...私達の戦い方もある程度知られてるし、真正面からやり合いたくない組織の一つかな。特に、アルマと一緒だった時は」
"...アルマが此処に現れた時は1人だけだったけど、他にも店員の子達が来ているの?"
「誓約書に個人名じゃなくて店名を使ったり、『先生を連れて行くなら俺達全員倒して』なんて複数形で言ってたから多分だけどね...第一アルマ個人が協力してそれで学校の問題が解決する様な問題なら貴女達は此処まで苦労しないと思うけど」
「た、確かに」
"じゃあさっきの爆発は..."
「迫撃砲の爆撃にしては範囲がピンポイント過ぎるし爆発の発生タイミングも大まかに分けて2回だけだった。おまけにあのビルから煙が発生した後に大通りで爆発が起きた流れを見るに、アルマが以前使ってたアレを店員の子達にも持たせて迫撃砲を使ってる集団辺りに撃ったんだと思う...
◇◇◇
砲身から放たれた弾は、予め照準に定められていた目標物へと真っ直ぐ飛翔し...次々に着弾して爆発し目標物とその周囲の生徒達を吹き飛ばして昏倒させていく
砲撃の準備を整え射角を合わせ終えて何時でも撃てる状態になっていた『迫撃砲』の砲弾にも先程の爆発が運悪く誘爆したのか、1度目の砲撃を受けた少し後に再度の爆発が起きて更に多くの生徒達が吹き飛ばされて気絶し動揺が伝播していく
『―――は、え?』
予想外の攻撃を受け動揺する風紀委員達の中で、最も困惑していたのはつい先程勝ちを確信してしまっていたアコであった
自分達はつい先程まで圧倒的な数の暴力と3方向から囲う様に部隊を布陣させる策によってアルマ達に対して斉射を続けて動きを封じ、追い詰めていた筈だった...それなのに何処からともなく砲撃を受けて迫撃砲はほぼ全て全壊、更に包囲陣の中央部へと迫撃砲を移動させていたが為に2度の爆発で陣形は乱れ風紀委員達も浮足立ってしまっている
『い、一体何が...!』
「アコ行政官!あそこ、ビルの屋上に複数の敵が居ます!」
『...伏兵!?一体何処の...!』
傍にいた風紀委員の報告を受けてビルの屋上へと目を向けた彼女の視線の先には見覚えの無いデザートカラーの服装を纏った数人の生徒がRPG-7の砲身部分を持って此方を見下ろしており、先程の砲撃は彼女達の仕業であると否応なく理解出来てしまう
しかし彼女達の服装には今までの記憶を遡っても見覚えが全く無く一体何処の生徒かと思い出そうとした矢先に、アコはやっと気付く
『まさか、万屋の店員達!?いけない、全員アルマ達から目を離しては―――』
「正解だが、もう遅ぇよぉアコォ!行くぞシロコ嬢アルちゃん!」
「ん、分かった!コレ借りる!」
「正面は任せるわよアルマ!」
「応!」
迫撃砲の破壊に誘爆がか~な~り効いてるなぁアコの奴、イッヒッヒ!
俺へのヘイト集めの為に蕎麦を食ってみたりシロコ嬢達と合流する前に指定した高所を占拠し援護の体勢を整えてくれてたウチの店の優秀な店員ちゃん達の奇襲攻撃によって優位な立場から一転して浮足立った風紀委員達の様子に俺達は反撃開始とばかりに散開して委員達との戦闘を再開していく
アルちゃんは事前の打ち合わせ通りに右方向の風紀委員の方へと向かい、アルちゃんの掩護をする為に無線で指示しといた店員ちゃん達が各々の愛銃で援護射撃を開始を行ってくれてる...こっちはこれで押し込めそうだな
反対方向の左側にはシロコ嬢が俺から借りたライオットシールドを左手に持ちながらガンガン突き進んでいってるが、あの嬢ちゃん運動神経高ぇなぁ...おおサマーソルトで銃を蹴り上げた後に撃ち込んで倒した、ヒューやるねぇ♪
「俺も、やります...かぁ!」
「へっ?...うわぁぁぁぁ!?お、大型車を持ち上げてるー!?」
「まま待ってください、まさかそれを投げる気じゃ...!?」
「Exactly!その通りだぜ...あ~、嬢ちゃん達下敷きにならん様にちゃんと避けろよぉっ、とぉ!」
「「「わあああああああああー!?」」」」
よいせ、と俺は持ち上げたデケェ廃車を思いっきりぶん投げようかと思ったが...前に一緒に戦った子達だしヒナ嬢んとこの子達だしなぁ、警告をした上で高めにぶん投げて躱しやすくしてやるか。どうせ当てるのが目的じゃあねえんだからな!
『この、相も変わらぬ馬鹿力ですね貴女は!』
投げ飛ばされた車がアスファルトに叩きつけられて粉塵が舞い、視界が遮られたんでアコの奴はついさっきまで俺が居た所に向けて文句を言ってやがるが...残念、其処には俺は居ねぇよ
「お褒めの言葉と、受け取っておこうかい!」
投げ飛ばした車に付けておいたボルトスロワーのフックショット、そのワイヤーに捕まったままの勢いに任せて車の上へと着地してやったぜ。まさか自分で投げた車に便乗して敵中へと突入してくるたぁ思って無かったのか、周りに居るアコや風紀委員ちゃん達がえっ?って顔してるが...こっちも退けない理由があるんでな、隙あらば狩らせて貰うぜ
「何時もは客を歓迎してる身分だが...今回はお帰り願おうかい嬢ちゃん達」
袖口からStrangerが俺に出会った時に持っていたハンドガンを『2丁』取り出して両手に持ち、近場に居る嬢ちゃん達から順番に銃のマガジン部分だけを撃ち抜いて破壊していく
こうすりゃあ装填は出来ねぇし修理もまぁ銃そのものをぶっ壊されたわけじゃないから多少はお安くお手軽に直せるだろ、最悪"この戦闘の間"だけ無力化だけしてりゃあ後は問題ねぇ様に事前に手は打ってあるしよ
「...っと、弾切れか」
『反撃を!左右の部隊はアビドスの生徒と便利屋を出来るだけ抑えて!兎に角アルマを倒せば後は数で押し切れますから!』
近場の風紀委員ちゃん達を粗方無力化した所で両銃同じタイミング弾が切れちまった、早速御冠なアコの奴は左側で盾と遮蔽物を上手く使いながら前方の敵を掃討して進んでるシロコ嬢や高台からの援護を受けながら確実にワンショットワンダウンを繰り返すアルちゃんを放っておいて俺に火力を集中し始めた
やれやれ人気者はつらいねぇ、イッヒッヒ!
「おいおいどうしたアコぉ!さっきまで余裕綽々だったのに慌てまくってるじゃあねえか、こんな調子じゃあ俺に何時になったら辛酸を舐めさせれるんだぁ?んん~?」
『こっの、煩いですよアルマ!大体何時の間に店員達をあんな所に伏せていたんですか!』
「お前さんが迫撃砲を撃ち込んだ後だよ。俺達はアビドスと便利屋68の小競り合いが始まった頃に着いてたがどちらの組織とも関係があったからなぁ、柴関ラーメンの件については当事者同士で解決して貰った方がいいかと静観してたんだが...其処にお前さん達が介入しちまった訳だ、後はさっき話した通りの理由でこの喧嘩に参加してるって流れよ、お前さんも実に間が悪かったなぁ?ええ?」
『くっ、アビドスに貴女達が関わっているなんて情報は無かったのに...!』
「イッヒャッヒャッ、つい昨日締結したからなぁ♪言ったろぉ?間が悪かったってよぉ!」
空になったマガジンを外して地面へと落とし袖口に対して平行になる様に空いた銃底を向ければ、即座に代わりのマガジンが袖口に仕込んでおいた機構から押し出されて銃底へと収められて装填されていく
装填され終わって構え直すまでの間に再度アコを煽ってシロコ嬢やアルちゃんへの注意を此方に向けておくと何時店員の嬢ちゃん達を伏せさせていたかを聞いてきやがったが、この作戦は俺が先生達やアコ達の前に姿を見せる前から仕込み始めていたものである
来て早々爆発が起きた時は何事かと思ったが、やっちまったのはアルちゃん達便利屋68らしく爆破されたのはどうも俺達が行こうとしていた柴関ラーメンだったんだよなぁ...お勧めされた店が行く前にすっ飛ばされ犯人はウチとも関係が深い便利屋で、恐らく事態を把握しているだろう先生やアビドス高等学校の面々が来れば俺達は双方の抗争に巻き込まれて板挟みになっちまう
故に仕方なく、仕方なぁく到着時間を誤魔化す為に昼飯を先に食う事にして立ち食い蕎麦屋で麺を啜っていた俺達に入って来た続報は...予想外にもイオリやチナツ嬢達風紀委員会が便利屋を追って此方に接近しているという情報だった
まぁ普段から便利屋68は風紀委員達に追われてるという話はアルちゃん達から何度か聞いていて何時ものかぁ、と最初は思ったがわざわざアビドスまで...しかも相当な大軍を引き連れて向かっているというのはかなりの違和感があったんで『先方』に確認を取ってみればアビドスに対して部隊を動かしているのはアコの独断らしく、此方も今向かっているのでそれまでの対応は任せるとの返事が返って来た
で許可を得た俺は早速会計を多めに渡して追加の一杯と飯台を勘定して貰い、店員ちゃん達に定位置を確保する様に指示を出して先生達に合流したのである
『『俺』ではなく『俺達』と言っていたのもそういう―――!』
「その通り。こっちの読み通りに俺達を倒す為に迫撃砲を前に押し出してくれてどうもありがとうよ、お蔭でうちの子達がかなり狙いやすくなって助かったぜ」
『萬屋、アルマァ!』
「あぁ、それとなぁ?俺ばっかに意識を向けてるのは不味いと思うぜアコ?今回の敵は俺だけじゃあねぇんだしよ」
何を、と言い返そうとしたアコの周囲に次々と小型のミサイルらしきものが着弾して残る風紀委員ちゃん達が次々とノックダウンさせられ、追撃とばかりに高所からの射撃と狙撃に俺も廃車の陰から身を乗り出して委員ちゃん達の銃を撃ち抜いて無力化させれば...直近に残っているのはホログラムで爆発や銃撃のダメージを受けないアコだけになった
「...詰みだ、アコ。大人しくアビドスから手を引きな」
『―――っ!...はぁ。どうやら先生の身柄を素直に渡して頂くというのは、難しいようですね』
そりゃあ難しいだろう、風紀委員側は既に俺達の近くに居るのはアコだけで他の子達は武器が壊れていたり気絶していたりで戦闘続行は不能だし後続部隊は此方に向かってはいるが...あー、ありゃあ最早向かってきているだけだな
片や此方は俺やシロコ嬢にアルちゃんが未だに健在であり加えて後方から先生達も無事に合流し更にビルの屋上には未だにこっちの店員ちゃん達が掩護射撃の体勢を取ってくれているし
そして軽度の疲労はあれど全員まだまだ意気軒昂、戦う気満々であるし弾薬の心配も俺の手持ちの在庫が切れない限りは継続可能だからどう転んでも最早『詰み』だがなぁ
「この状況でよくまだそんな事が言えるわね...」
「そろそろ降参したら?」
『ふふっ、まだ分からないんですか?貴女達には私達の要求を呑むという選択肢しかないという事が!後方にはまだまだ沢山の風紀委員達が―――』
(...残念アコ行政官、時間切れだぜ)
後続の風紀委員達がアコの傍までやって来るが、その先頭に先程俺が連絡を取っていた先方にして非常に見知った人物もコツコツと此方に歩を進めている...いやぁ~結果的には一時的に交戦しちまってる状況だから、こうして敵味方の状態で対峙するとやっぱ貫禄と風格があるなぁ
「...アコ?」
『へっ?...ひいっ!?ヒナ委員長!?』
「この状況について...貴女の口からきちんと説明して貰えるかしら?」
ゲヘナ風紀委員会、風紀委員長空崎ヒナはよ...
―――――――
萬屋アルマ
戦闘が始まる前から色々と"準備"を整えていた武器商人さん、ちゃんとヒナちゃんに報連相もした上で参戦している模様...後で風紀委員会と揉めたくないもんでね
(何も言わずに戦ったりしたらヒナ嬢の心労も増えそうだしな)
相変わらずの脳筋戦法を駆使してアコと敵の目線を集めてシロコとアルちゃんを掩護したり、敵中央に移動してSG-09Rの二丁撃ちで風紀モブちゃん達の銃を破壊したりと中々好き勝手に暴れているが、本職は武器商人である
(尚風紀モブちゃんを撃たないのは、どうも彼女達にも何か懐かれているので撃ちづらいかららしい)
アコとの口喧嘩は日常的にやってはいるが、アルマからするとアコは口喧嘩友達的な立ち位置に収まりつつあり今回の様な口論も最早手慣れた遊びである(リアクションも面白いし)
ヒナの登場にやっとこの面倒な状況が終わるか...と安堵している
...所で、ホシノ嬢は何してんだ?
陸八魔アル・砂狼シロコ
アルマの策により迫撃砲が無力化されてからは一方的に風紀モブちゃん達を掃討し、最終的にシロコのドローンミサイルとアルちゃん+アルマと店員ちゃん達の総攻撃にて決着となった
シロコはアニメ版だと廃車のドアを外して盾にし突撃をしていたが本作においては本職が居るのでライオットシールド(ミネの勧めで持つようになった...押し付けられたとも言う)を支給されて突撃している
アルちゃんはアルマの指示により高所に陣取る店員ちゃん達の掩護射撃を受けれる側を進んでおり、結果的に本人の狙撃スキルも相俟って掩護射撃で慌てて出て来た風紀モブちゃん達を着実に倒し続けていた
尚ヒナが近付いて来たのを確認し、即座に逃亡したものの...後にアルマから説教を受ける事が確定してしまったようである
天雨アコ
アルマが現れる前から連れて来ていた店員ちゃん達の高所からの伏兵とヒナ嬢への報連相といった諸々の準備を終えていたという盤外からの一手を打ち込まれてほぼ掌の上で転がされてしまった行政官...割と感情的で公私混同に走りやすいという欠点からヒナに親しいアルマに対して固執し過ぎたのが敗因の一つだった模様
勿論反省文の数はアビドスの件に追加してアルマの分も増えてしまっているので山が一つ増えるのが確定済みで、此処でアルマの裏事情が色々判明したりした場合は顔が真っ青になっていたかもしれない(特にトリニティ関係)
...尤もこれで懲りないであろうという事をアルマもヒナも何となく察しており、今後も双方の溜息が絶える事は無いだろう
"先生"・鬼方カヨコ・奥空アヤネ
途中まではアニメ版の展開通りにセリカ&ムツキVSイオリ達とノノミ&ハルカVSチナツ達戦の勝利報告を受けて喜んでいたが、アルマ達が向かった十二時方向の苦戦に焦りを見せた
しかしアルマと先生達の会話の中にあった断片的な情報と以前共闘した際の記憶、そしてRPG-7の発射後に起こる煙の発生位置がビルの上である事からこの場にいるのがアルマだけでなく店員達が複数人数居ると理解したカヨコの予想を信じて他のメンバーが揃うのを待ってアルマ達に合流したが...?
空崎ヒナ
ゲヘナの風紀委員会本部にてアコの独断専行を確認し、急いで向かっていればアルマから追加で情報が入り頭を抱えたくなった...何をやっているのよアコ
その際にアルマ側の事情も聞かされており、アルマに万屋アルカと風紀委員会が交戦する事を一時的に許可し多少手荒くても良いので自分が到着するまでの間に場を何とか納めて貰う様に依頼していた
電話の途中で契約の打ち切りや結び直し等も提案したが『んな事で俺が一々契約を変える事は絶対に無いし、今後も付き合いが変わる事もあり得ねぇよ』と言われた挙句某騎士団長と似た様な言葉として『...俺は風紀委員長からじゃなくてゲヘナに居る友人からのお願いを承諾しただけだしなぁ』等と宣われ内心かなり気が楽になっているらしい...そういうトコやぞアルマ
中々話が纏まらず1日ズレてしまった...申し訳ない
ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」
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『このまま対策委員会と進む』表ルート
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『後続部隊を待つ』暗躍(裏)ルート