「この状況について...貴女の口からきちんと説明して貰えるかしら?」
『こ、これはその...素行の悪い生徒達を捕まえようと―――』
「便利屋68の事かしら?それにしては何処にも姿が見えないのだけれど?」
『な、何を言っているんですか...此処に...あれ?』
「...俺達6人しか居ねぇな」
『そんな馬鹿な!此処に居た筈...!』
先程まで居た筈のアルちゃん達がヒナの登場に慌てて隠れただけなんだが...逃げ足が速過ぎて忽然と居なくなったように見えてしまったのか、アコの奴は滅茶苦茶焦りながらヒナ嬢に弁明しようとしてやがる
日頃えらい目にあってるからトラウマもあって直ぐ傍にあった車の陰に今隠れちまってるんだが、やっちまった事がやっちまった事だし...後日説教だな
『い、委員長!全て説明いたします!』
「それには及ばないわアコ、大体の事情と状況は既に把握しているもの...それよりも貴女、肝心な事を忘れているんじゃないかしら」
『か、肝心な事...?』
「私達は風紀委員会であって万魔殿じゃないの...政治的な活動については本来ならば埒外の話になるわ、シャーレや連邦生徒会への対処は今は置いておきなさい」
『それは...その...』
「詳しい話は帰ってから聞く事にするわ...今は大人しく校舎で謹慎していなさい」
『...はい』
気落ちした様子で通信を終了したアコのホログラムが消滅していく...そのままの流れでヒナ嬢が俺達の方へと向き直った為に未だに警戒しているシロコ嬢達は警戒を解かずに迎え撃たんとしていやがるなぁ
これについては当然か、アコ達を退けたと思ったら組織のボスが直々に出て来たんだしな
事前に俺とヒナ嬢が連絡し合ってたのも知らねぇし、仕方ねぇわな
『ゲヘナの風紀委員長...この状況については既にご理解頂けているかと思いますが...』
「勿論。戦闘が開始される前までの詳細に関しては私に連絡をくれた生徒が居るから何が問題なのかも把握しているわ...事前通達無しでの他校自治区における無断兵力運用、及び他校生徒達との衝突の件ね」
『はい、つまり―――』
「けれど、結果的とはいえ其方が風紀委員会の活動を妨害してしまったのも事実よ?」
そこはどうするのかしら?とヒナ嬢に返された先生やアビドスの面々が息を吞むのが聞こえてきそうな雰囲気の中、先生達を一通り見たヒナ嬢が俺の方に目配せをしてきた。『この緊迫した状況を貴女の手でどうにか宥めてくれない?』って意味かいその目配せ、しょうがねえなぁ~
「それについちゃぁ「うぇへぇぁ~...これは一体何事かなぁ~?凄い事になってるじゃ~ん」...うへぇ、出鼻ぐじかれちまったぁねぇ~」
『ホシノ先輩!?』
「今まで何処に...」
「ゴメンゴメン、ちょっと昼寝しててねぇ~。少し遅れちゃった」
ゴメンねぇ~、とシロコ嬢達に謝りながらホシノ嬢はヒナ嬢に対面する位置まで歩いて近付いていったが...こんだけアビドスが大騒ぎになってたってのに今の今まで昼寝をしていただぁ?アヤネ嬢が何度も連絡を取ろうとしてただろうに出れない程熟睡してたとでも言うのかねぇ?
何か隠してんじゃあねえかと疑いつつある俺の前でホシノ嬢はヒナ嬢に対して風紀委員達を大勢で引き連れてアビドスまで来た経緯を問い始めた
「事情はよく分からないけど、こんなに大勢連れて来てどうしたの?風紀委員長ちゃん?」
「...一年生の時とは随分と雰囲気が変わったわね、小鳥遊ホシノ。一瞬人違いかと思ってしまう位に」
「およ、私の事知ってるの?」
「情報部に居た頃に各自治区の要注意生徒達をある程度把握しておきたくて調べていた時期があったのよ、その中には貴女の情報もあったから」
「うへへぇ~、おじさんもしかして有名人だったの~?」
「小鳥遊ホシノ...貴女を忘れる筈が無いわ。あの事件の後アビドスを去ったと思っていたのだけれど、私の勘違いだったのね」
「...なぁ~に?ちゃんと自分の気持ちを言葉にしてくれないと、おじさん困っちゃうなぁ?」
おっとぉ?顔は笑っちゃあいるが何だか剣呑な雰囲気を醸し出してるねぇホシノ嬢?そいつぁ頂けねぇなぁ~
両手を広げてパァン!と手を叩き合わせる事で全員の注意を強引に向けさせておく、何か過去にあったらしいがそれについちゃぁ今は置いておくべきだぜご両人?
「あぁ~、失礼。ちょいとデケェ虫が俺の方に寄って来てて気になっちまってなぁ~、つい叩いちまったんだが...話の邪魔しちまったかな?いやぁ~失敬失敬」
「......アルマ、貴女もアビドスに来ていたのね?何か目的があったのかしら?」
「ん~?俺が出歩いてる時は大体が商売商談の時だって知ってるだろぉヒナ嬢?今回もその為さ」
「...うへぇ、何時の間に来てたのぉ~?」
「ついさっきだぜ。お蔭でドンパチ賑やかさせて貰ったんだが...その流れでちょいと道路に穴ぁ開けちまってよぉ~、後でうちの店の方できっちりしっかり直しておくから今回は許してくれやホシノ嬢?」
「え~?うーん、まぁ君の所がちゃんと直してくれるんなら今回は許すよ~」
「おぉ、あんがとよぉ~。
ホシノ嬢に修理や修復の許可を頂いた所でヒナ嬢に向けてウィンクを飛ばす
どうせこの後の事務処理や万魔殿への対応やら弁解でヒナ嬢達は忙しくなるんだからな、調査の為にしばらく滞在が確定している俺達に市街地の後始末位は任せてくれりゃあいい。うちは土木仕事のアルバイトも"依頼払い"可にしてるから手の空いてる暇な生徒達や不良生徒ちゃん達にでも募集かけておくかねぇ?手当の額とか募集人数とかの試算は後々しておくとしよう
「で?どうするよヒナ嬢?まだやるかい?」
「―――いいえ、止めておくわ。皆、撤収準備よ」
「えっ!?帰るのですか!?」
「え、あっ、い、委員長!?」
「事前通達無しでの無断兵力運用...そして、他校の自治区で騒ぎを起こしたこと。この事については...私、空崎ヒナよりゲヘナの風紀委員長として...アビドスの対策委員会に対し、公式に謝罪する」
...アコのやらかしのせいで風紀委員達の眼前で先生やシロコ嬢達に向けて頭を下げる事となったヒナ嬢にゃあ、そん位の気休め位はあってもバチはあたらねぇだろうなぁ
◇◇◇
「...お互い今回は色々大変だったなぁヒナ嬢」
『全くよ、これから帰還してからマコト達にどう説明したものかと思うと頭が痛いわ。また貴女の所のお香にお世話になりそうね...』
「本当に大変だなヒナ嬢、今度ゲヘナに行く時にゃあ新作も持って行くよ」
『それに関しては楽しみにしているわ』
風紀委員会が撤退し、先生やアビドスの面々が今回の件でとばっちりを受けたらしい柴関ラーメンの店長の容態を気にしながら帰路についていく中で俺はヒナ嬢に個人的な電話をかけていた
この後待っている修繕作業や修復作業についての話し合いや万屋アルカがアビドスに来ていた理由なんかも一応説明しておきたかったのもあるのだが...
「さて...悪かったな、この後も万魔殿への対応やらなんやらで大変だってのに長電話しちまってよ」
『構わないわ。今後アビドスと貴女が付き合うのならある程度は知っておいた方がいい情報ではあったかもしれないし、私が少し触れただけであの様子だもの...アルマが小鳥遊ホシノ本人に直接聞くなんて地雷原で踊る様なものよ?』
「余り面白くねぇ過去の話を掘り起こされるのは流石に、な...俺も何か警戒されちまってるし、直接聞く勇気はねぇよ」
『?...貴女、彼女に何かしたの?』
「そぉれが全然心当たりねぇの!俺がこんな見た目でこぉんな言葉遣いで胡散臭いからかねぇ?まぁ今更変えれる気がしないんだけどもさぁ~?」
『ふふっ、そうね。それが貴女らしさだから今更変えられても私としても困惑してしまいそうよ?』
「おいおいヒデェなぁヒナ嬢、俺も真面目にやればちゃんと素直な生徒になれるってのによぉ~」
ぶーぶー!と文句をヒナ嬢に言ったものの、はいはい分かっているわと華麗に流されちまう。全く薄情だねぇ、泣いちまうぞ俺?
『けれど、大丈夫なの?』
「何がよ?」
『アルマがアビドスに手を貸すのがよ...残念だけれど、私からすればもう廃校寸前のアビドスには貴女が求める程の魅力がある商品は無いと思うわ。解決策の無い頻発する砂嵐、それによって埋まり続ける住宅街、復旧作業の為にありとあらゆる対策を行う事で積もりに積もったアビドス高等学校が有する莫大な借金...貴女はこれをどうにか出来るのかしら?』
貴女が欲する様な価値は私の目線からは見出せなかった、これから彼女達相手に商談を進めても損をするだけだから先生に対して恩を売りたいから...或いはアビドス高等学校の生徒も不良生徒達同様に捨て置けないから手を貸そうとしているのなら損をするだけ。火傷をしない内に手を引くべきでは?そう暗に伝えようとしているかの様なヒナ嬢の優しい言葉に俺は一つの溜息を吐いた後に返事をする
「解決策の無い頻発する砂嵐?埋まり続ける住宅街?多額の借金を抱えた高等学校?イッヒャッヒャッヒャッヒャッ!だから何だいヒナ嬢?俺が取引をしない理由にはちょいとどころか全く以てならねぇなぁ?別にアビドスが言語も知能も忘れた化け物共が跋扈する様な、あり得ねぇホラーみてぇな世界になった訳じゃねえしよ
其処に取引を求める声があれば行くし商機があれば赴きもするんでなぁ俺はよ...ヒナ嬢が心配しなくてもちゃんと俺には俺なりの勝算は持ってるから安心してくれや」
『―――そう、なら心配しないでおくわね』
「おう、今回の一件の復旧作業の方についても俺に押し付けて貰っとけばきっちりしっかり仕上げておくからそっちもお任せあれだぜ?」
『ええ、任せるわ。費用に関しては此方からも多少支払うから、綺麗に直しておいて』
「あいよ、万屋アルカにどーんと任せなぁ!ヒャッヒャッヒャッ!」
『それで?貴女の御眼鏡に掛かったのは何だったのかしら?』
「あ、気になっちまうか?そうだなぁ、まぁヒナ嬢にはばらしてもいいかぁ...今んとこ調べてみねぇとまだ明確には出来るか出来ねぇかがはっきりしねぇんだが、一つは『 砂 』で、もう一つは『 』だ」
『―――は?』
あ、何かヒナ嬢が俺の答えが予想外過ぎたのか真顔になった気がするわ
―――――――
萬屋アルマ
便利屋68に対して後日説教する決意をした武器商人さん、ヒナ嬢に滅茶苦茶トラウマ抱えてるのは理解してるけどやらかしちゃったんだからちゃんと当事者には謝るべきだぞアルちゃん?
交渉中に剣呑な雰囲気を察知したので多少強引に話の道筋を切り替えた、ああいう時の笑みって大概攻撃的なモンだって前世の仕事で身を以て知ってるんでね...おぉ怖い怖い
この後で対処に追われるだろうヒナに代わってアビドスでの風紀委員会が破壊した物の修繕等も引き受ける事に...求人募集とかしとかねぇとなぁ
その後打ち合わせや相談も兼ねてであるがヒナから大まかなホシノの過去を聞き出す事に成功、成程ねぇそういう事があったのか...
現状『 砂 』と『 』によるアビドス外貨獲得策を検討中...
小鳥遊ホシノ
何故か大事な場面で遅れてやってきてしまった、一体何をしていたのか...
ヒナに過去の一件を掘り起こされたのでかなりお怒りモードに入りかけていた模様、危うく風紀委員会が壊滅するというトンデモない大事件になる寸前だったよ...(詳しくは原作のアビドス編3章参照)
アルマに間接的に過去の諸々を知られたのは今の所は知る由もない
"先生"・砂狼シロコ・十六夜ノノミ・黒見セリカ・奥空アヤネ
原作通りにヒナ嬢にアビドスの砂漠でカイザーコーポレーションが怪しい動きをしているのを伝えられており、後日現地に向かう事になる
空崎ヒナ
原作よりもメンタルに余裕がある状態で現着した、その為何処となく口調が多少柔らかめである
それでもホシノ嬢の逆鱗に触れてしまい一瞬剣吞な雰囲気になるが、アルマが強引に話の道筋を切り替えた為に事無きを得た
組織の上に立つ者の責務として風紀委員会のやらかしをアビドスに謝罪する形になった為かなり気落ちしていたが、アルマがあれこれと世話を焼いてくれているのでメンタル面のダメージは軽減されている
(尚ヒナ達がゲヘナへと帰還した後に万魔殿が風紀委員会に襲撃されたらしいが、何かあったのだろうか?)
SG-09R(キヴォトス式限定仕様)
『クリティカル率5倍』というRE4での限定仕様改造は変わっていないが、『2丁持ち』になっておりマガジンが袖の内側にある機構によって装填される形となっている
袖の内側にある機構が何らかの形で故障した場合はアルマの背中にマガジンが詰め込まれた背負子が装備される模様
ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」
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『このまま対策委員会と進む』表ルート
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『後続部隊を待つ』暗躍(裏)ルート