シャングリラ・フロンティア~人外ゲーマー、神ゲーに挑まんとす~ 作:気分屋トモヤマ
「ぐぉぉ……なんでよりにもよってレベル関連の縛りなんだ……!!」
ジーグルに御殿内を案内してもらい、リスポーンポイントを更新した後ログアウトして俺はベッドの上で唸っていた。
経験値取得が半分になる代わりにステータスポイント2.5倍、破格すぎる性能だ。ただ2倍頑張るだけでそれ以上の見返りがあるのだから。しかしこれは俺の前ではこれ以上とない呪いとなる。それがリュカオーンの呪縛。
「リュカオーンの呪縛を持つキャラのレベル+50以下のレベルのモンスターは積極的に逃亡を選択します」
「リュカオーンの呪縛を持つキャラのレベル+50以上のレベルのモンスターは積極的に戦闘を選択します」
この二つの欄が不味かった。俺の現在のレベルが30、つまり俺はレベル80以下には逃げられるしレベル80以上とは強制バトル……矛盾が発生していると思うがここの裁定はモンスターによって逃げるか戦うか分かれるらしい。まあネットで調べた他の呪いでの裁定らしいので同じ裁定かはわからないが。
まあそんなクソみたいな呪いのせいで俺はレベル上げが途轍もなく難易度が上がっているのである。
「初っ端からボス級モンスター縛り……キツいって……」
引退していいかな?誰がこんなオワタ式レベル縛りゲーやるんだよ?いやサンラクなら嬉々としてやりそ……いやアイツもやってたわ。なんならアイツの方は装備不可もついてたわ。
※この時点で唐辛子はサンラクの方がレベル上げしやすいことは知りません。
「色々考えることあるなぁ……取り敢えず飯食お」
徹夜でシャンフロをやっていたようで窓を見れば朝日が見える。一応今日は休日なので学校はないが腹が減ったので冷蔵庫を開けて中を確認する。
「残り物ねぇ~……作るか」
何も無かった、でも腹が減った、なら作るしかない!というわけで簡単な料理をし始める。俺は家が高校と遠かったので適当なアパートを借りて一人暮らしをしている17歳なのである。たまにお隣さんや友人、家族が生存確認もとい様子を見に来るが基本一人だ。そのため割と暮らしは自堕落な方。
「もやしとキャベツを塩コショウ、顆粒だしで軽く炒めて……完成!」
レンチン白米にもやしとキャベツの炒め物。ザ・手抜き飯ってな!
取り敢えず食べながらこれからのことについて考え始めよう。この後はログインしてクエスト進めつつ、ステの割り振りと検証かなぁ……まだユニークシナリオ一個残ってるしスキルも調べたいからな。ちなみに当たり前だがネットを探しても出てこなかった。むしろ出てきてたまるか。
「ご馳走さまでした~っと、メールか」
食べ終わった後容器を水に浸けてからトイレと水分補給を済ませいざシャンフロという所でメールが入る。こんな朝から一体誰だ?
件名:俺も買ったぜ
差出人:モドルカッツォ
宛先:サンラク、4410ガラ氏
本文:俺もシャンフロ買ったぜ、お前ら今どこらへん?すぐ追いつく。
カッツォも遂にシャンフロデビューか……あいつも一応プロゲーマーだからPS高いと思うがどうなるか気になる。シャンフロの動きはスムーズ過ぎて逆に苦労するか?
様々なことを考えながらユニークのことは伏せつつ返信する。
件名:re:俺も買ったぜ
差出人:4410ガラ氏
宛先:モドルカッツォ
本文:俺はサンラクに追いついてセカンディルでクエスト進めてる感じかな。一個だけアドバイスしとくと最初のボスの蛇は気をつけろよ?
「なんかもう一件来てんな……げぇ」
カッツォにメールを返すともう一件メールがあることに気づき、相手を確認すると俺が今までゲームをやってきた中で
件名:明日は槍の雨かな?
差出人:鉛筆戦士
宛先:サンラク、4410ガラ氏
本文:モドルカッツォ氏から聞いたけどクソゲーしかプレイできない病のサンラク君と人外ゲーしかプレイ出来ない病の唐辛子君が神ゲーに手を出したってマジ?
お腹壊してない?アレルギー反応とか出てない?
あ、私シャンフロで結構ガチのプレイヤーだからフィフティシアまで到達したらみんなで一緒に何か狩りに行こうね^^
フィフティシア……最終ステージじゃねぇか!こちとらユニーク開始しただけの初心者だぞおい、追いついたらぜってぇギャフンと言わせてやるわ……!まあちょっとした趣向返しとするか。
件名:re:明日は槍の雨かな?
差出人:4410ガラ氏
宛先:鉛筆戦士
本文:別に人外ゲー以外してないわけじゃねぇよ?というかお前も女帝プレイ出来るゲームしかしないと思ってたぜ。あ!便秘もやってたか!クソ雑魚だったけど( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
件名:re:re:明日は槍の雨かな?
差出人:鉛筆戦士
宛先:4410ガラ
よーしお姉さんダッシュでそっち向かってPKしに行こっかな~!初心者でも装備と金全部頂戴するから覚悟しといてよ?勿論リスキルもするからね~!
おっと面倒くさいことになったぞ??こいつがキレると大抵めんどくさいことになるんだよなぁ……煽ったの俺だけどさ。いくらなんでもリスキルはないだろ!しかも躊躇無さそうな辺りこいつ常習犯確定だな。
「ま、取り敢えずログインしないことには何も始まらないし、ログインするか」
トイレと水分補給を粗方済ませて俺はまたシャンフロにログインするのだった。
「おはようございます、CC唐辛子様」
「あーおはよジーグル」
目覚めるとログアウトした寝室であり、ベッドの横からジーグルがこちらを待っていた。まさかずっと待ってたの?そんなわけないよね?
「本日はどうされますか?サンラク様は一足先に起きられエムルと一緒に次の街へ向かわれました」
「そうなの?それじゃ俺も向かうかな。ちなみにどうやったらラビッツから出れるの?」
「私が一緒について参りますのでご安心ください。私と一緒にいればどこでもラビッツに出入りが可能です。ご一緒してもよろしいですか?」
『NPC「奇術兎ジーグル」からパーティ申請が来ました。受諾しますか?』
同行してくれんのか!絶対強いNPCだから道中は楽勝だぜ!俺はウッキウキでOKを押す。
「道中頼むぜジーグル!あと俺の事呼ぶときは様無しで唐辛子だけでいいぜ!」
「承知致しました。宜しくお願い致します、唐辛子殿」
殿はついちゃってるけど……まあよし!仲良くしとけばなんかのシナリオフラグになるかもしれないからな!
「そんじゃ早速セカンディルまで頼むわ!」
「承知致しました。それでは足元にご注意ください。」
「あっやっぱそうなるんですねぇぇぇぇぇ!?!?」
予想していた通り下に穴が開き、俺は見事に穴に吸い込まれていったのだった。2回目だけどやっぱり慣れないねぇ!?
そして俺は後々激しく後悔することになる。もう少しここで計画を練ってから始めるべきだったと。
ようやく長い長い導入も終わった。これから書きたい所が書ける!っシャア!!