レプリカント   作:華麗なイモリ

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「もう、休めロー……おれ1人にも敵わなねェお前が…なぜおれ達2人に挑む…麦わらはそう簡単には来ない……──あいつに“友達”を即刻ブチ殺す気概がありゃあお前を救えたかも知れねェが…つくづく不憫な奴だ……!」

 

 

 

 トレーボルとドフラミンゴを相手どるローの右腕は戦闘の最中ドフラミンゴによって切断されてしまっており、ローは隻腕で健闘するもすでに虫の息で瓦礫にもたれ掛かるだけでも精一杯の様子だ。

 それでもまだ諦めた様子のないローへ現実を教え込もうと、言い聞かせるようにドフラミンゴは語りかける。その声はもちろんローを嘲笑うものである事に間違いはないが、そこには憐憫も僅かながらに含まれていた。…しかし、それはロー自身を想ってのことではなく、ローに幼い時分のドフラミンゴを投影して行われた自虐のような憐れみである。

 

 

 

「…“白い町”という地獄に生まれ…未来などただの暗闇だった幼少期…。コラソンに出会い寿命を引き延ばされるもまるで奴の亡霊かのように… !!

  ──おれを恨み…復讐の為に生きてきた……『実に意味のない13年間』…()()()()()

 

 

 

 父を、そして弟を許してきた血の轍のようなピストルをローの鎖骨の中心へ軽く押し当てたドフラミンゴは「()()()()()()()()()()()()()」と予言じみた確定事項を口にしてある選択をローに迫った。

 それは救いようのない犬死にを利のある最期にしないか、という提案の体をとった脅迫だ。

 

 ドフラミンゴはローに“オペオペの実”の究極業『不老手術』を施し死ぬことを求めると、その代価としてローの望みを『なんでも叶える』と言う、ほぼ一方的な提案を捲し立てれば「何でも… !? 」と食いつくローにドフラミンゴは笑みを浮かべる。しかしそれはすぐさまローの口にした願いに怒りを露わにすることとなった。

 

 

 

「──じゃあ、今すぐコラさんを蘇らせてくれ…… !! ──そしてこの国の国民全員のケツを舐めて来い」

 

 

 

 その願いは到底ドフラミンゴに叶えられるものの範疇を超えており、叶えてもらう気のない望みを口にしたローは「状況が分かってねェのはてめェの方だ」と左手の中指を突き立ててドフラミンゴの提案を盛大に一蹴する。

 これが普通の人間なら自身が死んだ後のクルーの安全だったりを願うものかと思われたが、ローは心の底から“麦わらの一味”を信頼しているようで、かの一味が起こしてきた数々の幸運まがいの奇跡をあのリアリストでどこか冷めてて狡猾だったローが命をかけて信じているという。

 そんなローの根性丸出しの熱血な姿に言い表しようのない感情がドフラミンゴの心中を一気に支配した。真っ黒に燃え盛る憎悪と嫉妬の炎に身を焼かれたドフラミンゴは表情を削ぎ落とした真顔でローの減らず口を聞き終わる前に彼の体へ鉛玉を撃ち込む。

 

 ──ドンッ !!

 

 辺りに充満する火薬の臭いと眼下に流れ出るローの血潮。

 傷を庇い四つん這いになったローの背中がドフラミンゴへ晒されると、その背中……パーカーの文字とシンボルに堪らなくなったドフラミンゴは絞り出したような声で「どう言うつもりだ 」と詰る。

 

 

 

「──その背中の文字“corazón(コラソン)”…何への当てつけだ…… !!? そもそもてめェの“ハートの海賊団”の名は !! 何への当てつけだ !!! 」

 

 

 

 取り繕うことの出来ない激情を表に出したドフラミンゴは何度も引鉄を引く。二度、三度、四度、感情に任せてローを蜂の巣にするそのドフラミンゴの気迫にトレーボルですら気圧されて口を挟むことすらできずに鼻水を垂らしたまま体を硬直させている。

 

 

 

「ハートの席にも座らねェお前が !!! なぜ“ハート”を背負ってんだロー !!! 」

 

 

 

 とうとう最後の弾が背中のシンボルマークへ穴を開けたが、ドフラミンゴは弾切れにも気付かずに弾の出ないピストルの引鉄を何度も引いて激鉄が空叩きする音くと、漸く弾丸が無くなったことに気が付いてピストルを下ろした。

 荒い呼吸で倒れ伏すローを見下ろしてドフラミンゴは自身を落ち着かせるように深く息をを吐き出した。その顔には汗がびっしりと浮かび上がっており、表情も怒りとは別の意味で険しい。新たに血の轍を刻んだピストルを強く握り締め、ドフラミンゴはトラウマを振り払うように声を荒げる。

 

 

 

「ハァ…忌々しい…… !!! ロー…コラソン…… !!! てめェらの呪縛も…… !! ここまでだ… !!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧「王の台地」。その険しい壁面を何故かゾロはシグマを担ぎながらクライミングしていた。

 壁を登る数分前、混乱する市街地を駆け抜けながら王宮を目指していたゾロは背後から「全く反対方向だよ〰︎〰︎!」なんてシグマの声が聞こえた気もしたが、そんなことお構いなしに自分が正しいと思った方向へ突き進む。何度も同じ場所を周り、正しく進んだかと思えば急にUターンして真逆への全力疾走するゾロにシグマはもう何も言えなくなり彼が壁をよじ登り始める頃には死んだ顔で大人しくしがみついていた。

 そうして頂上に辿り着いたゾロはそこに集う面々を見て首を傾げる。

 

 

 

「? お前ら、何でここに居んだ」

 

「何でって、ゾロ…お前こそ何でこんな所に居んだよ! 王宮は真逆だぞ !? 」

 

「ハァ !? 真逆だァ !? おいシグマ! 何で言わな……何してんだお前?」

 

 

 

 後ろを振り返ったゾロの目には自分の髪の毛を両手で掴み顔を隠す奇妙な仕草をするシグマが写っており、彼女は途端に集まった視線にワタワタと体を揺らすと隠れるようにゾロの背中にへばりつく。

 その場にいたウソップや錦えもんはシグマという名に、パンクハザードから共にドレスローザにやってきた錬金術師の女と直ぐにわかるが、それ以外の人間にはただの金髪に顔が覆われた藁お化けにしか見えなかった。

 本当に何をやってるんだ?と疑問に思うメンツであったが、頑なに顔を出そうとしないシグマを無理に引き摺り出すことはせずにゾロはそんなことよりと空を見上げる。

 

 

 

「この息の詰まりそうな“カゴ”がまだあるって事は肝心の男が倒せてねェ証拠だな…」

 

「──しかしヴィオラ様の話じゃ敵のでかい戦力はもう…」

 

「今の勝利と王宮での勝利であと2人に! 希望が見えてきた!」

 

 

 

 喜びを露わにする国民に元ドレスローザ国王の王女ヴィオラは能力による千里眼で王宮の様子を見ているがその表情は芳しくない。

 というのも、確かに敵の戦力は減っているもののそれは敵対しているこちらも同じことであるからだ。相手はトレーボルとドフラミンゴ。ルフィ1人で相手するには荷が重い相手だろう。

 

 

 

「ちょっと待て! あれを見ろ !! 」

 

 

 

 1人の男が遠く…国を囲む“鳥カゴ”を指差して声を上げた。

 何だ何だと皆が男の指差す方向に目を向けるとそこには信じたくない残酷な現実が待ち受けている。

 

 

 

「おい、あれ、」

 

「…いやよ…嘘でしょ… !? 」

 

 

 

 その光景を見た人々の混乱と恐怖は瞬く間に周りに広まり、息を呑む様な悲鳴が其処彼処から聞こえてくる。

 

 

 

「糸の…壁が動いてる… !! このままじゃ、おれ達あの糸の壁に… !! 」

 

「“鳥カゴ”が縮んでる !? どうなるんだ !? どうすりゃいい !!? カゴはここまで来んのか !!? 」

 

 

 

 国民と一緒になって涙を流して慌てふためくウソップは「どうしようゾロ〰︎〰︎ !! 」泣きつくも、ゾロは直ぐに錦えもんと救出されたもう1人の侍同心カン十郎を引き連れて王の台地を降りて市街地へ向かおうとしていた。それにシグマが慌てて付いて行こうとするも、すぐさまゾロに力を使い果たしているのだからウソップ達と行動を共にしろとにべもなく一蹴されてしまう。

 

 

 

「あ、う…でも、」

 

「今のお前じゃおれ達に付いてこれねェ、ウソップ達といろ!」

 

「そうだぞシグマ! ここが一番安全なんだからここにいればいじゃねェか! ……というかそろそろその変な格好どうにかならねェのか?」

 

「今は…顔を出せないんだ… !! 察して! 長鼻の君 !! 」

 

 

 

 必死になるシグマに尚のこと首を傾げるウソップだが、ヴィオラだけはシグマの正体と心に負った傷を能力で知ってしまったのか、自身が羽織っていたフード付きの外套をシグマにそっと被せ、これなら前が見えるから使ってと気を遣ってくれた。

 シグマは恐る恐るその外套を受け取ると頭を下げる。

 

 

 

「あ、りがとう…」

 

 

 

 それはどう見ても怯えた人間の仕草であり、ヴィオラに対して変な様子であるシグマに本当にどうしてしまったのかと尋ねるウソップだったが、それはヴィオラのこの王の台地も安全ではないという言葉に意識が逸れた。

 

 

 

「ど、どういうことだ !? ──ここは国の真ん中だから一番安全なんじゃねェのか !? 」

 

「空を見て! ──中心は少しずつズレてる…収縮の中心は恐らくドフラミンゴのいる現『王宮のある台地』 !! ……ここもやがて…」

 

 

 

 ヴィオラが言葉を切った続きを察したウソップが悲鳴を上げて早くこの場所から移動しようと急かせば、旧王の台地に集った人々が一斉に移動を始めた。

 地上へ降りつためにカン十郎が能力で残した歪なアミのような梯子を伝って全員が現王宮を目指して駆け出すが、逃げ惑う人々の混乱は王の台地より酷く、子供と逸れた母親やどこへ逃げても殺されるだけだと悲嘆に暮れる者、転んでも立ち上がる力のなく諦める者でごった返している。

 皆が皆その目から涙を流してこの国と自分達はもうおしまいだと絶望の淵で彼らが思ったその時、街に備えられたスピーカーからノイズ混じりに老齢だが意思を持つ張りのある声が国中へ響き渡った。

 

 

 

『──みな……聞いてくれ !! 私は…元ドレスローザ国王… !! リク・ドルド3世だ────』

 

 

 

 その声とは元国王であるリク王のものであった。始め、混乱している民の殆どはその声に気にかける余裕もなかったが1人、また1人と“鳥カゴ”が迫るにも関わらず足を止めてリク王の声に耳を傾け始める。

 

 

 

『現国王ドフラミンゴの始めた“ゲーム”によって…この国は今逃げられない巨大な“鳥カゴ”の中にある。──さらにその凶暴な“鳥カゴ”は街を刻み収縮を続けていて…………皆、突如降りかかった“現実”に感情が付いていけぬままただ命を守っている現状だと思う』

 

 

 

 ──だが、これは夢などではない !!! …そして今日起きた悲劇でもない… !!

 

 その言葉は現実逃避をしていた者達に刺さったのか顔を歪める者も、なにか言いたげに唇を引き結ぶ者も多くいたが、彼らはリク王に反発することなく静かに言葉の続きに耳を澄ませている。

 なぜならば、10年前のあの日、民たちはリク王の弁解を黙殺し、罵倒し、聞く耳を持たなかった。……その末路が、その結果が…今、この瞬間だったからだ。

 

 

 

『私達は10年間… !!! ずっと… !!! 海賊の支配するドレスローザという名の“鳥カゴ”の中にいたんだ… !!! ──10年間ずっと……操られるままに生きる人形だったんだ… !!! これが“現実”なのだ !!

 ──だが、それももう終わる… !!! 誰も敵わぬと思っていたドンキホーテファミリーはこの国に居合わせた屈強な戦士達の手によって今や壊滅寸前 !! ファミリーの幹部達はすでに全滅 !!! 打つべき敵はもはや現ドレスローザ国王ドンキホーテ・ドフラミンゴを残すのみ !!! 』

 

 

 

 ──相対するは海賊“麦わらのルフィ” !!! きっと彼こそが『鳥カゴ』を破壊してくれる男 !!! 勝も負けるも後たった数十分 !!

 

 そうリク王の演説が続くドレスローザの上空ではルフィとドフラミンゴの激しい戦いが繰り広げられている。

 『ギア4』によってドフラミンゴの機動力、膂力、全てを上回ったルフィによる一方的な攻撃を受けるも、ドフラミンゴはそれでも倒れない。それは男の執念がどれ程の根深さかを図る指標となっていた。

 ドフラミンゴには負けられない意地も理由も目的もある。その野望の強さがルフィの一方的な攻撃にいつまでも倒れないタフさにつながっていたのだ。

 

 しかしリク王も、麦わらの一味の皆も、ローにシグマ、他にも力を貸してくれた数多の人間達がルフィの勝利を信じて疑わない。

 彼なら、“モンキー・D・ルフィ”ならば、この自由を奪う『鳥カゴ』を破壊できると信じている。

 

 

 

『──だから何としても逃げ延びてくれ !! 縮みゆく国に誰一人押し潰されることなく… !! 息がきれても !! 足が折れても !! ──逃げ延びてくれ !!! 希望はあるのだ !!! どうか諦めないでくれ !!! 」

 

 

 

 

 涙ながら叫ぶリク王の言葉に国民達の顔つきが変わる。

 絶望に塗れ諦めの色が濃かった各々の瞳に活力がみなぎると、皆が手を取り合って全力で駆け出した。怪我人を抱えて共に走る者もいれば、転んだ者へ手を差し伸べる者もいる。リク王によって『生き残る』と一致団結した国民達の瞳には希望が芽生え始めたのだった。

 

 眼下の地上が活力を戻し始めている中、上空ではルフィ渾身の“獅子(レオ)・バズーカ”が炸裂し、ドフラミンゴを周囲の家々を巻き込みながら王宮のある台地へと叩きつけた。その激しい衝撃に土埃と瓦礫が宙を舞い、地響きがあたりに轟く。

 誰もがドフラミンゴを倒したと喜んだ…しかし、それは上空に未だ存在する“鳥カゴ”の存在によって未だドフラミンゴは力尽きていないと悟ったルフィが、もう一発拳を打ち込まんとドフラミンゴへ迫る──が、ドフラミンゴまで後少しと言うところでルフィの覇気が底を尽きてしまった。

 空気の抜けた風船の様に墜落した彼は力尽きて指一本も動かすことが出来ずに大の字で地面に横たわっている。

 

 暫くして台地にめり込んだドフラミンゴが笑みを浮かべ這い出て、ルフィにトドメをさすべく飛んでくるが、そこには闘技場実況のギャッツに連れられて既にルフィの姿はなく、いるのは有象無象のゴロツキ剣闘士ばかりだ。ドフラミンゴは見失ったルフィに怒りを露わにすると情けも容赦もなく彼らの心臓を束ねた糸の塊で貫き凄惨な虐殺を行い始めた。

 それは言外にこれ以上人が殺されたくなければ出て来いというルフィに向けたメッセージであり、それと同時に人間の弱い心を知り尽くしたドフラミンゴによる人間たちへの揺さぶり…密告を促す為の見せしめでもある。

 

 ルフィとの激しい戦闘でかなり体力を消耗している筈なのに猛り勢いの衰えない様子のドフラミンゴに剣闘士たちはどよめく。

 その侮りを敏感にも感じ取ったドフラミンゴが吠える。

 

 

 

「雑魚共が !!! お前らを消すのに体力なんざいらねェ !! 出てこい“麦わら”ァ !!! 後悔させてやる !!! 」

 

 

 

 怒り狂うドフラミンゴから10分の間ルフィを匿って逃げ回らなければならないギャッツは途中大会参加者のバージェスに襲われるものの、革命軍No.2のサボによって助けられて窮地を脱していた。しかし、残り3分強を稼がなければならないところに突如上空からローが現れギャッツの目の前に落ちてくるなどトラブルの大盤振る舞いに見舞われるも、決してルフィを手放そうとはしない。

 彼は本能的に理解しているのだ、もうドフラミンゴに打ち勝てるのはルフィしか居ないのだと。だから命懸けで守ろうと必死だった。

 だが、どうやら目の前のトラファルガー・ローはルフィの命を狙っている様子ではなさそうでだ。

 

 

 

「──お前ら遠くへ逃げすぎじゃねェか…? そいつの──覇気は戻るのか…… !? 」

 

 

 

 荒い呼吸で彼に尋ねられたギャッツはルフィに10分の時間が必要だと言われたが10分経てば戦える状態に回復すると聞いたと答えれば、ローに鋭い眼光でルフィを預かると言われた彼は恐れながらもローのそばにそっとルフィを横たえると、自らのなすべきことをする為に付人とともに走り出したのであった。

 

 ──その頃、ウソップ達と共に王宮のある台地へ向かっていた筈のシグマは皆から逸れて駆けていくヴィオラの後を追いかけて連れ戻そうとしていた。

 今でもシグマの心中には拒絶される恐怖でいっぱいになっていたが、“かぜの噂”でルフィに時間稼ぎが必要なことを知ったシグマは同じく千里眼で知ったであろうヴィオラがドフラミンゴのもとへ向かうのではないかと考えて引き止めようとしているのだ。

 普段のシグマであったならきっと引き止めようなんて思わなかった。自己責任で行動するならそこに他人がとやかく言うべきではないからだ。

 今にしたって、親しくもなく話したこともない…ましてや“元天竜人”として危害を加えられない保証のない相手にわざわざ接触しに行く必要なんてなかった。

 

 …しかし、ヴィオラはシグマに外套を貸してくれた。ほんの一握りの気遣いをシグマに与えてくれたのだ。たったそれだけの事でもシグマは彼女に傷ついてほしくなかったから連れ戻す為に追いかけて来たのに、一歩遅くヴィオラはドフラミンゴと正面から向かい合ってしまっていたのである。

 

 反射的にシグマは瓦礫に身を隠す。あれだけヴィオラに傷ついてほしくないと言っておきながらシグマの中でドフラミンゴは恐怖の象徴のように刻まれてしまっており、体をみっともなく震わせながら自分を抱きしめるように強く肩に腕を回し歯を食いしばる。

 

 

 

「ヴィオラさん !!? 」

 

 

 

 突如聞こえてきた声に、シグマは一瞬自分が無意識に叫んだのかと冷や汗を流すが声の主は桃色の髪を後ろで編み込んだ若い少女だった。その無謀な少女の姿を見てシグマが瓦礫から出ようとあぐねていている間にその場の状況は刻一刻と変わっていく。

 

 

 

「レベッカ…… !! 何をしにここへ !? バカな事考えちゃダメよ !? ──あなたを死なせたらキュロス義兄様にいさまにもお姉様にも……合わせる顔がない」

 

「──じゃあ、お前は何をしに来た。ヴィオラ」

 

「ドンキホーテファミリーが崩壊すると言うのに…幹部だった私が……なんのケジメもつけないなんてムシが良すぎるでしょ… !? 」

 

「そんな…… !! 」

 

 

 

 ヴィオラの言葉に絶句する少女、レベッカが目に涙を浮かべた。

 

 

 

「私が死ぬか…あなたが死ぬかよ !! “ドフィ” !! 」

 

「フッフッ… !! 情熱的だな…()()()()()()()!! 」

 

 

 

 ナイフを構えたヴィオラが駆け出してドフラミンゴへ迫るが、まるで遊んでいるかのように軽くあしらわれるヴィオラは何度も地面を転がり、何度も蹴られて血を吐くが武器を無くしてもドフラミンゴへ挑み続ける。

 どんどん傷ついていくヴィオラにとうとう涙を流しながらレベッカがもうやめてと制止の声を叫ぶがヴィオラは止まらない。

 

 

 

「10年…共にファミリーとして過ごしただけで、おれが躊躇するとでも思ったか…? お前を殺す事に…… !!! 」

 

「はっ !! 」

 

 

 

 ドフラミンゴが糸を操ったその瞬間、ヴィオラは吊り上げられたように拘束されてしまう。そしてもう一人、ドフラミンゴの糸にかけられたレベッカの体が一人でに剣を抜くとヴィオラに向けて構え始めた。

 

 

 

「ヴァイオレット…おれは仲間の“失敗”は咎めない…だが、“裏切り”は許さねェ…… !! 」

 

「ヴ、ヴィオラさん…体が…勝手に…… !! 」

 

「……やめなさい !! レベッカは巻き込まないで !! 」

 

「──殺せ… !! 」

 

 

 

 命令と共にレベッカの体は徐々にヴィオラへ近づき斬り掛かるつもりなのか腰を低く落とし始める。

 もちろん彼女は精一杯ドフラミンゴの糸に抵抗しているがそれも抵抗とは呼べない弱々しいもので、とうとうレベッカはヴィオラの体を斬り裂かんと地を蹴った。

 

 

 

「やだ !! いやだよ…ヴィオラさんっ !!! 避けてお願い、ヴィオラさん !! 」

 

「目を閉じるのよレベッカ、何も見なくていい !! これは悪夢 !! 何があっても全部忘れて !! 」

 

 

 

 ──私は、あなたを恨んだりしないから !! だから、忘れてね !!

 

 あなたは何も悪くないと涙をその目に溜めながらヴィオラは微笑む。剣を振り上げ涙を滝のように流しながら迫り来る姪に、重荷を背負わせまいと気丈に振る舞う事だけが今の彼女にできる事だったから。

 

 

 

 

「いやあ〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎ !!! 」

 

「ッッもう !!! やめろォッッ !!! 」

 

 

 

 レベッカの魂からの叫びが喉から搾り出されると同時に彼女の背後から情けなく震える叫びが上がると、剣を振り上げていたレベッカは意識を刈り取られてその場に力無く崩れ落ちる。

 ドフラミンゴの“寄生糸(パラサイト)”は意識のある人間しか操ることが出来ず、レベッカは不幸中の幸いで糸からの支配を免れたのだった。

 

 

 

「るー…しー……? 」

 

「……ごめん、違うんだ。でも…もう! 恐怖で隠れていることなんて、出来なかったから !! 」

 

「…………」

 

「──覇王色の覇気…だと…? てめェ“麦わら”じゃねェなァ… !! 何処のどいつだ…… !? 」

 

「……ウソ、その外套…あなた…どうして……」

 

 

 

 ふざけた乱入者に血管が切れそうな程苛立ちを見せるドフラミンゴにシグマは外套を思い切り脱ぎ去った。

 

 

 

「忘れたのか !? ドフラミンゴ !!! わたしを殺すと言っていただろうに… !!! お前の !! エスメラルダに対する憎悪はそんなものかァ !!!! 」

 

「────」

 

 

 

 体の震えも戦慄く口もそのままにシグマは勢いに任せて叫ぶ。

 そのシグマの姿に一瞬呆けていたドフラミンゴだったが、その顔は徐々に凶悪な笑みに歪み心底愉快そうに地の底から響く亡者のような笑い声を上げる。

 とうとう大口を開けて空に向かい大笑いするドフラミンゴをヴィオラは驚いた表情へ見上げていたが、瞬きの間に拘束が解けて宙へ投げ出された彼女は短い悲鳴をあげて地面を転がった。

 

 

 

「フフフフ… !! フッフッフッフッフッフッフッ !!! ……────おれの、憎悪が安いと…そう言ったか…? どれだけおれが思い焦がれていたと思ってやがる……なァ… !!! エスメラルダァ !!! 」

 

「──ッあぐァ !!! 」

 

 

 

 シグマの首に絡みついた糸はそのまま彼女の体を持ち上げると死なないギリギリで気道を締め上げた。

 息苦しさに酸素を求めてあえぐシグマに近づいたドフラミンゴがその小さな顔を鷲掴みにすると自分と視線を合わせるように持ち上げる。

 その間にも糸はじわじわと首筋に食い込んでいき、とうとう薄皮を突き破って血が流れ出す。

 

 涙を浮かべ苦悶の表情のシグマにドフラミンゴの気分は徐々に高揚していく。

 以前としてドフラミンゴの中の苛立ちも憎悪も健在だがそれがあっても尚、焦がれ続けた憎悪の対象が己の手の中にいるという事が何よりもドフラミンゴを悦ばせたからだ。

 

 

 

「フフフ…! どうだった? おれからのプレゼントはどうだった !? エスメラルダ… !!! 熱した鉄を押し当てられたか !? 奴隷のように !! 銃弾で撃たれたか !? 的のように !! …そして何より… !!! “天竜人”に憎悪する人間の残虐性はどうだった !? 下々の人間たちの悍ましさはどうだった… !!! さァ、答えろ !!! エスメラルダ !!! 」

 

「ぅぐぃ !! いぁぁああ !!! 」

 

「やめて… !!! 彼女は、無関係よ… !!! 」

 

 

 

 ヴィオラの懇願も虚しく、傷口を強く抉られたシグマの悲鳴が辺りに響き渡った。

 しかし、涙を流し痛みにえずきながらもシグマの頭の中では冷静にタイマーが動き続けている。ルフィ復活の時間はもう既に120秒をきっており、あとはシグマが120秒耐え切るだけなのだがとてつもなく1秒が長い。まるで永遠の時間、傷口をぐられ続けている錯覚にシグマは頭が可笑しくなりそうになる。

 

 

 

「楽には殺さねェ… !!! この国を壊し、新しく国を作ったらお前をおれの奴隷として飼い、シーザーに再び作らせるお前のクローンを毎日一体ずつ様々な方法で壊してやる !!! お前の目の前で !!! フッフッフッ !!! 放し飼いにしてお前に親切を働いた奴を見せしめに殺すのもいいな !! お前、腹が減って苦しんだ事はあるか?腐ってカビの生えた生ゴミを食い漁った事はあるか !? 汚泥で喉を潤したことは !? ──全てお前に教えられた事だ…エスメラルダ… !!! 」

 

「……ゔぁ、ぐぅ… !!! 」

 

「──その“()” !! 気にくわねェなァ…! 今ここで抉り出して、」

 

『さァ皆さん !!! もう少しの辛抱だ !!!』

 

 

 

 ドフラミンゴの指が持ち上がった瞬間、何処からともかくギャッツの声が拡声器によって国中に響き渡った。

 

 

 

『“スター”は蘇るっ !!! 皆 !! お忘れか !! ──いや、忘れるわけがない… !!! 本日コリーダコロシアムの闘技場に !! キラ星のごとく現れた…愉快で !!! 大胆不敵なあの「スター」を !! 私は忘れない !! 誰もが恐る殺人牛を手懐け !! 雲をつくような巨人をなぎ倒し !! 生ける伝説首領(ドン)・チンジャオを打ち砕き !! コロシアムを… !! いや、このドレスローザを沸かせた小さな剣闘士 !!!

 ──私は未だかつて、かくも自由でかくも痛快な試合をする男を見たことがない !!! 』

 

 

 

 ヤジを飛ばされながらもギャッツは続けるその剣闘士の名を大声でドレスローザ中へ轟かせる。

 

 

 

『その名も !! “ルーシー” !!! そう !! ルーシーまたの名を !! “麦わらのルフィ” !!! ──海賊に騙され支配され続けた我々が !! 海賊を信じる事は困難かも知れない !!

 ……だが、10年前の夜英雄ヒーローの()()を被って現れたドンキホーテ海賊団とは違う !! ()()() !! リク王様をもって“希望”と言わしめた男 !!! 彼は今戦いに傷つき倒れてしまったが…… !!

 嬉しさに震えろドレスローザ !! ルーシーはこれを約束してくれたんだ !!!

 

 ““ドフラミンゴの一・発・K・O・宣言”” !!!!

 

 ──聞こえているかドフラミンゴ…… !!! 王を操り !! 世界を欺き !! このドレスローザに居座った偽りの王 !!! 』

 

 

 

 シグマを掴み上げながらドフラミンゴは不愉快なギャッツの言葉にいくつもの血管を浮き立たせ、無意識に口角が下がる。

 

 

 

『──ここが貴様の! 処刑場だァ〰︎〰︎ !!!! コロシアムが生んだスター !!! ルーシーは蘇るっ !!! その瞬間まで──“10秒” !!!

 …あと“8秒” !!! …“7” !! …“6” !! …“5” !! …“4” !!! 何処かで聞いてる !! スターの名を呼べ !!! 』

 

 

 

 ギャッツに煽られた皆が「ルーシー !! 」と激しくコールした。

 倒れて力を使い果たしたルフィを鼓舞するように人々は呼ぶ。3秒前になるともはや声援は歓声となって空気を震わせ、その熱狂する人々をドフラミンゴは歯を食いしばり「茶番だ」と吐き捨てたが、自身を見上げるシグマの光を失わない瞳に苛立ちが最高潮に達して遠目に見えるギャッツを糸の束で串刺しにしたが最早ギャッツが声に出さなくともコールは止まらず、ついに“0” !!! と人々は叫んだのだった。

 

 

 

「……どう、だい…わたしは時間を、稼げたぞ…… !! ドフラミンゴ !! 」

 

「──── !!!! 」

 

 

 

 ドフラミンゴの五指がシグマを切り刻まんと迫るがシグマはドフラミンゴから一瞬たりとも眼を離さなかった。それが尚のことドフラミンゴの癪に障る。

 糸がシグマに触れる──瞬間。

 

 

 

「ふんがァ〰︎〰︎ !!! 」

 

 

 

 突如シグマと入れ替わりに現れたルフィの武装硬化した拳が糸と顔を掴む手を薙ぎ払いドフラミンゴの頬へ吸い込まれた。

 

 

 

「麦わらァ! 」

 

『現れたァ〰︎〰︎ !!! ル〰︎〰︎〰︎〰︎シ〰︎〰︎〰︎〰︎ィ !!!! 』

 

 

 

 ドフラミンゴを睨みつけるルフィと頬に拳を受けながら漸く現れたもう一人の憎悪の対象にドフラミンゴの口角が緩やかに釣り上がる。

 

 一方、ルフィと入れ替わりで解放されたシグマはレンガ造の地面に横たわって激しく咳き込みながら血が垂れる首を抑えていた。ローはそんなシグマの様子を横目に一瞥するがすぐに命に関わるものでないと分かればドフラミンゴを討つサポートに徹する為、ルフィへ視線を戻す。

 

 

 

「大袈裟な復活だな……かろうじて覇気が戻っただけ……立ってるのが…精一杯だろ…?」

 

「それは、お前も同じだろ !!! 」

 

 

 

 互いに息を切らせていたが、ドフラミンゴの背後から5本の糸の束が現れるとルフィやヴィオラ、レベッカを貫こうと迫るがローの能力によって2人はシグマ同様安全圏に逃がされる。

 漸く隠れていた場所が特定出来たのかドフラミンゴが鼻を鳴らして「そこにいたのか」とぼやいたが、すぐに目の前のルフィに集中した。

 この虫の息の男を殺し、そのあとゆっくりと残りを始末すれば良いと考えて。

 

 

 

「“海原白波(エバーホワイト)” !!! 」

 

 

 

 ドフラミンゴが地に手をついた場所からたちまちレンガに覆われた地面が糸に変わり、まさに名前通りの白いうねりとなってルフィに襲いかかり四肢を絡めとる。

 

 

 

「“千本の矢”“羽撃糸(フラップスレッド)” !!! 」

 

 

 

 身動きの取れないルフィに千本の矢となった糸が襲来する。それを武装硬化で受けるも、覇気が回復しきっていないルフィの腹に受けきれなかった矢が突き刺さると「本当に覇気は戻ったのか !? ()()()() !! 」と態とらしい問いかけをするドフラミンゴが先ほどのお返しのように台地へルフィを叩きつけた。

 血を流して呻き声をあげるルフィに容赦なく、再び数多の矢降り注ぎルフィだけでなく周囲も粉々に打ち砕く。

 

 

 

 

「………… !! うゥ…体が…勝手に…… !! 」

 

 

 

 命こそあれ瓦礫から現れたルフィの体はドフラミンゴによって操られており、抵抗できぬまま足は自ら死地へと向かっている。

 未だに意識を保っているルフィに存外しぶといとドフラミンゴは笑うと今度こそ串刺しにする為に糸を硬化させた。

 

 

 

「どいつもこいつも、おれの()()()()で大人しく操られてりゃ…こんな大虐殺せずに済んだんだ !! 」

 

「カゴ……? 操る…… !? …──いい加減にしろォ !!! 」

 

 

 

 自分勝手なドフラミンゴの主張にとうとうルフィは大声で叫ぶと筋肉に覇気と息を吹き込み、覇気を待とうと、再び“ギア4”の姿になって体に纏わり付く糸を引き千切る。

 そのまま張力で上空へ飛んでいく姿にドフラミンゴは笑みを浮かべてその背中を追う。今度こそ引導を渡してやる為に。

 

 

 

「──おれを相手に空中を選ぶとはいい度胸だ !! …見せてくれるのか !? “()()K()O()”ってやつを…フッフッフッフ !! 」

 

 

 

 はるか上空で上昇をやめたルフィがドフラミンゴを待ち受ける。

 

 

 

「フッフッフ !! おれの頭上に立つとは気分が悪い !! 」

 

 

 

 そんなドフラミンゴにルフィは叫ぶ。それは一方的な不満の叫びだ。

 

 

 

「何でもかんでもお前は手の中に閉じ込めて…… !!! どいつもこいつも操ろうとするから !! おれは息が詰まりそうだ !!! 」

 

「“血”を恨め…… !!! お前達は操られるだけのゴミとして生まれたんだ !!! お前ら人間とおれは違う !!! 」

 

「うるせェ !! お前をぶっ飛ばしておれは出ていく !!! “ゴムゴムの”ォ… “大猿王銃(キンングコングガン)” !!! 」

 

「出来るものならな !! 麦わらァ… !! 」

 

 

 

 今までのとは比にならない巨大なルフィの拳に気圧されるドフラミンゴだが、すぐにそれは不敵な笑みへと変わり「従えねェなら殺すだけ」と呟く。

 

 

 

「16発の聖なる凶弾… !!! “神誅殺(ゴッドスレッド)” !!! 」

 

 

 

 2人の攻撃が激しくぶつかり合う。

 初めは押し負けていた“大猿王銃(キンングコングガン)”は徐々に16発の凶弾を押し返すと、そのまま見上げるドフラミンゴの顔面を捉えて凄まじい勢いで男を地面へ叩きつける。その衝撃は地上を突き抜けても勢いを殺せぬまま、ドフラミンゴは地下へと墜落した。

 

 人々は唖然とした表情で空を見上げている。流星の如く、何かが地面へ飛ばされたのは見えたが、まさかそれが彼らを苦しめてきたドフラミンゴだとは思わなかったのである。

 空を覆うカゴが溶ける様に解けていき、地響きの止んだドレスローザはほんの一瞬静寂に包まれた。

 

 

 

 

『空を見よ !!! ドレスローザ !! 消えていくのは……「鳥カゴ」か… !! ドフラミンゴの“支配”か !!! カゴの外に広がる風景は…切り刻まれた町か… !! はたまた…… !! 最早操られることのない自由の地か !!!

 

 ……「ドレスローザ国防戦」 !!

 海賊「ドンキホーテファミリー」2千人 VS. この地に居合わせた「運命の戦士達」!!!

 その“大将戦” !!!

 

 ──…ひょーひゃ…ひょーぴゃ !! ……ひょーーひやわ !! ひっく! ほーーひゃ !! ……ひよ……勝者は… !!!

 

““ ル゛ゥーーーーーーシィィィ〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎〰︎ ”” !!!! 』

 

 

 

 静寂を破ったのは、嗚咽混じりのとてもじゃないが聞き取れたものでないギャッツの声であった。彼は溢れ出る涙と鼻水を必死に飲み込んでもう何も我々を脅かすものはないのだと、我々は自由になったのだと叫んだ。

 その心の底から湧き出す歓喜を隠す事のない実況はドレスローザにいる意識ある者達の耳に届くと、彼らはその目に涙を浮かべて雄叫びを上げる。それは抑圧から解放された自由への産声なのだろう。

 

 そして人々は割れんばかりの拍手と歓声をこの国を救った英雄ルフィへと惜しみなく贈ったのだった。

 

 

 

 

 ────が、ここに例外がいる。

 

 

 

「────」

 

 

 

 大の字に倒れるドフラミンゴの顔を覗き込む人影が一つ。

 

 

 

「……フフ、フ……やっぱり、それが……お前の本性、か」

 

 

 

 逆光に黒く塗り潰された影は一才の顔の造形を覆い隠し、本来なら誰の影か予想もつけようがない。

 しかし、意識が薄れゆくドフラミンゴはその影の最大の特徴に歪な笑みを浮かべると「怪物め」と毒を吐き捨てた。

 忌々しい嘗ての記憶、まだ地獄を知る前に初めて抱いた鮮烈な恐怖が目の前にいたからだ。

 

 

 

「──緑の目をした怪物(グリーンアイドモンスター)…」

 

 

 

 ドフラミンゴを覗き込む影、その影に塗りつぶされることなく一対の魑魅魍魎じみた緑の輝きが、いつかの幼きドフラミンゴの記憶と同じく彼を見下ろしていた。

 

 

 

 

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