テイルズオブザワールドレディアントマイソロジー ~ANOTHER MYTHOLOGY~ 作:楠富 つかさ
「これって魔物!?」
ソラの驚いたような声にカノンノが答える。
「トレントっていう木に擬態する魔物。気をつけて、今まで戦ってきた魔物より少し強いから!」
「分かった! おっと!」
頷いたソラの足元に、トレントの細い枝に似た触手が伸びる。ジャンプで回避したソラは剣を構え、
「いくよ、魔神剣!」
マナを剣先に集めることで地を這う衝撃波を繰り出す。少し仰け反ったトレントに、今度は剣全体にマナを込める。
「極めるよ、虎牙破斬!」
斬り上げと斬り下ろしを連続で繰り出す剣技を、触手でガードしたトレントがソラを薙ぎ払う。
「うぐ!」
楯を前面に構えガードの体勢を取るが、脇腹を鋭い触手が掠める。
「癒しの光、ファーストエイド!」
すかさずカノンノが初級治癒術をかける。光とともに治った傷口を確認し、ソラは剣を構える。
「私も頑張らなきゃ。アイシクル!」
「え、詠唱無し!?」
「練習したからね。スノーウィンの名前は伊達じゃないよ!」
胸を張るカノンノだが、トレントは緩慢な動きで立ち上がった。全身を使ったスピン攻撃を繰り出すトレントだが、その攻撃は後方へ大きくジャンプしたソラには当たらない。
「やっぱり弱点属性を突かないとダメなんだね。ソラ、少しだけ時間を稼いで。詠唱するから」
「分かった。頑張ってみる」
ソラは今度は足元にまでマナを込めて技を放つ・
「裂空斬!」
剣を構えたまま縦回転をし、トレントの頭部を切り裂く。一度バックステップをしてから、さらに魔神剣を繰り出す。すると―――
「吹き上がれ、赤き猛威! イラプション!!」
地面から噴出すマグマのような魔力、炎属性中級魔術イラプションがトレントを焼き払う。
「やったね、ソラ」
「うん。ありがとう、カノンノ」
「回復のことかな? どういたしまして。さぁ、森を出ようか」
フォレッカ大森林を抜けると広がっているのは草原。
「ここはね、アビランシア王国の首都キムラスカ=バチカルの近くのフィアラス大草原。北に行くと寒冷地帯が広がって、進み続けるとグランコクマっていう都市に着くの。南に行くと、港町ケセドニアがあって、近くには世界樹とディセンダーを祀る宗教、アールジュ教の総本山であるアーレライト島があるんだ」
「詳しいんだね」
「クエストで行ったことがあるだけだよ。あ、迎えを呼ばなきゃ」
そう言ってカノンノが取り出したのはGHS。
「ん? カノンノ、それ何?」
「これ? これはGHSっていって、遠くにいる人と話しをするための道具だよ」
「へぇ……。凄いね」
GHSで連絡を取るカノンノを眺めながらソラが呟く。
「ソラ、他のクエストに行っていた人たちも戻ってきたって。迎えはすぐにくるよ」
「うん。分かった」
本作の地名は出来るだけシリーズにある物、もしくはそれに似せたものを使っていこうと思います。