テイルズオブザワールドレディアントマイソロジー ~ANOTHER MYTHOLOGY~ 作:楠富 つかさ
「私の名はジェイド・カーティス。アビランシア軍の大佐です。皆さん、こちらへ」
ジェイドの案内で移動するソラたち。バチカルから離れ、フィアラス大草原にとめられた一隻の戦艦へ乗り込む。
「これ……タルタロスじゃないか……」
金髪の青年が感慨深げに声に出す。
「えぇ。ヴィスバルリアと共同で制作していた地上要塞戦艦タルタロス。試運転はまだですが、急遽使わせてもらいました」
ソラたちを船内の会議室へと案内しながら、ジェイドが説明すると、今度は真紅の髪の男が声を荒げる。
「待て! このタルタロスを運転できる者がヴィスパルリアに居たのか!?」
その言葉に続いて金髪の女性が、
「確かに。この特殊な船を動かせる人材はまだ少ない。今、タルタロスを運転しているのは……どなたですの?」
質問を聞き終え、ジェイドは眼鏡のブリッジを押し上げると、
「とあるギルドの少女が、一目で操作法を把握し、ここまで動かしてくれています」
「まさか、チャット!?」
カノンノが思わず声を上げると、ジェイドは首肯した。
「アドリビトムのギルドマスターですね。彼女から貴方達の事を聞き、賊ではないと示すことが出来たのです」
一通りの説明を聞き終えたソラとカノンノ。ここでソラが、とある疑問を投げかけた。
「今更なのですが……そちらの方達って?」
「あら、自己紹介がまだでしたわね。私はアビランシアの第一王女、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアこちらは……」
「ファブレ公爵家のルークとアッシュ。俺は使用人のガイだ」
「おい、ガイ……自己紹介くらいさせてくれよ」
「ふん。俺は公爵家の一員だなんて微塵も思っていないがな」
ルークの髪はアッシュより淡く、朱色と言える。ルークが兄であり、弟と違って髪は短い。弟のアッシュは家督相続権が低いせいか、少々擦れた印象を与える。
「私はアーレライ教の者で、信託騎士団所属のティア・グランツよ」
「で、私はアニスちゃん。こちらの方の護衛を専門としていまーす」
象牙色のロングヘアを持つティアと、黒髪をツインテールに結ったアニス。そして、
「アーレライ教、導師イオンです。この騒動は僕の落ち度。すみません」
「ど、導師様が謝る必要なんてないですよ!!」
頭を下げるイオンにカノンノが慌てふためく。
「さて、今度はお二人の自己紹介を聞かせていただけませんの?」
「あ、カノンノ・スノーウィンです。ギルド、アドリビトムに所属しています」
「僕はソラ。記憶がなくって、それでアドリビトムに身を寄せているんだ」
「皆さんお揃いかね? どうだい、初乗船の感想は、ジェイドの旦那?」
「おや、貴方達も搭乗していたのですか」
会議室の扉を開け、顔を覗かせたのは極東風の羽織を見につけた30代ほどの男性。
「おじさん、誰?」
場に居る最年少、アニスが辛辣な一言を浴びせる。
「あっちゃぁ……。まぁ、お嬢ちゃんからおっさんだわな。おっさんはヴィスパルリア帝国の筆頭ギルド
「うっす。同じく、ユーリ・ローウェルとこっちは相棒のラピード」
「カロル・カペルだよ!」
レイヴンに続いて二人と一匹が会議室に入ってきた。
「ワンちゃん……」
「ティア?」
「……なんでもないわ」
ティアとアニスの少女同士の密かなやりとりはさておき、
「ジェイドの旦那に相談なんだがよ、タルタロスはまだ試運転の段階。スピードは出せねぇ。だが……後方に怪しい影があるわけよ」
「恐らく……敵の残党だな」
「あ、あのぉ……バチカルの騒動って何なんですか?」
レイヴンのユーリが深刻そうな表情をする。そこに、カノンノが気になっていた質問をぶつける。
「それは僕から説明しましょう。ただ、今というわけにはいかないのかもしれません」
イオンがそう言い放った次の瞬間、大きな爆発音が響いた。
「敵襲か……」
言うや否や飛び出すアッシュをナタリア、ルークそしてティアが追いかける。
「……ふむ。走行不能に追い込まれてしまいましたか……要塞戦艦の名が泣きますね」
「チャットの所に行こう!」
ソラもカノンノに続いて会議室から飛び出すのだった。