戦闘描写は少し苦手なので、多めに見ていただけたら助かります。
吾輩は、猫である。
名前は、タマ・クラネル
恐らく、猫として初めてとなる、冒険者だ。
「タマッ!ごめんっ!1体抜けたっ!」
「ニャンッ!(【ザケル】)」
冒険者になって早数日、ダンジョンではサポーター代りに魔石集めこなしつつ、自衛手段として雷の術【ザケル】を使って、ベルと共に冒険をしている。
最初こそ、吾輩が妖精であることに戸惑っていたベルも、2、3日も経てばすぐに慣れたようだ。
ギルドでの冒険者登録の際、一悶着というか一騒ぎあったのだがまた今度お話ししよう。
本来なら、恩恵を貰った冒険者を除いて、ダンジョンに出入りすることは許されないらしいのだが、吾輩は少し事情が違った。
にゃんと驚くことに、吾輩もヘスティアより恩恵を貰ったのである。
というのも、先日ベルが恩恵を貰った際に出てきたスキル【妖精猫の恩返し】の一文“対象の妖精猫とのステイタス一部共有”の効果を確かめるべく、ヘスティアより提案があったのだ。
「タマ君、ベル君に発現したこのスキルは、間違いなくレアスキルだ。」
「ニャ?」
「ステイタス一部共有・・・・・・どういう効果があるか、しっかりと把握するためにも、君にも僕の恩恵を貰ってほしいんだ!」
と言った感じで、恩恵を貰った。
儀式をしている最中も言い出しっぺのヘスティアは、
「まさか2人目の眷属が猫になるなんて、しかも妖精だし・・・・・・これって絶対にバレたらマズイよね・・・」
などとブツクサ呟いていたが、吾輩は尻尾が2つあるだけのいたって普通の猫だ。
熊よりもヤバいモンスターが蔓延るこの世界で、猫の1匹や2匹で騒ぎになるはずもないだろう。
「ヤバイヤバイヤバイよ!クロノス!もし見てたら、時間を戻しておくれよ!」
まったく!何がヤバイのか?
どれ吾輩にも見せてみるといい・・・・・・
➖タマのステイタス
タマ・クラネル Lv.1
力 :I 0
耐久:I 0
器用:I 0
敏捷:I 0
魔力:I 0
柔軟:EX ♾️
《魔法》
【 】
《スキル》
【4次元収納】
・某猫型ロボットの収納、何でも入る。
【猫は液体】
・打撃攻撃への絶対耐性。というか完全に受け流す。
・斬撃攻撃への絶対耐性。というか完全に受け流す。
・刺突攻撃への絶対耐性。というか完全に受け流す。
【魔本に選ばれし者】
・ステイタスに“術”スロットの新設。
・上記の効果は、条件を満たすことにより、他者に対しても有効。
《術》
・【ザケル】
・【ラシルド】
・・・・・・・・・これ絶対に誰にも言うんじゃないぞ!騒がれるから!
そんなことがあって、ベルがダンジョンに潜る際は一緒に潜っている。
ベルの担当をしてくれているギルドの受付嬢、たしかエイナといったか?彼女には話せる範囲で(ベルが)事情を話したが、一応許可は貰ったし、帰り際には
「タマ様、ベル君が無茶をしないように、よく見守ってあげてください。」
と、めちゃくちゃ頭を下げられた。
そういえば、恩恵を得たことで、良かったことが2つある。
ひとつは【4次元収納】だ。
何でも入る。という謳い文句に偽りはなく、本当に何でも入るので、お弁当として買った干し肉や、ヘスティアに持たされたじゃが丸君を入れるのに重宝している。
今まで使っていた鞄は、魔石やドロップアイテムを入れるのに使っている。・・・・・・換金の際にスキルを見られたくないからだ。
そしてもうひとつの良かったことは、魔本を介さずに術を使えるようになったことだ。
ベルの家で暮らしていた頃は、必ず手元に魔本が無ければ、静電気のひとつも出せなかったのだ。
あの本、背負う分には慣れたものだが、術を使うために咥えて走り回るのには、かなり重い。頭が取れるのではないか?と思うほどだ。
ちなみに吾輩は術を使う時、尻尾から発動する。
そんなわけで、ダンジョンに入る時は【4次元収納】に入れている。
「タマ、そろそろ帰ろうか?」
「ナー?」
おっと、もうそんな時間になっていたか?どれ、今日の稼ぎは・・・・・・昨日の稼ぎを参考にするなら、5000くらいか・・・こんなものだろう。
「今日も疲れたね。でも昨日より稼げてそうだし、帰りに何か、美味しい物でも買って帰ろうか?」
「ニャーッ♪」
妙案だな!
貯蓄も大事だが、たまの贅沢も悪くないだろう。
思えば、オラリオに来てからお財布の紐はキツめにしていたし、じゃが丸くんばかり食べているヘスティアにも何か買っていてやろうではないか!
「じゃあ、急いで帰ろうか!」
「ナー!」
よし来た!
そうと決まれば、ギルドまで競走だな!
「あ、待ってよ!タマ!」
この後、吾輩のヘソクリからも少しフンパツして、ちょっとお高めのベーコンと卵を買って帰った。
「うおぉーー!!ボクの為に、こんな美味しい物を買ってきてくれたなんて!優しい眷族が2人もできて、ボクは世界一の幸せ者だよー!!」
と、ヘスティアは泣きながら喜んでくれた。
悪い気はしないが、少し大袈裟だな。
「タマ、神さま喜んでくれてよかったね。」
・・・・・・まあ、そうだな。
仕方ないから、明日も頑張るとしよう。
◆おまけ◆
『とあるアドバイザーの悩み』
ギルドで働くアドバイザー、“エイナ・チュール”
ハーフエルフである彼女には、とある悩みがあった。・・・いや、出来た。というべきだろう。
「はぁ・・・、どうしよう、コレ」
ため息をついた彼女の視線の先には、3枚の羊皮紙が並べてある。
この羊皮紙が、今回の彼女の悩みだった。
羊皮紙の内容はそれぞれ、新設のファミリアの申請が1枚、そしてその団員の登録が2枚ある。
新設のファミリアの申請は、問題ない。
毎日あるわけではないが、月に2、3件はあることだ。
問題なのは、団員の方である。
1人は至って普通のヒューマンの少年。
まだ少し幼さが残る顔立ちに、どことなく危うさも感じるが、ダンジョンの勉強も真面目だし、割と好印象な少年。
こちらは、まったく問題ない。
問題なのは、もう1人・・・1人?
そう、登録をしたもう1人が、どこからどう見ても猫だったのだ。
ここまでなら、何の冗談だ。と笑って済ませるのだが、少年と一緒に登録に来た猫は、器用に用意されたインク壺に爪を漬けると、爪に付いたインクで自身の分の登録用紙を書き出したのである。
呆気に取られ、思わず受領してしまった彼女は、ギルド長にどう報告したものか?と全力で悩んでいた。
「多分私、疲れてるんだ!今日はもう帰ろう!」
悩んでてもしょうがない!また後日、2人に話を聞こう!と心に決め、今日は早めの帰路についた。
そんな彼女だが、うっかりと口を滑らせたベルにより、更なる悩みを抱えることになる。
彼女の悩みは当分、晴れそうにない。
読んでいただき、ありがとうございました。
感想、評価、お気に入り、ありがとうございました。
ベルに誰の魔本を持たせるか、悩んでます。
-
相性が良さそうな格闘系 テッド
-
脚の速さを活かす ウマゴン
-
起死回生の自己回復 ダニー
-
タマとお揃い? ゼオン
-
超大穴 ビクトリーム