後半雑かもしんないです。
読みに来てくれて、ありがとうございます。
吾輩は、猫である。
名前は、タマ・クラネル
先日、吾輩の家族が初恋をした。
他派閥の女性ではあるが、命の危機を間一髪で救われ、気付けば一目惚れしていたそうだ。
聞けば似たような被害が他の低階層でもあったらしく、その異変にいち早く気づき助けに来てくれたのだろう。
有名な派閥は、模範となるような人格者が多いのだろうか?ベルも憧れるはずだ・・・・・・なーんて、思っていた時期もありました。
イレギュラーの原因が自分たちで、尻拭いしただけ?
その上、逃げ回っていた冒険者を酒の席で笑い者にして、周りも耐えかねたように笑い声をあげている。
しまいには、それを引き合いに出して女を口説いているではないか。
・・・・・・ああ、そういえばそうだったな・・・・・・あのファミリアは、入団希望者を見た目だけで判断して、門前払いするようなファミリアのひとつだったな。
だがベルは、そんなファミリアの人間に憧れてしまったのだ。
「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」
「っ!!」
「ベルさんっ!?」
衝動的になると、後先考えずに突っ走るクセは昔のままだな・・・飛び出して行った方向から察するに、恐らくダンジョンだな。
よほど悔しかったのだろう・・・全くムチャをしてくれる。
「ああン?食い逃げか?」
食い逃げではないよ。駄犬、
支払いは、吾輩がする予定だからな。
それはそうと、これから少し、迷惑もかけることだ。
吾輩はまだ食べていたが、先に支払いを済ませておこう。
そう思い、女将にヘソクリが入っていた麻袋を差し出す。今日食べた2人分の支払いには、充分足りるはずだ。
女将殿の目が丸くなっているな。
先程まで、ニャーニャー鳴いて鰹節を食べていた猫が、お金を払い出したのだから、無理もない。
「ちょっと待ちな、少し多いよ!」
迷惑料だよ。少し暴れるからな・・・
「やるなら外でやりな・・・店の中で暴れんじゃないよ。」
理解のある女将で、大変助かるな。
さて、許可も得たが店の中では、さすがに迷惑がかかりすぎるらしい。
目の前の駄犬を一撃で外に連れ出す必要があるな・・・久しぶりに、本を使うとしよう。そう思い、背中の鞄から魔本を取り出す。
ここでひとつ教えておこう。
ヘスティアから貰った恩恵では術はまだ2つしか使えないし、威力もLv.1相応のものだ。
だが、5年以上の歳月を共にした魔本を使うなら、話は変わってくる。
魔本の術を読むのに使うのは心の力だ。威力だって変わってくる。
そして何よりも・・・・・・
「ニャンッ‼︎(第五の術、【ザケルガ】‼︎)」
使える術の数が違う。
・・・よし!店の中は燃えてないな。
一直線に飛ぶ雷が狙い通りに駄犬だけを、店の外に吹き飛ばしてくれた。
続きは、外でやるとしよう。
家族を笑われたのだ。
そこまでされて、黙ってるやついるー?
いねぇーよなぁ!(煽)
プライドなどへし折ってやる!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(あまりに聞くに耐えない。)
それがベートの話を聞いていたリヴェリアの素直な感想だった。
冒険者の品位だなんだのと言ってはいるが、この場にいる者たちの中で、恩恵を貰って間もない頃にミノタウロスに単身で勝てる者がいるのだろうか?と笑っている者たちにも問いかけてやりたかったが、そうはしなかった。
遠征が失敗に終わった今、せっかく宴会の席で、ファミリアの士気を下がることを懸念したのだ。
そして、リヴェリアの思考はベートから、店を飛び出した少年を追いかけようと外に出たアイズへと向けられる。
(しかし、件の少年には申し訳ないことをした。)
ただの食い逃げならすぐに捕まる。
今いる酒場は店主をはじめ、高位のステータスを持つウェイトレスが何人かいるのだ。逃げ切ることは愚か、本来なら店を出た瞬間にお陀仏というやつだ。
それは、アイズも承知しているはずだが、飛び出した少年を追いかけようとした時の表情が、リヴェリアにはどうしても自責や心配をしているように見えたのだ。
店を飛び出した少年が、アイズがミノタウロスから救けた少年。
そこまで考えいたってから、すぐに納得した。
(ロキが呼び戻しに行ったが、今あの子は酷い表情をしているだろう。)
そろそろあの煩い狼を締め上げよう。そう思いリヴェリアが席を立った時には、先程まで目の前にいたベートは、突如現れた雷に攫われ入り口の外まで飛ばされていた。
「ベート⁉︎」
突然の襲撃にリヴェリアたちが目撃したのは、
「猫?」
「猫だね。」
「猫じゃな。」
「何猫と本気で戦ってるのよ。ベート」
飛ばされた後の一瞬で何があったのか?
雄叫びを上げながら脚を振り抜くベートと、その攻撃を躱しては雷撃を放つ猫だった。
「皆、邪魔しちゃダメ。あの猫、ベートさんにすごく怒ってる。」
(((その前に、何がどうなってるか説明してくれ!)))
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最初の【ザケルガ】から何度かの攻防を交わしたが、1級冒険者とはこれほどのものか・・・全く、頑丈で嫌になる。
ステータスの差があるのは分かっていたからこそ、こちらは最初から本を使っていたというのに・・・・・・
「おい、猫」
なんだ?
「てめぇがトマト野郎の身内だってのは、アイズから聞いた。」
本当になんで分かるんだろう?ずっと猫語で喋ってるのに、
「てめぇが何で怒ってるのかはわかったが、俺は自分の意見を変える気はねぇ!だが、てめぇのことは認めてやる。」
おう、まだやるのか?こっちはノーダメージだし、容赦なくやるぞ?
「次で終めぇにするぞ。てめぇも変な手加減してねぇで全力で来い。んでもって帰ったら伝えろ。」
何を?
「恐怖に負けたんなら、怯えて寝てろ。悔しかったんなら這い上がってきやがれ・・・そん時は、相手してやる。」
言うことだけ言って・・・もう構えてる。
あのブーツ、どう見ても吾輩の雷を溜めてるよね?
スキル【猫は液体】のおかげで攻撃を受け流してたから魔法的な攻撃は勘弁してほしい。耐久の上昇値はベル頼りだからゴミなんだよ。
「先手はくれてやる!来やがれぇえ!」
先手はくれてやるって・・・最後にもうひとチャージする気満々じゃん。
猫相手に大人気ない。
さっきの会話でちょっといい奴かもと思った吾輩の感心を返してほしい・・・が、そろそろ決着をつけないと、ギルドに介入でもされたら厄介なのは確かだな。
ダメ元になるが喧嘩売ったの吾輩だし、やってやるか。
「ニャンッ‼︎【バオウ・クロウ・ディスグルグ】」
雷の竜バオウの手だ、この技は雷を纏ってないからな!これならば吸収できないだろう!フハハハハハハハハ・・・・・・ちょっと大きいかも?
「じ、上等だあ‼︎かかってこいやぁ‼︎」
声震えてない?やっぱ辞めとく?・・・あれ?止まらない?
ごめん、止まんないわ。まじ、ごめん。
ーーープチッ!
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
し、視線が痛い。
彼の仲間が見物してるの気づいてたけど、この空気は本当に重い。
殺す気なかったんだよ?本当に!
少しイラついて力み過ぎちゃったけどさぁ!
竜の手出しちゃったし、モンスターとか思われてないよね?
雷出した時点であれだけど・・・
「「「・・・・・・・・・」」」
ダメかな?ダメっぽいな・・・こうなったら仕方ない。
「ごめんニャン!」
謝って逃げた。
え?共通語を喋れたのかって?2、30年生きてれば、人語くらい覚えるわ。
猫語の方が楽だから使わないけど・・・
後日、ロキ・ファミリアの幹部が猫にやられたと、ギルドで話題になっていた。
エイナ嬢に、しこたま怒られたのは言うまでもない。
ロキ・ファミリアから見たタマの話は、また今度纏めて見ようと思います。
読んでくれて、ありがとうございました。
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