猫と魔本   作:さぬきのみやつこ

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読みに来てくれてありがとうございます。
アンケートにご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。








ベルとブイ?

吾輩は、猫である。

名前は、タマ・クラネル

今日は“怪物祭”というお祭りが開催されているらしく、ベルと共にお祭りにやってきた。

シル嬢に、お財布を届ける目的があるものの、屋台に目移りするな!というのは無理がある。

美味しそうな焼き魚に目を奪われた隙に、ベルと逸れてしまった。

 

吾輩は現在・・・

 

「あー!ねこちゃんだー!」

「しっぽが、ふたつ・・・・・・」

 

迷子の子供たちの玩具にされている・・・あ、こら!待て!尻尾は止めんか!2つだから!それ以上別れないから!

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

まったく!先日はとんだ災難続きだった!

せっかくのお祭りだったというのにベルと逸れるわ。

迷子に囲まれながら、親御さんを探す羽目になるわ。

迷子を送り届けて、ようやく祭りを楽しめると思えば、モンスターが脱走して中止になるわ。

迷子に脱走と・・・・・・仕事しろ!運営陣よ!

 

と、本当に大変な1日だった。

だが、それ以上に大きな変化もあった。

 

ベルのステータスに、術スロットが増えた。

吾輩自信、何か特別なことをした覚えもない。

何かしらの条件があったのかもしれないが、ようやく吾輩のスキルが効果を現し始めたということだろう。

 

それに伴ってか、吾輩のステータスにも変化があった。

アビリティはベルと同じ、スキルや魔法も変わらないのだが、ステータスで術が増えた。【ジケルド】だ・・・使いどころがないな・・・

 

仮説として、誰かに術スロットを与えることができれば、ステイタスで使える術が増えるかもしれないとか色々考えたが、これからよく検証する必要があるだろう。

 

まあ、術スロットができただけで、魔本がなければ意味がない。

吾輩が持つ赤い本は、ベルは読むことが出来なかったが、吾輩の手元には、もう一冊魔本がある。

ベルがステータスを貰った日、吾輩が何も書いていない本を買ったのを覚えているだろうか?

表紙も真っ白、中身も真っ白な本だったが、質感や大きさが魔本とまったく同じだったため買ってきた本だ。

 

きっと魔本である!という確信めいた勘に従って買ってきたのだが、適当に呪文を唱えようが、水につけようが、生魚で叩こうが、爪とぎとして使おうが、一切反応を見せなかった本に変化があった。

 

表紙は魔本と同じデザインに変わり、中のページにも魔界の文字が刻まれている。吾輩の本と違うのは色だけだ。

本の変化がベルのステータスと呼応して現れたのであれば、この本を読むのはベルだ。というか他に心あたりがない。

 

さあ、ベルよ。この本を読んでみろ。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ここはどこだろう?」

 

まったく見覚えのない真っ白な空間に、僕はいつのまにか立っていた。

どれだけ歩いても壁も出口もない。

夢と思えば納得できそうだけど、それにしては意識がはっきりしている。

不思議と疲れる感じもしないし・・・・・・⁉︎

 

「【シン・チャーグル・イミスドン】ッ!!」

 

誰もいなかったはずの場所から、呪文のような何かが聞こえたと思えば、とてつもなく大きな何かが僕の真横を通り抜けて行く。

 

「フハハハハ、今日もきっと素晴らしい“V”を放てただろうな!爪痕がないのが大変惜しいくらいだ!フハハハハ・・・・・・ハァ・・・」

 

(誰かいる!間違いなく誰かいる!)

 

1人きりだと思っていたところに突然現れた人物、この空間について何か知っているかもしれない。

そう思い、慌てて先程の魔法?が向かってきた方向へと走った。

 

「スミマセーン!ここって、どこだがわかりますかあーー?・・・・・?!???」

 

そこにいたのは、物凄く変な格好をした、誰かだった・・・

 

「ヌッ?何やら失礼な事を考えている気配!」

 

「え?」

 

「【マグルガ】ーッ!!」

 

「ごめんなさい!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「イヤー!突然攻撃してスマなかったな!フハハハハハ!」

 

「い、いえ、こちらも突然すみませんでした。」

 

出会ったのは、華麗なるビクトリーム様と名乗る、ブイ?を極めた戦士だった。

 

「で、ここって何なんですか?」

 

「ふむ、難しい質問だ・・・私は修行部屋と呼んでいるが、人によって違うだろうな。」

 

修行部屋・・・何もない空間なのに、何の修行をするんだろう?

 

「ところでベルと言ったな?」

 

「は、はい!」

 

「ベル・・・イニシャルがVかBか・・・きっと君は、Vに違いなかろう!」

 

「よくわからないけど、多分そうです。」

 

「いい返事だ!君はいいVの戦士になる!修行をつけてやろう!」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

よくわからない空間で、よくわからない人と、よくわからないうちに、修行をすることになった。

 

「私の動きをよく真似するんだぞ?・・・3・2・1!キャッチ・マイ・ハート(JASRAC申請が面倒なので割愛します。)そんな、殺生なぁー!!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ふむ、本を開くなり眠ってしまったか・・・吾輩の時とは、違うようだな。

魔本が反応を示しているのは間違いない。めっちゃ光ってるし・・・

今ごろ、夢の中で術の持ち主と修行・・・なーんて、ファンタジーな展開を体験しているかもしれんな。

魔本は大抵なんでもありだから、ありえない話ではない。

 

しかし、この本の色は、いったい誰のものだったか・・・緑系統で連想される魔物が思い出せんな。

公式で色が発表されていない魔物も結構いるし、ブラゴにやられた樹木みたいな奴、というオチも十分あり得る。

まあ、あれはあれで使い道もあるだろう・・・

 

「・・・・・・・・・か?」

 

?ベルが、寝言とは珍し・・・いや、そうでもないな。それより、うなされているのか?

 

「・・・ベリーメロンって、なんなんです・・・か(ボソッ)」

 

・・・・・・・・・・・・ベルの術、決まったな。

後日、今まで(水につける、生魚で叩く、爪とぎ)のお詫びに、メロンをお供えしておいた。

・・・・・・うん、よく見たら、メロンと同じ色だ。

 

翌日には、メロンはキレイになくなっていた。

 

 




アンケート結果
1位 ビクトリーム様でした。
いきなりVの姿勢もクソもないので、予定になかったご本人登場・・・どう書こうか、真剣に悩みました。
ビクトリーム様をしっかり表現できていれば、幸いです。

読みに来てくれて、ありがとうございました。
ビクトリーム様の出番は、この後もいくつか考えてみます。
アンケートで選ばれなかった魔物たちも多分そのうち出します。
リクエストなどあれば、参考にさせていただきます。絶対ではないですが・・・・・・
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