銀河英雄伝説~銀河への一石~   作:くまたいよう

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 ある意味一番怖い相手が出る。


『獅子心中の虫』

「伝説の超フェザーン人ならいるよ」

 

 難なく答えてくれたヤン提督、まあ聞き出せても次の問題があります。

 

「問題は居場所どころか生きてるかわからないから連絡が取れない、ミス・ミズキの義手に盗聴器仕込まれたりしたから不用意かつ独自に動くのは危険と言える点ですな」

 

「シトレ校長が言うように、今回の遠征が最小限の失敗で済むように祈るしかないってとこだね」

 

 流石にゲンナリしてますね、アンドリュー・フォークが理由は省略で何やら弱気だったようですが、ヤン提督やその賛同派を始めとした一部除いてノリ気なのを見抜いていたから。仮に熱弁振るったらステンデイング・オベーションとやらだったかもとかで。

 

【多数決がものを言う体制の国家ではそれに従わなければならない】

 

 そもそも、上手くあしらってたけどトリューニヒトですら反対票を投じたとしてマスゴミに囲み取材されたくらいだった。この国の市民の望みは賛成派とか反対派がどちらが多いかとしたらそういう事なんですかね、仮にヤン提督が反対運動やっても立場が急造艦隊の一司令ですし。

 

「問題は、アッテンボローの青二才が上手くやれるかどうかくらいしかない」

 

 何かあった際にはウランフ提督が生還するように仕向けてもらう、ヤン提督にはウランフ提督が無駄死にしないように頑張ってもらうとして打ち明けましたが。

 

 そもそもシトレ校長、私からしたら元帥がヤン提督に言ってたらしいですが、理性と良識に富んだ者が権力や武力を扱って欲しいのは同意です。残酷な事なのでしょうが一朝一夕で得られない人材失った際のダメージは艦隊の一つで済むレベルではありません。

 

「全く、私達のやってる事は【獅子心中の虫】とでも言うべきなんだろうね」

 

「獅子ですか・・・・同盟の国家体制をそう例えるのは間違いでは?獅子とは、噂のローエングラム伯みたいのを言うべきでしょうな・・・・姉の七光りからの成り上がりだの言われて貴族からは疎まれてますが、それすらも原動力になる気概がありますよ。逆言えば喧嘩売って来た奴等をまとめて片付ける機会が出来る」

 

「だろうね・・・・」

 

 シェーンコップさんとのやり取りで少し声色が変わりましたね、多分ヤン提督は条件が同じなら負けはしないでしょうが、その条件が同じを整える為の要素では多分勝てないですね・・・・そもそも、民主主義国家で軍人が何もかも仕切るようになると言う事は、本人にその気がなくともに加えて周りがこう疑うでしょう。

 

【ヤン提督がルドルフになる】

 

 私が思うように良識的と言うより他に任せる独裁者になるとしても間近で能力はあっても手の掛かる人間と見てる人くらいしかそんな発想にはなりませんね、時間掛ければとしても。

 

「あの、ヤン提督は今回の遠征がどんな流れになると思いますか?」

 

「失敗する」

 

 即答。まあ、イゼルローンが橋頭堡になったんですけど次の問題がありますよねと思った時にヤン提督の目が鋭く、正確に言えば眠気が取れたようになって来ましたね。

 

「そもそも、帝国領内には【ガイエスブルク】とか言うイゼルローンに匹敵する要塞あるしハイネセン周囲程じゃないけど【アルテミスの首飾り】の配備されてる星もあるらしいからね。首都星オーディンを陥落出来てもその後にどうするかだ」

 

 そりゃそうだ。ゲームみたいに此処を抑えれば勝ちって発想以下ですからねフォークは。第一に?

 

【帝国領内に直接侵攻するの初めてなんですから】

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーー。

 

 

 

 

「無駄足でしたかな?」

 

「いえ、そうでもないですよ。わかってるんでしょ、途中からシェーンコップさんも気圧されてました」

 

 同意してくれてる。銃や大砲が飛び交わない戦いをしたら勝てない人の目でしたね、次に気になるのは?としたら。

 

「おや、ミス・グリーンヒル。休憩室で何やら暗い雰囲気ですな」

 

「・・・・」

 

 イゼルローン攻略の後にヤン提督が辞職チャレンジしに行ったくらいな沈み具合が漏れていますね。失敗してなかったらどうした事やらで話を聞いてみたら。

 

「はあ・・・・グリーンヒル大将は、賛成派を擁護するに傾いて。ヤン提督のローエングラム伯を危険視する意見に関しては【若いから失敗する事もある】・・・・で片付けたと?」

 

「えぇ、父は人が良いからロボス元帥に賛同はしていますが・・・・その」

 

「ロボス元帥の【衰え】は危惧していない」

 

 そりゃ、完全に【贔屓】でしょうが!

 

【ラザール・ロボス】

 

 今回の出兵の総司令官殿、大雑把なとこがあるが、逆言えば大胆。割とグリーンヒル大将とは協力すれば悪くないんですがとされて長い。つまり付き合いの長さ優先ですかにしても馬鹿やろうとしたり調子落としたらしっかりさせやがりなさいよ!って言いたいけど、リンチ少将の時にそう言う人だと推測はしちゃったんですよね私。 

 

 

 

 様々な思惑が動く中、私達には運命の時が少しずつ近付いて来たとやらです。

 

 

 

「第一陣がウランフ提督で、次が我々ですか」

 

「その次はビュコック提督らしい、この三名率いる艦隊で待ち伏せしてるかもな連中を叩ければ良いのだがな」

 

「待ち伏せは無い」

 

 ヤン提督ご登場です。パトリチェフさんにムライさんですら息を飲んでますね、目の色が違うと言うより、これは。

 

「ヤン提督、それはどういうワケです?」

 

「我々と全面対決したがる相手なら苦労は無いよ、当面は帝国の辺境領民のお相手さ」

 

 そうして語った内容は全員が青ざめた。これはキャゼルヌ少将が後方の担当で助かりましたけど。

 

 

 

 

 ーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

「ミス・ミズキの見立ては?」

 

「ウランフ提督が生き残れるかどうかです」

 

 出番があるかどうかなローゼンリッター内で私は思った事をそのまま告げた。やれやれですが、私達の作戦も開始です。

 

「はあ、何やってんだ私・・・・」

 

 目当ての場所に近付いてる。この先にいる人物には。悪く思ってますよ。

 

「おや、噂のナイチンゲール様。単独行動は危険でありますよ?」

 

「おや、噂の【諸星】なんとやらさんですか」

 

「俺は何故かそんなんに思われとるか疑問ですぜ」

 

【オリヴィエ・ポプラン】

 

 空戦部隊におけるエースやら撃墜王とやらなんですが、不良っぽくて割と男前でいかにもな反面、何故か私と言うか女が電撃使えたら毎週のようにやられるのが似合う人と思われとる。

 

「あの、何か神妙ですが?」

 

「いえね、あのローゼンリッターを従えた女王様と噂されてるから注意したら、何か場違いの極みのような・・・・ヤン提督の養子が良い子だと聞いてますが、そんな感じなのに嫁ぐならともかくね?」

 

「よして下さい、私はあのハゲたれに傷物にされかけた女です」

 

「アンドなんとかをハゲにしたのは貴女でしょ、お前も気を付けろよ。この御方は恐ろしく手強いぜ」

 

 クロスワードやりながら近付いてくるのは、イワン・コーネフさんですね。真面目そうなのにポプランさんとは漫才コンビみたいになってます。何か聞き捨てならん事はスルーして、談笑に突入しました。これが私の策ですよ、草の根活動草の根活動。

 

 私の見立てが正しければ愉快な事になるぜ、ぬっししししし♪♪




 ティア達はある意味で一応はヤン提督最大の敵に対して動き出したな回。

 前書きに出たのはヤン提督です。度々出るが、シェーンコップですら気圧される時のヤン提督はある意味で一番怖い。
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