銀河英雄伝説~銀河への一石~   作:くまたいよう

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 リンチと対面。


『私の友達』

「自業自得だ」

 

 目を付けた平屋気味な建物に連れ込んだリンチ少将にはそう言うしか無い、当時の事を振り返っても・・・・ミスを犯して敵を呼び込んで、民間人大量にいる星が包囲される原因になってしまった自分が囮になるから、その隙に誰でも良いから指名して民間人逃がせとかならまだマシだった。けど、現実は自分だけが助かりたいが為に民間人捨てて逃げましたとはねえ?

 

 ローエングラム侯からは、何やら情容赦無く罵倒されたらしい・・・・こういうタイプは嫌いなんですかね、収容所でも後から来たのどころかエル・ファシルから付き従ってた部下にすらリンチ少将が民間人見捨てて逃亡したのを看破されていたから散々な言われよう。

 

 命令したのはリンチ少将でも、入隊した時の志とは真逆の結末で収容所暮らしですから、恨み言が数え切れないだろう。頭抱えて嗚咽するリンチをとにかくどうするか。

 

「で、どうする気です?何やら吹き込まれて来たようですが、スパイの証拠が無い今は貴様を八つ裂きにしてやるしか無いから、楽にしてやるとしよう・・・・」

 

 凄い腹立たしい、何か死んで欲しいけど楽にしてやるのが嫌だなあ・・・・とした時。

 

 ナデナデ・・・・ナデナデと、随行してもらった二名が?

 

「あの、シェーンコップさんのように私の頭ナデナデしているのは何故です?」

 

「失礼、ミス・ミズキは何やらこれをやると落ち着くと隊長から聞きまして」

 

 はあ、何だか知らんが私はそう認識されとるようで実際にそうなってますが・・・・まあ、良いですが?

 

「何か羨んでるような目をしてますが、少将は【お子さん】にやってあげた事はないんですかね?」

 

「~~~~っ!」

 

 おやおや、声にならない叫びとやらです。図星ですね、調べた限りでこの男は勉強が出来てそれっぽい場に生まれたから軍人になったけどイザって時に覚悟を決められる人じゃなかったんですね、グリーンヒル大将に期待されてたのは水準満たしてそれっぽく振る舞える人間でしたから、流されてたようです。

 

 何となくわかるのは、私がそんな風に衛生兵になったからでしょうね。記憶無くす前の私は良くてそんなんでしょうし。

 

「ねえ、リンチ少将・・・・提案あるんですが、ヤン提督のとこに行きませんか?」

 

「な、何を言ってやがる・・・・」

 

「ヤン提督に、自分がどこから来たかとかローエングラム侯に何を言われたとかを話せば、貴方の身内をフェザーンにいる【知り合い】のとこに身を寄せさせてあげるなんて如何です?」

 

 まあ、確約出来るかはこれからですがその程度は高確率・・・・ってアレ?

 

「ほ、本当かっ!妻子をそうしてくれるってのか?なら頼む!」

 

 あんりまあ?決して身内への情が無かったワケではないんですねえ、ならば。

 

「ぐがああっ!」

 

 な、何ですか!?

 

 リンチ少将の額辺りがボコッて盛り上がって来てるけどとしたら、私は同行した二人と一緒に。

 

 

 

 ~~~~~。

 

 

 

 爆発音が響いた。

 

 どうやら、フェザーンには機密保持に人間に爆弾仕込む奴等いるって話は本当でしたね、だからヤン提督の前に引き出すのは後にしたんですよ。

 

 私の義手はイゼルローン攻略をそうしてまで阻止するまでの気は無かったからやらなかったようだけど、今回みたいな場合は帝国にも似たような事やらかすのがいたようですね。

 

「しかし、戦艦にも使われる中和磁場を張れる物を提供してもらえて幸いとやらですな」

 

「まあ、最近は同盟内で事故が多いから誤魔化しは効きますが、周りは大丈夫ですかな?」

 

 外に出たら、何やら一般人が建物の倒壊の呷り喰らってパニックになってる。血を吹き出して助け・・・・を。

 

「喋るな!」

 

「たっ、助けっ!」

 

「だから、大人しくしろ!私は医者だ!」

 

 私は背後から絞め技を掛けて怪我人の意識を落とした。大人しくしてて欲しくても麻酔が無いから仕方ない!簡単な医療キットを持ってたから破片にやられた箇所を確認した。ザックリやられてるからだけど・・・・出血している箇所が。

 

【左太腿】

 

 その辺り裂傷したのを見て、何かのスイッチが入ったようだった。

 

 太い動脈をやられて出血凄くても。まだ間に合う範囲で済んでるな、無事な消毒薬をぶっかけた手で傷口確認。仕方ないから抜いた髪を糸代わりにして体幹部の方からの血管を縛って止血!

 

「近くに運ぶ、抱えて来なさい!」

 

「「は、はい!」」

 

 幸いにして町医者近くにあったから、直ぐ様に血管を縫合して髪をほどいた。後は洗浄や縫合等だが医者に任せるのが良い。細菌からの感染やら炎症に気を付ければ暫くして普通に歩ける!

 

「お、お見事です・・・・しかし、凄いもんですねえ。陸戦部隊のレベル程度じゃない」

 

「伊達に医者じゃありませんよ、せめて【焼いて塞げるような器具】があればと長・・・・年っ」

 

 凄まじい頭痛とノイズが走った。そこで私の意識が途絶えてしまった・・・・待って、待って下さ、い・・・・私は、それを伝えれば・・・・伝え、られれ・・・・ば。

 

 

 

 

 ----------。

 

 

 

 

【左太腿】

 

 

 それが、致命的だった。それしか何となくわかりません。そして・・・・見ればわかりました。墓参りを欠かさない皆が、思っています。

 

【生きていて欲しかった】

 

 

 

 -------。

 

 

 

「あ、目が覚めたか・・・・これで、二度目か」

 

 何処だかは知らないけど、医務室のベッドですか・・・・声を掛けたのは?

 

【ヤン・ウェンリー】

 

 ああ、こいつ・・・・いえ、この男で・・・・この人が・・・・として、手を伸ばした時。

 

「ティアは無事ですか!?」

 

 おや、フレデリカ【  】が来・・・・って、何を考えてんだ。階級間違えたどこじゃない、ワケわからないけど、私を心配そうに見つめるフレデリカさんは、私の・・・・そう、えぇ・・・・と?

 

【友達】

 

 何やら奇縁になって、アムリッツア辺りまででそんな風になりました・・・・そうですよね、この人は・・・・『私の友達』・・・・実は私の方が歳上なんですよ、マジで。

 

 リンチが消えたのは残念だけど、そうだ。一応は後になるにせよ、彼の妻子が同盟以外で暮らせるようにしないとね・・・・遺体すら残らないでいたけど、妻子を救いたかったのは事実でしたし・・・・とにかく、黙祷と。




 リンチが早期退場になってしまったな回。

 ティア、巻き添え喰らわしちゃった人に本能で私は医者だブリーカー(仮)使って麻酔要らずな人命救助。
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