ネプティスは首都星から離れた場です。そこだけが反乱を起こすだけなのかでポプランさん達と休憩室で話してますが、それなりに盛り上がってますね、
「何っ、ハイネセンで目立った動きが無いからでイゼルローンの艦隊だけでネプティスや周辺を制圧する羽目になった?」
「ユリアンさんにヤン提督が戦術講師話をしていた関連で聞きましたが、その知識は役立てる機会が無いようにしたいですね」
「おや、ミス・ミズキは何やらユリアン君に冷たいですな。ご近所付き合いがある仲では?」
「別にユリアンさんに冷たくしてるワケではありません、ヤン提督同様に反対してる側なワケでもね。ユリアンさんが軍人になりたいならそれは個人の自由だからやむ無しです。けど、ユリアンさんが活躍する状況って不味いとは思いません?」
何か、二人が青くなってる気がしますが構わずに続けた。ユリアンさんがどの分野で活躍するにしても、それは人手不足どころか?
「ヤン提督がその時にどうなってるか?」
「いや、そりゃ問題ですな。期待の新人やらならまだ良い。次は次代のリーダー候補、無事に成長して誰もが認める形に引き継ぎが終わった際、それは一例としてヤン提督が老いたりして引退」
「それだと、戦争が何十年か続いてる事になりますね。帝国と同盟は人口に差がある。少し前の調べで大まかに言って250億と130億、120億も差があるんです」
言うの嫌になりますが、戦争やる国として考えたら有利なのは断然帝国です。加えて人口差がこれなら時間が経てば経つ程に生産数関連だけで差も付く。
「当面はこれまでのように、時折に同盟への亡命者が続いてるならともかく?」
「この前の侵攻で焦土作戦に引っ掛けられた際に、同盟は醜態晒したもんですから今までのようにはいかない。被害受けた側は人民に負担を強いたローエングラム侯と解放軍が聞いて呆れる同盟軍どっちを支持するかでも分が悪いですな」
「えぇ、少なくともやらかさなかった側の中でマシな人ならともかくね」
「そうは言っても、ウチの野暮天じゃ見栄えで完全に負けてますぜ」
「そもそも、何十年やれるか保証が無い。次の可能性はヤン提督が病死や戦死。前者は不衛生なら論外で運悪くなら運命。戦死は、指揮官自ら陣頭に立ってウッカリやられるとかは余程の時じゃないと有り得ませんが、そうなったら後釜なんかいない第13艦隊がどうなる事やら、ウランフ提督やビュコック提督が同年代だとしても生き残ってる保証は無い」
「ユリアン君は私からしても贔屓目無しに各分野で天才です。その天才がヤン提督の跡取りになるには、帝国みたいな場じゃ養子が後を継ぐとかは有りますが、同盟みたいな場だと大抵が軍閥になったりなんだりで、確かにユリアンが大活躍してる状況って冷静になりゃ怖いですなあ、空戦隊としては素質ある奴が増えるのは嬉しいですがね」
滅入る話ばかりです。そんなこんなで会議ですね、しかしヤン提督の付き人がユリアンさんならシェーンコップさんに指名されての付き人や雑用が私なのはいつまで続くんだろ?
「さて、惑星ネプティス周辺を私達だけで攻略しないといけないのだが、先日ビュコック提督から反乱が起きた際の命令書を頂いてあるのだが・・・・」
何かおかしい、遠慮してるようでとしたラップさんにタッチした。幕僚の一人として階級以上のものがありますね。
「問題は、何故そんな程度の規模で反乱起こしたと言うところだ。簡略に言うが、この中に相手の立場でヤン・ウェンリーに勝てると思う者はいますかな?」
「確かに、何のつもりだ。先輩が留守になったイゼルローンを密かに乗っとるつもりとかならわかりますがね?」
他も成る程な顔になってるけど、付き合いが長いアッテンボローさんが第一声を真っ先に出した。
「まあ、欲しいならあげても良い。但し、直ぐに返してもらう。民間人を害さない場合に限り酒と紅茶を持ってたら迷惑料代わりに頂くけどね」
安い迷惑料だ。織り込み済みなようだからとしたが、しかし会議はポンポン進みますね。組織運営の速さがローエングラム侯も真っ青な気がする。
「ミス・ミズキの功績が活きてますな、ヤン提督はキャゼルヌ少将の知り合いに何かと欠点の多い男と評されていますが、同級生がいてくれて細かいところを考えてくれてるようです」
「ラップさんを助けたのは立場上当然ですよ、しかし確かにネプティス周辺の動向から真意が気になります。私だって例えば自分が周辺制圧した誰かのつもりになって、どう考えてもヤン提督が来たら勝てる気はしません、ネプティスとかは艦隊は録に無い、なら当面の相手は貴方達ローゼンリッターになりますから・・・・やるなら一番手っ取り早い手段使えば良いのに」
「それは?」
「ヤン提督を味方にするんですよ、イゼルローンの近くには惑星エル・ファシルがあります。彼処はヤン・ウェンリー絡みで何かをやるなら発祥の地としてもってこいですから、途中にあるアスターテやティアマトの空域もヤン提督の逸話がある。その辺り迄を線に繋げてしまえば解放回廊に・・・・何を笑ってますか?」
「いや・・・・笑っていたい心境なのです。しかし本当に医者だったのですか?」
「このふざけた記事だけでは駄目ですかね」
【ナイチンゲールの私は医者だブリーカー】
「巻き込んじゃった人を麻酔要らずな手段で治療した程度です。何で記事にしますかね」
「失礼ですが、我々からしても衛生兵だからにしても手慣れすぎています。何回かやってたような見事さだとされてますよ」
「そりゃ、ハイネセンでは食べるの躊躇う米を即席クロロホルム・・・・に?」
~~~~~~~~~っ!
またか、でも今回の件で何か掴めそうだったよ・・・・【ハイネセン】で、ですか・・・・つまり?
まあ、それより艦隊出動の準備。私みたいなのでも細かい仕事くらいはあるとしたある日、ある意味で最大の予定外が来た。
「何っ、私を頼って帝国の【メルカッツ提督】が亡命を希望・・・・?」
帝国の内乱で、恐らく門閥貴族派寄りにならざるを得ない御方が真っ先に・・・・流石の真面目モードなヤン提督も開いた口塞がらずに固まった。フレデリカさんすら、私が促してから漸くヤン提督に呼び掛けている。これ、もしやイゼルローン駐留軍、通称ヤン艦隊にとって?
『歴史の分岐点』
どう対処するかで変わる事になるような事態?
果たしてどうするべきなのか。
次回、メルカッツ提督は何故来たのか?
とにかく、ラップ生存等に続いてメルカッツ早期亡命なオリ展開。