「さて、我が艦隊はハイネセンを目指さなくてはならないのだが。救国軍事会議からは私に加われと打診があったがイエスかノーかしか問わない内容だった」
傲慢ですね、アッテンボローさんが言うにはウランフ提督が復帰間際な事もあって焦ったのか路線なら言い切るべき事で。
【自分達が中心になりたいだけ】
理由はヤン提督を筆頭にした何名か除いて戦死か負傷か以外はアムリッツアで醜態晒して良いイメージ無いからやむ無しですか。しかし、そんなんで軍から軍事国家みたいな場で高いとこ居続けたいのかと言われたらイエスなんでしょうね。
結局は暴力機関である軍では良く言えばガラス戸を素手の拳で粉砕する気概が必要だから不始末の棚上げ上等で行動するようなのも使い方次第・・・・これこそが【バカとハサミ】の何とやらってとこで・・・・何かフレデリカさんがお茶のお代わりをと促して来ましたが、実は助かりました。何かまたトランスしそうだったし。
「いずれにせよ、私は元々ビュコック提督から今回のようなクーデターが起きたら鎮圧するよう命令書は頂いている」
法的な根拠を得ているから私戦では無いですね。順序やら手順は大事ですが、私に気になるのはメルカッツ提督ですね。何故かシャンプールに対してローゼンリッターの動きを目の当たりにさせて必要ならば小技に参加と来ましてねえ?
「ヤン提督は流石ですな。風変わりだが信用は出来る」
シュナイダーさんが言うのは人を信用してくれるってとこですね。今の内に馴染んでもらう機会が必要ですし、噂のローエングラム侯も似たような感じはハズですが、何でか噛み合わない部分あるようです。
とにかくハイネセンを一気に叩いて早期鎮圧がベストですが、惑星シャンプールの周辺を制圧して補給線の確保が第一です。ヤン提督が言うには補給線をゲリラ戦法なりで撹乱されたらたまったもんじゃない。補給が駄目ならどうなるか焦土作戦に嵌められたアムリッツアが良い例だから危惧しないようなのはヤン艦隊にはいませんな空気でした。
「あの、ミス・ミズキはローゼンリッターの衛生兵擬きで影のボスとか言われてますがヤン提督や、他からはどう思われてるのです?」
シュナイダーさんも鋭いから、両親から義手に仕込まれた盗聴器の件を話した。目を丸くしたけどメルカッツ提督は流石ですね。
「それは、つまりミス・ミズキは銀河帝国に例えると皇帝とはいかなくても上位の名家に生まれているので影響力が計り知れないと・・・・つまり、貴女は内外から【ヤン艦隊の劇薬】のように見られているのですか」
「シュナイダー・・・・いや、ミス・ミズキは迷惑だが理解しているという事ですかな」
「はい、私は一応25以上生きてるらしいから選挙の出馬権あるらしいですし。イゼルローン内で妙な雰囲気出とるようで」
「うむ、率直に言えばヤン提督が直ぐに退役して選挙出るより君が適任なワケか?」
ゲンナリです。私の家のコネは例の資料調べたユリアンさんが言うにはかなりのレベルだけど、あのフォークなんかと縁談進められてたり云々が足枷になるの含めて注意必要って話なんです。但し、記憶無くして以来の美談とやらが帝国にも知れてるからどうかな域で面白がられてる。捕虜交換ついでな品定めに来たキルヒアイス提督についても私に関して要らん事を吹き込んだのはドコのどいつなんだ噂のオーベルシュタインが有力とかで不味い気がしますよ。
第一、自由惑星同盟はオールドメディアからしてトリューニヒト大好き軍団ですしね。
何故かだと?
憂国騎士団なんかが広い顔を出来るの含めて自由惑星同盟市民が望むのが市民が軍才だけでイメージするヤン提督みたいのが帝国をドカーンとやっつけてくれる事。それくらい私にもわかります。ハイネセンでこんな事ありました。
ヤン提督にご挨拶に来たおばはんが、子供に将来軍人になる子が云々で、その子が大人になる頃には戦争は終わっていますなんて言ったヤン提督にポカンとしとりました。アレは受け取られ方が妙な方向になる気します。
『民意を無視した戦いには勝てない』
コレは不変だからヤン艦隊関係者は政争では制度もそうだけどトリューニヒト相手は不利。時間掛けないとなりませんが、次の問題はヤン提督も頭抱える事。
「ミス・ミズキが退役した後に選挙とやらに出て不正が無ければ当選でヤン艦隊を上手くコントロールするどころか内部で影のボス扱いされてたので歓迎されかねない女性政治家誕生と、これは同盟の政治家からしたら恐ろしいものですな。しかし政治家になる場合なヤン提督にも言えますが政界の同志を集める事から始めなければならないと亡命して来たばかりの私にもわかります」
順能力高いですね。民主主義は時間が掛かりますわ、例えば良いトップが来て市民に喜ばれても念入りな下積みしてたからってなるでしょうね。この辺りローエングラム侯が内乱に勝って善政を敷いた場合な帝国の民衆を想像したらすんごく羨ましい。
それはともかく依頼された事の時間。ローゼンリッターがシャンプールに降下開始で、そろそろだとしたら色黒な如何にもの軍人さんが通信繋げて来た。
『私はシャンプール指揮官マロン大佐だ。降下した部隊のご挨拶の返答に指令部に繋ぐよう言われたら帝国の軍服とはな・・・・亡命者、タイミングからして噂のメルカッツ提督か?』
「その通り、私は帝国から亡命して来た客員提督ヨアヒム・フォン・メルカッツです。不詳ながら今回のシャンプール攻撃部隊の司令官を任されてます」
何やら、ヤン提督が受け入れた事からして信じられないとマロン大佐の周りが騒いでるようでメルカッツ提督は淡々と答えてくれている。しかし、ローゼンリッターだって帝国の亡命者ばかりな部隊ですから別になハズ。何のかんのでローゼンリッターはヤン艦隊の重要部隊と他から認知されてるようで何より。
「自由惑星同盟の開祖であるアーレ・ハイネセンは元々は帝国内の共和主義者でしたな?」
そうです。今の歴史を知る者からしたら帝国からの亡命者に今更なハズだけど、まあメルカッツ提督は長年軍人として同盟と戦ってたからヤン提督じゃなきゃ受け入れ難しかったってとこ。とにかく今は開戦前の何かを求めての通信のハズだ。時間の浪費に繋がるとしたら、せめて同盟関係を出せとか言って来た。
「それらしき立場は此方に一人だけだ。ご存知これから貴殿方に攻め入るローゼンリッターの影の支配者と名高い御方だ。ソレで良いなら一言述べて頂く。宜しいか?」
何か反応が、こりゃユリアンさんが調べたように私の顔や生い立ち知られてるか。なら言ってやりますか。
「え~、記憶無しで失礼な身で通達します。此方はイゼルローン艦隊所属のローゼンリッターで説明に困る立ち位置なティア・ミズキとして惑星シャンプールを占拠した方々に簡略に告げます。全員、潔く腹を切る事を許す!切らずば徹底的に排除する。即座に返答せよ」
苛烈云々でシュナイダーさん引いてますが、何やら仕方なさげにマロン大佐は返答する気になった。
『噂のナイチンゲール殿が帝国に揶揄されるような冥界の女王であったとは残念だ』
「そうですね。アナタ方は帝国で言うところのヴァルハラには行けない身だから喜んで冥界の女王らしくします。始めるとしましょう」
通信切る。後はローゼンリッターの皆様にお任せです。
そして、一日経って通信また来た。降伏云々なようですが予定通りにメルカッツ提督は淡々と述べる。
「降伏をしたいのならば身一つで指定する場に向かうように、通信を切りなさい」
「何やら容赦の無さを強調してますね」
「いや、まあ・・・・何となく君の立ち位置も意図もわかった。安心しなさい」
メルカッツ提督は流石です。相手は成り行きでクーデターに荷担したようなものですから容赦無くやった方が戦意がある分、やりやすい状況になります。門閥貴族以下と見抜いた。
「それに、ヤン提督のお慈悲とやらに縋りつつ長期戦の算段が崩せた・・・・ですな」
それです。ヤン提督はお慈悲があるから長引かせるには都合良いとしたから鬱陶しい手段に来てます。彼方はヤン艦隊を足留めして長引かせが勝利に繋がると信じてるような立ち位置ですし。
後は数日もすればと惑星を見詰める時間の始まりで戦況が激変、シェーンコップさんが即戦速攻でケリを着けたようですね、結局は三日しか掛からんかった。
そんなワケで旗艦なヒューベリオンで報告なんですが?
「ご苦労。しかし、何だねその顔は・・・・」
「いや、ご婦人方のお礼が激しくてね」
ムライさんが呆れながら言うようにご婦人方の熱烈な歓迎でキスマークだらけだ。私みたいな見た目ガキには知らんでスルーしてたら司令官室から帰って来たシェーンコップさんの顔を見てピンと来た。
「私は何も広めてませんから」
「そうですな。実はシャンプール民衆の意思を聞かせただけなんですが、ミス・ミズキより厄介な相手ですよ」
良くわからないシュナイダーさんに比してメルカッツ提督とはアイコンタクトでやり取りした。要はヤン提督にいっそ独裁者になっちゃえば良いとか吹き込んだら自分の引いた一線に踏み込んでるのを警告されたんですね。シャンプールの住民にも一線に近付いてるのはソコソコだと伝えたが動じずだったようだ。知っている人間に言わせたらヤン提督恐るべし。けど、トリューニヒトやローエングラム侯にはどうなるかな算段。
【先ずは、シャンプールを早目に陥落させた事とヤン提督は割と容赦無い事をやらせると周りに広めただけで良い】
そんなある日。
「ハイネセンのスタジアムで・・・・【虐殺】だって?」
「は、はい。ラップ夫人、つまりジャン中佐の旧友達が救国軍事会議に対する抗議デモ集会をスタジアムに集まって行おうとした際に鎮圧部隊と衝突が起きて・・・・」
兵士以上に民間人が、しかし・・・・とした時にフレデリカさんが気付いた。死亡したメンバーの中には以前にヤン提督を襲撃したメンバーの旧友がいた。しかし、何か焦りすぎではとしたらヤン提督が察した。
「早まったね」
つまり、敵の敵は味方。ヤン提督に便乗してデモを行おうとした。それなら成功率が・・・・としたが、暴動鎮圧に当たったクリスチャン大佐ってのは正に民間人を虐殺上等軍人の見本で言うなれば。
【ルドルフの不詳の弟子】
これはラップさんも暗鬱にしてます。場合によってはジェシカさんが参加・・・・って、何で私がフレデリカさんに連れられて退室なんです。私はお茶出しに来ただけですよ。
「ティア、貴女にアレ見せたら駄目と思ったのよ・・・・」
何かヒス起こしそうな幼女をハグして宥めてるようにされとる。私なんかに何を・・・・って、私だって変なトランス数回やってるから・・・・って、何かまた見えて来た。で、何故か私が背中さすってあげて相手も満更では無いですね。私は衛生兵や汚れ役が精々に対して相手は一応は艦隊戦で銀河最強候補のヤン・ウェンリーの副官様なんですが・・・・嗚呼、何でだろ。
【前世で似たような事でもあったか?】
そう考えたら、私は意識無くした。目覚めたらスタジアムの虐殺映像がショックだったのかもと医者に言われた。私も医者なんだよなあ?
まあ、とにかくハイネセンまでな最大の難関を解決の準備する場に近付いてるようです。
私作のフレデリカはオリ主の味方ですが、フレデリカからしたらヤン関連で後押ししてくれたと映る恩義で不穏な気配に敏感になってる流れ。