制服の着方すら忘れてる小娘を何故戦艦に乗せるんでしょうねえ?な事は後にします。そもそも、覚えてない両親に会った時に嫌な予感はしてましたし。
『兵長待遇』
私の肩書きはそれらしい、何をするかは司令官様に説明してもらうと良いらしい、とにかく、その司令官へのご挨拶です。
「ティア・ミズキ兵長待遇、着任しました」
「ああ、この度は・・・・その、何というか?」
やはり何か、良くわからない人ですね。私の目の前にいるのが?
『ヤン・ウェンリー』
戦艦パトロクロス以来の縁で、ユリアンさんが来るまでは折角の官舎をごみ溜めみたいにした中で暮らしてた人、穀潰しだの無駄飯喰いだの飾り物だの、言われ放題でとにかく冴えない御方ですけど?
『エルファシルとアスターテの英雄』
とにかく、実力は本物なのは私にもわかる割にはやる気の欠片も無いですがね。
「君は、何も聞かないのかい?」
「両親の差し金でしょう」
困った顔になってますね。ヤン提督は私は退役してオルタンスさんから伝授された家事やらを元に一般生活とかが良いとしましたが、あの覚えてはいないし。
『思い出さない、出せない、出したくない』
そんな二人は、考えが正しければ娘がそれなりの地位にいるか、そのままで死んでくれないかなと思う者達。
『毒親とやらですよ!異議ある者は出てきやがれ!』
それなりの名家とやらだから、裏に手を回して新設された第13艦隊に配属させるようにしたんでしょうねえ、記憶無しなりにわかりました。ヤン提督にはそれこそユリアンさんみたいのが必要って調べりゃわかるから、現時点では・・・・考えやがったな!ちきしょう!ってとこだわ!
いきなり父が死んで天涯孤独の身となり、やむを得ず士官学校に入った身として、仲の良い後輩な『アッテンボロー』さんの父親の事を聞いても、対応は微妙だったらしいヤン提督も私の両親には呆れたようですね。まあ、ユリアンさんにとっては、良い父かはともかく家族思いな御方なのは間違いないから、私の両親には駄目出ししてますね。
「人手がまだまだ不足だから、立場上の細かい仕事をリハビリやりながらやってもらう事にするよ、取り敢えず。これからキャゼルヌ先輩に頼んどいた私の副官が来る予定だから、来たら紅茶の用意を頼む」
「アイアイサー」
まあ、今のところ厄介者扱いされないだけマシですかねで、ユリアンさんやオルタンスさん仕込みな紅茶をいつでも淹れられるように準備していますが・・・・。
「提督、折角の司令官室にブランデーなんかを持ち込んで良いんですか?」
「いやはは・・・・早速バレたか」
まあ、飲まなきゃやってられないのようですが、これから来る副官とやらがどのような御方なのかで、とした時。
『失礼します』
「どうぞ」
ドアが開いて、何か金髪を綺麗にアップにしてまとめた綺麗で凛々しいお姉さんが入って来ましたね・・・・けど、私の事は眼中に無い?何か、ヤン提督に真剣勝負でも挑むような光があるような無いような。
「フレデリカ・グリーンヒル、この度ヤン少将の副官を拝命致しました」
「ああ、うん・・・・」
何か、戸惑ってますね。まあ、良いです。とにかく来たら直ぐに用意できるようにしといた紅茶を・・・・おや、この人、何か私を敵を見るような目で一瞬見ました?
「あの、ヤン提督?・・・・此方の女性下士官はアスターテのナイチンゲール、ティア・ミズキ衛生兵ですよね、何故此処に?」
『アスターテのナイチンゲール』
何か、全然違う気がする。ラップさんを何とか連れ出す前は、何故か仕事しまくりな衛生兵だったとかでそう呼ばれたらしいです。
『髪の色が赤だから』
いや何故にナイチンゲール=赤とか思うんだ?とにかく説明された・・・・実は私が記憶喪失だとすら広まってなかったらしい。
「失礼しました。そのような身の上だとは」
「お気になさらず。私には実感が無い話ばかりなので」
淡々と答えますが、ぎこちない気がしますね?まあ、事情を説明される前よりはマシなんですが、待てよ?フレデリカ・グリーンヒルって、確か。
『月一で開かれてたヤン様の集いの主催者』
キャゼルヌ少将が笑いながら見せた内容の集いの・・・・確かに、落差が凄かったですねえ。と思ったら、エルファシルの件ですっかり信用してたんですね。何か不用意に飲んだ紅茶をアチアチってしてるヤン提督を素敵なアイドルか何かを見る目向けてますよ、ヤバい!ラップさんとジェシカさんの時程かは知らんけど、司令官と副官って事は大抵は一緒に?これは、立ち回りの上手さを求められますね。
それで、作戦が成功するとかどうとか曇りない笑顔で言ってます。良し、やはり私のやる事見えて来ました。
「それで、君達に相談なんだが?イゼルローン攻略の実行部隊、それについては心当たりがあるから交渉に行きたいんだが実は、ムライ准将から私には理解出来ない意見を出されてね」
「理解出来ない意見?」
「ああ、そこにはミズキ兵長待遇やグリーンヒル中尉を連れて行くのはやめとけって話だ」
「その部隊とは?」
「ローゼンリッター」
グリーンヒル中尉が目を丸くしてますね、私も勉強したから知ったばかり、帝国からの亡命者で設立された陸戦部隊、実力は随一ですが、過去に裏切り者が出まくって、次出たら『13人目』だから、裏切ると噂されている。どうやら、2人は理解してないようですが。
「僭越ながら提督。それは単に女好きが多いからな理由では?」
「女好き?」
「はい、特に今のは若い頃には相当な武勇伝残したらしいですね、確かにグリーンヒル中尉みたいな御方は表向きは連れて行けませんかもしれませんよ」
「ふむ・・・・『表向き』って事は、実際は違うってとこかい?」
鋭い、普段からそれでいて欲しい。
「はい、実は義手付けたばかりな頃、細かい手続きをしてた時に女性がトリューニヒト派の小物連中に絡まれてた時、その隊が仲裁したのを見たのです。少なくともだらしなくていい加減なのは事実ですが、悪党ではないかと」
「成る程、君にそう言わしめるなら安心だ。記憶喪失ってのは、言い方を変えれば感性が真っ白だって事でもあるからね、私みたいなへそ曲がりには無い素直さだよ」
「厄介者をおだてる暇があるなら、副官殿と親睦深めて下さい?司令官と副官の連携は組織の死活問題の一つです。お茶のお代わり用意しておきますから」
正直、フレデリカさんの前では他の女性と話さないで欲しいんですよ。聞いた限りで今の地位と言うか、ヤン提督の傍にいる為だけに士官学校の次席になる行動力がある人で、おっかないですからね。
『おっかない』
う~ん?このフレデリカさんは、おっかない人ではなく、ヤン提督にとって?
『おっ家内』
いや、ヤン提督だけには違う人になりそうですが、さっさとそうなってくれた方が周りの為な気がする。
そんなこんなで。
「ここが、ローゼンリッターの居場所・・・・」
良いですねえ。如何にも軍隊らしく、真剣に訓練してますよ。少なくとも隊内の結束力は高いようです。これは、都合良いかもしれませんねえ?
ほよ、何故そう思うんでしょう?
とにかく、私はヤン提督とグリーンヒル中尉に同行してローゼンリッターとの交渉?に赴いた。命令だから、そっちから来てねと言わない辺りは流石だと思います。私が同行したのは、単に『安全策』の為ですよ、私は下働きしてるだけで安泰な立場じゃないんでね、はてさて?
フレデリカさんの外見はノイエ版で中身はフジリュー版寄り。
ティア、要するに最初ヒューベリオンに乗った時のユリアンみたいなのにある程度近い位置。