何故、私とラップさんが帝国のスパイに変装したローゼンリッターと同行してるか?
まあ、まとめると?
イゼルローンを無力化する為の方法を考えたヤン提督の元から、その資料を奪取して逃亡したスパイになりすましたローゼンリッターに内部に潜入してもらって、中から制圧しちゃう作戦をやるのですが?
資料なんて嘘っぱちだと疑われて、それを入れてもらって直ぐに見せてみろとか言われたらアウトなので、編み出した策は?
『私の義手』
何故かと言うと?実は、この義手は?
『フェザーン製』
帝国と同盟を行き来する中立な連中フェザーンは、時々に両国を通過しますね、義手がそのフェザーンが元な特注品なのでってとこまでは本当なんです。一応は名家な両親の計らいで着けて貰ったものですが?
『レーダーとかに引っ掛からない素材』
それを使いやがりましたね、どこまで実用化してるか?案外、まだ義手程度のサイズにしか使えてないのが正解かも。
用意できたセキュリティでチェックした時、シェーンコップさんの万年筆すらわかるのに、私の義手には何も反応出ないのに戸惑ってました。それを使った何かでイゼルローンを素通りする技術研究してるとかな内容です。イゼルローンに入った時にチェックされるのは有り得るから丁度良い。元々、フェザーンは?そういうのやってると見なされてますからねえ。
何故、義手絡みが来たのかと言うと?
シェーンコップさんが来た日に、打ち合わせを始めようとした瞬間に?
『記憶も片腕も無くしたせいで聴覚を始めとした各感覚が敏感になっていた』
これを黙ってた恩恵が出た。
『盗聴器』
義手に仕込まれていたんですよ、スイッチが入ったような音がして、多分カメラとかじゃないのを祈りながらどうしたものかと考えた時にヤン提督から先ずは紅茶を頼むよとの注文が来て、僅かな時間の余裕が出来た。
私は自分なりの思考と行動を開始しました。手始めに?先ずは注文通りにして出した時。
『義手になんか仕込まれてるようです。念のために私は退室しますから、会議は今はやめて後にして下さい』
そう書いたメモを渡して退室を申し出た。
迂闊だったわです。私の両親やら他に対する直感が正しかったぜです。
で、ムライさんが兵長待遇程度がわざわざ居合わせる必要無しでは?と、機転を効かして聞かれてても大丈夫な流れで退室した暫く後にスイッチが切れる音がした。
後で義手を調べたところ、盗聴器と判明した流れです。
関係者全員調べたところ内部に入ってる者ではなさそう、では外から?そろそろ会議の時間とか考えたかどうかだと思いたい。
流石のヤン提督もご立腹でした。
『わざわざ紙とかに書かなきゃならん面倒な会議にも移行しましたし』
噂の『憂国騎士団』の背後にトリューニヒトがいるとかな例があるから、かなり早目に理解したですかね。
下手人がどうあれ、こりゃローゼンリッターが裏切るかも程度で細かい事を言い合ってる場合じゃない、誰がアホやってるかわかったもんじゃない!
例えば、ヤン提督が次席幕僚勤めたパエッタ司令官もトリューニヒトに出世欲煽られて無茶しだして、引くべき時に突出しようとして、艦が被弾して重傷、そのままヤン提督に指揮を引き継がせたらしい、頭が冷えたのかで非を悔いただけマシですかね・・・・。
計画を練り直したんですが?まだ具体的な事を言ってなかったのが幸いでしたね、精々がローゼンリッターを実働部隊にする=わざわざ招き入れたからには予想される範囲内ですし、私にしか聞こえない盗聴器のスイッチが入った音は初めて。
で、他を調べた結果?監視カメラとか無いのを確認して、やはり紙に書いたものを始めとして、周りくどく打ち合わせする羽目に。
私はやはり厄介者どころか疫病神でしたよ。一応、集まった面子からしたら私は?縁や恩や感じるものがある司令官の親友にして幕僚の一人であるラップさんの命の恩人だから悪い目を向けられはしなかった。覚えてないから複雑だけど。
けど、私は『しめた!』と思いましたよ、ヤン提督はイマイチ危機感に掛けるところがあるから、これを機に意識改革してくれれば周りが楽です。
計画の練り直しをし始めた際に、盗聴して何をするかはまだしも?やはり恐らくは、ローゼンリッターを使うのは外からでもバレてる。
ならば?元々、ローゼンリッターが裏切ると終わりな作戦に更に小細工噛ます。フォン・ラーケン少佐(変装したシェーンコップ大佐)が、私の義手を戦利品にしたと言う流れ。
盗聴器は戦利品にされた際の揉め事で壊された流れにして、此方からそうしちゃいましょう作戦ですよ。
『しかし、問題は?ミズキ君の義手の盗聴器を壊されりしたと気付いたら、政府経由レベルで何かをしてくるかもしれませんな?トリューニヒト派の仕業としたら有り得ます』
ムライさんの意見は、恐らく当たりですね、元々は発案者のシトレ元帥とは対立しててパエッタ司令官の例を考えたら?何を仕掛けられるかやらです。ギリギリで破壊するしかないけど?そのタイミング次第では作戦中止なんて命令来たりしてまで考えざるを得ない、その時にせめて私がいなければ良いかな?と考えた案を書いて見せました。
『じゃあ、私が偽装したローゼンリッターに義手毎戦利品にされたにするのは如何です?』
何か、あんぐりしてますねえ?そうすれば厄介払い出来るのに。
『君には、恐怖心と言うものは無いのかね?』
『記憶と一緒に無くなったのかもしれません、私は両親の事を思い出さなければそれで良いんです。ヤン提督で言えばトリューニヒトが親戚でしたくらい嫌なんですから』
まあ、私の件はさておき?今までのをまとめると?要は?
『私やラップさんをどうにか消したがっているんでしょうね』
ムーアとかの無能は知ってるけど、じゃあ何故そんなのが艦隊司令なんかになれたか?それは簡単に結論出た。他が戦死してたりとかもあるだろうけど?
『コネ』
そんなのの不味いとこの生き証人ですからねえ?この辺りまではムライさんの無双でした。状況に相応しい正論を言ってくれる人求めたヤン提督は正しかった。
だから、ラップさんも自分がローゼンリッターを乗せた戦艦の艦長役として行く事を提案したのです。陰謀に巻き込まれた小娘と、その小娘に命を助けられた士官は無理矢理連れ出されたとかな流れにもなる。
普通に任せて留守番からヒューベリオンに乗ってたりする方が危険ですね。敵より怖い味方は厄介ですから、作戦中は私達の方が安全。まあ、他に色々と安全策を考えるヤン提督。良いですね、これは周りが楽出来ますわ。
後は・・・・イゼルローンに噂のラインハルト・フォン・ローエングラムや、確かメルカッツ提督?みたいのがいないのを祈りましょう。
結果は?
「無能なのは、ムーアってのだけじゃなかったんですね・・・・記憶無しになって以来、実例見たのは初めてってとこでした」
「ああ、あそこのレムラー少佐は他人とは思えんよ」
『レムラー少佐』
唯一、此方の作戦にほぼ気付いた帝国軍人がいて、認証コードで認識出来ないとしながら足留めしていましたが?司令官のシュトックハウゼン大将が早くしろとかで、シェーンコップさんを連れて行く羽目になり、この始末・・・・確かに、ラップさんには親近感沸くだろう人。どんな有能も無能の下じゃ役にたたんとかアッテンボローさんが言ってましたが?確かに。
レムラー少佐を始めとした捕虜だらけの司令室に加え?空調室から催眠ガスを流された要塞内でおねんねな下士官達を拘束に一苦労、早く応援来てくれなローゼンリッターな皆様。これが帝国が誇るイゼルローンの現状。
レムラー少佐以外は問題なしで助かりましたよ、その少佐に対して、私はマウント取る事になった。
そう、アレは?司令官を上手く人質にした時の事。
「貴様等と帝国軍人を一緒にするなよ?閣下は死より不名誉を恐れる御方だ」
「それ、他にも当て嵌めろ」
やはり、有能なレーゲン少佐ですが、私は癇に触る事があり、司令官を取り抑えたシェーンコップさんとの間に、私は取り外した義手を投げた。床に落ちた瞬間に義手に仕込んだものが散布された。但し?『此方の方は』見せかけですなものです。
「・・・・っ!?『ゼッフル粒子』・・・・」
「司令室を爆破してしまっても、他の隊員が暴れるだけで良いだけです。最悪イゼルローンを爆破しても此方の勝ちですからねえ?さっさと降伏をして下さい」
「だそうです閣下?」
「バカな事はやめさせろ!お主にも帝国の血が流れているんだろう?今、協力すれば相応の待遇で持てなすぞ!」
「実に魅力的ですが、私は私を信じると言った御方に筋を通さなければなりません・・・・それから?今、主導権を握っているのは我等に同行していただいた女性版『土屋昌恒』な御方です」
『土屋昌恒』(つちや まさつね)
地球に人類がいた頃?日本って国の中世最後にして最大の巨人説がある武将亡き後の家が滅びる際、主君の最期を守る為に、片手で崖下の川に落とすのを含めて千人を殺し、自分も後を追うように最期を迎えた男、人呼んで?
『片手千人斬りの猛者』
いや、あっちは?片手なのは崖下へ落ちないように蔓を掴んでいたので、厳密には違うけどハッタリにはなりますか。そもそも?ローゼンリッターに同行するようなのなら、意外と強いと思われるだろうし、実際に遊び半分でローゼンリッターの隊員と模擬戦やったら、筋は良いと言われた身です。ならば?
「では、そこの骨がある御方なレムラー少佐を見せしめに斬らせて頂いて?司令官の判断を促すとしますか、誰か私とレムラー少佐用の獲物を持って来なさい」
呆気なく負けるにせよ、隙を作れるハズだから?一丁、レムラー少佐相手に茶番劇始めようとしたら司令官様が?
『ちびってる』
そして降伏決定した?想像以上な小心者でしたか。嗚呼、申し訳ありませんシェーンコップさん、流石に取り押さえとかないといかん相手がそれでは気の毒です。アドリブ?とやらを始めて、そうさせちゃったのは私です。
とにかく降伏してくれたから、ええんよって顔しないで結構ですよ。ところで?何で味方迄青ざめてんですかねえ?
そして、入港した第13艦隊の皆様も?凄い事になったみたいですねえ、ローゼンリッターが噂通り裏切ってたら、近付いたとこを主砲で狙い撃つぜ!とかでお陀仏だったろうし、洗濯とお掃除が大変でしょうだ。
「上手く行くものだね」
恐れていた事態が無かったとは言え、一晩でイゼルローン陥落を実現させましたヤン提督のご登場です。内部の豪華さに気圧されてますねえ。危険な事を引き受けてくれたシェーンコップさんと握手してます。
「ジャンに・・・・ミズキ兵長待遇、これで君達も多分安心かな?」
「お陰様でな」
「はい」
私達の事を気遣いしてますが、かなり神経すり減らしたようですね。
まあ、後の問題は?
「提督!艦隊が戻って来ました」
「そうか・・・・」
ヤン提督は側面を掠める程度にイゼルローンの主砲『トゥール・ハンマー』の発射を指示しました。それでも凄まじいものですが、これでは?
「こいつは、戦闘と呼べるものではありませんな閣下・・・・っ、一方的な虐殺だっ!」
「うん、帝国軍の悪い真似をする必要は無い、彼等に通達してくれ・・・・イゼルローンは同盟が占拠した。降伏せよ、降伏が嫌なら追撃はしないから逃げよ」
ご近所さんとして見てた身として、らしいっちゃらしいけど、シェーンコップさんを始めとして全員戸惑ってますね、けど?
「待て、ヤン・・・・俺の経験上だが?相手がムーア中将と同じようなのなら?かえって此方に特攻しに来させる内容だぞ?」
経験者は語るですね、第6艦隊の最後も似たようなやり取りがあって、そこでも意見具申して更に痛め付けられたらしいラップさんの言葉は重みが違います。けど?
「しかし、それを誘発する流れになるとしても?やらんワケにはいかんでしょうな?此方はまだイゼルローンの防衛システムを全て使いこなせるようになったワケではない。時間が経ち、数に勝る側に普通に近付かれれば近付かれる程に万一な危険が増します」
ムライさんの意見が正解でしょうね、帰ってくれるよう祈るしかない。先程ので、此方が主砲を使えるようになってるのは照明されてます。
そして、此方の勧告からの返信を聞いて?
『汝は武人の心を・・・・』
ラップさんの言葉大当たりですわ、部下を自己満足で無駄死にさせようとは、帰って自分の責任だから、他を罰せぬようとでも皇帝陛下に申し上げなさいよ!まあ、祖国の歴史に残るど低能として死刑になるより、名誉な戦死とやらの方がマシなんでしょうね・・・・と、思ってたら?
「武人の心だって・・・・っ!?」
ヤン提督の怒りにシェーンコップさんですら気圧されています。やはり、部下を自己満足で無駄死にさせる思考は最も忌むべきな人なんですね。
「こんな奴がいるから戦争は絶えない!グリーンヒル中尉!旗艦だけ判別出来るか?集中してそれを狙いたい!」
フレデリカさんがコントロールを把握して旗艦を狙った砲撃が艦隊に穴を空け、残敵は帰りました。けど勝利としては苦いですね、ヤン提督の怒り以前にラップさんとムライさんの正論は尤もなものばかり。
来る前に判明した事、ムーア中将のとこにいたラップさんと私と言う爆弾。
それに?『ヤン提督の長所にして短所』も数多く露呈した。提督は特効して来たようなのとは無縁な御方で部下からしたら有り難いですが?悪く言えば戦場を生業とする人種の中に良くいる小物から凡人の気持ちに鈍感、いえ?戦場に限らない気が・・・・まあ、今のとこ身内が言い聞かせれば良い範囲で、ラップさんが近くにいるのが幸いだったけど?これは、退役できても後々にいらん苦労背負うかもしれません。
ラップが生存したら、最後の辺りの一言から苦い流れになるイメージな産物回。果たして、ヤンの次の動きは?