ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム・イン・ゲンソウキョウ 作:毛糸ー
幻想入りしたニンジャ、コンヴァージは昏い森の中を歩いていた。急に己の主人たるザンム*1から博麗のミコー*2の様子を見てくるよう命令されて博麗神社*3につく頃にはすでに夕暮れになってしまっていたためだ。
コンヴァージはゲンソウキョウの実力者達のように空は飛べぬ。ゆえに、移動は基本的に徒歩だ。三途の川やら関所やらはザンムの加護により強化されたジツで超えることができる。しかし、地上の障害物を全て飛び越していける飛行と地上の障害物に影響を受ける徒歩とでは、移動時間が違い過ぎた。
更に悪いことに、コンヴァージは道に迷っている。いつも通り畜生界*4に向かう道を歩いているつもりが、全く知らない道を歩いていた。ヨーカイの仕業か。
つまらん真似を。コンヴァージは溜息をつく。レッサー・ヨーカイやフェアリー共はコンヴァージにかなわぬと見るやいなや、有形無形の嫌がらせを始めた。今回もその一環だろう。おもむろに溜息をつき、ボキボキと首を鳴らすと、コンヴァージは瓦礫の拳を打ち合わせる。
「……イヤーッ!」(((アイエエエ!?)))
それと同時に右掌に刻まれた印が光り、全身からワイヤーが飛び出す!地を這うミミズめいて、猛るムカデめいてほとばしったワイヤー群は、タヌキめいた獣を絡めとって戻って来た!彼は知らぬが、この獣は狢(ムジナ)。モータルを化かしたり、道に迷わせたりするヨーカイである。
「ぼ、暴力だけが取り柄じゃねぇのかよ!?道に迷わせて行倒れた所を喰ってやろうと思ったのに!?」
ヨーカイらしく人の言葉を喋る狢に対し、コンヴァージは無言。狢を絡めとったワイヤーごと、ゆっくりと腕を持ち上げる。狢は彼が何をするかを察し、慌てて止めんとする!
「お、おい!?何する気だ!?やめ」
「イヤーッ!」「グワーッ!?」コンヴァージは持ち上げた腕を勢いよく叩き付ける!「イヤーッ!」「グワーッ!?」コンヴァージは腕を叩き付ける!「イヤーッ!」「アバーッ!?」叩き付ける!狢の身体は早くもおがぐずめいてボロボロの有様!
コンヴァージは蔑みの目線を狢にくれてやりながら、思い切り腕を叩き付ける!「イイィィィ……イヤーッ!」「アバババーッ!?」狢の身体は爆散!それに目もくれず歩き出すコンヴァージ。「……弱敵が」今やネギトロめいたサンシタ・ヨーカイに吐き捨てる。
コンヴァージはゆっくりと、着実な歩みで畜生界へと戻っていく。ここよりも濃密な暴力渦巻く、素晴らしき場所へと。