ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム・イン・ゲンソウキョウ 作:毛糸ー
哺乳類と鳥類、あとは爬虫類程度なのか?
【カラテとは】
A・空手
B・格闘技全般を指す単語。アーツのこと
C・全身を循環する強大なエネルギー
【ジツについて】
・ニンジャはしばしば「ジツ」を使う
・ジツ=Jitsu=術
・ジツとは、フーリンカザン*1より超自然力を引き出し意のままに操る手段である
【これまでのあらすじ】
幻想入りしたニンジャ、コンヴァージは雇い主の日白残無(ニッパク・ザンム)の指示で饕餮尤魔(トウテツ・ユウマ)と共に畜生界にある闇組織のアジトへと向かう。しかしその闇組織の根城には、謎の蠅を操るニンジャがいた……!
闇組織のアジト、その最深部への道のりは、あまりに容易かった。トラップやドク吹き矢の類はコンヴァージの纏うジャンクの鎧の前に無効化され、アンブッシュを狙う動物霊はトウテツに易々と殺され、時折湧き出す蠅は、チヤリの生み出す炎で灰と化した。
そして、今も、アンブッシュをかけた動物霊がコンヴァージの裏拳で死んだ。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!?」
「何か、楽勝な感じっすね。これで地上進出する気なら、お気楽すぎますよ」
チヤリが言うように、地上進出を企てている組織にしては、戦力がお粗末に過ぎた。事実、彼女らは一切傷を負っていない。だが、弛緩しているチヤリに、トウテツが釘を刺す。
「おい、チヤリ=サン、油断するな。こんな貧弱な戦力で地上進出を企ててるってことは、それなりの隠し玉があるってこった」
(それに……)
トウテツはコンヴァージをちらりと見る。元来、このコンヴァージというニンジャは、イクサの最中には割と多弁になるニンジャであり、このようにずっと黙っているのははっきり言って不気味と言わざるを得なかった。
これがただ、相手が弱くて落胆しているのか、この先に待ち構える
「ウゲェ……何ですかこれ?」
チヤリが声をあげたのも無理はない。床が粘ついて糸を引いているのだ。トウテツ、チヤリはともに裸足であるため、その不快感を強く感じていた。そして所々、蠅も沸いている。上の階層と比べて、数段不穏なアトモスフィアも漂っている。
最下層の不気味な有様を見て、げんなりした様子の二人を差し置いて、コンヴァージは前にずんずん進んでいく。その眼は明らかに暴力の予感を感じ取り、喜悦に細まっている。置いて行かれる訳にもいかず、二人は小走りでついて行く。
わあ『KBAM!KBAM!KBAM!』
「ゲエェー……この蠅、上の奴より狂暴じゃないすか?」
チヤリが言うように、この蠅共は上の階層に比べて、凶暴だ。積極的に三人に襲い掛かってくる。全てチヤリに迎撃されているが。トウテツはそれを見て笑みをこぼす。やはり、チヤリが来てくれて良かった。トウテツがそう感慨を覚える間にも、コンヴァージはどんどん先へと進む。
そして、様々な看板で簡易バリケードめいた場所の前でコンヴァージは突如立ち止まった。トウテツとチヤリは訝しんだ。
「おい、コンヴァージ=サン。どうしてこんな所で立ち止まったんだ?」
「そうすよ。あんたの力ならこれ全部どかせるでしょ?」
コンヴァージはそれらに答えず、バリケードを見据えていた。彼のニンジャ第六感は、アンブッシュの危険をありありと示していた。上の連中は雑兵。ここにこそ、精鋭がいるわけか。その直後、彼のニンジャ感覚は、不穏な到来を感じ取った……!
「……!来るぞ」
「は?何がっすか?」
わあんわあ「ウワーッ!?」んわあ「何すかこれ!?」ん!わあんわあ「おい!引くぞチヤ」んわあん!わあんわあ「リ!グワーッ!?目」ん!わあんわあ「目に蠅が!?」んわあん!『KBAM!KBAM!KBAM!KBAM!KBAM!KBAM!』わあん!わあんわあんわあん!
「……あれ!?噛まれてない!?」「な、何だァッ!?」
突如トウテツ達に蠅の大軍がぶち当たってきたが、チヤリが必死で放ったカトンもあり、蠅はトウテツらを喰わず!代わりに不動のコンヴァージの眼前でわだかまると、ALAS!何たることか!人型を形作り始めたのだ!
四本腕の全裸美女がコンヴァージ達の前に現れたかと思うと、隙間なく集まった蠅が、呪術的大布となり、その肢体を覆い隠す!四本腕を二組の合掌とし、美女がオジギする……!
「ドーモ、コンヴァージ=サン。ベルゼブブです」
「……まさか貴様が来るとはなァ。ドーモ。ベルゼブブ=サン。コンヴァージです」