BOXER'S LIFE 世界王座獲得RTA 父子鷹ドキュメンタリーチャート 8時間41分8秒(WR) 作:変態拳闘士
最も歴史あるプロスポーツのRTA、はーじまーるよー。
今回はホモ君が紆余曲折あってアメリカから日本に移住する所から再開です。
ここでまず、日本に来てやらなければいけない事が二つあるので、それについて説明しましょう。
一つ目は、練習場所の確保です。
これは前回の倍速中に美里さんが所属するジムに掛け合ってもらい、日本に到着した3日後には練習させてもらえる事になったので問題ありません。
そしてもう一つが家庭環境の確認です。
これに関しては第一回でやったのと同じです。
ただ、アメリカにいた時の様に最悪の父親だった場合はリセです。
ホモ君と走者のメンタルが終わるからですね。
流石にもうあんな地獄は御免です。
一応美里さんからは、夫と娘と3人暮らしで、2人ともホモ君を歓迎しているとは言われていますが不安は拭えません。
ちなみに、娘さんはホモ君と同い年らしいです。
今は、ホモ君と美里さんが成田空港の到着ロビーに居て、叔父が迎えにくるのを待っている状況です。
もう空港には着いているらしいのですが…お、来ましたね。
背が高く恰幅のいい男性がこちらに手を振りながら駆け寄ってきます。
「いたいた、おかえり美里。あ、もしかして君がモーガン君かな?初めまして、山口裕也っていいます。これからよろしくね」
「はい。よろしくおねがいします」
山口裕也と名乗った男性は、美里さんと最初に会った時と同じようにホモ君と目線を合わせ、優しげな口調と声色で自己紹介をしてくれます。
やや太り気味ではありますが、よくよく見ると結構イイ男ですね。
凛々しい顔立ちに眼鏡を掛けています。
年齢は30代半ばぐらいでしょうか。
「あれ?裕也さん、未来は来てないの?」
「あぁ…お母さんには会いたくないって言って聞かなくて…お留守番してもらってるよ」
「そう…帰ったらちゃんと謝らなきゃね…」
えぇ…(困惑)
未来さんというのがおそらく娘さんなのでしょうが、美里さん嫌われ過ぎで草生えますね。
ちょっと気になるんで突っ込んでみましょうか。
後で地雷を踏むと面倒ですし。
「あいたくない…なんで?」
「え?あ、あぁ…LAに行く前にちょっと喧嘩しちゃって…」
はえー、大変そうすねぇ。
一応喧嘩の理由も聞いときましょうか。
「なんで?」
「えーっと…未来は私にボクシング辞めてほしいみたいで…ってこんな事モー君に言っても仕方ないよね…」
なるほどねぇ。
母親が殴られる所を見るのは娘からしても中々に辛いでしょうし、気持ちは理解できます。
ただ、だからと言ってそう易々と辞められないのがボクサーなんすよねぇ…
でもまぁ、ここで聞けて良かったです。
取り敢えず未来ちゃんの前ではボクシングの話はしないよう心掛けましょう。
「なんで?」
なんで?じゃねぇよ。
それしか言えんのかこの猿ゥ!
これ、またホモ君が勝手に動いて質問してます。
ホモ君さぁ…
「きっと未来はお母さんの事が心配なんだよ」
裕也さんがホモ君を諭すように説明してくれます。
未来ちゃん、まだ顔も見ていませんが良い子そうですね。
喧嘩中とは言っていましたが、ロサンゼルスにいた時と比べて家庭環境は格段に良くなってそうです。
まぁ、前が悪すぎただけかもしれませんが。
「あ、そうだ。モーガン君、これからこっちで暮らす上で一つ約束して欲しい事があるんだ」
あっ、そうだ(唐突)
ほぅ…約束とは一体何でしょうか。
まぁそれぞれの家にルールがあるのは当たり前ですし、ある程度は受け入れましょう。
「自分の名前を名乗る時にはモーガン・ホールではなくて、堀求と名乗ってほしいんだ」
あ〜、そういう事でしたか。
おそらくですが、ホモ君の父親の事件が日本でも大きなニュースになっており、ホモ君が奴の息子だとバレると面倒事に巻き込まれるかもしれないのでしょう。
この考えには走者も現状では同意です。
ただし、いずれは世間に公表したいと思っています。
注目や人気を集める為にはこれ以上無い要素ですからね。
時期的にはホモ君がアマチュアの全国大会で優勝する辺りでしょうか。
ここは取り敢えず頷いておきます。
「ほりもとむ…わかった」
「僕もこれからモーガン君の事は求君って呼ぼうと思うんだけど、いいかな?」
「うん」
ホモ君って呼んでもらっても、私は一向に構わんのだが?
「ありがとう。求君、本当に良い子だなぁ」
「でしょ?きっと未来とも仲良くなれるよね」
未来ちゃんに会うのがなんだか楽しみになってきましたねぇ。
それではホモ君の新居にいざ鎌倉!
「今日からここがモー君の新しいお家だよ」
わぁ、これが新しいお家ですかー。
いい立地にありますねー。都内にあるとは思わなかったぁ。
住宅地にあるかなり新しめの3階建て一戸建ての狭小住宅ですね。
都内の一戸建てなんて今やかなり高騰してますし、山口家はまあまあ裕福な家庭っぽいです。
これは裕也さんの仕事も気になります。
それでは美里さんと裕也さんに続いてお家に入りましょうかね。
お邪魔しまーす。
「未来ー!お母さん達帰ってきたぞー!降りてこーい!求君にも挨拶しなさい!」
「やだ!お母さんなんて知らないもん!」
裕也さんが上の階へ向けて声を掛けると、幼い女の子の可愛らしい声が返ってきました。
この声の主が未来ちゃんでしょうね。
「はぁ…」
美里さんクソデカため息で草。
申し訳ないんすけど、なんか他人の喧嘩見てると草生えるんすよねw
「取り敢えず先に家の中案内しよっか。さっ、上がって上がって」
裕也さんが一瞬淀んだ空気を変える様にホモ君を家の中へ促し、案内し始めます。
おぉ、1階の客間がトレーニングルームになってるんすねぇ。
様々な練習器具が置いてあって、壁が一面だけ鏡になっています。
そして2階はLDKで、3階が寝室2部屋といった感じです。
「こっちが僕と美里の部屋で、そっちが求君と未来の部屋だよ。これで一応全部紹介できたかな。じゃあ僕達は2階で夜ご飯の準備してるから、先に未来と会っておいで」
寝室は夫婦用と子供用で分けているみたいですね。
まさか幼女と同じ部屋で生活できるとは…ちょっとムラm…ワクワクしてきましたねぇ。
それではドアを開けて、未来ちゃんとご対面です。
か…かわいい…
部屋に入ってきたホモ君を2段ベッドの上段に座っている幼女が見つめています。
艶のある黒髪のボブカットで、全体的な雰囲気はマッマや美里さんに似ていますが、目鼻立ちは凛としていて裕也さんの面影も感じますね。
紛れもない美少女です。
「………か…」
か?
「かわいい!」
いやおまかわ。
未来ちゃんは叫んだ後、物凄い勢いでベッドから降りてこちらへ駆け寄って来て、まじまじとこちらの顔を覗き込みます。
ぅおっ、近っ。
「うわぁ…お人形さんみたい…あ、わたし、未来っていうの。よろしくね!」
今度はいきなりホモ君の右手を両手で包むように握ってブンブンと激しく振ってきました。
勢いすげぇなこの幼女。
「ほりもとむです。よろしくおねがいします」
「うん!あ、ベッドの上の段はわたしのだからね!もとむは下ね!あともとむの机はあっちで、お洋服はベッドの下の箱に入れてね。あとは…分かんないことがあったらなんでも聞いていいからね!」
ん?今なんでも(ry
おっと、ここで裕也さんが部屋のドアを開けて顔を覗かせてきました。
「ご飯準備できたから2人とも降りておいで。今日はお寿司だよ。皆んなで食べよう」
「おすし!?やった!ほら、もとむ!一緒に行こ!」
未来ちゃんと手を繋いで2階へ降りていきます。
家族全員で食卓を囲む…なんて微笑ましい光景なんだ…
きっとホモ君には初めての体験でしょう。
あ…ホモ君…涙が…
これは驚きました。
ホモ君が泣いています。
ポーカーフェイスの赤特の影響なのか、表情自体は全く変わっていませんが、瞳からは涙が溢れ出ています。
「もとむ、大丈夫だよ。こわくないよ」
それを見た未来ちゃんが寿司を食べる手を止めて、ホモ君の背中をさすってくれます。
美里さんと裕也さんもホモ君が落ち着くまで、温かくこちらを見守ってくれました。
感動的なシーンですが、この後は只々仲良く食卓を囲むだけなので、3日後のジム練習まで倍速です。
その間に今後の大まかな予定についてでも話しましょうかね。
まず、日本では小学3年生になるまで試合に出場できません。
そのためホモ君にはこれから2年間、美里さんが所属するジムでみっちり練習に励んでもらいます。
その間、各地のマスボクシング*1やスパーリングの大会を荒らして、練習だけでは補えない実戦経験も積んでいきましょう。
幸いな事に山口家にはトレーニングルームがあるのでかなり効率良く能力を上げられます。
ジムでのトレーニング以外の時間をどう使うかによって大きな差がつくので、ここはしっかり意識するといいでしょう。
という事で、ホモ君には4月から通う予定の小学校を不登校になってもらい、一日中トレーニングに励んでもらいます。
学校行ってる暇あったら練習しろって話ですよ。
ホモ君にプロボクサー以外の道なんてフヨウラ!
そしてホモ君が日本に来てから3日後、美里さんと共に、所属する予定のジムへとやってきました。
調べたところによると、今回ホモ君が所属する予定の小林ボクシングジムは日本最大手の名門ジムらしいです。
いやぁ〜これはうま味。まさに神引きですね。
はぇ〜、この4階建てのビルが丸々このジムの施設なんすねぇ。
ご立派ァ!
それでは、お邪魔しまーす。
おぉ、流石は日本最大手、練習している選手やトレーナーも中々にレベルが高いです。
いやぁ驚きました。
この施設にはボクサーに必要な人や物が全て揃ってます。
ここまで環境が整っているジムは久々に見ましたね。
本日ホモ君は、このジムのキッズクラスの選手希望コースとやらに参加させてもらいます。
練習が始まるまで後15分はある筈ですが、ホモ君が来た時点で既に約15人程の小中学生が集まって自主練習に励んでいるのが見えます。
お、女の子もいるみたいですね。
数えると、男子が11人、女子が2人といった構成です。
そしてそれを見守る大人の男が3人。
その内の2人はTシャツに短パンを履いた如何にもトレーナーらしい格好をしていて、50歳ぐらいの中年と20代の若い男です。
もう1人は高級そうなスーツを身に纏っていて、トレーナーには見えませんね。
美里さんはホモ君を連れて、トレーナーと思われる中年の男に近づいて話しかけました。
「坂本さん、おはようございます。今日は求をよろしくお願いします」
「おぉ、美里、おはよう。その子が例の?」
「はい」
この、両手にミットを嵌めた強面のおっさんがこれからお世話になるトレーナーみたいですね。
美里さんから色々と事情は聞いていそうです。
「そうか…これからよろしくな。坂本大吾だ」
「ほりもとむです。よろしくおねがいします」
坂本トレーナーは右の口角を上げて、ぎこちなく微笑みながら自己紹介をしてくれます。
それにしても顔がイカついなこの人。
「坂本さんは顔は怖いけど、すっごく分かりやすく教えてくれるし、こっちが質問した事は全部丁寧に答えてくれるから信頼してね。顔は怖いけど」
「おいこら、なんで2回言った」
「あ、私、会長に挨拶してきますねー。失礼しまーす。モー君もまた後で。私3階で練習してるから、終わったら呼んでね」
坂本トレーナーに睨まれると、美里さんは逃げるようにこの場を立ち去ります。
そして、少し離れた所からこちらを眺めていたスーツを着た男の元へと向かっていきました。
どうやらあの人がこのジム会長さんっぽいですねぇ。
身長が低めで糸目が特徴的です。
年齢はアラフォーぐらいで、名門ジムの会長にしては若めですね。
あの会長さんの好感度は可能な限り上げていく必要があるので、しっかりと顔を覚えて、後で挨拶に行きましょう。
というのも、日本の場合、マッチメイクやプロモーションをジムの会長が行う為、好感度を上げると良い試合を組んでもらいやすくなるんですね。
それに加えて、あの人物は日本最大手のジムの会長です。
という事はつまり、日本で最も権威を持つプロモーターであると言う事です。
今回のチャートのカギとなるドキュメンタリーイベントでは、その国の大手プロモーターが主導でドキュメンタリーを撮影する事になっていますので、ホモ君は彼に気に入られる必要がある訳ですね。
あの男には媚でも体でも何でも売っていきますよ。
あっでも俺ポーカーフェイスに…俺ポーカーフェイスだった…(絶望)
「あいつなぁ…はぁ…時間はまだあるが全員揃ったし、そろそろ始めるか。全員集合!」
坂本トレーナーが号令を掛けると、子供達は自主練習を中断してこちらに集まってきます。
「今日から1人仲間が増える事になった。じゃあ、求、自己紹介してもらえるか?」
どうも、初めまして、ホモ君です。
「ほりもとむです。ろくさいです。よろしくおねがいします」
ホモ君が自己紹介をすると、パチパチと疎に拍手が響きます。
「よし、それじゃあアップ始めるぞ」
トレーニングが始まりました。
まぁ特に変わった事はないですね。
ラダートレーニングやシャドーボクシング、ミット打ち、条件マスなどが中心です。
いやしかし流石は名門小林ジム、全体的にレベルが高いです。
全国レベルの選手がゴロゴロいますね。
そんな中でも、ホモ君は一番年下の未就学児であるにも関わらず、上級生顔負けの能力を発揮しています。
これにはトレーナーや子供達もかなり驚いていますね。
いやぁ〜、地獄のトレーニングを耐え抜いた甲斐がありました。
そして練習開始から1時間半が経過し、そろそろ終盤です。
ここではヘッドギアを着け、より実戦的なマスボクシングを行うみたいです。
紐で4等分されたリング上で2人ずつ4組に分かれてマスを行います。
「求の相手はそうだな…誠也!やってくれるか?」
「え?俺?こいつ今日来たばっかだけど…大丈夫なの?」
大丈夫だって安心しろよ〜。ヘーキヘーキ、ヘーキだから。
「背格好も近いし、まぁ大丈夫だろう。ただ、正直に言って求はかなり上手い。むしろ誠也の方が良い練習になるんじゃないか?」
「えぇ…そんな訳ないでしょ」
ホモ君のお相手は、身長の近かった小学3年生の先輩、原誠也君になりました。
髪を金髪に染めていて、ヤンチャで生意気そうな雰囲気の男の子です。
かわいいですね。
自分の実力に自信があるのか、ホモ君の練習風景を見てもまだ舐めてるみたいです。
じゃけんそのプライドズタズタに引き裂いてヤりましょうね〜。
ヘッドギアとグローブを嵌めて、いざ、尋常に勝負!
「1分30秒2R、はいじゃあ一回目!」
ホモ君、初めての近い年代同士での実戦練習です。
勿論マスなのでパンチを強く当てるのは厳禁ですが、それでもやっぱり緊張しますね。
ではここでホモ君のファイトスタイルについて説明しましょうか。
ホモ君のスタイルは、走者の経験に裏打ちされた、超万能スイッチスタイルです。
オーソドックス*2とサウスポー*3を局面によって自由自在に変え、そのどちらでもインファイター*4、アウトボクサー*5になれる万能型ですね。
ただこれは、走者が過去に多種多様な選手を育成し、その多くで世界チャンピオンを生み出してきたからこそできる芸当なので、皆様にはあまりお勧めしません。
それに、このスタイルを通常プレイでやろうとすると、スキルの能力値が足りなくなって器用貧乏になるか、スキルに振り過ぎてクソ雑魚フィジカルになるかのどちらかが殆どです。
そこを補うのが、走者のプレイヤースキルとブッ壊れ個性「Gifted」だった訳ですね。
あらゆる角度で飛んでくるパンチに、もらったら一発で倒れるパワー。
結局全部できるやつが一番強いんだよなぁ。
ホモ君のスタイルを説明した所で、お相手の原君を見てみましょうか。
オーソドックスのファイター型、ガードを上げ、頭を振りながら前に出てきます。
なるほど、9歳にしては上手いんじゃないですかね。
ホモ君は普段、父親(幻覚)とトレーニングしているので、体格の近い相手との距離感に慣れていません。
なのでこちらは取り敢えず、オーソドックススタンス、ディフェンス重視で行きます。
ガードをしっかり上げてステップ、ボディワークでパンチを外しつつ、ジャブで距離を測りましょう。
うんうん、上手く原君の前進を捌けてますね。
父親と比べればスピードもパワーも大した事ないですし当然です。
それに、少しずつ相手の癖も掴めてきました。
「はいストップ!1分後再開!」
1Rが終わりましたが、ホモ君は全く息が乱れていません。
パンチをしっかりと外せましたし、リズムを崩される事も無かったので、かなり余裕があります。
対する原君は少し肩で息をしていますね。
パンチがほぼ全て空転させられ、ホモ君のテンポとスピードについていくのがやっとといった状況なのでしょう。
「2回目!」
2R目が始まりました。
ホモ君はかなり余裕があるので、前手を下げてフィリーシェル*6スタイルで行きます。
原君が変わらず前進を続けようと、ジャブを出しながら頭を下げて入って来ようとするタイミングに合わせて右アッパー。
はい、ドンピシャ。
これはマスじゃなかったら倒れますね。
おやおや、原君ちょっとイライラしてますねぇ。
対峙していると相手の心理が手に取るように分かります。
未就学児にクリーンヒット取られてくやしいのうwwwくやしいのうwww
ファッ!?
するとなんと、前手が下ろされて空いているホモ君の顔面に、原君が思いっきり振りかぶって全力の右オーバーハンドを打ってきました。
えぇ…(困惑)
マスできないタイプかコイツ…
まぁ、当然見えているので、体を内側に倒してそれを避けながら、右アッパーのカウンターを合わせましょう。
カウンターを合わされた原君がさらに左右のフックを振り回します。
マスでこんな事されたら堪ったもんじゃないですね。
ただ、かなり単調な攻撃です。
足を使って避けるまでもありません。
ガードやウィービング*7で全て捌いていきます。
全くパンチを当てられない原君が、更にヒートアップして来た所で、やっと坂本トレーナーが止めに入ります。
「ストップ!ストップ!誠也!何やってんだ!お前外出ろ!他は再開!朗、ここ頼むわ」
坂本トレーナーは朗と呼ばれた若いトレーナーにこの場を任せて、原君とホモ君をリングの外へと出しました。
「誠也、今日はもう帰れ。練習にならん。ほら、荷物まとめろ」
「でも…」
「でもじゃねぇよ。いいから今日はもう帰って頭冷やせ」
坂本氏ガチギレで草。
原君は目を潤ませながら、荷物をまとめ、帰り支度をさせられています。
あらら、帰されちゃいましたね。
「はぁ…求とやらせたのは失敗だったな…」
この後、ホモ君が他の子達の所に戻ると、既に練習が終わりクールダウンしている状況でした。
クールダウンが終わると、坂本トレーナーが最後に挨拶をして解散となりました。
ホモ君がシューズを履き替えていると、子供達の練習を見ていたこのジムの会長さんが話しかけてきました。
「求君、お疲れ。今日は凄かったね。私はこのジムの会長の小林明信。これから長い付き合いになるだろうから宜しく」
こちらから挨拶に行こうと思っていたので、これは好都合ですね。
立ち上がって挨拶しましょう。
「よろしくおねがいします」
「あぁ、こちらは気にせず帰りの準備してていいよ。それにしても、まさか誠也を圧倒するとはな…アレも今年の全国では準優勝だったんだが…君の才能は次元が違うな…」
はぇ〜、そうだったんすねぇ。
原君にもそれなりのプライドがあったから、ホモ君とのマスで熱くなってしまったんでしょうね。
まぁ確かに、その日来たばかりの未就学児に、全国で結果を残してきた自負のある人間が一方的にやられたらムキにもなりますわ。
「きっと君は世界一のボクサーになれる。いや、私が君を世界最高のボクサーにしてみせる。必要な事があったら何でも相談してくれ」
いや、それはありがたいんですけど…
なんか、好感度高くね?
これはアレか?ホモ君の才能に惚れた的なやつか?
「ありがとうございます…かならず、ぼくはgoatになります」
いやgoatって。
ホモ君、これRTAだから多分その目標は達成できずに終わっちゃうよ?
「美里もそろそろ練習終わる頃だろうから一緒に行こうか。それに大事な話もあるからね」
「はい」
小林会長はホモ君と一緒に、3階へと降りていきます。
大事な話とは何でしょうかね。
どうやら3階はプロボクサー専用のフロアのようで、側から見ているだけでその熱気に圧倒されます。
そんで美里さんは…お、いましたね。
ついさっき練習が終わったのか、バンテージを解いている様子が見えます。
「美里!話あるからちょっと来てくれ」
小林会長が美里さんを呼んで手招きすると、美里さんは小走りでこちらへと向かって来ました。
「会長お疲れ様です。あ、モー君練習終わったんだ。どうだった?」
「よかった」
「そっか」
ホモ君の小学生並みの感想を聞くと、美里さんは微笑んで頭を撫でてくれます。
これ、毎回マッマを思い出して泣きそうになるんすよね。
まぁ、ホモ君は表情筋が死んでるのでそんな素振りなんておくびにも出しませんが。
「で、話って何ですか?」
「WBAから、この前の試合の再戦指令が来た」
「本当ですか!?」
「まぁ指名戦*8だったし当然だろう。一応、5月6日予定の松島の試合のアンダーに組み込もうと思ってるんだが…最近は色々あっただろうし…どうする?」
「やります!次は絶対…獲ります」
え、これ、世界戦の話?マジ?
美里さん世界挑戦すか?
ここからはホモ君の公式戦があるまで倍速する予定でしたが、これは是非見たいですねぇ。
「わかった。正式発表はまだ先になるだろうが、準備しておくように。それじゃ、今日はお疲れ。求も帰ったらしっかり休みなさい」
小林会長はこう仰っていますが、残念ながらホモ君には帰ってからもトレーニングをしてもらいます。
具体的に言えば、ボクシングIQ上げの為の試合研究ですね。
このゲームでは、試合の映像を見て研究を行った直後にシャドーボクシングをすると、ボクシングIQが上がる仕様になっています。
ボクシングIQが上がると、試合中にスキルによるシステムアシストが発生しやすくなるので、これを少し意識するだけでも勝率がグンと上がります。
「はい、お疲れ様です」
「おつかれさまです」
小林ジムでの初練習が終わった所で今回はここまで。
それにしても、美里さんの世界戦が決まる瞬間に立ち会えるとは驚きでした。
次回は美里さんの世界戦から再開です。
ご視聴ありがとうございました。
次話はある程度ストックを貯めてから投稿したいので、少し時間が掛かるかもしれません。