そのままの意味で、デアリングハートのトレーナーはムキムキスキンヘッドサングラスくらいの強面さが欲しい。

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【デアリングハートのトレーナー、ムキムキでサングラス概念】デアリングハート「最近ワタシのトレーナーがscaryだって言われるんだけど」

 scary─────つまり怖いということだが……

「トレーナー、なにかした?」

「全く見に覚えが無いんだけど」

 俺は20キロのダンベルを上下にしながら言う。

 

「みんなが言うには『なんかAmericaのシークレットなサービスの人っぽい』とか『多分あれはカタギの見た目じゃない』とか『ファインモーションのSP隊長さんが警戒していた』とか……」

「記憶にないなあ……」

 机の上に、飲み終わったアルミ缶があったので、人差し指と親指で潰しておく。やっぱりリサイクルは大事。

 

「そうよね、ワタシも特に心当たりがないのよ……」

 確かに、謎に職質されやすいんだよなあ……あと国籍も聞かれるからパスポートも普段持ち歩いている。最近はあれだな、子供が迷子で泣いていたので、助けてあげたら危うく捕まりかけたんだよなあ。あれはちょっと傷ついた。

 

「こんにちは、デアリングハートさん、とデアリングハートのトレーナーさん」

 ここで、デアリングハートと仲が良いエアメサイアがトレーナー室に来た。

「あ、ちょうどいいところに。……エアメサイアさん、俺ってみんなから怖がられているらしいんだけどホント?」

「あー……えっと……」

 エアメサイアが気まずそうにこちらを見る。

「あ、正直に言ってもらって大丈夫だから」

 そう言ったら、

 エアメサイアが一度メガネの位置を人差し指で直した。

 そして一言

「怖いですね、しかも結構」

「ホントに?……心当たりがないんだよなあ……具体的に何処が怖いとかって分かる?」

「えっと……【全体的に】ですかね……」

「ちょっと、エアメサイアさん?トレーナーの何処が怖いっていうの?」

 デアリングハートが少し語気を強めて言う。まああんまり「怖い」って言うのも失礼になっちゃうからなあ……

「むしろ、デアリングハートさんはトレーナーさんの見た目になんとも思わないんですか?」

「え?特に」

「……そうですか……そうですか、デアリングハートさんはそんな人だったんですね。……いいでしょう。この際はっきり言いますよ」

 エーミールのようなことを言うエアメサイア。俺は唾を飲み込んでエアメサイアの言葉に耳を傾ける

 

「デアリングハートのトレーナーさん、結構鍛えていますよね?」

「え?うん」

 体を動かすことが好きだから、ほぼ毎日ジムに行くようにしている。

「それです」

「ホントに!?」

 

「あと、いつもサングラスしてますよね」

「え?ああ、うん」

 体質と言うべきか、少しだけ強い光に弱いから室内でもかけるようにしている。

 ……そういえば、どっかの野球部監督も常時サングラスらしい。「今チームええ感じやねん」とか言っているらしいけど、なんかよくわからなかった。

「それです」

「ホントに!?」

 

「なんと言ったら言いのかわかりませんが、【何処かの軍隊の隊長】と言ったほうがしっくり来るくらい、【圧】がすごいんですよね」

 

「【圧】かあ……」

 一応、色々試行錯誤して、【圧】をなくそうとしたが、どうしても無理だったので諦めることにした。

 

 

 

 後日、学園の外でデアリングハートを見かけた。誰かと話しているようだ。

「すいません、■■事務所の者なのですが、芸能界に興味はありませんか?」

「really?私が芸能界?……嬉しい提案だけど興味無いわ」

「そこをどうにか……!」

「とは言ってもねえ……」

「お願いします!」

「sorry、私はこれで」

「お願いします!」

「しつこいわね……!」

 どうやら悪質な芸能勧誘に捕まっているようだ。俺は少し怖かったが勇気を出して声をかけることにした。

「あのー、すいません」

「あん?悪いけど今取り込み……中……で……」

「?」

 俺の顔を見た途端、勧誘の人が固まる。

「す、す、すいませんでしたー!」

 勧誘の人は急に逃げ出した。

 

「一体何だったんだ……?大丈夫?」

 俺はハートの心配をする。

「ありがとう、トレーナー。貴方は相当braveなのね」

「いやいや、そういうわけじゃないよ」

 ここでようやく俺はエアメサイアに「見た目が怖い」って言われたことを思い出した。

 

 なるほど、見た目が怖いのも悪いことばかりじゃないんだな。


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