都留岐涼花とお出かけしていたら、桐生院トレ・たづなさん・ライトハロー・佐岳メイと出くわしたステークス芝3200   作:のるどすとりーむ

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第1話

「トレーナーさん、こういうのはいかがでしょうか?」

「いいですね」

 都留岐さんは、服を取り出して自分の胸元にあてながら言う。俺はトレセン学園から近い商店街の服屋に、都留岐さんと一緒にいる。なぜか?それは都留岐さんは、実はいつもソノンエルフィーへ服を送っているのだが、「毎回私だけで選んでしまうと、同じような系統の服になってしまうので他の人にも見てもらいたい」

 と、俺に相談してきたからだ。正直ファッションとかにはそんなに詳しくない俺になぜ相談してきたのかはわからないけど、協力できないことはない……と思うので多分大丈夫だろう。

 

 

「おや、〇〇トレーナーじゃないか。久しぶりだね」

 突如として声をかけられた。その女性─────黄色い帽子を被っている彼女は、最近お世話になったばかりのあの人だ。

「お久しぶりです、佐岳さん」

「凱旋門賞以来かな?……おや、そちらの方は?」

「ああ、えっと……」

「都留岐涼花と申します。U.A.F.の運営総責任者を務めさせて頂いています」

「ああ!U.A.F.の……!はじめまして、URAの佐岳と申します」

「はじめまして」

「そうそう、私は少し前からトレセン学園と関わっているのですが……彼の話は聞いていますか?」

 佐岳さんが話題にすることはたいてい決まっている、凱旋門賞関係だ。そして俺が絡む話しというのは大体アレだろう……

「……?申し訳ありませんが、特に……」

 都留岐さんはキョトンとする。

「このトレーナー君はね、……『凱旋門賞を連覇』しているんだよ」

 ささやき声で教える佐岳さん。

「ええっ!……もしかしてこの前の、日本初の凱旋門賞連覇ウマ娘って……」

 都留岐さんは目を見開く。

「そう、彼が育成したんだ」

「……まあ、ウマ娘本人の努力もありますけどね」

 ここで俺の評価が変な方向に行くとよくないので、しっかりと背景も説明する。

「いやいや、それでもすごいですよ」

「そういやお二人はなんでここに……ってそれを聞くのは、野暮ってものかな?……」

 ははーん、と佐岳さんはニヤつく。あ、これは前一緒に仕事したときにもやっていたから覚えてるぞ、これは多分なんかまずい時の顔だ(語彙力)。

 

「いや、別にそういうわけじゃ……」

 都留岐さんが説明しようとする。が、しかし、

「ま、私は退散するよ。後は若い二人で楽しんで〜」

「いや、あのー……」

 なんか誤解を解くことができないまま、佐岳さんは行ってしまった。というか、見た目だけなら佐岳さんが一番若いんですがそれは……

 

 

 あの後、いい服が無かったので別のお店で探すことにした。

 

「あ、お久しぶりです!〇〇トレーナー!」

 これまた懐かしい人がいる。いや、懐かしいといっても同僚なんだよな……

「桐生院さん、お久しぶりです」

「こんなところで会うなんて偶然ですね〜」

「そうですね……そうだ、桐生院さんはU.A.F.に興味はありませんか?」

 同じトレーナーだし、一応訊いてみようかな。

「U.A.F.って、あの?」

「そうです。……詳しいことは彼女から説明してもらったほうが良いのかな?」

「U.A.F.運営総責任者の都留岐と申します」

「あ、はじめまして〜」

 都留岐さんがざっとU.A.F.について説明する。

「─────……なるほど、ありがとうございます。確かに魅力的なお話ですね。ですが、申し訳ありません。実はミークと海外を目指すことを今は目標にしていまして……」

「海外というと、ドバイとか香港ですか?」

「そうです!ミークならきっと世界で活躍することができるはずです!特に最近なんて、最後のスパートが─────」

 急に早口になる桐生院さん、この人もウマ娘が好きなんだなあ……

「わ、わかりました。ハッピーミークさんにもよろしく伝えておいてください」

「もちろんです!」

 

 

「あ、トレーナーさんお久しぶりです」

「ライトハローさん!お久しぶりです」

「ライトハローさん、先日はお世話になりました」

「いえいえ……そうだ、今度一緒にお茶しませんか?最近いい店を見つけたんですよね」

「そうなんですか?……それはぜひ楽しみにさせていただきます」

 都留岐さんとライトハローさんが仲良く談笑する。

「お二人ともお互いを知っているんですね、少し意外でした」

「ああ、それは私がU.A.F.のイベント開催に伴って、ライトハローさんに色々協力をしていただいて、そこからですね」

「なるほど……そういう関係で……」

「ちなみにお二人は……」

 ライトハローさんが俺たちについて訊いてくる。

「ああ、今俺が育成しているウマ娘がU.A.F.に出場する関係で、お世話になっているんですよね」

「いえいえむしろ協力していただいて、私のほうがトレーナーさんにご迷惑ないか心配なくらいですよ」

「ですよね、やっぱりそうですよね……!お二人もやはりU.A.F.関連なんですよね(よかった〜……)。……都留岐さん、トレーナーさん、U.A.F.応援していますよ!」

「ありがとうございます」

「なにかありましたらぜひ私に頼ってくださいね!」

「ええ、ありがとうございます」

 ふとここでいいトレーニングのアイデアが浮かんだのでメモ帳を取り出す。

「すいません、ちょっとメモ失礼します」

「大丈夫ですが……トレーニングのメモですか?」

 都留岐さんがメモを覗いてくる。

「ええ、良いトレーニングのアイデアが浮かんだもので」

「こんなに、びっしり……ちゃんと担当のウマ娘のことを考えているんですね」

「まあ、そうですね。気づいたら担当のことを考えてしまうっていう感じで……」

「分かります!私も気づいたらエルフィーの企画を考えちゃったりしてて─────」

 都留岐さんが目を輝かせながら同意する。この人もなんか桐生院トレと似ているところがあるな。

 

「えっと、あはは……(なんだろう、この疎外感)」

 

 ライトハローさんが話においてかれて困っていることに気づくのに、ちょっとだけ長い時間を要した。

 

 

 

「……これで大丈夫そうですかね?」

「はい、問題ありません、ありがとうございます」

「いえいえ」

 大体の服を買い揃えられた。

「あ、そうだ、自分の担当にも服を買いたいので、お店に寄らせてもらってもいいですか?」

「もちろんです」

 ウマ娘用の服の店に行く。

「うーん……」

 どこかで見たことのある人が頭を抱えながら服を選んでいる。

「……たづなさん?」

「ひゃい!?」

 いきなり呼んで、たづなさんを驚かしてしまったようで、たづなさんは上に跳ぶ。

 

「あ、えっとトレーナーさんでしたか……」

「たづなさんもこのお店に用事が?」

「ええ、じぶ──贈り物として考えていまして」

「なるほど……」

「そういえばトレーナーさんはなぜこの店に?」

「あ、ええと担当に服でも買おうかと」

「……それ、意味わかってやっているんですか?」

「はい?」

「ああ、そういえば」

 都留岐さんが思い出したように言う。

「異性に服を贈ることは【プロポーズ】に近い意味があるとか言いますよね」

「そうなんですか!?」

 あっぶねー。それやってたら社会的に死ぬところだった。

「教えてくださりありがとうございます」

「いえいえ、トレーナーと学生は【適切】な関係が一番ですから」

 なぜか【適切】を強調していたが、たづなさん昔になにかあったのだろうか。

 

 

 その後、服を買うのは辞めた。軽いキーホルダーをプレゼントすることにした。

 

「そうだ、トレーナーさん、私も買い忘れたものがあるので、少し寄ってもいいですか?」

「もちろんです」

 

今度は都留岐さんと、普通の服屋さんに行く。

 

「トレーナーさん、好きな色はありますか?」

「青ですかね?……それもちょっと暗めの」

「ありがとうございます。じゃあこれで……」

 

 都留岐さんはネクタイを一つ取り、レジに持っていく。

 

 外で待っていると、そのネクタイがラッピングされてきた。

 

「トレーナーさん、どうぞ」

「俺にですか?」

「ええ、今日付き合って頂いたお礼です」

「ありがとうございます」

 

 そのネクタイからは仄かに都留岐さんの柑橘の香水の匂いがした。

 

 

 

 

 




〜あとがきという名の解説〜

都留岐さんが私の心をかき乱すんです。

ネクタイを贈る意味は「貴方に夢中」とか「貴方に首ったけ」とかの意味があります。
そしてたづなさんのくだりがあった後に、はたしてこれは偶然と言えるのでしょうかね(ニヤニヤ)

あと都留岐さんは仄かに香水をしていて欲しいという願望があります。
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