SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜 作:彩べぇ
第十一話
「俺は厳しいから、覚悟しとけよ。」
アスマはスパーッと煙を吹かした。
俺たち生徒は咳き込み、煙が目に入り思わず涙を流す。
「おいおい、何もいきなり泣くことはないだろ…」
驚くアスマに俺は異議を申した。
「煙が目に染みるんだよ!」
そう抗議するとわるィわるィ、とアスマは悪びれもなく言う。
しかし吸うのを止めるつもりはなさそうだ。
「よし、お前らの実力が知りたいから明日、演習場に来てくれ。」
その言葉を最後に今日は解散となった。
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演習か……
俺はいいことを思いついた。
「せっかくヤりあうのはわかってるんだし、いざという時のために不意をつけるようにしとくか…」
家から出る前に水分身を発動する。
そして、分身の影に潜り込んで身を隠した。
水分身は弱いから十種や強い術は使えないが、いきなり手札を晒し切るのはナンセンスだろう。
上忍相手に通じるかはわからないが、攻撃を受けるまではバレることはないはずだ……
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演習場に集まった俺たちにアスマは告げた。
「殺す気で来ていいぞ。もちろん3対1でだ。」
アスマの始め!と言う合図で俺たちは一度距離を取る。
「まずはチョウジの肉弾戦車でアスマの隙を作る。そんで俺が影真似で止める。締めはいの、心転身だ。いいな?」
「おっけー!」「うん!」
チョウジが前に出る。
「倍化の術!」
術によってチョウジが膨らんだ。
「肉弾戦車!
ンゴロゴロゴロゴローーー!!」
肉弾戦車に対してアスマは回避を選択した。
…ここまでは読み通りだ。
アスマが着地するタイミングに合わせ、手裏剣を2枚投げ、すぐに影真似を伸ばす。
囲むような軌道で投げられた手裏剣はメリケンサックのような形をしたチャクラ刀によって容易く弾かれるが、影が標的を捉える…
ことはなく、俺の影とアスマの影がくっつく瞬間、アスマはチャクラ刀を伸ばし、なんと地面をくり抜いて壁にした。
「なんつー早業だよ…」
多少驚かされはしたがすぐ砂煙と壁の向こうにいるであろうアスマに影を伸ばす。
すると、確かに影が繋がった
…捕まえた!
すぐさま岩から体を出させる。
砂煙に人影が映っている。
水分身でのチャクラ量だとそう長くは動きを止められない。
…今しかない!
「いの!やれ!!」
隠れていた、いのが出てくる。
「いくわよ…
心転身の術!!」
俺は倒れるいの本体を支えた。
……いのっていい匂いがするな〜
どうでもいいことを考えながら俺たちの勝利を今度こそ確信し、影真似を解く。
「ウソ!?なんで!?!?」
チョウジの困惑した声が届く。
……ちょっと待て。
なんで砂煙からチョウジの声がするんだ?
砂煙が晴れるとそこにはチョウジがいた。
くそ、全然気付かなかった…
恐らく岩で姿が見えなくなったタイミングだな。
一瞬、驚いた隙に肉弾戦車で目を回していたチョウジと入れ替わりやがった。
なんつー早業だ…俺ともあろうものが見逃しちまったぜ…これが上忍の基礎スペックか〜。
「いの!こっちへ来て術を解け!」
とりあえず周囲を警戒しながら指示を出すが…
「ほーお、下忍にしては悪くないチームワークだ。」
いつのまにかアスマが背後に立っていた。
「ま、流石は猪鹿蝶と言ったところだ。」
チッ…かけ離れてるのはスピードか?それとも隠密能力か?
いや、多分両方だな。まだまだ足りねえもんが多いな…….
しかし、背後に立っている…つまり、アスマの影が俺の影と重なっているということだ。
俺は自分の影からアスマの影に移動する。
そして水分身に喋らせる。
「すげー速さだ。流石は上忍…」
分身が崩れる。
「だぜ。」
影から飛び出し、クナイを持って更に背後から突き込む。
「なにぃ!?」
こちらに気付き、回避される。
しかし、完全に不意をついた刺突は相手に擦り傷を与えた。
「まだまだ勝負はこれからだぜ。」
上忍相手に傷を負わせることができたという事実に思わず口角が上がる。
分身だった場合をケアして拘束系の術じゃなくて直接攻撃を狙ったがどうやら杞憂だったようだな…
「まさか下忍相手に一杯食わされるとはな…いつから水分身に…いや、最初からか…」
どうやら気付いたようだ。
「ああ…水分身は本体よりもかなり弱くなる。
だが、手裏剣術や影真似などの中距離主体で戦っている限りはさして問題にならない…
俺はあんたが油断して隙を見せる瞬間をずっと狙っていたのさ…」
…流石にもう同じ手は通用しないだろうがなと心の中で呟く。
「食えないやつだ…」
明らかに下忍のレベルは超えてるな、とアスマはこちらに向けて笑った。
俺はいのとチョウジに指示を出す。
「いの、アスマの動きを感知していてくれ!チョウジはいのの護衛を頼む!」
せっかく上忍とヤレる機会、アイツらには悪いがサシでやらせてもらいたい。
どうせならぶっつけ本番になるが試したいこともある。
「いくぜ。」
アスマの油断も隙もない目がこちらを見据える。
「鵺+蝦蟇」
混じった2体をイメージする。
「
俺の周囲に羽の生えた蝦蟇が何体も顕現した。
術の解釈を広げ、本来と違う方法で式神を呼び出す拡張術式…初めての試みだが成功だ。
これなら破壊されても問題ない、対人の訓練に打ってつけだ。
「その術はッ!?」
禁術だからか、血継淘汰だからか、初見だからかはわからないがこちらの術に驚いているようだ。
まあいい…
俺の強さがどこまで通用するか…
ここで今、見極めるッ!!
ーーー俺は不知井底と共に眼前の相手へ向けて、地を蹴って踏み出した。
沢山の方に読んでくださって私とても嬉しいです…みなさん本当にありがとうございます…