SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜 作:彩べぇ
どう考えても任務って仕事なんだから依頼を出す人とか必要ですよね…ごめんなさい…
あと誤字も多くてごめんなさい…指摘してくださって毎度ありがとうございます…
そんなわけでお待たせしました。本編をどうぞ。
今日はCランクの任務を受けることになった。Dランクを20回以上は達成してる俺たちなら妥当だということだ。
「商人の護衛っすか。」
「くれぐれも失礼のないようにするのじゃぞ。」
三代目から念を押された。
原作のシカマルは割と口が悪い方だったが俺はそんな酷いこと言った記憶はないし、そもそも中身は元大人だしな。
あまり意識しなくても大丈夫だろう。
多分、普段の素行とかじゃなくて初めてお客様と同行する任務だからだな。
「Cランクからだと戦闘が起きる可能性もあるんでしたっけ?」
「ああ、山賊や野盗などとの戦闘が起こることがあるな。忍が相手になるのはBランク以降だからその心配はないぞ。ただ、戦闘自体が起きない可能性も勿論ある。
がんばれよ。」
「ありがとうございます。」
イルカ先生が説明してくれた。
「戦闘かぁ…大丈夫かなぁ…」
「大丈夫よ!チームワークは磨いてるし、ほんとにやばい時はシカマルと先生がなんとかしてくれるわよ!」
不安そうなチョウジにいのが声をかける。
ちょっと他力本願っぽくも聞こえるが、頼ってくれるのは素直に嬉しい。
「初のCランクだしな、無事帰ったら焼肉奢ってやるから気張れよ。」
アスマの言葉にチョウジは目に火を灯してやる気満々になった。
この調子なら問題ないだろう。
そう思っていると後ろからノックする音が響く。
依頼人が来たようだ。
「どうぞ!」
失礼します、といかにも商人って感じの人が入ってきた。
「ショウと言います。この度は滝隠れまでのご同行をお願いします。」
「わかりました。私達にお任せください。」
アスマが対応した。
ーーーーーーーーーー
任務の道中、暇だったので商人に何を売ってるのか聞いてみた。
「製氷機や氷菓の材料です。滝隠れは美味しい水が有名でして、それを使った品物がよく売れるんですよ。かき氷は前に食べましたけど美味しかったですね。」
「いいわねそれ!食べてみたいわ!」
いのが食い付きてきた。
プリンとか甘いものが好きな彼女は興味があるようだ。
「着いたらみんなで食おうぜ。」
「いいね。」
幸い天気もよく、和気藹々と歩いていく。
まるでちょっとした旅行みたいな気分だ。
一度、滝隠れについて俺が覚えてる情報を整理しておくか。
火の国の北部にある。
まずは里長がシブキとかいうやつ。
正直漫画に出てこなかったからほとんど覚えてない。
んでもって七尾の人柱力、フウがいる。
あとは角都がここ出身だったな。
全体的に忍のレベルが低く、アニメで英雄の水?とかいう神のアクアみたいなドーピング薬で一悶着あったんだったかな…
ガサッ
目の前に男が2人現れた。
「命が惜しけりゃ金目のもん全部よこしな!」
片方が喋った。
野盗か…ちょうどいいな。
前に出て俺1人で充分だ、そう他のみんなに目配せをする。
アスマもこの程度なら大丈夫だろうと、頷いてくれた。
「霧隠れの術」
早速、昨晩勉強した術を試す。
辺りに霧が立ち込める。
どんどん濃くなっていき、やがてそれはお互いの姿を隠した。
「なんだこりゃ!?何も見えねえぞ!!」
「落ち着け相棒!この霧じゃあ俺たちの場所もわかんねえはずだ!」
野盗達は騒いでるため、大体の場所はわかるがかなり霧を濃くしたために具体的な場所がわからない。
そこでこいつらの出番だ。
「玉犬」
白と黒の玉犬がそれぞれヤツらに襲いかかる。
「な、なんでこいつら俺達の場所が!?」
「相棒!?」
「「ギャアアアッ!!」」
…終わったか。
霧隠れの術を解く。
霧が晴れ、ズタボロの野盗達を咥えた玉犬達がこちらへ戻ってくる。
わふっと鳴いた彼らによくやった、と2匹の頭を撫でて労い解術する。
「霧隠れの術で視界を奪い、鼻がきく玉犬で一方的に襲わせる…良い戦法だな。ところでいつの間に覚えたんだ?」
アスマは感心している。
将棋が好きなのもあって戦術を用いた戦い方がお気に召したのだろう。
「昨日適当に下忍でも使えそうな水遁の術書を買って勉強したんす。試すのはぶっちゃけ初めて。」
「初めてって…失敗したらどうしてたの?」
いのが驚いた様子で聞いてくる。
「そしたら俺が直接ボコボコにするだけだ。あの程度のレベルだったから実験にちょうど良くてな。」
「そんなことよりシカマルのせいでポテチがしけちゃったよ……」
チョウジがちょっとショックを受けている。
仲間が戦闘中にポテチを食うのもどうかと思うが、俺はそれを信頼の裏返しとも取った。
「はは、わりいわりい。」
そんなチョウジの様子をみんなで笑ったりして、それ以降は特に戦闘が起こることもなく滝隠れに着いた。
休憩がてらみんなでかき氷を食べて、名物の滝を眺めたあと俺たちは木の葉に帰る。
道中、約2メートル半ほどの筋骨隆々とした、しかし全く無駄な部分もないと思わせるような男とすれ違う。
そして、その男はあまりにも冷たい雰囲気と眼をしていた。
男はこちらを一瞥し、フンッと鼻を鳴らして滝隠れの里の方向へ向かっていった……
「なに?あのチャクラ量…尋常じゃないわ…滝隠れの忍かしら……」
「僕、怖すぎて息もできなかったよ……」
「ありゃぁ、俺より強いな…」
アスマにもそう思わせる程か。
てかなんだあのサイズ感…
明らかに忍者ってスケールじゃねえだろ…
あんなヤツ原作でもアニメでも見たことねえ。
そもそも滝隠れにはフウぐらいしか強いヤツはいねえはずだ。
ーー滝隠れの里なんですが、穏健派の里長派と、もっと軍備強化して大国に並ぶべきだっていう過激派に別れてるんです。てな訳で商売するには今のうちにってわけなんですよ。
ふと、商人の言葉を思い出す。
あいつが過激派だったら最悪なことになるかもな…
恐らく、あいつの存在は俺と同じ本来存在しないイレギュラーだとしたら…
きっと現状では手も足も出ないだろう。
思わず出た震えは恐怖か、それとも武者震いか……
もっと強くなって挑んでみたいな……
その後、特に誰かと出くわすこともなく俺たちは木の葉へついた。
Cランクなんてまあこんなものだろう。
一回でも実践をこなせただけで良い経験だ。
会得難易度Dくらいの術なら特に苦労なく発動できることがわかっただけでも御の字だ。
それに結構楽しかった。
「お疲れさん、俺は任務の報告に行く。お前達は先に焼肉Qへ行って待っててくれ。」
「アスマ、俺も着いていく。頼みたいことがあるんすよ。」
「わかった。それじゃいのとチョウジは先に行っててくれ。」
「はあい。」「うん。」
そうしてそれぞれ別れる。
「そんでどうした?改まって頼み事なんて。」
「実は水遁のレパートリーを増やしてえんすよ。今知ってて使えるのは会得難易度Dのだけだから、A相当まで使えるようになりたいけど教えてくれそうな人いないっすかね?」
「なるほどな…水遁か。火遁と風遁だったら教えられたんだがな。」
「火の国って言うくらいだし、水遁ってあんまいないんすかね。」
「まあいないこともないんだがな…付きっきりで教えて貰うのは厳しいかもな…….」
カカシ、イズモ、自来也様とボソボソ呟きながら考えてる。
「あ」
どうやら彼の中で見つかったようだ。
「とびっきりの使い手がいるぞ。教えて貰えるかどうかはわからんがな。」
「とびっきりの使い手…?」
話していると火影室に着いた。
「アスマ班、ただいま帰還しました。こちら、報告書になります。」
「ご苦労…おや、シカマルも来たのか。」
「うっす。」
「どうじゃった?初のCランクは?」
「特に問題なかったっすね。なんならちょっと観光できて楽しかったっす。」
「ほっほっほ。そうかそうか。」
三代目もちょっと嬉しそうだ。
「ところで、三代目。」
「なんじゃ?」
アスマが突然切り出した。
「うちのシカマルに水遁の修行をつけてやって貰えませんか?」
…まじか。
「ほう…水遁…木の葉では使い手が少ないからのう……」
「はっきり言ってこいつは天才です。生半可な教師じゃその才能を腐らせてしまいます。どうか見てやってくれませんか?」
アスマが俺にウインクする。
そこまで俺を買ってくれていたのか……
正直めちゃくちゃ嬉しいな。
しかし、三代目は答えない。
沈黙が場を支配する。
そして厳かに三代目が口を開いた。
「シカマルよ。」
「は、はい!」
思わず緊張してどもってしまう。
「お主はなぜそこまでして力を求める?幼い頃からそうじゃったな。」
俺を見定める三代目。
返答次第では断るつもりなのだろう…
力を求める理由。
…そんなの決まってる。
「夢と責任です。」
「ほう…どんなものか、教えてくれるかの?」
「俺の夢は…忍の神と呼ばれた初代様やそのライバルであるうちはマダラにだって負けない最強の忍になることです。
俺は血継淘汰というこの里で誰よりも恵まれた力を持っています。そして力を持つ者は弱い者を庇護する責任があります。
ただ…この力は弱者に扱うことは許されません。俺はこの力をモノにするために、誰よりも強くなる必要があるんです。
そして誰よりも強くなってその力でみんなを守る、そんなかっけえ忍びになりたいです。」
嘘偽りなく、彼の目を見てそう伝えた。
「そうか…良い答えじゃ。
じゃが、まだ足りないモノもある。
よく考えて探すとよかろう。
その答えと今のお主の気持ち…
それがお主にとっての火の意志となる。
覚えておくとよい。」
足りないモノか…
「俺に…見つかるでしょうか?」
「心配するでない…お主ならきっと見つけられるはずじゃ。」
「はい、ありがとうございます。」
いつの間にか緊張感のある空気はなくなり、いつもの優しい三代目がそこにいた。
「して…初代様達にも負けないとは大きく出たのう…わしはそこのアスマよりもずっと厳しいぞ?」
「ッ!望むところっす!!!」
まさかあのプロフェッサーと呼ばれた三代目に師事できるなんて!
アスマと三代目には感謝してもしきれないぜ!!
三代目に感謝を伝え、火影室をあとにする。
「いのとチョウジには悪いが随分と話し込んじまったな。」
「そうっすね…さっきの話なんすけど俺の足りないモノって何なんすかね…」
「それはお前自身にしかきっとわからないだろう…かく言う俺もまだ火の意志ってやつの答えが見つかってない…焦る必要はない、ゆっくり探せば良いさ……」
話しているうちにだんだん目的地が見えてきた。いのとチョウジがこちらを見つけ手を振っている。
「二人ともおっそーい!」
「もうお腹ぺこぺこだよう…」
わるいわるい、とアスマが謝っている横で俺は待たせていた二人や周りを見る。
大事な仲間…俺の居場所。
最強になって…
全部守って…
それでも足りないモノってなんだろうな…
強くなればきっと見つかるかもしれない。
だから今はただ…
力を……
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三代目は水晶を見つめる。
「懐かしいのう…わしは今度こそ、正しい選択ができたじゃろうか…
じゃが、あやつこそきっと…」
どこまでも力を求める奈良の少年にかつての弟子を重ねる。
奇しくも弟子が闇に堕ちる一端となってしまった、かつて戦場で散った英雄と同じ力をもつ少年の行く末を案じていた……
三代目は筆者的にかなりずらしたと考えたときはニヤニヤしてたのですが、読者の皆様にバレバレすぎて気絶してしまいました。
いろんな意見があって面白かったです。
まるでNARUTO博士だな(兄さん並感)
読んでくださったのと、感想、評価ありがとうございます。
今回、オリキャラがモブ3人(もう出るかわかんない)、これから何かあるかもしれない1人、故人1人出ました。
更新遅くて申し訳ないですが付き合ってくださると幸いです。