SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜 作:彩べぇ
どのみちろくな奴じゃないんだ!見つけ次第(以下略
再び与えられたCランク任務を難なくこなして、演習場でアスマと共に人を待つ。
目的の人物はすぐにやってきた。
「待たせたのう…シカマルよ。」
三代目は煙をふかした。
「いえ、俺も来たばかりっすよ。」
「さっそく始めるとするかの。」
おっす!と元気よく返事をする俺に優しい顔を見せてくれた。
「俺はそこら辺で見学させてもらうぜ。」
アスマはどうやら修行の雲行きが気になり、見学するみたいだ。
「水遁と一口に言ってもかなりの数がある。
お主はどのような術を身につけたいのじゃ?」
優先順位はもう俺の中で決めてる。
「第一に防御系の術、次に決定力のある攻撃系の術、その次に意表をつける術なんかを教えて欲しいっす…ゆくゆくは木の葉にある全ての水遁を……」
三代目は目を丸くした。
「そこまで明確に考えておるとは…これは教え甲斐があるわい。良い生徒を持ったな…アスマよ。」
「ええ…恐ろしい才能です。」
アスマは嬉しそうに煙草をふかす。
作中だとそこまで深く関わる描写はなかったが、こうしてみるとやっぱり親子って感じするな。
「まず、水遁の防御系忍術と言えばこれじゃ。他にも教える術があるから規模は抑えめじゃがよく見ておくんじゃぞ…
水遁・水陣壁!! 」
三代目の口から水が地面に向けて放出され、地面から水の壁が勢いよくそり立つ。
…これだ。これを教わりたかった。今の俺では式神を壁にするぐらいしか防御手段がない。
「会得難易度はBといったところじゃの。水量や時間の長さもお主の意志で調節すると良い。応用すればもっと規模を大きくしてAランクの水陣柱という術になるぞ。熟練するとーーー」
流石プロフェッサーと呼ぶべきか、とてもためになる講義をしてくれる。コツなども教えて貰い、俺は術の発動に取り組んだ。
「水遁・水陣壁!」
最初は薄かったり小さかったりしたがある程度回数をこなしていくうちに、立派な壁と呼べる物になっていった。
「へへっ…どんなもんっすか?」
ビショビショになった口元をぬぐう。
「水のないところでこれほどの水遁を…まるで二代目様を見ているようじゃ……」
最高の褒め言葉だ。自力でここまで出来たんだ。万象込みなら水陣柱もいけるだろう……
「おいおい…取り組み始めてまだ1時間も経ってねえってのに…さっそく才能を見せつけてくれるねえ!」
懐かしいな、この感じ…もっと幼い頃に秘伝忍術を教わった時も周りはこんな感じだったな。
でも、こんなんじゃ満足できねえ…次だ次。
「三代目!次お願いします!」
「本当に教え甲斐があるのう、こやつ。腕がなるわい!」
次は攻撃系の術だ。
「防御系の次は決定力のある術じゃったの。ではとっておきのを教えてやるぞ。それも二つ…片方は会得難易度Aランクじゃ!」
Aランクきたーーー!!!
どんな必殺技だ!?
「ふっ…これ見よがしに目を輝かせおって。どれ、水場に移動するぞ。老いた身で発動するにはちときついからのう…
では、よく見ておくが良い…」
三代目の雰囲気が変わる…凄まじい気迫だ。
かなりのチャクラを練り込んでいるな。
……来る。
「 水遁・大瀑布の術!!! 」
三代目の周囲の水が巻き上がり、巨大な竜巻のようになって放たれる。
「なんて規模だッ……!」
この術…もはや自然災害だ…範囲も威力も桁違いすぎる……!
ナルトたちは波の国でこんな術を扱う奴とやり合うってのか!?
「この術は木の葉にある水遁で最大級の威力と範囲を誇るが水場でしか発動できないのが難点でのう……
そこで次に教えるのが範囲は狭いが殺傷能力に特化した場所を問わず発動できる二代目様がよく使用された術じゃ。
水遁・水断波!!! 」
三代目の口からまた勢いよく水を放出される。
しかし、先程とは異なり何もない空間ではなく近くにある岩に向かって放たれた。
着弾すると一瞬で貫通し、三代目は更に顔を横に動かすと、その射線上にあった木々をも両断した。
思わずすごい、と声を漏らす。どちらの術もまさに水遁の必殺技と呼ぶに相応しい威力だ。
「ゼェ……ハァ……さすがに疲れたのう……シカマルよ…わしはしばし休む。しっかり励むのじゃぞ。」
老体で気合いを入れすぎたのかめちゃくちゃ苦しそうだ…申し訳なく感じるが、それほど期待してくれているのを感じる。
本当にありがたい。
絶対にモノにして見せる。
俺は三代目に礼を告げて、死に物狂いで術の会得に取り組んだ。
ーーーーーーーーーー
日が暮れる頃になって、ようやく術を完成させた。あまりの疲労に俺は大の字になる。
チャクラを使いすぎてもう動けそうにもない。
修行の影響で周囲はグシャグシャで、自分が泥で汚れるのも気にならなかった。
それほどの達成感を得られたからだ。
「よくやった…シカマルよ。
まさかたった1日で上忍顔負けの術を扱うようになるとはの……
お主は今までわしが見てきた中でも随一の才能を持っている……
これからが楽しみじゃ……」
「ヘッ…伝説のプロフェッサー…火影様に弟子入りしたんです…これぐらいはこなさねえと、ダセェってもんでしょう……?」
こんだけ師に恵まれたんだ…期待に応えなきゃ男じゃねえ。
「嬉しいことを言ってくれるわい…これからが楽しみで仕方ないのう……」
「ね?言ったでしょう…こいつは天才だって。よくやったぞシカマル。チャクラの使いすぎでもう一歩も動けないってところだろう?俺が背負ってやる。」
「サンキュー…先生。でもいいのか?汚れてるぜ?」
「気にすんな。」
よいしょ、と俺は背負われる。
「三代目、こんな格好ですいませんが今日はありがとうございました。またよろしくお願いします。」
「俺からもありがとうございます、三代目。」
「ほっほっほ、期待しておるぞ…シカマルよ……」
その言葉で解散となった。
アスマに家まで送ってもらう道中、なんとなく聞いてみた。
「俺が修行してる間、三代目と何話してたんすか?」
「まあ、色々な。よくある親子の会話って奴だ。久しぶりにしたよ…お前のおかげでな。」
その顔はなんだか嬉しそうに見えた。
「そっすか……
それにしても俺のせいとはいえ、泥だらけっすね、二人とも。」
「構わんさ……」
道中にあった民家の窓に反射した姿を二人して笑った。
汚れることなんて気にしないし、強くなりたいと願う俺のために存分に力を尽くしてくれる。
生徒想いのかっけー大人。
本当に俺は、師に恵まれている。
久しぶりにモンハン復帰したら楽しすぎて全然書けませんでした…ごめんなさい……