SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜   作:彩べぇ

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第十六話

ガガガッ

 

水で出来た針が木に刺さる。

 

「うむ、申し分ない威力じゃ。」

 

「そ゛う゛っ゛す゛ね゛。」

 

天泣…ノーモーションで発動できる術。

口内の水分を針に形態変化させる必要があるが、慣れるまでに向きや大きさをミスったせいで口の中がいてぇ。

 

「これで水遁に関しては全て伝えきった。

威力や発動スピードに改善の余地がある術もあるが発動できるだけでも大したものじゃ。」

 

三代目に修行をつけてもらい始めてから1週間程度でここまで出来た。

 

「ありがとうございます。三代目の教え方が上手なんですよ。」

 

「ほっほっほ…

シカマルよ…忍術を身につけ、磨くのも良いがそれだけでは一流とは言えん。

それは、わかっているな?」

 

三代目の言う通りだ…十種は強い術だが、発動者を狙われると弱い。だから幼い頃から体術は鍛え続けた。

 

「はい…体術とかっすね。技はともかくもっと素のパワーやスピードが欲しいけれど、こればっかりは時間がかかっちゃいますね。」

 

「流石じゃ…ぬかりないのうお主は……

確かに、チャクラを用いない場合パワーやスピードは体格などに左右されてしまうな。

 

そこでじゃ!

接近戦において、どんな者でも当ててしまえば相手に致命傷を与える方法がある。

どうすればよいかわかるか?」

 

どんな者でも…?

難しいな……

 

「急所を狙う…とかですかね?」

 

「よい答えじゃ。しかしこの方法では急所でなくても致命傷になるぞ。ヒントはお主の身近な人間におるぞ。」

 

急所でなくても…?

そうなると結局パワーとかがいると思うがわかんねーな。

身近な人間…いのやチョウジがパッと思い浮かぶが……だめだな。

 

「お手上げっす。どうしたらいいんすか?」

 

「うむ…己を鍛えることばかり考えてるお主には難しかったようじゃな!

 

どんな者でも、急所でなくても致命傷を与える方法…それは……」

 

「それは…?」

 

三代目がニヤリと笑う。

 

「武器を使うのじゃよ。」

 

「ッ!」

 

確かに武器を持てば、幼子だろうが致命傷を与えられる…盲点だった。

 

あっとアスマを思い出す。

アスマと言えばメリケンサックだってのにすっかり忘れてたなぁ……

 

「忍の戦闘において武器を扱うのは有効な手段じゃ。かく言うわしも戦闘の際には武器を持つぞ。お主もどうじゃ?」

 

武器…正直欲しい。

男のロマンと言っても過言ではないからな。

 

「興味はあります。かっこいいですしね。

でも…戦闘で使えるほどの業物となると、下忍で買えるような物はないんじゃないっすか?」

 

「ほっほっほ…そうかそうか。

確かに、戦闘でも使える物となると値が張ってしまうのう……

 

どれ、ちと付いてこい。お主には特別じゃ。」

 

……?

よく分からないが素直に従っておこう。

 

わかりました、と返事をして三代目に付いていき、演習場から離れた。

 

ーーーーーーーーーー

 

目的地は火影室だった。

 

「どれ、しばし待っておれ。」

 

三代目は禁術の書などが入ってる場所から、これじゃこれじゃと巻物を一つとった。

 

「なんです?それ」

 

思わず尋ねた。

 

「これにはかつて二代目様が作成された忍具等が収納されていてのう。その中の一つをお主にくれてやる。」

 

「マジすか!?ありがとうございますッ!!」

 

あの二代目が!?

そう言えばアニオリかなんかでビームサーベルみたいなのが出てたっけ…

 

巻物に・棍・と書かれた部分に三代目が手を置いた。

 

「棍棒っすか…?てっきり刀とかをイメージしてたんですけど、扱いが難しそうですね……」

 

「まあそう言うでない…

これはかつてわしが使っていた物でのう…

今では必要ないが故にしまっておったが、業物なことに変わりはない……」

 

ボンッとそれが姿を現す。

 

それはなんと、とても見覚えのある物だった。

 

「忍具にはその出来によって階級があっての…

その中でも最上級に当たる特級忍具…

その名を……」

 

最上級という言葉に思わず喉を鳴らす。

 

 

「 游 雲 じゃ!!!」

 

 

游雲じゃねえかッ!!!

 

 

思わず心の中で突っ込むが、三代目に礼を告げる。俺の別の意味での驚きっぷりに三代目は満足しているようだ。

しかし、嬉しいのも確かだ。

コイツはきっと終盤の戦いだろうと使えるだろう…俺が強くなればなるほどこの武器もその効果を発揮するからな。

 

三代目の游雲についての説明を聞きながから俺はふと思った。

どうしてここまでしてくれるんだろうか?

なんだか自分だけが贔屓されているみたいで申し訳なく思ってしまう。

思わず聞いてしまった。

 

「ここまでしてくれるのはすごく嬉しいです。ですが、どうしてここまで俺に目をかけてくれるんですか?」

 

ふむ…と三代目は顎を触り答えた。

 

「そうじゃの…お主は誰がみても明らかな天賦の才を持っている。

しかし、その才を持ってしまったためにお主は危うい立場でもあるのだ……

特に血継淘汰という力はお主の知る通り、この忍界において持ち主が滅多におらんほど珍しい……

そのため、これからお主は他里にも狙われる立場となるであろうことは想像に難くない。

 

お主は、強くならねばならぬのだ…誰よりもな。」

 

「誰よりも…強く……」

 

そうだ…俺の夢のためだけじゃない…

自分でも言ったはずじゃないか。

力を与えられた者としての責任が俺にはある……

 

「とまあ、ここまでが建前じゃ。」

 

「え?」

 

思わず声を漏らしてしまった。

本当の理由…?

 

「わし自身が、お主がどこまで強くなるのか楽しみなのと…

 

お主がわしの頼みを引き受けてくれた礼じゃよ。」

 

頼み…?

一体、何のことだ…?

 

「そんなことありましたっけ?」

 

「覚えてないならそれでもよい…かなり前のことだからのう。」

 

かなり前…か……

 

「そういうことならありがたく頂きますよ。」

 

俺は手に取った真っ赤な三節棍を自らの影にしまう。三代目はその行動に便利じゃのう、と呟き解散の旨を俺に伝えた。三代目に改めて礼を伝え、俺は火影室を後にする。

 

再び演習場に戻り、游雲を取り出して棒術の訓練を始める。

三節棍は癖があるが、こういうガチャガチャした物を振り回すのはなかなか楽しい。

 

まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように、日が暮れるまで修行は続いた。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 三代目は煙を吐きながらシカマルとの出会いを思い出す。

四代目の子であるナルトに孤独を感じさせてしまい、当時は罪悪感に苛まれていた。

自分は里の皆を家族の様に思っているが里の皆にとってナルトは化け物として写った。

どうか皆にも自分と同じ様に思って欲しい…そう願うも真実を公表することは出来ず、どん詰まりだった。

 

しかし、そんな里の皆を見直してやろうと修行するナルトはシカマルと出会う。

共に時間を過ごす彼らのもとにわしは赴き、そこで思わずナルトに対する罪悪感からこれからも仲良くしてくれるようシカマルに頼み込んだのだ……

 

 

ーーー 俺たちはもう…友達だ。

 

「その言葉に…わしは救われたんじゃよ……」

 

ふと水晶玉を覗くと…肩を組んで笑い合う成長した弟子や英雄の子、その同期たちが映ったような気がした。

 

里の皆が家族であり、それを守りたい。

 

才に溢れたかつての弟子は己の力は受け継いでも、意志までは継いではくれなかった。

 

そんな彼以上に才のある少年。

優しいあの子ならば己が全てを継いでくれるだろうと、思いを馳せた。




プロフェッサーの指導という名のパワーレベリングにより水遁のスキルツリーが全てアンロックされました。

現在の里内のネームドの水遁の強さ
三代目(水場有り)>三代目(水場無し)=シカマル(水場有り)>カカシ(水場有り)>シカマル(水場無し)>その他

三代目なら多分経験の差とかで同じ威力、規模でも角度とか付けたりして勝ちます。尾獣玉のアレみたいな感じで

追記:1行おかしかったのでその部分まるまる削除しました。報告ありがとうございます。
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