SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜   作:彩べぇ

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先にこっち書いてたせいで前話の投稿が遅れたという言い訳です。


第十九話

 

「…ル。…マル!シカマルってば!」

 

「んあ…割とガッツリ寝ちまってたのか俺。悪いな、敵か?」

 

蝦蟇ごとゆさゆさと揺らされて起こされた俺は外に出る。

 

「シッ…ええ…アイツら、油断しているわ。やれそう?」

 

「ああ…爆睡したおかげで元気ピンピンだ。いけるぜ…」

 

「アイツら、食糧を集めてたみたい…上手くいけば丸ごと奪えるよ…」

 

「まじかよ!丁度腹減ったところだ。見たところ、木の葉の何個か上の奴らだ。対して強くなさそうだし、いいカモだな。」

 

「でしょ!さっさと奪っちゃいましょ!」

 

「じゃあ手筈通りいくぜ。」

 

死角から飛び出して、接近する。

游雲を使った不意打ちでまず一人気絶させる。

 

「なんだ!?てめえ!」

 

他の二人が俺に気付き、一人は距離を取り後衛に、もう一人は前衛になって俺に殴りかかる。

連携は悪くないけど所詮その程度。

 

相手の攻撃を読んでた俺はステップで避ける。

 

「チョウジ!」

 

「肉弾戦車!ンゴロゴロゴロー!!」

 

「ぐわあああ!」

 

前衛の男は避けられずそのまま轢かれる。

 

「こんな真っ直ぐ転がるだけの技なんて避けちまえば…」

 

パチンッと指を鳴らす。すると蝦蟇は後衛の足まで舌を伸ばして絡めとる。

 

「なんだこれ!?ぎゃあああ!」

 

文字通り足を引っ張られて転んだ男は当然避けられず続けて轢かれてしまった。

 

「作戦通りだな。」

 

「上手く決まったね!」

 

「二人ともやっるー!」

 

「いのがいるとで安心して目の前の敵に集中できるぜ。」

 

3人でハイタッチを交わして労い合う。

 

「さっさと巻物取っちゃいましょ!」

 

「食糧もね。」

 

「そうだな…」

 

目的の物を回収して、その場を後にした。

ちゃんと巻物も揃ったので言うことなしだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

食事も済ませて塔を目指す最中に、いのが何か感知した様子を見せる。

 

「敵か?」

 

「10時の方向、数は7人…こちらを狙っている訳じゃないみたい。その場で止まってるわ…」

 

「その人達が戦っているとしたら、1人多いね。」

 

「チョウジの言う通りだな。大抵の場合は2つの班がぶつかっていて、1人が隠れて見ているってとこだ。」

 

あるいは、()()()()()1()()()()()()()もう一つの班と戦っているか……

 

俺の予想は後者だ。

恐らく、アイツらがいるはず……

 

「嫌な予感がする、急ぐぞ!」

 

有無を言わさず走る。

 

「シカマル!?ちょっと!どうしたってのよ!」

 

「待ってよ2人とも〜」

 

ーーーーーーーーーー

 

先に着いた俺は茂みに隠れ様子を伺う。

 

「こいつの目の前で男を殺してやろうよ!」

 

「お!いいね〜」

 

「やれやれ…」

 

そこには気絶したウスラトンカチ2人とおかっぱ、ズタボロにされ髪を捕まれているサクラがいた。

ビンゴだ。

どうやら原作通り第七班とリーが大ピンチに陥っている。

程なくしていのとチョウジが俺に追いついた。

 

「まったく、どうしたってのよシカマル…」

 

「僕たちもう巻物揃ってるんだから見にこなくてもよかったんじゃない?」

 

「おい、見てみろ…」

 

二人に目の前の光景を見せる。

 

「うそ!?あれ…サスケくん!?

 それに…サクラ!?」

 

「うわぁ…あれ、やばいんじゃない?」

 

チョウジはそうでもないがいの の狼狽え方が尋常じゃないな。その様子を見て、あえて俺はいのに問いかける。

 

「どうすんだ?このままだと確実に殺されるぜ。あいつら…」

 

「え…」

 

サクラが自分で自分の髪を切り、ザクに立ち向かう。噛みついて、何度も殴られる。

 

何故俺がこんな試すようなことをするのか…

確かに、俺なら簡単に解決できる。

 

でも…それじゃいのが成長できない。

 

いつも俺がでしゃばりすぎて俺に頼り、委ねる癖がついてしまった。

サクラはこの機会を機に、仲間と共に横に並ぶんだと決意をし、大きく成長する。

 

いのはサクラの友達であり、ライバルでありたいと願っている…

 

友達ってのは…ライバルってのは…

対等なモンだろう?

 

だから、今回はいのに一歩踏み出して欲しいと俺は思った。

最初の一歩でいいんだ…残りは全部俺がやってもいいから…

 

それさえできたら、いのはどこまでも成長できるはずなんだ…

 

目尻に涙を浮かべながらも、まだ迷っている…

自分が出ていっても勝てはしない。そもそもシカマルは何故自分に委ねるのか…

でも見ていられない…そう思っている。

後ひと押しだな。

 

「離せ!このアマ!!」

 

「もう殺しちゃお!ザク!!」

 

 

 

「いいのか?…友達なんだろ?」

 

いのは無我夢中で茂みから飛び出した。

 

「アンタには負けないって…約束したでしょ!サクラ!」

 

「いの…?」

 

これでいい…この一歩でいのは優しさを、勇気を、根性を見せてくれた。

 

ここからは俺の出番だ。

 

「お前ならそうするって信じてたぜ…

 あんな雑魚共、俺1人で充分だ。二人はサクラ達を頼むぜ。」

 

二人は了承し、一歩下がる。

 

「才能もなけりゃ呪印もねえ…大蛇丸の捨て駒共が…遊んでやるよ……」

 

まずは挑発で気を引く。

 

「言ってくれますね…随分と舐められたものだ。」

 

「この身の程知らずが!思い知らせてやるぜ!!」

 

「木の葉の下忍はバカしかいないようね。」

 

音の3人全員が青筋を立てて標的を俺に定める。これで俺を無視してサクラ達が狙われるってことはないだろう……確か俺たちが戦い始めて割とすぐにサスケが目を覚ますはずだ。

出来るだけチャクラは温存して燃費の良い術主体でいこう。

 

まずは初手霧隠れの術で撹乱…悪手だな。耳がいい奴と霧そのものを吹っ飛ばせる奴がいる。

 

「そうすっと正攻法だな……」

 

俺は水分身を2体、陰分身を1体出す。

本体の俺は游雲を取り出してキンへ、水分身2体はドス、陰分身と蝦蟇はザクにそれぞれ向かわせる。

 

「これでもくらいな!」

 

キンが俺に千本を投げてくる。游雲で弾いてもいいがスピードを落としたくない。

ここは天泣で迎え撃つ。

ノーモーションで口から千本を発射。両者の千本が衝突し、弾かれる。

 

「含み針か!?」

 

勘違いしているがまあいい。

 

「いちいち驚くなよ…隙だらけだぜ?」

 

俺は最速で游雲を用いて相手に突きを放つ。

 

「しまっ!?」

 

棍の先端がキンの腹にめり込む。

そして流れる動作で水遁・塊水撃を顔面に叩きつけて気絶させる。

 

「キン!?チッ…」

 

ドスは一瞬で無力化させる実力に驚くと同時に、同僚の不甲斐なさに思わず舌打ちする。

そして、重なるように列を組んで突貫する水分身二体に反応する。

 

「分身程度じゃ僕は殺れないよ。」

 

殴り掛かってくる前方の水分身に対し、カウンターを合わせて右腕を振るう。まともに受けた水分身は簡単に弾けて水に戻った。

 

「ほらね…」

 

二体目も同様に処理しようと、一歩前に踏み出したその時……

 

「水牢の術」

 

二体目の水分身が術を発動すると、弾けた水が球状となってドスを包み、水の牢獄となった。

 

「ゴボガボ!?」

 

影真似の方が拘束力は高いが、水分身でやろうとすると拘束時間が極端に短くなってしまう。その点、水牢は素材があればチャクラの消費が少なくていい。

 

……なんか包帯のせいで無駄に苦しそうだな

 

「捕獲成功〜」

 

「ドス!なにやってる!?」

 

あと1人…陰分身の俺と蝦蟇は左右に別れながらザクとの距離を詰める。

 

「たかがカエルごとき増えたとこで大したことねえんだよ!」

 

ザクの両手は俺に向けられている…

このタイミングだ。

 

蝦蟇の舌を俺に伸ばして命綱にする。

 

「舐めてんじゃねえぞゴラ!

 斬空極波ァ!!!」

 

ただの斬空波じゃねえ!?

凄まじい風圧が襲いかかる。

それでもやることは変わらない。

分身体は壊れないようにあえてその力に逆らわず身を委ねる。

当然吹っ飛ぶがその瞬間、命綱で繋がった先、術の範囲外にいる蝦蟇が回転する。弧を描くように吹っ飛ばされる力も利用して舌をぶん回すことによりその着地点は……

 

「嘘だろッ!?」

 

ゴシャッ

 

風圧を放った当人の位置へ至った。

音速に近いその人の形をした弾丸はザクの半身を砕きながら弾けて影に還った。役割を果たした蝦蟇も解術する。

 

「ゴボ(ザク)!?」

 

ドスがザクの方を見て狼狽える。

 

「  」

 

想定以上の威力の術が放たれたので、想像以上の破壊力で返すことになってしまった……ピクリともしないけど…これ、死んでね…?

 

ま、第七班殺そうとしてたしええか……

ここで全滅してたら人類滅亡endだしね。その罪は当然重い。

 

「制圧完了だな。」

 

「うそ…シカマルってこんな強かったの……?」

 

サクラがこの惨状に驚愕する。

無理もない…あのリーでさえサクラというハンデ込みとはいえ気絶させられたのだ。

 

ついでにドスも始末しておこうと思い向かおうとするが…

 

パシャっという音と共に水分身がやられる。

当然維持する者のいない水牢は解かれた。

 

「水は音の伝導率がいいからね。

 チャクラが込められてて時間がかかったけど水越しでも攻撃できるんだ…

 キンはともかく、ザクまでやられるとはね…僕たちは随分と君を甘く見ていたようだ。」

 

そういや原作のチョウジの敗因もこの理屈だったな。

 

「確かに水分身程度じゃだめみてえだな…それなら本体の俺が…!?」

 

俺がやる、そう言い切る前に背後から嫌な感じがする。

振り向くとサスケが立っていた。

 

「誰だ…サクラ…お前をそんな風にしたのは…?」

 

サクラがおそるおそる音忍たちを指差す。

 

「そうか、お前らか…」

 

サスケの口角が上がる。

こんな時にあれだけど呪印の状態1ってまじでかっこいいな…俺も欲しい…なんでくれなかったの大蛇丸さん……

 

「あれが…うちはサスケ…何てチャクラ量だ…

 ただでさえあの水遁使いにすら勝てるか怪しいのに彼までこれ程とは…一旦引くしかない!

 

これは手打ち料です…どうか見逃してくだ…

 

ッ!?体が動かせない!!」

 

「逃すと思うか?捨て駒とはいえ大蛇丸の手先を。」

 

あっちに気を取られているうちに影真似で足を止める。

 

「手ぇだすな、シカマル。俺がやる…」

 

「わーったよ…あとは任せるぜ。」

 

影真似を解く。

 

「術が解けている…でも彼らの前でザクとキンを回収しつつ退くなんて悠長なことは許されない…やるしかない…僕1人でッ!!」

 

ドスは覚悟を決め、右腕を構えてサスケに向かう。

 

「……」

 

サスケは無言で印を結ぶ。

あの術は…

 

「火遁・豪火球の術」

 

サスケの十八番、火遁だな。

ドスはそれをステップで避ける。

 

「くらったらタダでは済まなそうだけど、避けてしまえばこんな術…ッどこだ!?」

 

サスケの姿を見失っている…

 

「「…上だ。」」

 

……ん?

 

なんか気付いたら上にネジさんおる……

いや上って彼のことじゃなくてサスケのことで…ちょっと気まずいけど今はサスケや。

 

サスケはドスの真上に跳び、クナイを数本投げる。当然、サスケを見失ってる彼に避けられる道理はない。

 

「ガッ!」

 

ドスはまだ生きている。

サスケのやつ、わざと急所外してんな。

 

そのまま倒れ伏すドスの近くに着地した。

 

「お前、この右腕が自慢なんだろ?」

 

そして、右肩に刺さっているクナイをねじるように踏み付けた。

 

「ぐああああああああッ!!!」

 

残酷だが、正直スカッとする気持ちもある。

アイツらは紛れもないクズだし、ナルトとサスケが動けないことをいいことに散々サクラとリーを痛ぶりやがったんだ。

 

「クックック…」

 

大蛇丸のチャクラのせいか、自然エネルギーのせいかはわからないが本来のアイツより冷酷になっている。

 

ある程度ドスの悲鳴を楽しんだサスケは地面に刺さっている一本を蹴り上げて拾う。とどめを指すつもりだろう…

 

そして、手に持ったクナイを振り下ろす直前…

 

「もうやめて!!!」

 

サクラが抱きついて止める。

 

ここからは大体原作通りだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

音忍達は撤退した。あの様子だときっと脱落するだろう。

状態1が解けて座り込むサスケに話しかける。

 

「巻物はお前らが持ってけよ。」

 

「いいのか?包帯野郎はともかく、2人を倒したのはお前だろ?」

 

「俺らはもう揃ってるからな。先に塔で待ってるぜ。」

 

「ああ。……今回ばかりは助かった。」

 

「気にすんな。」

 

いのはサクラと、チョウジは他の奴らと話してるな。

 

「二人とも〜そろそろいくぜ〜」

 

俺たち第十班は塔へと向かった。

鵺を使って空から塔の位置が正確に把握できる俺達は迷うこと無く、この死の森を踏破した。




ちなみに前話の屋台崩しは大蛇をしまわないでそのまま3対同時顕現で満象を出していれば当たっていました。(残りチャクラ量は考えないものとする)このことはIQ低いので気付いていません。
あとまこーらには割とガチで焦ってました。

補足 水遁・塊水撃…ドッチボールくらいの大きさの水塊をぶつける。ナルストでの扉間の通常攻撃。コマンドリストを参照しました。
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