SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜 作:彩べぇ
「まずは第二の試験、通過おめでとう!!」
三代目がこの場にいる死の森を踏破した者に告げる。そして、各国の友好がどうだとか、この試験自体の目的だとかを説明する。
師の話はちゃんと聞けって?
だって俺一回聞いてるし…(※前世で)
そんなこんなで聞き流していたら話は終わっていたようだ。
そして、月光ハヤテさんが予選を行う前に辞退希望者は手を挙げるよう促すが、誰も手を挙げなかった。
本来ならカブトがここで辞退するはずだが、原作と異なっている。音忍の3人達がこの場にいないことが関係しているのだろうか?
まあ、スパイが本業だろうしどうせ途中で棄権するはずだ。俺の対戦相手がどうなるかだけが気になるな…
第一回戦の組み合わせが電光掲示板に表示される。サスケと赤胴ヨロイだ。ここは原作と変わらないようだ。そして対戦者以外は二階へ。
対戦内容だが、原作と同じように呪印に苦戦するも獅子連弾で華麗にサスケが勝利を納める。
さて、第二回戦は本来ならシノと音忍のはずだが…
表示されたのはチョウジだ。
「ええ!?もう僕なの〜!?」
「シノかぁ…まあ殺されはしないだろうから気楽に頑張れよ!」
俺はチョウジの背中をそう言って叩く。流石にこれは運が悪い。
「彼、アカデミーでは目立たない子だったよね〜。」
いのから見たシノはまあそんなモンだろうな。
あまりやる気になれないチョウジだったが、勝ったら焼肉というアスマの一言で気が変わり、目に火を灯しながら下へ降りていった。
「ほんっと単純なんだから。チョウジー!ファイトー!」
呆れながらもいのは応援する。
ここはあえて…
「いけー!デブー!」
ピクッ…俺の愛のある声援を聞いたチョウジは青筋を立ててこちらを睨む。
「アイツら…こんな試合さっさと終わらせてギタギタにしてやる…」
「こちらもそう簡単に勝たせるつもりはない…なぜなら…」
「2回戦、開始です!」
「倍化の術!肉弾戦車ァ!!」
チョウジが速攻を仕掛ける。今の時点ではこれしか手がないからな。
当たればシノといえどもただじゃ済まないが…
「あの回転では触れることができない…」
シノはバックステップを繰り返して距離を取る。それをチョウジが追いかける形だ。
…そっか、シノが勝つにはメスの蟲をつける必要がある。あれに触ったら腕が折れちまうからその機会をうかがっているんだ。
そろそろシノと壁の距離がゼロになる。
そして、原作でドスがやったようにシノは飛び上がった。
避けられたチョウジは壁を削り、止まる。
そのタイミングで1発シノが殴り、またしても距離を取る。
「その程度の攻撃じゃ僕の肉の壁にダメージは与えられないよ。」
チョウジは倍加を解き、めり込んだ壁から脱して再び倍加する。
「打撃でのダメージは狙っていない。なぜなら…お前に触れることそのものに意味があるからだ。」
シノの体から、大量の蟲が湧き出る。あれにやられたらちょっとトラウマになりそうだな。
「触れること?よくわかんないけど…今度こそ!肉弾戦車ァ!!」
シノは蟲を拡げてチョウジに襲わせる。
シノの勝ちかな…そう思っていた俺は目の前で起こったことに驚愕する。
「ンゴロゴロゴゴローッ!!」
プチプチプチィ!!
「蟲が!?」
肉弾戦車は蟲をモノともせずに轢き潰しながら包囲網を突き破ったのだ。
「まじかよ!?」
驚く俺をよそにいの の声援が響く。
「いいわよー!チョウジー!!」
蟲のコントロールに思考を割いていたシノは直撃はしないものの、肉弾戦車を避けきれなかった。だが、その威力はかなりのモノで決して少なくないダメージを受ける。
「お?やるじゃないかチョウジ。」
アスマも驚いている。もしかしたらマジでワンチャンあるんじゃね?と俺も興奮してきた。
「勝てるぞ!チョウジー!!」
声をでかくして俺も声援を送る。
「うえぇ…すごい汁がついて気持ち悪いよぉ…でも、次できめるよ。」
「クッ…」
チョウジがすごく頼もしく見える。
シノって案外、近距離タイプには無双できると思ってたけど突破力のある純粋なパワータイプには弱いのかな?
「てっきり油女一族には火遁や水遁で遠距離から殺し尽くすしかないって思ってたんだけどな…」
俺がそう呟くとアスマは答えた。
「あとは風遁で寄せ付けないとかもあるが、彼らは蟲に戦闘を委ねる性質上、防御がかなり薄くなる。
その一方で、秋道一族は攻撃力、破壊力に特化した一族だ。真正面での戦闘なら大分優位に立てるはずだ。」
勿論、例外はあるがな…と付け加えて説明してくれた。
チョウジが三度、肉弾戦車を行う。
結構なダメージを負ったシノは避けられないだろう。
シノが会場全体に蟲を拡げるが、いくら拡げたって蟲で防ぐのは不可能だろう。むしろ防御が薄くなるだけだ。
「これって…」
いのが聞いてくる。
「ああ、チョウジの勝ちだ!」
なぜか、そう言わなければならない気がした。というか勝手に口が動いた。言った後にすごい嫌な予感がしたが、本当にチョウジが勝つと俺は思った。
でも、シノが無意味なことをするか……?
シノが轢かれる、そのとき…
ブワァッ!!
シノが弾けた。正確にはシノが蟲になって拡がった。
「!?」
チョウジが驚愕して止まり、術を解く。
「奥の手は最後まで取っておくものだ。」
どこからか現れたシノは蟲に指示を出す。
術を解いたチョウジに大量に蟲が取り付いた。
「うわあああ!!」
そして、気絶するまでチャクラを吸われた。
ちなみにや、焼肉…と断末魔をあげながらも呟いていたのを俺は聞き逃していない。
あのシノ相手に大奮闘して楽しませてくれたお礼だ…アスマを説得してやろう。
「勝者!油女シノ!!」
ハヤテの号令を掛かった。
アスマが気絶したチョウジを上まで運んでくる。
「あちゃ〜蟲分身だったか…」
大量の蟲がミスディレクションになって誰も分身と入れ替わったことに気付いてなかった。きっと気配を消すのが上手なんだろう。
決して影が薄いというわけではないはずだ…
さすがは十種というチートを持つ俺を除いて唯一、同期で根のスカウトが来た男だ。
「惜しかったわねー。」
「負けたけど…結構いい試合内容だったと思いますよ。焼肉、奢ってやってもいいんじゃないすかね?」
「アイツなりの頑張りは見れたし、焼肉ぐらい食わせてやるか。」
そういって頬を掻くアスマだった。
そして、3回戦の組み合わせはツルギ・ミスミ、カンクロウと表示された。
結果はお察しの通り、首以外グニャグニャにされてミスミが敗北。
4回戦…ハルノ・サクラvsヤマナカ・イノ
「あ!」
自分の名前が表示されたか、それともサクラが相手だからか、あるいは両方か…声を上げるいの。
「頑張れよ、いの!」
俺はいのにそう激励する。
「ええ…」
そう返し、いのは下に降りていった。
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友達であり…ライバル…
故に負けられない、そんな強い想いを抱いた彼女らの戦いは苛烈で可憐で、多くの者が魅せられた。
ガイ先生は涙を流し、カカシ先生はじっと見守り、紅先生は固唾を飲み、アスマは微笑んだ。
俺もその戦いに見せられた一人…
最後には仲間のいのだけでなくサクラも含めて両者を応援していた。
結果はお互いの拳が顔面を捉え、両者ノックダウン。
アスマ、カカシ先生が二人を抱えてくる。
「この戦いに敗者はいない…両者ともに己と友に誓った約束を守った勝者なのだ…!!」
熱き青春だ、そう言って号泣するガイ先生。
「はい!おっしゃる通りです、ガイ先生!僕は感動のあまり、涙が止まりません!!」
それも青春だ、そう抱擁し合う彼らは普段なら暑苦しく感じるだろうが今だけはとても共感できる。恐らく異を唱える者はいないだろう…
「お疲れさん…」
俺達は眠る彼女達を労った。
NARUTO×呪術というあまりにも良すぎる素材を使っているのに上手く調理できていない自分がもどかしく感じますが、読んでくださる皆様のおかげで頑張れます。私の心の中のガイ先生も応援ありがとう!て言ってます。