最強って、いいよね!   作:パラボラ

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難産。


幻想御手

 

 

 

 

 

 

介旅初矢の昏睡。

その報せを聞いた俺は家を飛び出し、急いで病院に向かった。

 

 

病院に着くと、御坂と白井がソファに座っていた。

それにしても暑い。おそらく、昨日の落雷による停電の影響だろう。

俺は憂鬱な気持ちで声をかけた。

 

「…おはよう」

 

「あっ!神楽坂先輩!遅いですの!」

 

「それはとりあえずおいといて、介旅初矢は今どうなってる?」

 

「まったく…ーー今、診察を受けていますの。」

 

「…そうか。」

 

ということは原因はまだわかっていないのか。

 

「後どのくらいでおわる?」

 

「わかりません。」

 

そうか、と俺は一言いって、ソファに座る。

その後間も無く、目の下に隈ができた女性がこちらへ歩いてきた。

 

その女性と白井が話をする。

俺は全く事情がわからないので、白井に任せる。

そのうち話が終わったようで、こちらに歩いてきた。

 

「科学者の木山春生(きやまはるみ)だ。」

 

「あ、どうも。風紀委員第177支部の神楽坂です。

ーーーそれで、何かわかりましたか?」

 

「…おそらくだが、何らかの要因で脳に多大な負荷がかかったために昏睡状態になったのだろう。今の所はそのくらいだ。」

 

「…そうですか。」

 

俺がさがると、今度は白井が木山先生に尋ねる。

 

「では、お尋ねしたいことがありますの。ーー木山先生は、“幻想御手”というものをご存知ですか?」

 

「“幻想御手”?」

 

「はい。今ネット上で話題になっているもので、それを使うと能力のLevelが上がるとか言われてますの。」

 

「ふむ、それはどんな形状で、どのように使うものなんだ?」

 

「…まだわかりませんの。」

 

「…それではなんとも言えないな。」

 

それはそうだろう。

“幻想御手”も所詮は都市伝説。そんなに詳細がわかっているはずがない。

だが、もしあるとするなら…

 

「…耳か目、もしくは直接か…」

 

「ん?」

 

「ああいえ、もし“幻想御手”が原因だったとして、どうやって脳に作用するのかな〜って…」

 

「…ふむ。」

 

木山先生は黙る。

しばらくすると、彼女は、

 

ーーーネクタイを外し始めた。

 

「「「ッ!?」」」

 

その場にいた全員が驚く。

それはそうだ。目の前の科学者が突然服を脱ごうとし始めたら誰でも驚く。

俺は咄嗟に後ろを向く。さすがに見るわけにはいかない。

 

「ちょっ、何をしてますの!?」

 

「暑いだろう?」

 

「確かに暑いですけど、脱いではダメですの!」

 

「…下着をつけていてもダメなのか…」

 

後ろから、そんな会話が聞こえる。

俺は今おそらく顔が真っ赤になっているだろう。

俺はこういうのにはものすごく弱いのだ。

 

 

それから、木山先生がちゃんと服を着るまで、俺はずっとそのまま我慢していた。

 

 

 




今回も短いです。
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