単話でもアルドの視点で書くと描きやすかったので話の内容によったらアルド視点で書くことが多くなるかもしれません。
話が分かりにくいとか、キャラの再現ができてないなど、なんでもいいので批評が欲しいです。すみませんが、よろしくお願いします。
今日は仕事でゲヘナのほうに来ている。仕事自体は軽い打ち合わせと顔合わせだけだったため、予定していた時間よりも早く終わってしまった。せっかくだからゲヘナの周囲を散策してみようかと、市街地を目指してゆっくり歩くことにした。目指している途中で落とし物をした人がいたり、喧嘩がおこって巻き込まれる人がいたりと、なぜかいろんな騒動に巻き込まれてしまった。何とか全部解決出来たけど、やっぱり騒動が多いな。これを毎日取り締まるヴァルキューレは大変だしまた協力しに行こうかな、と考えていると声をかけられた。
「また人助けしてたの? 先生も大変だよね」
「ジュンコか。困ってる人がいたら放っておけないだろ?」
「だからって厄介ごとに出会う度に首突っ込むのもすごいよね。だからゲヘナに来てるときは先生がどこにいるかすぐわかっちゃうんだよね。大体騒ぎの中にいるもん」
「首を突っ込むことが好きなわけじゃないけど……。ところで、ジュンコは美食巡りでもしてたのか?」
「バイトしてたの。ほしいスイーツとかは高くて、お金貯めないと手が出ないの」
そう言っているジュンコはどこかもどかしそうだった。ほしいものはいっぱいあるのに全部は買えないからだろうか。その中でも目標のために努力できる姿勢はすごいと思う。
「そうやって努力できるジュンコはすごいと思うよ。……そういえば、スイーツで思い出したけど、なにかもらった気がするんだよな」
「いきなり褒めないでよ! 恥ずかしいじゃん! でも、もらったって何を?」
「この間困ってる人がいたから助けたんだけど、その人がスイーツ店をしている人だったんだよな……。そうだ! お礼にスイーツの無料券もらったんだ!」
「うそ! どこのお店のもらったの!? 見せて!」
目を輝かせてこちらに詰め寄ってくるジュンコはなんだか迫力があった。確か荷物の中にしっかり保管してたのは覚えてるから……。あった。取り出した券をジュンコに見せる。
「これって、高級スイーツ店の名前じゃない! すごい美味しいって評判のところだよ! 先生いいなー」
どうやらジュンコは、自分は食べられないと思ってがっかりしているみたいだ。ふと、チケットを見てみると二個まで頼むことができると書いてあった。
「なあ、ジュンコ。この券二個までスイーツを頼めるらしいし、一緒に行かないか? バイト頑張ったご褒美ってことでさ」
「いいの!?」
ジュンコが体当たりをしかねない勢いで近づいてきた。よほどうれしいみたいで全身から喜びがあふれている。
「お、落ち着けって。冗談は言わないよ」
「やったー! ありがとう先生! 案内するね。早くいこ!」
今にも走りだしそうなくらい喜んでいるジュンコについて店まで歩いていく。店までの道中、ジュンコにそのお店のおすすめを聞いた。看板メニューもあるみたいで、初めて食べるならそれがおすすめらしい。ジュンコはどのスイーツにするのかはすごく迷っているみたいだけど。
お店についてジュンコと二人でお店に案内される。中は落ち着いた装飾が施されていて他の客もリラックスして過ごしているみたいだ。人の話す声や小さな音は心地よくて、何時間でもここにいてしまいそうだ。
「いい雰囲気の店だな」
「お菓子だけじゃなくて、このお店の雰囲気が好きで通っている人もいるみたい」
お菓子を注文した後、席に案内された俺たちは店のゆったりとした雰囲気の中、雑談をしていた。
「でも先生、なんで私を誘ってくれたの?」
「ジュンコが美食にかける思いは知ってたしさ。あとは、頑張ったご褒美かな?」
「おいしいものを一人でいっぱい食べようとは思わなかったの?」
「一人で食べるよりもこうやって誰かと一緒に食べるときっと楽しいし、もっとおいしく感じると思うから。俺はジュンコとこの店に来られてよかったと思ってるよ」
「そ、そっか……。あ……ありがとう」
なんだか少し顔の赤いジュンコとその後もしばらく話していると、ついにスイーツがテーブルに届けられた。俺はチョコレートケーキ、ジュンコはモンブランが目の前に置かれた。
「これはおいしそうだな……!」
ジュンコと一緒に食べ始める。確かに、このお店が人気な理由がわかる。甘すぎず、きめ細やかな味は飽きることなく食べ続けることができる。ジュンコもとても美味しそうにモンブランを食べている。すごくおいしそうに食べているジュンコを見ていたら、ジュンコがこちらに気づいてしまった。
「先生? 何見てるの。恥ずかしいんだけど」
「ははは。ごめん、すごくおいしそうに食べてる表情がすごくかわいくてさ」
「かわっ! いきなりそんなこと言わないでよ! 照れるじゃない……」
「はは。ごめんごめん。お詫びに俺のチョコレートケーキも一口食べていいからさ」
俺はそういうと自分のフォークでケーキを切り分けてフォークで刺し、ジュンコのほうに寄せていった。なぜかジュンコはさらに顔を赤くして挙動不審になり、ケーキを食べようとしない。ケーキを味わうために準備してるのかと思って少し待っていると、意を決したようにケーキを口の中に入れた。
(なんで先生は全く動揺していないのよ! 私ばっかり恥ずかしがるのは納得いかないわ!)
「お礼に私もモンブランを一口あげるわ! はい! どうぞ!」
なぜかすごく圧のあるジュンコからフォークを差し出される。少し戸惑いながらもモンブランを口に入れる。こちらもやっぱりすごくおいしい。一口でこの満足感だし、また今度別のものを食べに来てもいいかもしれない。
「……」
モンブランを味わっていると正面から何か視線を感じた。見るとジュンコが顔を赤くしながらこちらをにらんでいた。
「先生って、旅をしていたころも仲間の人にこんなことしてたの? 食べさせ合ったり、すぐに人のことかわいいって褒めたり……」
「えっ? うーん、そうだな……。俺としてはいつもどうりのつもりだったんだけど……」
「先生、あんまり人を勘違いさせるようなことはしないほうがいいよ……」
「あ、ああ……」
ジュンコが何を言いたいのか分からなかったけど、とりあえず頷いておいた。その後もジュンコと一緒に雑談をしながらゆっくり過ごした。ジュンコも満足してくれたみたいで、店からでて学園に戻るまでもスイーツの感想を言い合いながら移動した。
「今日はありがと、先生。あのお店のスイーツが食べられるなんて思ってなかったから、すごくうれしかった! 先生も言ってたけどさ、二人で食べたスイーツはおいしかったし……また一緒に何か食べに行かない?」
「ああ! もちろん! 俺も楽しみにしてるよ」
「約束だよ! ついでにその時にはスイーツの話だけじゃなくて、先生の昔の話も聞かせてね! どんなもの食べてたのかとか、どんな人と旅してたのかとか! どんな食べ物があったのかとか、気になるから!」
「わかった。おいしいものを食べながら旅のことを思い出すのもいいかもしれないな。今度一緒に食べるときはいろいろ話そうかな」
しばらく歩いていると学園の近くまでついていた。ジュンコはここまででいいからと、ここで解散することにした。
「じゃあね、先生! またねー!」
「ああ、またな!」
元気なジュンコに別れを別れを告げて、シャーレに戻ることにした。
「アロナ、ただいま」
「あ、先生。お帰りなさい!」
執務室に戻るとアロナも起きたみたいだ。外に出ている間とか、暇な時間なんかは寝ていることもあるみたいだ。そういえば、アロナにはスイーツを買ってなかったなと思っていると。
「先生……おいしいスイーツのお店に行ってきました?」
「えっ! なんでわかったんだ!?」
「私の甘いものセンサーを甘く見ないでくださいね!」
(甘いものセンサーってなんだ!?)
考えていた以上にアロナが怒っている。甘いものが絡むと人が変わっちゃうのはシュゼットで体験してるし、素直に謝ったほうがいいかもしれない……。
「ごめんアロナ。実はジュンコと一緒に食べてきたんだ・・・。またスイーツ買ってくるから機嫌直してくれないか?」
「だったら、先生の分も買ってきて、一緒に食べましょう!」
「それでいいのか?」
「はい!先生と一緒に食べたほうがきっとおいしく感じますから!」
そういってくれるアロナに嬉しく思いながら、アロナに買う分は少し高いやつにしようと心に決めた。ジュンコともまた一緒に楽しく食べる日を楽しみに思いながら、今はアロナのために何を買うか考えることにしよう。