君が居て幸福   作:裏桜

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だいぶ遅れましたがとりあえず投稿です。
戦闘描写はこれで限界です
基本的に原作と多少違う部分のみを書いてこうかと思います。


劇場版冒頭ー説明回ー

とある休日。

休みが被ったのもあり、恋人であるキラと自室でイチャイチャしていた。後ろから抱き締め、頬や唇にキスを交わす。

 

「好きだ、キラ」

 

「僕もだよ」

 

こんな可愛い子が恋人なんて今世は頑張ったかいがある。キラの温もりを久しぶりに感じられて幸せや。

しかし、俺はそんな空気をぶち壊すことを言わなければならない。

 

「キラ」

 

「なぁに?」

 

「……二股していい?」

 

そう言った瞬間、身体を投げ飛ばされ、痛みで蹲ってる俺の首にナイフを突き立てられる。

は、早い。ていうかナイフなんて何処からだした。

 

「相手は、だれ?」

 

間髪入れずにキラが問い質してくる。

その目はとても濁っており、人を殺せそうな雰囲気を纏っていた。実際キラも俺からの解答次第では俺を殺してから自分も死ぬと考えている。

正直、ヤンデレぽくて怖いが俺にしかその姿を魅せないことに興奮もしていた。可愛い女の子が自分しか眼中にない最高や。幼馴染みのアスランざまぁ。

だが、今日はそういうプレイという訳ではない。俺は口を開く。

 

「ラクス」

 

「……そっか」

 

俺の解答に納得したのか、キラは俺から離れる。

ぶっちゃけると許される可能性は高いと踏んでいた。だって、彼女自身も過去の負い目からそれを望んでいたから。

仮にフレイやミリアリアとかだったらアウトだっただろう。

 

「それで告白はいつするの?」

 

「戦いに一区切りついたらするつもりだ」

 

「早くしなよ、ラクスに好意を抱いている人はたくさんいるから」

 

「……わかってるさ」

 

第一次大戦からの流れで一緒の家に住んではいるが彼女も公務で忙しく一緒に過ごすことは少ない。キラとは同じ職場で恋人関係だから幾らか日程の融通は効くが彼女は総裁という立場だからそうはいかない。立場が立場だから色々な場所に赴く必要がある。容姿も優れた彼女に言い寄る輩は少なくないだろう。

 

「けど、他にはいないよね」

 

「当たり前だろ。目の前にこんなに可愛い彼女がいるのに」

 

「……じゃあ、証明してよ」

 

頬を染めながらキラは言う。ああ、そういうことね。

 

「今日はガンガン行かせて貰うから」

 

「また心を読んだの?」

 

「ごめん。でも望んでいるんだろう?」

 

「……うん」

 

俺はキラをベッドへ押し倒した。

 

 

 

 

 

 

イノベイターのような存在になってから、人の考えていることがある程度読めるようになってしまった。誰が味方で誰が敵か。相手が何を望んでいるのか、何をすればいいのかが解るようになった。

心に壁を作られたら読めない、自分で能力のコントロールができないという難点があるが、接している距離が近ければ大体読める。

そんな中一人だけ全く読めない人物がいた。

ラクス・クライン。

ラクスだけ何も感じ取れなかった。

俺は恋人であるキラと同等の好意を彼女に抱いている。勿論、LIKEではなくLOVEの方。

我ながらクズ野郎だとは理解しているがこんな俺と長い間一緒に居てくれる彼女に俺の好感度はMAXだ。嫌いと言われたら多分死ぬ。

だからこそ彼女の心意が読めない、何を考えているのかわからない、それが不安で不安でしょうがない。

この間、ラクスが自らコンパスの総裁になるって言ったときも。

 

『別に断っていいんだよ』

 

『いいえ、ヴァン。誰かに望まれたからではないのです』

 

『私が望むのです。それが例え困難な道でも……貴方と共に歩みたいことを』

 

『ラクス!』

 

嬉しさから思わず抱き締めてしまい、彼女も優しく抱き締め返してくれた。この会話から推測して彼女からも恐らくは好意を抱かれているとは思う。

だがもし、それが偽物で俺を利用するための手段だとしたら……。

普段の彼女からはとても想像はできないが可能性はゼロではない。

だからこそ、告白して彼女が俺に何を抱いているのかを知りたい。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うとデスティニープランを否定しデュランダル議長を倒しても平和になることはなかった。終戦後、一時的に平穏はあったがただそれだけ。特定勢力にレクイエムとかが無い分、以前に比べれば多少はマシになったが戦いは続いている。少なくとも、俺が思い描いた静かな場所でのんびり余生を過ごすことは到底出来ない状態だ。

 

「こちらは世界平和監視機構コンパス。攻撃部隊に告ぐ。ただちに戦闘を停止せよ。繰り返すーー」

 

現在、アフリカ共和国オルドリン自治区に俺たちは赴いている。

ブルーコスモスのミケールとかいうクソ野郎が残党を率いて、各地で火種を蒔くからその鎮圧に俺たちーーコンパスが出張ることになった。

世界平和監視機構コンパス。俺が創設、所属している組織だ。活動内容は主に今回のような承認地域での武力による鎮圧がメインで前大戦のAAで活動していたことを国家に認められてやっているだけ。

使えるお金と技術者、場所が増えた分本当は"プラウドディフェンダー"が完成していて、戦いを抑制させる予定だった筈なのに。これも全て『フリーダム強奪事件』が起きたせいだ。俺が『綺羅星』と『桜花』を鍛刀している時に起きたその事件のせいでストフリが大破、プラウドディフェンダーを兼用型へ再設計する必要となった。ああ、忌々しい。

 

「……よし。手筈通りシンがフォワード、俺がバックを担当する。ルナマリアは民間人の救助、アグネスは政府本部の護衛。やれるな?」

 

『は、はい!(了解!)』

 

各々の性格に合わせて指示を飛ばす。

シンを前線へ移動させるためにシールドブーメランで援護しながら、状況の把握をする。

敵の数はまあ情報通りか、"アレ"を除いて。でも、この程度なら何とかなるだろう。

 

「……本当にうるさいな」

 

逃げ惑う市民の心の悲鳴に小声で愚痴を溢す。

予定通り、シンが敵を撹乱させヘイトを集めたところで俺がフルバーストで頭部や腕部を撃ち抜き纏めて無力化する。シンは前線で経験を積めて、俺はほぼ止まった的を撃ち抜くだけの簡単な作業で一石二鳥。俺は随分と簡単に引き金を引けるようになったもんだ。

 

「シン。大丈夫か?」

 

「俺、まだ行けます!」

 

シンには将来、俺の代わりに隊長となって頑張って貰いたい。

が、俺に倣って不殺をしようとしているのか見ていて動きがぎこちない。

別に不殺に拘られなくていいのに。確かに人は殺めたくないが、今は帰還兵に恐怖を植え付ける意味合いの方が強い。

ここ数戦で判ったがやっぱり、シンは考えずに直感で武器をチョイスして戦った方が強そうだ。

……やっぱりジャスティスは失敗だったかなぁ。

今更ながら前大戦から俺たちは条約というしがらみから機体を乗り換えている。俺はSTTS-909ライジングフリーダム、シンはSTTS-808イモータルジャスティス。共にコンパス創設後にオーブ主体で新たに新造された機体たちだ。

その名を冠してることもあり、ジャスティスは近接主体、フリーダムは射撃主体の武装構成になっており、X09AとX10Aに可変形態の追加とスペックを最新にアップデートしたというのがイメージしやすい。核を積んでいないので継戦能力は劣ること、量産前提のフレーム採用やドラグーンなどの専用装備は無くなっているが総合的に見るならストフリとかよりも色々と優れている。

個人的には『自由』と『正義』を名乗ることに嫌気が差してきるが、前大戦で活躍した機体に姿を似せることで相手の戦意を削ぐ効果も兼ねている。仕方ない。

ある程度、敵を無力化したところで。

 

 

「……シンはポイントの維持。デストロイは俺が叩く」

 

「隊長!俺も行きます!」

 

「駄目だ。ジャスティスとは相性が悪い」

 

デストロイに近付くまでに被害が増える恐れがあるし、それに今のシンには荷が重すぎる。

 

「あんなものがまだあるのか……」

 

デストロイから放たれるビームを避けながら呟く。今の俺なら大して脅威にはならないが、街を焼くならこれ程、適している機体はいない。

 

「遅い」

 

分離されたアーム部をすれ違い様に一閃。もう片方は既に射出していたシールドブーメランで壊した。このシールド便利すぎる。

遠隔兵器を破壊されたデストロイに有効打となりえる武装は胸部に備えられたビーム砲しかない。

相手もそれを分かってか放つ体制を取っていた。だが、初めから敵が撃ってくることが分かってるのを止めない理由はない。既に構えていた状態でフルバーストを叩き込み、駄目押しでシールドブーメランも追加。デストロイを破壊する。

大体の機体を無力化し、この戦いの勝敗は決した。

 

「オルドリン防衛司令部より達する。この戦闘の裏にはミケールがいる!カナジを制圧し、ミケールを引きずり出せ!」

 

ブルーコスモスが撤退し始めた束の間。オルドリン防衛司令部が有りもしないことを言い始めた。守りに撤していたオルドリン守備軍がブルーコスモスへ追撃を始める。

 

「なんだって!?」

 

シン。そこで驚くなよ。お前は知ってる側だろ。

 

「警告します。ミケール大佐はここにはいません」

 

『じゃあ、何処にいるってんだ!?』

 

「それは……」

 

聴かれてしまうと回答に困る。ユーラシアに居ると言うのは簡単だ。だけど、立場的にそれを証明する証拠が出せない。

 

「これ以上は市民に被害が出ます!止まってください!」

 

「うるさい黙れ!我々の邪魔をするな!」

 

撃ってきたのでそのままサーベルで反射的に腕部を切り裂く。さっきは助けてくれ、コンパス何とかしろとか考えてた癖に形勢が変わればこれだ。議長の言っていたこともあながち間違ってなかったかもな。

 

「やめろ!戦いは終わった、もう止めるんだ!」

 

切って、撃って、撃ってまた切っての繰り返し、相手が攻撃を中止するまでそれは続いた。止まった後、辺りを見渡せば俺によって倒された機体たちの残骸の山が出来ていた。

あーあ。やっちまった。

戦いを止めに来たのに俺は何をやっているんだろう。今回もまた人がたくさん死んだ筈だ。

何故、理解し合おうとしない。

こんなことが続くならデスティニープランを受け入れた方がよかったのかもしれないと思ってしまう。

内容は到底許容出ない欠陥だらけだが、少なくとも争わない限り人は死なない。原作が否定をしたから自分も否定してしまったのは間違いだったのだろうか?

戦いに終わりが見えない。自由な時間作れない。

あの決意から約一年。俺は未だにラクスに告白出来ずにいた。

 

 

 




今週は厳しそうです。
補足ですがキラちゃんは種編終了後に精神が病んでます。最初はラクスが2人の世話をしていた感じです。
トールとフレイはオーブに所属にしており、トールはミリアリアと結婚しています。
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