星見プロの不審者   作:ねむれすねむれす

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アイプラの二次創作探したら全然なかったので自給自足。

気が付いたら星見編が終了してたのでしばらく毎日投稿です。


星見編
アイドルとは何ぞや


 アイドルとは何ぞや。

 

 歌や踊り、ビジュアルや人格やらを武器に、芸能活動を行っているタレント、という言葉的な意味ではなく、あなたにとってアイドルという存在がどういったものなのか。

 

 俺にとってアイドルとは、恋愛のような感情で心の底から応援したくなる存在だ。彼女たちの一語一句、一つの仕草さえ魅力的に感じ、それが心地よいと、好きだと感じた。

 

 彼女が一つ口ずさめば、彼女が一つ動きを加えれば、それだけで俺は胸が高鳴ったし、その存在に心を奪われていた。

 

 その感情をなんていうのかわからなかったが、俺は恋に等しいものだったと思っている。誰かが人を愛する気持ちはこういった形で現れるのだろう、と。

 

 だから、俺は彼女たちがステージに立ち続けている限り、毎回足を赴き力の限り応援し続けていた。彼女たちの言動の一つ一つを余すところなく目に脳に焼き付けるため。そして、自らの声援が彼女たちの力になれるように。

 

 そして今日も俺は、そのアイドルに向けて声を掛け続けた。

 

「遥子さーん!!今日も綺麗ですよー!!!」

 

 困ったように笑い手を振ってくれた遥子さんの姿を脳に焼き付けながら、俺は彼女のステージに全力で声を掛け続けた。

 

 ……ライブバトルには負けてしまったが、別に問題ではない。所詮採点AIに人の心など理解できないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 数か月後、いつものようにライブから帰ってきた俺は早速、今回のライブの感想をブログに書きだす。なんだかんだ二、三年続けてきたからかなりの数になっている。

 

 だらだらと感想を書くのではなく、彼女の魅力が少しでも伝わるように書きつねる。このブログは俺のために続けているわけではなく、アイドルの魅力を少しでも伝えるために始めたものだ。

 

「……うん、こんな感じかな」

 

 推敲し、納得のいく文章が出来上がったと感じた俺は、ブログを更新し、伸びをする。

 

 気が付けば日も暮れてきている。そろそろ飯の準備でもしようか。

 

「ただいまー」

 

 階下からドアが開き、そこから声が響いてきた。そういえば部活の終わる時間がこれくらいだったか。

 

 しかし、これはミスった。今ここで飯を作りに下へ向かうとあいつと鉢合わせしてしまうな。とはいえ、飯作らないと夕飯ないし……。我慢しようか。

 

 階下に降り、靴を並べていたあいつをスルーすると、俺はリビングへと向かう。冷蔵庫には何があったっけ……。

 

「うわ、もしかしてまだご飯作ってなかったの?家にいるんだからご飯くらい作っておいてよ」

 

 なんやこいつ。毎日俺が飯を作っているの忘れたのか?感謝こそされるべきであって、文句言われる筋合いなんてないんだが?

 

「……」

 

 そんな言葉を視線に乗せて睨みつけ、俺は冷蔵庫漁りを再開する。あ、ゴーヤあるじゃん。今夜はあいつの苦手なゴーヤチャンプルーを作ろうか。楽しみだ。

 

 

 

 

 

 食卓に出したゴーヤチャンプルーに文句を言われながらも飯を済ませ、俺は自室へ戻る。

 

 夜の時間にやることはSNSの周回と情報収集。SNSでアイドルたちの動向に胸を温めながらいいねし、新情報があれば盛り上がる。

 

 アイドルといっても、世界中にはたくさんのアイドルがいるからその全てを追うことはさすがにできない。だから俺は一部のアイドルだけを念入りに追っている。

 

 その一つが、星見プロダクション。アイドルではなく事務所なんだが、この事務所に所属しているアイドルに思い出があってそれから見続けている。地元ということで、バフが掛かっているのも少しはあるだろう。

 

 小規模な事務所で、所属アイドルもだいぶ人数を減らしてしまっているが、それは関係ない。俺が好きなことに間違いはない。

 

「お、新着あるじゃん」

 

 その星見プロダクションの公式ホームページを見ていると、そこにはNEWという文字が描かれたお知らせが一件追加されていた。

 

 そのお知らせにわくわくしつつ俺はそれを開く。

 

「……デビューライブのお知らせ!?」

 

 そこから俺の新たな人生は始まったのだった。

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