YU☆KI★NO VS ⅢX。I-UNITYでも戦った二組が再度戦うことにあたり、俺はバンプロと星見プロの力も借り大々的に宣伝をしてきた。
そのおかげもあってか、この一戦はネットニュースにも取り上げられ、SNSでも大賑わいを果たした。
I-UNITYには及ばないが、そこそこ大きなステージにもすでに席は満席。YU☆KI★NOとⅢXの人気もあってこのライブバトルを楽しみにしてくれていた人も多かったようだ。
ここまでたどり着けたことに一先ず安堵すると、俺は改めてYUKINOの二人に声をかけた。
「二人とも、全力で、悔いのないようにな」
「はいはい、頑張ってくるよ」
「お任せください!悪は私が成敗してきます!」
こっちも悪よりじゃね?という言葉を必死に飲み込むと、俺は二人にいつもの言葉をかける。
「有希、季乃。楽しんでこいよ」
「うん」
「はい!」
調子は絶好調だ。こちらに背を向けステージへと上がっていった二人を見届けると、俺は裏方で一人モニターの前に座り込む。
……お世辞にも今世間的な印象がよくないスリクスと、一部界隈から敵視されているYUKINO。このライブバトルをやるに当たっても色々とトラブルがあったし、言われてきたこともある。
だけどな、外野がいくら騒ごうが、本人たちは本気で、真っ当にアイドル活動やっているんだ。だからこそ、ここまでやってこれたし、この会場にまで詰めかけてくれたファン達が何よりの証明だ。
「負けてたまるものか」
ライブバトルに、ではない。人の言葉に、世間の流れに。
彼女たちが輝きたいと思っている以上、俺自身がその流れを変えてみせる。
「さぁ!因縁深きこの一戦!まずはお互いに一言いただきましょう!まずはYUKINOのお二方からどうぞ!」
「ぶっ潰します!」
「誰が相手だろうと全力でやるまで……だけど、相手がスリクスなら話は変わってくる」
気怠げ気だった有希の雰囲気ががらりと変わり、その全身に獣のような闘志を纏い、口元に笑みを浮かべる。
「今の私たちがどこまでやれるか。試させてもらうよ」
言葉とは裏腹に、負ける気など一切ないというのが伝わってくる口調。その台詞を受けてか、スリクスの面々もその本性を向きだしにした。
「へぇ?言ってくれるじゃない。口先だけじゃないことを祈っているわ」
「季乃っちも変わらず威勢の良いこと言うじゃん。でも、よく吠える犬には躾が必要かなーって」
「I-UNITYでのバトルですでに格付けは済んだとばかり思っていましたが……それでも挑んでくると言うのならば、相手になりましょう」
お互いに売り言葉に買い言葉。熱い火花が幻視するそのステージに、会場のボルテージも一気に上がっていく。
それを見た司会者は、もう前座は不要だと判断し、その言葉を紡いだ。
「それでは!早速ライブへと移りましょう!先行はⅢX!」
ライブが始まる。