アフガン与謝野   作:立体未来主義者

9 / 12
アフガン与謝野9

与謝野達は遮蔽に隠れた、間もなくバルカン砲の無慈悲な弾幕が撒かれた。薄い壁や軽車両は遮蔽にはならず破壊された。

「皆の集!射撃が止むまで身を守るなかれ!」

 耳を劈くような銃声が止んだと同時に与謝野達は集中砲火を行った、しかしアンネがそんな攻撃で怯む訳無く、バックアップのMG3を2丁持ち射撃準備を始めた。次郎が逃げ遅れ腕に弾幕が掠った以外はこの攻撃で負傷者はいなかった。

「皆!奴には中口径の弾は殆ど効かない!私が大口径の武器を持ってくる!それまで耐えてくれ!」

 ルーシュンが危険を顧みずに敵のアーモリーに向かった、アンネは移動するルーシュンに気づいてはいないようだ。

「皆の集!ルーシュンが戻るまで車載機銃でも榴弾砲でも手榴弾でも良いからアンネの装甲にダメージを与えることなかれ!」

 まだ基地には対物用の兵装が多く残されており、与謝野達はそれらの兵器を使いながらルーシュンの合流を待った。対物用の12.7mm弾がアンネの装甲にかなりのダメージを与えてはいるものの、未だに装甲を壊すことは不可能に思えてくるような耐久性は健在だった。対物兵器は高威力ではあるが固定されているため使える時間は限られている、アンネはAGSを取り出し与謝野達が使用している対物兵器を破壊し始めた。逃げ遅れた次郎が爆発に巻き込まれ重傷を負った。

「与謝野さん!僕には構わないでください!」

 次郎ならばあの怪我でも治せるだろう。与謝野はその言葉をしっかり受け取った。

 ここでアンネはバルカン砲を再び取り出し、射撃を始めた。丁度ルーシュンが武器を持ってきた。与謝野にはM110ライフル、鉄幹はそのままSCAR-H、ルーシュンはバレットM82対物ライフルとバックアップ用のM500リボルバー、次郎は治療中ではあるがFALライフルが送られた。

「皆!先程武器を持ってくる時に知った情報を教える!奴はあの装甲を装甲内蔵の機械で保持している!機会に対してチャフでもEMPでも強力電流でも衝撃でも何でもいいからダメージを与えて破壊すれば装甲は薄くなる!」

 ルーシュンのその言葉の通りに与謝野達は戦い始めた、次郎以外のメンバーは基地内にある対物兵器や先程手にした武器でアンネの装甲にダメージを与え、次郎は治療を済ませて電磁攻撃が可能な装備類を探していた。

 対物兵器と大口径武器による攻撃は先程の攻撃に比べてかなり効いてはいるが、未だにアンネにダメージが入る様子が無い。アンネは衰える事無くバルカン砲や榴弾砲による弾幕を張り、与謝野達を始末しようとしていた。戦いの中で与謝野が榴弾砲の爆発を近くで食らい、意識不明の重体になり、またルーシュンもMG3の弾幕が脚と手に当たりかなりの負傷を被った。

「次郎!早く来てくれ!晶子とルーシュンが倒れた!二人が死んでしまう!」

 鉄幹の叫びが響くが、次郎は姿を表さなかった。

 その時突如空に高速で動く物体が見えた、その物体は急降下しながらこの基地に向かって来ていた。鉄幹は敵の支援機かと思ったが、アンネが大急ぎでその物体に対して対空攻撃を行っていた為敵では無いようだ。そして距離が近くなるとその物体はMe262、メッサーシュミットである事が分かった。Me262は世界大戦末期のジェット戦闘機でありこの場にいる事自体が不可解であるが、アンネに対して攻撃を始めたという事が分かり奴が味方である事が分かった。

「…!まさか…奴はヒットレルなのか!?」

 アンネが第三帝国を恐怖のどん底に落とした後、第三帝国は世界大戦に敗北しナチス達は全員世界から散ったはずではあったが、ヒトラーだけは生き残り、アンネへの復讐をしているという話がありそれが本当ならばこの状況に辻褄が合う。Me262は機関銃射撃によりアンネの装甲を徐々に破壊させていったが、対空攻撃が命中し機動力を削がれたMe262はそのまま墜落していった。鉄幹はその時、コックピットに年を取ったちょび髭をたくわえる老人がいたのを見た。

 アンネの装甲がかなり剥がれ、かなりこちらの攻撃も効くようになったがまだ決定打を与えられない状況にあった。その時に次郎がEMPグレネードを投げた、EMPは起動しアンネの機械が機能を失ったと同時に今までの戦闘で溜まっていた衝撃が発散されたように、機械が火を上げた。アンネの装甲内部に燃え広がる火は装甲ではどうする事も無く、アンネは悲鳴を上げながらもがいていた。

「鉄幹さん!二人は僕が手当をします!鉄幹さんがアンネにトドメを!」

 アンネは恐ろしい量の装甲を脱ぎ捨てた物の、一番内部にあったMaskaヘルメット、6B43重装アーマーは身につけていたが、それだけでは鉄幹のSCAR-Hの7.62NATO弾を止めることができず、そのまま弾幕を受け続けてアンネは倒れ、動かなくなったが鉄幹は確実に息の根を止めるため、アンネの体に火をつけ再び動き出しそうなアンネに対して、口にグレネードをねじ込ませて頭を吹き飛ばし決着をつけた。

「……鉄幹…やったなかれか…?」

「ああ。しかし晶子の柔肌に傷をつけさせてしまった…本当にすまない…」

「……何を言ってるなかれか。鉄幹の顔を見られるだけでいいなかれよ…」

「…晶子」

「……鉄幹♡」

「晶子♡」

「鉄幹♡」

「晶子♡」

「鉄幹♡」

「晶子♡」

「鉄幹♡」

「晶子♡」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。