彼女たちのコズミック・イラ   作:Scorcher

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吐血回です。スリキンの周瑜さん並みに血反吐を流します。

結局アウラのロリ化は原因が明かされずじまいでしたので、APTX4869でも飲んだんじゃないの?というネタが囁かれていたので、そちらを昇華した感じになりました。

というわけで次回からが幼女姿のアウラの話となります。口調が変わらないので大差ないんですけどね。まだ女王就任前なので……


Phase12:もう一度この手にチャンスを

一人研究室へと戻り、急ぎ扉を閉めるアウラ。そしてすぐに彼女は締めた扉へもたれ掛かり、床へとへたり込むのであった。

 

「はぁ……はぁ……ダメよ。今はラクスのことなんて考えている場合でもない。今はただ、計画とオルフェたちの未来を……!」

 

そうして我が子の顔を思い出そうとするアウラであったが、それと同時に脳裏に過ったのは、オルフェを寂しそうに見つめていた少女、イングリットの顔であった。

 

「違うわ……オルフェと結ばれるのは、あの子じゃない。オルフェは必ず、彼女の子と……」

 

今は不在のギル以外には、決して打ち明けることが出来ない孤独と不安。それらは確実にアウラの心身を蝕んでいた。そして、心労と共に計画と研究に没頭していた代償は、肉体に影響をもたらす結果として現れるのであった。

 

「うぅっ……げほっ、げほぉっ!はぁっ……はぁっ……ちょっと、これは不味いかも……ね。少しは休んでおかないと……うぅぅぅ……ごほぉっ、げほっ、げほぉっ!」

 

激しく咳込み、四つん這いとなりながら休息を取ろうとベッドに向かう。しかし、そのような体勢でも身体は思うように動かず、息苦しさはさらに増していく。

 

「うぅっ……げほぉっ、ごほっ、ごほぉっ……ちょっ……ホントにまずっ……うぶぅっ!げほぉぉぉっ!!!」

 

吐瀉物を撒き散らすような声を上げて、塞ぎ切れなかった口を開いてしまうアウラ。そうして床へと吐き散らしたものは、彼女の視界を赤く染めているのであった。

 

「はぁ……はぁ……あぁぁ……今回のは本当に不味いわ。こんな姿、ギルに見られたら怒れちゃうかも……うぅっ!ごぼぉっ……!」

 

さらに苦悶の表情を浮かべ、研究室の床に血反吐を吐き散らしてしまうアウラ。それを目の当たりにした彼女は、自らが手に掛けた友人に思いを馳せる。

 

「また……部屋の床を血で汚しちゃったわ。そうね……ここで終わっちゃうのも、悪くないかも。」

 

愛していた友人が流した血と同じ色を見て、彼女は心が穏やかとなる。そして、今際の際を悟ったかのように、亡き彼女へと問いかける。

 

「ねぇ、わたし……正しいことをしているのよね。そうじゃなきゃ……わたしだけが生きている意味なんて、絶対にないもの。あなたがいない世界で……わたし……は……」

 

視界が霞み始め、全身から熱が引いていく。恐れのようなものはなく、あるのはただ想い人への悔恨と贖罪の意思だけであった。

 

「そう……よ。まだ、やるべきことが……残って……んんんぅぅぅっ!!!まだ、こんなところで……わたしは……!」

 

そうした彼女の意思が死ぬことを許さなかった。残された力を振り絞り、彼女はデスクの引き出しを開けて一つのケースを取り出す。

 

「実験は完璧じゃないけど、有効性は確認済み。副作用については……死ぬよりはマシってものよ……!」

 

ケースに内包されていた無数の錠剤。アウラはそれを適当に取り出すと、意を決して自身の口へと押し込むのであった。

 

「んむぅぅっ……んぐっ、んんっ……んっぐぅっ……!」

 

水分を摂取しないまま飲むには些か苦しくなる錠剤の量。しかし、そんな贅沢を言っている場合ではないのは明らかであった。そして、摂取した錠剤の効果はすぐに現れ始める。

 

「あぐぅっ!あっ、あぁぁぁぁぁぁっ……!!!!か、身体が……い、痛いっ……痛くて、熱くて……苦しいっ……!」

 

ありとあらゆる苦痛が一気に全身へと襲ってくるような感覚。いっそのこと死んでしまったほうが楽だと思えるほど激痛が彼女の身体を駆け巡る。

 

「あぐぁっ!!!あぁっ……くぅっ……ダメよ、諦めたら……そこでもう終わり……あぎぃっ、あっ、あ゛ぁ゛ぁ゛!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

 

おおよそ人とも思えぬような悲鳴が研究室内に響き渡る。命が尽き果てる断末魔のごとき叫び声。そしてその直後、室内には静寂が訪れるのであった。

 

 

 

 

 

 

「アウラっ、おいっ、しっかりしろ!アウラっ!」

 

ベッドに横たわるアウラに必死の呼びかけをしているギル。その声に彼女は微かに反応を示し、微睡みから解放されるかのように閉じていた目を開く。

 

「ん……んんっ……んぅぅ?あれ……ギル?」

「はぁぁぁ……もう本当にダメなのかと思ったぞ。それに、一体何をすればこんなことになるというんだ。」

 

目を覚ましたアウラに安堵しつつも、困惑の色を浮かべ続けているギル。そうした様子の彼を前に、彼女は状況が飲み込めないまま起き上がる。

 

「何をそんな慌てているのよ。私はただ、調子が悪かったからベッドで寝ていただけ……あら?」

 

自らの身体に生じた違和感。着ていたはずの衣服の感覚がなく、単なる布地に包まれているような肌触り。そして、いま声を発していたギルの姿を見て、彼女は問わずにいられなかった。

 

「ギル、あなたまたずいぶんと大きくなったわね。最後に会ったのなんて数週間前だというのに。」

「はぁ……落ち着いてくれアウラ。別に僕が大きくなったわけじゃない。あなたが小さくなって、周囲のものが大きく感じるようになったんだ。」

「えっ……?あっ……」

 

そうして自らが発する声、視線を落として確認する、衣類に収まった自らの両手。そして、彼女はようやく思い出す。自身がどのような選択をして、どのような身体と化したのかを。

 

「はぁ……どうやら、私にはまだ生きる意志が……本当に残っていたのね。」

 

呆れたよう言葉を発した彼女の声は、幼き少女のようなものであった。そしてそれは声だけに留まらず、アウラの肉体全てを幼き少女へと作り変えていたのであった。

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