転生して無能貴族に!? 赤子で捨てられ美少女悪魔に拾われるも超絶過保護だった件〜気づけば悪の道に、そして魔族の王って正気ですか? 俺が望むスローライフはまだ遠いようです〜   作:冬ノゆきね

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31話 NTR展開!?

 しばらく暗い林道を歩いていると、一台の馬車が俺達の前に停まった。

 よくありがちなパターンだとここで知り合いが出てきて一緒に乗る、みたいな感じなのだが、それはそれで大変ありがたいことだ。

 なぜなら万年運動不足の俺にとってはもう足がとっくの前に限界がきているからだ。結局、特殊な体質でも運動不足には人間抗えないってことか。

 

 扉が開くと、馬車から顔を出したのは――清楚な格好した見知らぬお爺さんだった。

 スーツに蝶ネクタイといったいかにも紳士らしい格好をしている。

 だがその紳士ぶりは格好だけではなかったようで、

 

「旅のお方ですね。同席いかがですか?」

「いや、でも……」

「さあ、どうぞどうぞ。お連れさんも一緒に。支払いはこの爺が全額負担しますので」

 

 そこまで言ってくれている人の優しさを無碍にはできない。

 ということで、俺たちは馬車に乗り込んだ。

 しかし、何で俺だけ一人で座らなきゃならない。

 

「いやぁ~こんな美人なお連れさんに挟まれて爺は幸せで、もう泣きそうに」

 

 そうだ、ご想像の通りだ。

 今、俺の正面では一人の爺さんが美女二人に挟まれるといった童貞からしたら理不尽極まりない光景が広がっているのだ。

 

 なぜ、理不尽かって?

 

 そんなの決まってる。

 両手で美女の肩をお触りしながら、いい匂いを嗅いでイチャイチャなんて見てる側からしたらもはや半殺し状態。

 俺も経験したい、同じことしてみたい。

 そういう願望が男なら心の底から湧き上がってくるもんだ。おまけにいつもなら人族(ヒューマン)を雑種扱いする姉ちゃんですら今回はなんか楽しそうにしている。

 ユリアナに限っては頬を赤くして照れているようにも見える。

 

 俺は今すぐ叫びたい。

 そんな爺さんの何がいいのか! と。

 正面にいるのは、ただの紳士な素振りをしたエロ爺そのものだ。

 

「うふふふ、二人とも美人さんだね。爺と一緒に楽しいことでもいかがかな?」

「もう~嫌ですわオジサマ」

 

 おいおい姉ちゃんがメロメロになってんじゃねぇか。

 それにユリアナはずっと爺さんの肩にもたれかかっている。

 やっぱりおかしい……この爺さん二人に何かしたか? これじゃ俗にいうNTR展開じゃねぇか!

 

「爺さんその二人は――」

「うるさいガキだな。少し眠ってなさい」

 

 俺はプシュッと謎の液体を顔にかけられた。

 その影響か睡魔が急に襲い始めた。

 やられた、即効性の眠り薬か……このままじゃ姉ちゃんとユリアナが……。

 

「この二人は爺の所有物にさせていただきますね。このたわわな果実、むっちりとした軟モモ堪能いたしましょう。この成長過程の娘もそそられる」

「お前、どうなるかわかって――」

 

 意識は完全途絶えた。

 

 

「ヒヒーン!」といった声に反応し、俺は目覚めた。

 だがしかし馬車にはすでに誰の姿もなく、慌てて外に出ると、そこには海を見つめ髪を掻き上げた姉ちゃんとユリアナの姿があった。

 その光景に俺は思わずドキッとしてしまう。

 いやいや、そんなことより昨夜のエロ爺はどこ行った。

 

「姉ちゃん、ユリアナあのエロ爺は?」

「起きたのねネオ君。大丈夫よ心配しなくてもきっちりと全額負担してもらったから」

「いや、金のことじゃなくて」

「ちゃんと送り出したから……気にしなくていいのよ」

 

 不敵な笑みを浮かべる姉ちゃん。

 それを見てユリアナは身体をビクビクと震わせ、話そうとしても恐怖からか呂律が回っていない。

 多分、あのエロ爺はこの世に……なんてな。

 まあ俺の妄想癖はこのくらいにして置こう。

 

 それにとうとう着いたな海洋都市アトランティアに。

 この都市を囲んでいるのは、広大な海そのもの。その割には文明的にも王国より発展しているように思える。内陸とは大きな橋で繋がれており、唯一のルートであるその橋を通って物資を輸入したり、輸出したりしているようだ。

 

「ここからは私が案内するわ」

 

 ユリアナはドヤ顔を浮かべ自信満々にそう言った。

 一度、きたことがあるのか?

 でも本人がそう言ってるな等お言葉に甘え任せよう。

 さっきまでの震えもなくなってるようだし。

 

「俺と姉ちゃんは大人しくしてるから、任せるぞユリアナ」

 

 俺はユリアナの肩を強く掴んだ。

 そして顔を近づけると、一瞬で目を逸らされた。

 理由はわからん。けどちょっぴりショックだ。

 照れているのか?

 それとも俺、嫌われた?

 

「姉ちゃん、俺」

「あれはネオ君のこと嫌いになったのね。でもお姉ちゃんがずっと一緒に――」

「うん、ユリアナは嫌ってないな。照れてるだけか」

「な、何でわかったの?」

「姉ちゃんは俺を独り占めしようとするからな。それが根拠だ」

「お姉ちゃんはそんなキャラじゃない! 確かにネオ君のこと大好きだけど、そんな卑怯なこと――」

「ほんとは?」

「ユリアナを蹴落としてお姉ちゃんのものに……あ、ち、ちゃうの! 気のせいよ!」

 

 もういいや、このまま問い詰めても結局は話を持って行かれる。なんたって悪魔だから状況掌握能力が半端ないからな。

 色々と諦めた俺は、先に行くユリアナの背中を追いかけた。

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