転生して無能貴族に!? 赤子で捨てられ美少女悪魔に拾われるも超絶過保護だった件〜気づけば悪の道に、そして魔族の王って正気ですか? 俺が望むスローライフはまだ遠いようです〜 作:冬ノゆきね
せっかくだから父さん、母さんの様子も見に行きたいが、もしかしたら巻き込んでしまうかもしれない。
それよりも王国に従軍を命じられ、徴収されている可能性だってある。
姉ちゃんは別として、幸い俺とユリアナはもう魔国に戸籍を置いている形になる。
でも姉貴の方はそろそろ徴収されてもおかしくない、はずなんだが。
「姉貴、徴収の方は?」
「あれ? 知らないのですか?」
「何が?」
「王国の制度のことです。大々的に徴収と言ってはいますが、実際は年齢制限が設けられていて三十代以上の男女、もしくは学園に準ずる者です」
「ということは、姉貴は対象外ってことか。だったら父さんと母さんは?」
「母上は魔道士として、父上は貴族としての従軍となりますね」
てっきり姉貴も従軍かと思ったが、そうではなかった。が、しかし代わりに父さんと母さんが戦に行くとなると俺からしてみればもう他人事ではない。
それにサラのことだって心配だ。
今は俺が裏切ったのだと信じているみたいだし、ああ強く見せていたが、かなりショックを受けたはずだ。
またやるべきことが増えたって感じだな。
どうやったらこの戦を止められる?
父さん母さんはもちろん、サラに傷ついて欲しくない。
だったら覚悟を決めるか……対象の敵ができれば両国も手を結び争わずに済むかもしれない。
俺は姉ちゃんにとある提案をした。
「姉ちゃん、俺を魔国に連れて行ってくれ」
「何でそんなに行きたいの。ああ~そういうことなのね。お姉ちゃんの結果する決心が――」
「父さんと母さん、サラも救える方法を探すため」
「ダメ!! お姉ちゃんは学園を卒業してから就職させてあげるって言っただけ」
「やっぱりそうだよな……だったら俺は今からアズルレーンまで一人で行く」
「それもダメよ。ネオ君がケガしちゃうじゃない」
「だったらどうしろっていうんだ!!」
「よく考えてみて。ネオ君は魔王の力を手にした。いわば
姉ちゃんが何を言わんとしているかはわかる。
その魔王の力を使って大切な人を守れ、と言いたいのだろう。しかし現にもう開戦してる状態だ。
決着をつけようにも、両国の最高権威者を討たなければ収集はつかない。
そうか……いいこと思いついたぞ。
ここはイザベル教団と
「姉貴、アズルレーンは俺と姉ちゃんが殺したヤクモ以外に勇者を召喚したのか?」
「そのようですね。不確かな情報ではありますが、前勇者よりも強大な力を持っていると報告が上がっていたような」
「海洋都市アトランティアには他の勇者の存在は?」
「隣国のことまではさすがに……」
「ユリアナはどうだ?」
「残念だけど私も情報は持ってないわ」
なのだとしたら、どうやって
そこが疑問で仕方がない。一般兵やこの世界に住む人間ではあの強大な力に対抗するのはほぼほぼ不可能といえるだろう。
なぜなら、あの魔法と魔術の才を持つユリアナでさえ、あっさりと敗北したんだからな。
というより、
ヤクモでいう大蛇の召喚。
ケントの圧倒的な能力向上。あの化け物ケントのような。
「姉ちゃん聞きたいんだが、イザベル教団は関与してくると思う?」
「してくらでしょうね間違いなく。だってエリスはもともと戦の女神だから」
「そうだとしたら自ら顕現して勇者を始末するなんてことは?」
「ないかな。一時的に信者に人智を超えた力を授けるくらいはすると思うけど」
俺の考えは決まった。
今からすぐに戦場へと出向き、まずは転生者とそのイザベル信者をぶつける。
そして弱ったところで俺が叩きのめす。
はい、それですべてが解決。
この戦犯は勇者ってことにもできるし、この際イザベル教団のせいにしてしまうのもアリだ。
死人に口なし、とはこのことだな。
まあ、俺、何も悪いことしてないけど。
でも問題はどう衝突させるかだが……ここは二手に分かれて行動するか。
「姉貴とユリアナはどんな方法でもいい。戦場の前線に勇者を誘導して欲しい」
「なぜ、わたしが?」
姉貴はどうやら不満のようだ。
そりゃ再開してすぐ俺の都合に振り回されてるからそう思うのも当然のことだ。けど、今は姉貴しか頼れる人がいない。
そこそこ顔が広くて、色々と融通が効く人物。
仮にユリアナがオブリージュ家にまだ跡取りとして行動していたとしたら、間違いなくユリアナに頼んでいただろう。
なんたって彼女は公爵家で四大貴族の一つのご息女だからな。
だが、今は違う。
身分も立場も平民と変わらない。
結局というか、だったらうのか頼れるのは姉貴しかいないわけだ。