クワイエット・ゼロ戦記   作:カラテマ

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06 本社フロントへ

病院での出迎えの仕事を終えたペトラ・イッタは、急ぎジェターク寮へと取って返していた。

出発予定時刻までもう6時間を切っている。ぐずぐずしている暇はない。出港の手続きやジェターク寮艦の始動準備などはすでに他の生徒がやってくれているはずだが、寮のドックにあるモビルスーツを艦に運び込む仕事は自分とカミルが主導しなければいけない。それに、まだラウダ・ニールが見つかったという連絡も入っていない。

「このクソ忙しいときに何やってるんだよ、あの人は……っ!」

ぶつくさとぼやきながら寮まで戻り、玄関に入った直後、

 

「本当に済まなかったね、みんな。長いこと連絡を絶ってしまって」

「まったくお前ら兄弟ときたら、二人揃って俺に心配ばかりかけてくれる」

「悪かったよ、カミル」

 

その当人が寮生たちと会話しているのが視界に入り、ペトラは固まった。

大口を開けて硬直した後輩を、いち早くカミルが発見し、笑いかける。

「おお、ペトラ。このとおりラウダが見つかったぞ。ついさっきな。

 こいつ、どこにいたと思う? 寮の格納庫だ。例の新型をじっと見上げていてな。そのまま乗り込んでどこかへ飛んで行くんじゃないかって形相だったんだぞ」

「よせよ、カミル。僕がそんな真似をするわけ無いだろう?」

穏やかに笑うラウダは、いつもの彼と変わりないように見える。

それを確認したペトラは、ほっと胸をなでおろした。

「もう、本当に心配しましたよ、ラウダ先輩……。一日半も音信不通だったんですから」

「ごめんよ、ペトラ。いろいろと考え事があって、どうしても一人になりたかったんだ」

ラウダが申し訳なさそうに頭を下げたので、ペトラも何も言えなくなってしまった。

 

グエルがスレッタに敗北を喫して以後のラウダの苦労の日々は、身近にいたペトラも共有している。最近の兄の変わりようについて、彼がひそかに心を痛めていたことも知っている。

それゆえペトラは、これ以上ラウダの心の傷に踏み込むことを躊躇ってしまった。

 

そのラウダは、ペトラに称賛の笑顔を向けてくる。

「僕がいない間に起こったことはフェルシーから聞いたよ。悪い大人に騙されて無理やりガンダムに乗せられていた子供の命を、君が救ってあげたんだって? 凄いよ、ペトラ」

「い、いえ……私は大したことなんてしてないですし。

 というか、その説明はあんまり正しくないと言うか……」

どうもあの一連の出来事について、ラウダはフェルシーからかなり不正確な話を聞いたようだ。テロリストの少女二人は騙されていたのかも知れないが、少なくとも、自分の意志でガンダムに乗っていたはずだ。

ラウダの誤解をこの場で解くべきかペトラが迷っていると、相手はすぐに話題を切り替えてきた。こちらこそが大事と言わんばかりに。

 

「それから……兄さんを止めに、これから本社フロントに向かうんだってね?」

 

そう確認してくるラウダの瞳の奥に、一瞬、何か黒いものがよぎったような気がした。

なんだ? と疑問に思うも、ペトラにはその正体がわからない。不安を覚えながらも、首を縦に振るしかない。

「みんなで決めたんです。グエル先輩がやろうとしていることが、どう見ても無謀だったら全員で止める。勝算があるならみんなで助けるって」

「ジェターク寮は皆、兄さんのことを心から心配してくれているんだね。本当にありがたいよ」

ラウダの声は、先程と変わらぬ穏やかなもの。だが、その表情はどこか不自然に思える。

胸騒ぎを覚えたペトラだったが、相手の感情に探りを入れることはできなかった。カミルが出発準備の再開を促してきたからだ。

「よし、そろそろメカニック連中はモビルスーツの搬入作業に戻るぞ!

 ペトラ、俺たちは例の新型の仕様書をもう一度確認だ。ダリルバルデで試験したアレ、使えるかもしれん」

「あ、はい! 複座型コックピットですね!」

カミルにうなずきを返すと、ペトラはラウダに顔を向け、頭を下げた。行ってきます、と。

 

ああ、と答えたラウダの表情は、やはり穏やかなままだった。

彼が次の瞬間にぼそりとつぶやいた言葉も、誰の耳にも入らなかった。

「必ず止める。必ず連れ帰るよ、兄さん。どんな手を使ってでも」

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

クワイエット・ゼロという突発的な危機に際し、ブリオン社は急遽幹部会を開いて対応を協議したが、積極派と消極派で意見が対立し会議は紛糾、結論は出なかった。上層部の方針が定まらないままでは、パイロットやメカニックなどの会社スタッフを本社フロントに派遣することは不可能。

しかしながらこのまま事態を座して静観するようだと、問題解決後にグループ中から吊るし上げを喰らいそうで嫌だ。

よって、ブリオン社の機材を現場判断でグループ関連企業に貸し出す行為については黙認する。各自やりすぎない程度に適当に新総裁に助力すべし。

 

「――ってのが、ウチの会社の現在の方針ってワケ」

セセリア・ドートがやれやれと首を振ったところで、マルタン・アップモントは全力でツッコミを入れた。

「ざっくりしすぎじゃないかな!? 説明も方針も!」

「呑気すぎるしいい加減すぎるし日和見すぎるだろ……大丈夫なのかよブリオン社」

マルタンの隣に立つチュアチュリー・パンランチも、呆れたような表情で同意する。

だがセセリアは鼻で笑っただけだった。

「ウチの会社なんてこんなモンよぉ。平和な日常に慣れきって、緊急事態にはろくな対応もできやしない。

 御三家に尻尾を振るのがお仕事の連中に期待するだけムダムダ」

平然と自社をくさすセセリアに、さしものチュチュも唖然とする。さすがは経営戦略科の煽りモンスター、たとえ相手が身内であろうと遠慮はないらしい。

 

チュチュとマルタンが立っているのは学園フロントの宇宙港だ。本社フロントへの出発に向け、株式会社ガンダム所有の宇宙船に必要な荷物を積み込んでいる最中だった。

そこへ、セセリアとロウジの二人がカーゴに乗ってやってきた。そして、助手席から降りたセセリアが開口一番に述べたのが、保身的にもほどがあるブリオン社の方針だったのだ。

 

「まー、とはいえ。機材の貸し出しについては現場の判断に任せるって明言してくれたわけだから」

にんまりと笑うと、セセリアは乗ってきたカーゴを親指で示した。

「テストのために学園に持ち込んでた新型モビルスーツとその予備パーツを、応援として貸すことにしたのよ。私の判断でね」

おお、とマルタンが感嘆の声を上げる。流石セセリア、普段から態度がデカいのは伊達じゃない。会社からの許可があるとはいえ、こうも迅速に新型を差し出す判断を下すとは。

が、セセリアの話はそこで終わらない。

「ただねえ。ちょうど今、ブリオン寮の船がどれも出払ってて……すぐに本社フロントへ移動させることができないのよね」

そして彼女は、地球寮の船を指で指しながら、悪びれもせずに言ってのけた。

「てなわけで、アンタらが本社に行くついでに、ウチの新型を運んでやって頂戴。ロハで」

「はあっ!?」

即座にチュチュが青筋を立てた。頭上に拳を振り上げて怒鳴る。

「ウチの船をタダで使おうってのかよ! ふざけんな! 運送代、耳を揃えて払いやがれ!」

「それくらいサービスしてよね。全人類の危機でしょ? 今」

「それとこれとは話が別だっ! あーしらの財政は常にカツカツなんだ、タダ乗りなんか許すかよっ!

 ……実はもう許しちまってるけど、あいつで最後だっ!」

振り上げた拳とは逆の手で、チュチュは船の搬入口を指さした。

そこでは二人の人間が、ニカの指示に従って作業に勤しんでいる。片方は長身の青年、そしてもう片方は――

チュチュの指差す方を見やったセセリアが、へえ、と声を漏らした。

 

「ノレア・デュノク、だっけ? 例のテロリストの。

 あんたらの船で運んであげることにしたんだ?」

 

既にあの少女については、昨日のテロ未遂の経緯とともにセセリアもニカからあらましを聞いた。

スペーシアンを憎み、安全な学園を憎み、そしてその学園に通う地球寮の人々に憎しみを募らせていた少女。だが今は、友人であるソフィの命を救うために憎しみを捨て、スペーシアンに協力を申し出たのだという。

とはいえ、

「ランブルリングのときにアンタらも襲われたんでしょ? よく乗せてあげることにしたわねぇ」

そう水を向けると、チュチュは頭上の拳をぶんぶんと振り回し始めた。

「仕方ねえだろっ!? すごい低姿勢でひたすら頼み込まれて、あーしがどんなに怒鳴ってもすいませんご迷惑をおかけしましたどうかお願いしますって平謝りされてよぉ! あとなんかエランの野郎が何度もフォロー入れてきてウザいしっ!

 あーしだってニカ姉を傷つけたヤツなんか絶対に受け入れたくなかったけど、最後はあーしが虐めてるみたいになっちまったし……っ!」

拳の勢いとは裏腹に、チュチュの声がだんだんと力を失っていく。

きまり悪げに黙り込んでしまった彼女のあとを、マルタンが引き継いだ。

「もちろん僕たちとしても、ノレアの行為を許したわけじゃない。

 でも、今は状況が状況だ。スレッタの助けになってくれるなら、過去のことはいったん脇において、彼女の協力を受け入れるべきだって結論になったんだ。

 いちおうは、ノレアも心を入れ替えてくれたみたいだし」

「へえ……」

セセリアは改めてノレアを観察する。

 

ニカの指示に従って忙しく荷を運び込むその姿は、確かに真面目に働いているように見える。一見すれば改心したように見えなくもない。

だがその顔を遠目から見る限り、明らかに周囲と打ち解けた表情ではない。あの口を引き結んだ仏頂面は、自らの本心を喉の奥に押し込めていることの現れだろう。

 

つまりあの少女は今、すべての不満を飲み込んで、なりふり構わずどんな手段を使ってでも自らの友人を救おうとしている、というわけだ。

 

ふふ、とセセリアは笑った。

いつもの嘲笑ではなく、納得するような笑みだった。

「誰も彼も、強者も弱者も、金持ちも貧乏人も。事ここに至って、みんな必死ってワケか」

だったら私も、少しばかり必死にならなきゃいけないのかもね。

胸中でひとりごちたあと、セセリアは首の向きを元に戻した。

不機嫌に黙り込むチュチュと、その横に立つマルタンに告げる。

「てなワケで――ウチの新型と一緒に、私とロウジも本社フロントに輸送して欲しいんだけど」

「はああああっ!?」

チュチュの怒りが再度爆発した。

「モビルスーツだけじゃなくお前らまでタダ乗りかよ!? ていうか、てなワケってどういうワケだよっ!? ぜんぜん意味がわかんねーぞ!?」

「えっと、君たちも本社に行くの……? なんで……?」

二人からの問いかけに、セセリアは背後のカーゴの運転席をちらと見やる。

「ロウジはクワイエット・ゼロってのに興味があるんだってさ。で、私は」

セセリアは制服の内ポケットに手をやった。

端末を取り出し、その表示を一瞥する。画面には新着メールが来たことを知らせる文章が表示されていた。

「ちょうど今、転職希望者から相談を受けててね。ソイツからいろいろと役立つ情報を引き出せそうなのよ。

 でも情報はスピードが命。私がここからメールを転送するより、本社で直接指揮官に伝える方がいいと思ってね」

そして彼女は頭を横に傾けた。約15度、他人を挑発する角度だ。

「今は状況が状況でしょ? 乗車料も運搬料も無料サービスでお願いするわねぇ」

「ふッざけんなああああああ!!! 金持ってるヤツが貧乏人相手にタカってんじゃねぇぇぇ!」

「余計な出費を極力カットしてるからこそ、お金持ちになれるのよぉ?」

「タダ乗りを要求した上に金持ちマウントまで取ってくるんじゃねぇーよ! ブン殴るぞコラぁぁぁ!」

かくて、おろおろするマルタンをよそに二人の少女の口論が始まる。

とはいえセセリアは余裕綽々。値切りは彼女の得意技の一つだからだ。

 

適当にチュチュをあしらいつつ、セセリアはもういちど地球寮の船の搬入口を見た。

あのテロリストの少女は、長身の青年と、さらにもう一人――スレッタ・マーキュリーを伴って、船を出ていくところだった。

その組み合わせが何を意味するのかは、セセリアにはよく分からなかったが。

「ま、がんばって」

誰にともなくそうつぶやいてから、セセリアは値切り交渉に戻ったのだった。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

「強化人士はガンダムを扱うための消費パーツだからね。ソフィやノレアと同じさ。

 ……それでもアイツは、少なくとも僕が見た限りでは、最後は満足げだったよ」

夕暮れの色の空の下で、青年は、語りを終えた。

ベンチに座って聞き入っていたスレッタ・マーキュリーが、袖口で涙を拭う。

 

本社フロントへの出発予定時刻まであと3時間。

その最後の時間を使って、青年はスレッタとともに宇宙港近くの公園に出向き、そこで自分の前任者――強化人士4号とナンバリングされた人間のことを伝えていた。

命を削ってガンダムに乗り続け、スレッタに決闘を挑み、そしてその身に限界を迎えたために処分された同僚のことを。

「アイツは、君と知り合えてよかったと思うよ。

 それまでは生きることに何の意味も見いだせなかったのに、君と決闘してからの数日は、とても充実してた――少なくとも僕には、そう見えた」

青年がそう言って慰めるも、スレッタは下を向いたままだった。

「本当に、そうなんでしょうか……。もっとわたしが、ちゃんとエランさんと話せていれば。わたしが決闘を拒否していたら、もしかしたらあの人は、命を落とさずに済んだかも知れない」

青年が予想していたよりもずっと、少女の自責の念は強かったようだ。

気休めに過ぎないと自覚しつつも、青年は言葉を重ねる。

「なんでもかんでも自分のせいにしちゃいけない。アイツの場合、君一人が頑張ればどうにかなるような状況じゃなかった。それにアイツは、一言も恨みなんて口にしなかったよ。

 ……だから、君が責任を感じる必要はないさ」

その呼びかけに、返答はない。

青年がちらりと見やると、スレッタはまだ、ぐしぐしと涙を拭っていた。

「…………」

青年は天を仰ぐ。

スレッタ・マーキュリー。何の義理もないにも関わらずソフィの命を救ってくれた恩人。実の母親に人生を弄ばれ、捨てられた少女。そんな境遇に置かれながらも、誰のせいにもせず、開き直りもせず、自らの意志で家族の暴挙を止めようとする人間。

できれば、少しでも力づける言葉を与えてやりたかった。だが彼には――自分の命を守るために逃げ続けてきた青年の中には、少女に示せるような信念は培われていない。

結局彼は、中途半端なセリフを口にするしかなかった。

「君も、逃げないんだな。

 逃げたって構わないのに、死ぬかもしれないのに、自分のせいじゃないのに、守るために踏みとどまるのか。

 ……あいつみたいに」

脳裏をよぎるのは、さきほど見舞ったばかりの知り合い。

生まれた直後に親から捨てられ、ろくに教育も受けられず、使い捨ての部品としてしか扱われなかったのに、それでも友人の命を守るためにガンダムに乗って戦った少女、ソフィ・プロネ。

スレッタもそれを察したのか、こくんと一つ、うなずいた。

「わたしも、守りたいんです。みんな大好きだから。ミオリネさんも、ニカさんも、チュチュ先輩も、リリッケさんもアリヤさんも、マルタンさんもティルさんもヌーノさんもオジェロさんも……あと、ペトラさんやフェルシーさんも、グエルさんも」

この学園で親しくなった人々を指折り数えてから、

「みんなを命の危機に晒したくない。だから、わたしができることをしたいんです。やるべきことをやらずに後悔するなんてこと、もう二度としたくないから」

指を拳の形に握りしめ、スレッタはそう断言する。

彼女が水星で歩んできた人生が、少しだけ垣間見えた気がした。

 

……参ったなあ。

 

青年は嘆息する。

どうにもこの娘にはかなわない。逃げてばかりだった自分には、かける言葉すら見つからない。

なんてことを思っていたら、急にスレッタが話しかけてきた。

「あなたも、ですよね? ……守るために、踏みとどまった……んですよね?」

「えっ?」

意外なセリフに、疑問符を返す。するとスレッタは微笑み、公園の入り口のほうを見やった。

青年もつられてそちらに顔を向けてみれば、もう一人の知り合いが、こちらをじっと見ていた。少しばかり憮然とした表情で。

ノレア・デュノクは、改めてスレッタに感謝を述べたあと、プライベートに立ち入ることはしたくないと、ずっとそこで自分たちの用事が済むのを待っていたのだった。

青年は苦笑する。

「……バレてた?」

「バレてたというか、バレバレというか……。エランさん、ずっとノレアさんの傍から離れないし」

「えーと……僕、そんなに引っ付いてたかな?」

「ずっとつきっきりでしたよ? リリッケさんなんて、あの二人絶対にデキてますよね、って真剣に語ってましたし」

「そういう仲じゃないかなあ。残念ながら」

少し元気が戻ったらしいスレッタは、年頃の少女らしく恋バナに持っていこうとする。だが、青年は微笑みながら首を横に振った。

 

ソフィから、守ってくれと託された。

何よりも、臆病で繊細なその心を、放っておくことができなかった。

 

「僕はあいつを守らなきゃいけない。だから踏みとどまった。

 それは確かに事実だけど、でも、それだけだよ。それ以上もそれ以外もないさ」

 

そう言い置いて、青年は立ち上がった。そろそろ時間だ。

「悪いけど、僕はもう港に戻るよ。積み荷がまだ少し残ってるから」

「あ、はい。わたしも……」

「君は落ち着くまでゆっくりしていくといい。くれぐれも無理はしないで。大変なのはこれからだしね」

そう言い残して、青年は少女の元を離れる。

 

もう自分からスレッタに伝えることは残っていない。今は悲しみに暮れる彼女も、いずれベンチから立ち上がり、本社フロントへ向かう船に乗り込むだろう。

ならば今、自分がやるべきことは――

 

「やあ、お待たせ。さ、港に戻ろうか」

「……ずいぶんと楽しそうに会話してたわね」

「別に楽しい話なんてしてないけど……あれ、もしかして妬いてる?」

「何をバカなこと。私が貴方に妬くはずがないでしょ。決戦前にあんな呑気な顔ができることに呆れてるだけ」

「はいはい、そういうことにしとくよ」

 

この傷つきやすい少女を守ってやること。スレッタに宣言したとおり、それが今の自分の役目であるに違いない。

青年はもう一度苦笑したのち、横にノレアを伴って、宇宙港への道を歩き始めたのだった。

 

 

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