僕の名前はマルス。
今日は、初心者の塔攻略の日。
こんなダメな僕だって買ってくれた。
冒険に連れて行ってくれた。
魔法も使えない僕に。
だから僕は、ご主人様のために頑張る。
今日集まった初心者は八人。
一人は貴族。二人はその従属している者。残りは三人は平民、もしくは冒険者予備軍。そして奴隷が僕と、もう一人。
「あの、すいません。君も奴隷なの?」
「すみません。」
みすぼらしいかっこうの少女。
そんな装備で大丈夫かな?
「こっちこそ、すいません。」
「いえ、私の方こそすみません。」
彼女は、エルフの様だ。
エルフの奴隷は、珍しいな。
なんとなく話しかけちゃったけど大丈夫だったかな?
「僕も奴隷なんだ。」
「え?
でも、普通の服や装備をしていますが?」
「ご主人様、いや、ソーマさんに買って頂いたんです。」
「なるほど。よいご主人様に買っていただいたのですね。」
「そういえば、名前。聞いていいですか?」
「クリスタと申します。よろしくお願いします。」
「すいません。こちらこそ、よろしくお願いします。マルスです。」
「こちらこそ、すみません。」
「クリスタさんは、どちらの奴隷なんですか?」
「えっ」
「すいません。ぶしつけでした。」
「いえ、大丈夫です。私のご主人様は、貴族のノマーニ・シェッヘンシブという者です。シェッヘンシブ家の時期当主と噂されるお方です。」
「貴族の家の奴隷がなぜ初心者の塔に?」
「おそらく、ノマーニ様のご気分ではないかと。ある日突然、初心者の塔の攻略に出よとのご命令でしたので。」
「そんな理由で!
大丈夫なんですか。実戦経験とかないんですよね?」
「無いので不安ですが、仕事で失敗してお仕置きされるよりマシですから。」
「この、ダンジョンでは僕が守りますから。」
「ひゃっ。すみません。ありがとうございます。」
僕だって、ソーマさんみたいに誰かを守れる男になるんだ。
「おい!そこの奴隷。出発だぞ。足を引っ張るなよ。」
「はーっはっは。奴隷は僕達の盾にでもなればいいんだ。」
貴族の男と、その従属がこちらを、バカにして笑っている。
「おいおい。実力がないからって吠えるなよ。余計弱く見えるぜ。」
「すいません。僕が遅いのが悪いんです。」
「ちっ、まーお前がいいっていうならいいんだけど。」
「守っていただいたのに申し訳ございません。」
「守っていただいて、ありがとうございます。お名前を聞いてもよろしいですか。」
「俺は、サーフってもんだ。冒険者になる予定だ。だから、言葉遣いも気にしないでくれ。俺は強い奴が好きなんだ。あそこの弱そうな貴族よりお前の方がよっぽど話が会いそうだ。」
「僕は、マルスです。僕の、ご主人様が冒険者なんです。それで僕も連れて行って貰った事があるんです。」
「なるほど。実戦経験者か。雰囲気が他のやつと違う訳だ。よろしくな。」
「よ、よろしく。」
「私は、クリスタです。よろしく。」
「よし。じゃあそろそろ行こうぜ。」
貴族のグループは、先に行った様だ。僕達も初心者の塔にはいった。
いよいよだ。
今日、このダンジョンを攻略して、魔法をゲットしてソーマさんの役に立てる様になるんだ。
初心者の塔。一階層。
一階層のモンスターはゴブリンだ。
ゴブリンは、一昨日、戦ってる。
なんとかなるはずだ。
ゴブリンが棒を振って攻撃してくる。
俺は、盾でしっかり防御する。
そして、ゴブリンに一撃。
「マルス、すげえな。戦い慣れてる感じするな。」
「すごいです。マルスさん。」
なんだかんだで、マルス、シルビア、サーフの三人は仲良くなっていく。
「次のは、俺の番だな。」
サーフがゴブリンに、斬りかかる。
若干、力まかせのところはあるが、しっかりゴブリンを倒す。
「私だって。頑張るんです。」
シルビアは、弓矢を使っている。
しっかり狙ってゴブリンを射抜く。
「すごいよ。二人とも。僕よりもセンスがあるよ。羨ましいくらい。」
「これならいける。三人で一緒に突破しよう。」
「はい。」
三人は、一階層を無事に突破。