異世界に来た!   作:真っ黒な雰囲気

18 / 24
18話

俺は、ソーマ。

今日は、マルスが初心者の塔に行く日。正直心配だ。

 

今日は、俺が一緒にいてやれない。

 

ゴブリン討伐でかなりモンスターとの戦闘に慣れたはずだ。

それに一人じゃない。マルスの他に七人、初心者がいるみたい。

みんなと、仲良くやってくれるといいんだが。

 

って俺は親か!

 

あいつも冒険者になる男だ。

一人で対処しないといけない時もある。やってくれるはずさ。

 

あー。落ち着かない。

 

マルスが、来た。準備はしっかりしてるみたいだな。よかった。

 

「マルス。お前はゴブリンの群れとの戦いの実戦経験だってある。大丈夫だ。自信を持って行ってこい。だが、無茶だけはしないでくれ。無理なら引き返してくれても構わない。これは、念のためだ。薬草を持っていけるだけ持っていってくれ。」

 

「すいません。おはようございます。頑張って魔法を使えるようになって帰ってきます。」

 

よし。行ってこい。

出来るだけ早く帰ってくるんだぞ?

 

あ!

これが、親の気持ちってやつなのか。

何を考えてるんだ俺は。

 

俺はまだ17歳だぞ。

いかんいかん。

 

とりあえず宿へ戻ろう。

カノンを迎えに行かないと。

 

宿に戻った。

カノンまだ寝ていた。

昨日は無理させちゃったからな。

 

カノンの寝顔を見ながら頭を撫でる。

 

猫耳かわいいけど、今日はマルスが気になりすぎて…

はぁ…

 

そろそろ出発したかな。

 

「おはようございます。ご主人様。」

 

「おはよう。体は、大丈夫か?」

 

「はふぅ///」

 

カノンの顔が赤い。

昨日の事、思い出しているのかな。

 

「もしかして、昨日の事、思い出したの?」

 

「そそそそんなここことは。」

 

カノンは従順だなぁ。

なんか、申し訳なくなってきた。

 

しかーし。

俺はやめない。だって、カノンをイジるの面白いから。

 

「また、昨日みたいな事したい?」

 

「ひゃっ。そそそそんな事は。」

 

「じゃあ、したくない?」

 

「…ですぅ。」

 

「なに?

よく聞こえないよ?」

 

「してもらいたいです!」

 

「よく言えました。」

 

真っ赤になってるカノンに優しいキスを落とす。

 

 

その頃、マルスは。

 

初心者の塔。二階層。

 

敵は、ギャーモリ。

 

三人で協力して倒していく。

 

ギャーモリは、超音波による状態異常攻撃が厄介だ。

超音波攻撃をくらう前に倒せば問題ない。

 

ご主人様は、どうやって戦ったんだろう。

これからは、ソーマさんの戦いをもっと見て学ばないと。

 

それにしても、群れで出てくるはずのギャーモリの数が少ない。

 

最近誰かが、このダンジョンに入ったんだろうか。

 

ラッキーだと思うしかないか。

おかげで楽に進めているから。

 

前方に、貴族の一行を発見。

僕達以外の五人で敵を倒している。

 

でも、慣れていないのか、みんなボロボロだ。

 

「大丈夫ですか。薬草がありますからHPを回復してください。」

 

僕は、五人に薬草を渡した。

 

「こんな物を貴族である僕に飲めと言うのかでし。」

 

「ですがスクウィーク様。ここは飲んでおいた方がいいかと。」

 

「うるさい。この高貴な身分の僕に薬草なんて必要な訳がないでし。」

 

「しかし、スクウィーク様。」

 

「黙るでし。」

 

貴族のスクウィーク以外は薬草でHPを回復した。

 

「ありがとう。」

 

「助かったよ。」

 

「奴隷に礼など言わなくていいでし。」

 

「なんだよ。あいつら。」

 

サーフはとても、不機嫌そうだ。

 

サーフは、実力もないのに偉そうにする奴が大嫌いだ。

だから、冒険者になりたいのだ。

 

そして、冒険者になるために初心者の塔に来たのに。

 

なぜ、ここに来てまで貴族が偉そうな顔をするのか。

 

「すいません。大丈夫ですから。」

 

「まただよ。お前は、すぐに謝る。そんな必要ないのにだ。」

 

「僕は、弱くて、誰も買ってくれなかった。そんな僕を冒険に連れて行ってくれると言ってくれた。実際に連れて行ってくれた、ソーマさんの役に立ちたいだけですから。」

 

クリスタはマルスを黙って見ていた。

 

「お前が、いいって言うならいいけどよ。それじゃあお前の、ご主人の話を聞かせてくれよ。冒険者なんだろ?」

 

マルスは、ソーマのことをサーフに話した。出会いの事、自分が誰にも買って貰えなかった事。いろいろ話した。

 

貴族の一行は、先に行ってしまった。

 

「そうか。お前の、ご主人はすげえ人なんだな。この、初心者の塔を突破したら俺も会ってみたくなったよ。」

 

「ありがとうございます。帰ったら話してみます。」

 

「クリスタも一緒にどうだ?」

 

「すみません。私は、奴隷ですので。ご主人様のお許しがないと行けません。」

 

「じゃあ頼んでみればいいじゃないか。」

 

「おそらく、無理だと思います。帰った当分は、ご主人様に魔法をお見せすることになると思います。

そして、ご主人様が魔法に飽きられましたら、家のお仕事に戻ります。」

 

クリスタは、悲しい顔で話していた。

 

「クリスタは、冒険が楽しくない?」

 

僕は、直感的に思った。

クリスタは、今すごく楽しそうだ。

冒険に憧れているのではないか。

 

「そんな事言っても無駄ですから。」

 

悲しそうな顔だ。

僕は、なにも出来ないのだろうか。

 

ソーマさんならどうするんだろう。

ソーマさんなら…。

 

「まっ、とりあえず、今はこのダンジョン突破を目指そうぜ。」

 

サーフが言った。

 

「はい。頑張りましょう。」

 

僕達、三人は、初心者の塔。二階層を進む。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。