朝起きた。マルスの部屋に行く。
マルスは、すでに起きていた。
まずは相手の家の事をマルスに聞いた。
その前に、この世界の国を簡単に説明してもらった。
まず、このサナステギア王国は、アトラ大陸の南西部にある国としては比較的小さい部類になる。
アトラ大陸の東は、ドールド海峡をはさんでサナン大陸、東南に、シルムンド大陸。
西は、カダンマ海の向こうにカトリス大陸。北西に、ガスターヌ大陸の5つの大陸がある。
一つの大陸の中に、国は十以上は、あるらしい。
この世界は、話を聞く限り、地球よりもかなり大きい星なのではないかと思い。
サナステギア王国の貴族は、王都、スナソン、ハロムの3つの街にいるらしい。
シェッヘンシブ家は、スナソンにいる貴族らしい。
スナソンには、もう一つの貴族がいるらしい。
それは、ロマールド家。
そう、ロマールド・スクウィーク。
マルスと初心者の塔に行った貴族の家だ。
「だいたい分かった。その貴族に手を出すとどうなるんだ?」
「貴族相手ですと、国が動くかもしれません。この街のギルドマスターの家も王都にある貴族の家らしいのですが。先にギルドマスターが動くことも考えなければいけません。」
「こりゃ、下手すると、一騒動起こるかもな。」
「すいません。」
「お前が、謝る必要なんてない。
話を聞くに、お前はその女に惚れたんだろ?」
「そそそんなここことは。」
「まーいいか。まずは、その家に行ってみようか。」
「分かりました。」
俺はカノンを起こして、シェッヘンシブ家に行くことを告げ支度を始めた。
シェッヘンシブ家についた。
貴族らしい大きな家だ。
家の前に、大きな門があり、門番に二人、騎士っぽいのがいる。
「あの、ここの家のノマーニさんに話があるんですが。」
「身分証の提示をお願いします。」
なかなか丁寧な門兵だな。
俺は、ギルドカードを出した。
「冒険者がノマーニ様に何の用だ?」
いきなり態度が変わった。
ちょっとめんどくさくなるかも。
「ノマーニさんが、保有している奴隷のクリスタって子に用があるんだけど。ここを通して貰えませんか。」
「許可が降りていない。ここを通す訳にはいかない。立ち去るがいい。」
「そうは、いかないんですよね。」
門兵は、剣を抜いた。
「ならば、力ずくで消えてもらう。」
「やっぱこうなっちゃうか。」
門兵が斬りかかってくる。
俺が、[転移]で飛ぼうとした瞬間。
騎士が吹き飛んでいた。
マルスが盾で剣を受け、そのまま力で、押しきり門兵を飛ばしたのだ。
「マルス、とうとうやっちゃったな。」
「ソーマを守れる様になりたかったんです。」
「何事だ!」
家の中からどんどん人が出てくる。
「二人とも、殺しちゃダメだからね。」
カノンが、[サンダーボルト]を使った。
「カノン!」
「大丈夫です。ソーマさん、威力は下げてありますから。痺れてるだけです。」
「そうか。それなら良かった。」
本当に、ほっとした。ここで人を殺してしまったら、クリスタを貰うどころかこの街に住めなくなるところだった。
「何事だ?」
他の人達とは違い、スーツっぽい服を着たぽっちゃり体型の男が出てきた。
この人が?
「ノマーニ・シェッヘンシブさんに会いにきました。」
「ほう。息子に用があると?
それは、どういった要件ですかな。」
「息子…
って事はあなたが現シェッヘンシブ家の当主の方ですか。」
「いかにも。私が、シェッヘンシブ家当主、ルマーニ・シェッヘンシブだ。」
「なるほど。お騒がせして申し訳ありません。用があるのは、こちらのマルスです。」
「マルスと申します。あなたの息子、ノマーニ・シェッヘンシブさんの奴隷のクリスタを冒険に誘いにきました。」
「何事だ貴様ら。ここが、シェッヘンシブ家だと知っての無礼か。」
10歳くらいの男の子が出てきた。
こいつも、スーツっぽい服を着ている。
この生意気な感じ、こいつがノマーニ・シェッヘンシブなんだろう。
「すいません。あなた達に話があると言ったのですが、襲われてしまったので仕方なく動きを止めさせてもらいました。大丈夫です。一人も死んでないと思うので。」
「ここでは、なんですから。どうぞ屋敷の中で話をしましょう。」
「父様なぜですか。こんな野蛮な者達を屋敷になど。」
「馬鹿者。いいから、ついてこい。」
二人は、屋敷の中へ行ってしまった。
「よし。俺達も行くか。」
俺達、三人も屋敷の中へと向かった。
屋敷の中は綺麗だった。今、俺達がいるところが応接室なのだろう。
綺麗な形の長椅子で、フカフカだ。
俺達がいつも使っているベットよりもフカフカだ。
「先ほどは、部下の者達が失礼をいたしました。ですが、あの者達も仕事ですので大目に見てやってもらえないでしょうか?」
「いえ、こちらこそ。いきなりで失礼でした。申し訳ございません。それで、本題に入りたいのですが。」
「奴隷の、クリスタの事ですね。今お呼びします。」
ルマーニさんは、パチっと指を鳴らし使用人を呼びクリスタを呼びに行かせた。
「クリスタを買いたいとの事でよろしいのでしょうか?」
「出来ることなら、そうして頂けるとありがたいのですが。」
「あなたは冒険者なのですよね?」
「はい。そうですが。」
「では、クリスタと交換である物を取ってきて頂きたいのですが。」
「それは、なんですか。」
「竜の爪です。ここから、南に行った所に火山があります。その火山のふもとにあるダンジョンの最下層に火竜がいると言われています。」
「なぜ、竜の爪が必要なんですか?」
「私には、子供が二人おりまして、一人は先程のノマール、もう一人その姉のノエルです。ノエルは、今、体調を崩しおりまして。しかし、原因がわからないのです。竜の爪は、万能薬になると聞いた事があります。ですから竜の爪が欲しいのです。」
「ノエルさんは、昔から体調が悪かったのですか?」
「いえ、昔は元気に外で遊ぶ様な子だったのですが。」
「昔、元気だったのなら治せるかもしれません。ノエルさんの所に連れて行ってください。」
「治せるのですか?」
「やってみないと、わかりません。」
ルマーニさんは、少し悩んでいたが決断したようだ。
「分かりました。ご案内します。」
俺は、ルマーニさんと、使用人の女の人二人と違う部屋にいった。
ベットに、寝ている女の人。
この人がノエルさんか。
ピンクの長い髪に白い肌。
おそらく、もう長いことベットに居るんだろうと思うほど肌が白い。
「手を、触らせて貰っていいですか。」
ルマーニさんは、黙って頷く。
俺は、ノエルさんの手を触り[再生]。
すると、ノエルさんの顔色がどんどん良くなる。
そして。
ノエルさんが、目を覚ました。
「お父様?」
「おお、ノエル!
目を覚ましたんだね。体は大丈夫かい?」
「そういえば、体!
なんとも、ありません。凄く良い気分です。」
ノエルさんがベットから立ち上がる。
「ああ。良かった。本当に良かった。」
気付くとルマーニさんはノエルさんを抱きしめていた。
「良かったですね。じゃあ、クリスタは貰っていってよろしいのでしょうか?」
「もちろんですとも。
さぁ、ノエル、お前を助けてくれた人だよ。お礼を言って。」
「この度は、ありがとうございました。お名前を伺ってもよろしいのでしょうか?」
「ソーマと言います。僕は、冒険者なのでそんなにかしこまらなくても大丈夫ですよ。それでは、これで失礼します。」
「ソーマさん。本当にありがとうございます。」
ルマーニさんも、ノエルさんも深々と頭を下げた。
そして、俺は、カノンとマルスの待つ部屋へ戻る。
「ソーマさん、どうでしたか?」
マルスが心配そうに聞いてくる。
「ああ。うまくいったよ。もうすぐクリスタを貰えるはずだ。」
二人とも、嬉しそうだ。
そこに、ノマーニが来た。
「クリスタを連れて行くだと?
ふざけるな。あれは、僕の奴隷だぞ。衛兵出ろ。この無礼者を殺してしまえ。」