俺は、シェッヘンシブ家に来ている。
「ソーマ様。お越しいただいてありがとうございます。」
「ノエルさん、堅苦しいのは無しにしませんか?」
「あなたは、冒険者でしたわね。」
今夜は食事会。
テーブルの上には、ご馳走がたくさん。
白いごはんがないのが残念ですが、今まで食べてきたものとはぜんぜん違う。
これが、貴族なのか。
「今夜は特別豪勢です。娘の完治とその恩人んソーマさんに乾杯。」
テーブルには、ルマーニとその奥さんのノエホ、ノエルにノマーニと俺が囲んでいる。
「初めまして。ルマーニの妻ノエホでぼざいます。本日は」
「堅苦しいのは、無しにしましょう。今日は、娘さんの退院祝いですから。」
「タイインですか?」
「すいません。俺の故郷の言葉で病気が直ったことを指す言葉です。」
厳密には、違うと思うがまあいい。
というか、通じない言葉もあるんだな。初めて知ったぞ。
「しかし、ソーマさんは一体なにをされたのですか?」
「魔法ですよ。大したことじゃありませんよ。」
「なるほど。しかし、あの様な魔法は、聞いた事がありませんぞ。」
ルマーニとノエホは、驚いている。
「お前、本当に冒険者なのか?」
「こら、ノマーニ。ソーマ様に失礼でしょ。」
「大丈夫ですよ、気にしませんから。俺は、約束を破られたり、家族に、手を出させる事以外は、あまり気にならないので。」
「ありがとうございます。」
「家族といいますと、今日おられた方々ですか?」
ノエルが尋ねてくる。
「俺には、本当の家族がいません。だから、今では彼等が家族なのです。」
「複雑な事情があるのですね?」
「大した事はありませんよ。お気になさらずに。」
そして、食事会はそれなりに楽しく過ごせた。
「ソーマ様。私は、まだしっかりと歩けませぬ。だいぶ筋肉が落ちてしまった様で、だからソーマ様には、冒険の話をたくさん聞きたいのです。」
ノエルが頼んでくる。
子犬の様だ。
気が付いてみれば、ノエルはずっと子犬の様だ。
そして、俺はそんな頼みに弱い。
しかも、ノエルは綺麗だ。
ますます断れない。
「では、実際に少し外へ出てみましょうか。」
「ですが、お父様がお許しになるとは思えません。」
「内緒で、ですよ。どうします?」
「是非よろしくお願いします。」
「では、手を出して貰っていいですか?」
ノエルは手を出した。
俺はその手を掴んで、[転移]。
ここは、森の入り口。
「すごい。これが、森なのですね。」
「森に来るのは初めてですか?」
「初めてです。森は危険だから行ってはいけないと言われておりましたので。」
「そうですね。確かに危険です。なので、そろそろ。」
俺はまた、[転移]で今度はシェッヘンシブ家の屋敷の屋根の上のに。
「到着したした。あなたのお家です。」
「ソーマ様は、私を治すだけでなく、こんな事もできるのですね。」
「喜んで貰えたのならよかった。
屋根の上で横になって、星を見るのもなかなかですよ。」
「屋根の上で星を見るのは初めてです。今日は、たくさんの初めてを体験できました。ありがとうございます。」
「それはよかった。ですが、家を抜け出した事は二人だけの秘密でお願いしますね。」
「二人だけの秘密。はぅぅ。」
俺は、ノエルがときめいている事に気付いていなかった。
「では、俺はそろそろ。」
俺は、腕をノエルにしっかりと掴まれて
「また、来てくれますよね?」
上目遣いで尋ねられる。
「約束は出来ません。俺は、冒険者。いつ死んでもおかしくないのです。ですが、俺が生きている間に、たまになら来られると思います。
また二人だけの秘密を楽しみに。」
負けた。俺は、負けたのだ。
子犬の様な彼女に。上目遣いの彼女に。
俺は、[転移]で彼女を部屋に連れて行きお別れをした。
彼女が寂しそうにしていたのにも気付かずに。
そして、俺は屋敷を出ようとした時。
「本日はありがとうございました。娘がとても楽しそうにしておりました。これも、ソーマさんのおかげ。」
「いえ、俺はなにもしてませんよ。」
「また、いらしてくださいね。娘もきっと喜びます。」
「また、機会がありましたら。では、失礼します。」
俺は、屋敷を後にした。
宿に、帰るとカノンは部屋にいなかった。
マルスとクリスタと居た。
カノンも仲良くなってるな。
良かった良かった。
「あっ、おかえりなさいませ。ソーマさん。」
三人が迎えてくれる。
「ただいま。」
三人と、今後のことを話た。
火竜のダンジョンに行こうと思っていること。
三人は、快くこれを了承してくれた。
次の目標は火竜のダンジョン。
炎の、ドラゴンだ。
そして、クリスタの魔法も確認。
風の魔法だ。
そして、弓。
今までにはないタイプだ。
明日から、どうやって連携するか。
考えるのも楽しい。
そして、いろいろ考えてながら俺は気付いたら眠っていた。